ロボットは子どもを教育できるか、他者への「優しさ」促す NTT研究

NTTは5歳の子どもがロボットとのふれあいを経験すると、そのロボットの前では他人に優しく振る舞うことを確認した。自分がロボットに見られていると意識することが、利他的な行動につながったとみられる。ロボットが子どもの教育に役立つ可能性がある。
約110人の子どもを4つのグループに分けて実験した。1組目は人間と対話するロボットとふれあい、2組目は一方的に話をするロボットと交流した。さらに3組目は静止して動かないロボットと対面させた。4組目にはいずれのロボットも見せなかった。
その後、全員にシールを10枚ずつ与え、ロボットの前で自分と他の子どもに分配するように指示した。すると2〜4組目では他の子どもに平均で3枚強しか配らなかったが、1組目の子どもは同5枚弱を渡した。
研究に携わるNTTの研究員は、「子どもが人間の前でいい子になることは知られていた。それと同じように、人間と対話するロボットの前でも利他的に行動する」と説明する。
研究チームは子どもがこのような行動を示す理由について、対話するロボットが心を持つ存在だと捉えているからだと考えている。実験後のアンケートによれば、ロボットが幸せや悲しみを感じると考える子どもが多くいた。
NTTのコミュニケーション科学基礎研究所は、ロボットを教育係とした幼児教育の研究などを進めるという。