介護12業界団体「事業者も働き手もいなくなる」 経営へ財政支援訴え

介護分野の計12の業界団体は12日、都内で共同記者会見を開き、補正予算や介護報酬の改定による財政的な支援の必要性を訴えた。介護業界では介護報酬が十分増えずに経営難に陥る事業者が増えている。全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は「このままでは事業者も働き手もいなくなる」と危機感を示し、サポートを求めた。
12団体はほかに、全国介護事業者連盟や日本在宅介護協会など。介護団体の共同調査によると2025年春の介護業界の賃上げ率は2.58%と、全産業平均の5.25%や最低賃金引き上げ率の6.3%に届いていない。
主な収入源である介護報酬は公定価格のため近年の物価上昇の影響を転嫁できず、賃上げ原資の確保が難しい。高市早苗首相は介護業界の経営や処遇の改善に前向きな姿勢を示している。
従業員の処遇を改善する賃金の加算制度はあるが対象を限定している。12団体はリハビリテーション専門職や介護支援専門員など、介護現場の全職種を加算の対象にすべきだと指摘した。他産業との賃金格差是正のため、2025年度補正予算の措置や26年度の臨時の報酬改定が必要だと訴えた。こうした財政的な支援なしには他産業並みの賃上げは実現不可能だとも言及した。













