ニトリが葛飾北斎肉筆画を落札、史上最高の6億円 小樽市で展示へ

江戸後期の浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849年)の肉筆画「雪中美人図」が、東京都内で開かれたオークションで6億2100万円(手数料込み)で落札されたことが11日、オークション会社への取材で分かった。落札者は家具・日用品販売大手のニトリ(札幌市・似鳥昭雄会長)で、北斎作品の落札額としては史上最高額だという。
オークションは「東西ニューアート」(東京・中央)が8日開催。作品は似鳥文化財団が運営する小樽芸術村・浮世絵美術館(北海道小樽市)に収蔵され、今後展示される予定という。
吉原の花魁(おいらん)と思われる女性が雪の中にたたずむ姿を描いた作品で、北斎が代表作「富嶽三十六景」を制作する前の、「戴斗(たいと)」と名乗っていた1813〜19年ごろの作品とされる。着物は「富嶽三十六景」に使われた青を連想させる深い青色で、舞い散る雪が繊細な筆致で描かれている。上部には、狂歌で知られる文人・大田南畝(蜀山人)の賛が記されている。
戦前に重要美術品に認定され、入札会に出品された記録があるという。
東西ニューアートによると、これまでの北斎作品の最高落札額は昨年ニューヨークで落札された「富嶽三十六景」で約5億円。〔共同〕








