積まれたカキ殻は宝の山 国際会議でも質問攻めの「ケアシェル」とは

うずたかく積まれたカキ殻を前にケアシェルを手にする山口慶子さん=三重県鳥羽市浦村町で2025年11月5日午前11時59分、下村恵美撮影
うずたかく積まれたカキ殻を前にケアシェルを手にする山口慶子さん=三重県鳥羽市浦村町で2025年11月5日午前11時59分、下村恵美撮影

 年間1万5000トンものカキ殻が排出されているという三重県鳥羽市浦村町。約20年前に開発された、このカキ殻の粉末を粒状に固めた「ケアシェル」が今、国内外から注目されている。アサリ養殖から、水槽ろ過やおしゃれなタイルにまで用途を広げ、海の循環や環境に寄与するサステナブル(持続可能な)商品として価値が高まっている。

アサリが早く大きく成長

 取り扱うのは、開発者の山口恵(めぐむ)代表(75)と山口慶子取締役(45)の父娘が経営する商品名と同じ社名の同市松尾町の会社。

 鳥羽市の中でもカキ養殖の産地である浦村町では、カキ殻が一般廃棄物として大量に排出される。25年前、カキ殻を粉砕する加工センターの開設に関わった恵さんは「海で育まれたものを固めて海へ帰せないか」と考えた。2002年に起業し、大学の協力も得て、カキ殻粉末と、海水に含まれる水酸化マグネシウムを混ぜて水を加えるだけで粒状に固めることに成功した。

 さらにケアシェルの可能性を追求するため、国の研究機関と減少し続けるアサリの養殖実験を始めた。ケアシェルと砂利を網袋に入れて浜辺に敷設すると、天然アサリが…

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