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はてなキーワード: 洋館とは

2025-11-26

魔術的リアリズム習作

 それほど高くない生垣を覗くように見ていると、チェック柄のワンピースの服が見えた。さらに屈んで、視線を上へずらすと、栗毛少女の姿が見えた。なにか、こちらを見られたら困ると思い、私は顔を上げるのだが、真正面にはその彼女がいるのだった。少女は、私のことみてた? と聞いた、コロン香りがした。思わず、みてない、といいかけた、私は「みてしまった」とはっきり言った。少女は「みてしまったのね」と言った気がする。私は何か間違った事を言ったのだろうか。泉に縁に座り、彼女

「じゃあ、なにをみてしまったの?」

 と言った。私は「君の事を」と言った。それは、私のこと? それとも、〈私の物語〉のこと? と泉に手を浸し言った。

「君の物語?」

「私には〈私の物語〉があるの」

「それは、どういう物語?」

「例えば、老人が私に献身てきに接してくれる話。ちょうど君くらいの歳の男の子が、私に恋してしまう話。眠れず、夜にあの家から出てこの噴水の細波に〈物語〉を見てしまう〈私の物語〉」

「それは、全て君が主人公?」

「考えたこと無かった、けれど、私は一度も作者として〈私の物語〉を動かしたことはない、とは言えるよ」

 陽差しの照り返しで、少女は目元に手のひらをかざした、私は光のほうをみて、そうだな、と思い、

「僕も、もしかしたら〈僕の物語〉を持っているかもしれない」

 そう言った。敷石の影に彼女の腕を見、その向こうには、少し薄暗く感じる家屋があった。私の家はここよりも少し離れた所にあるけれど、ここは登校が嫌な時に、よく暇を潰すため寄る所。その(良い言い方ではないが)鬱蒼とした家は、気にはなっていたものの、余所の家という感じが更に強調されて思う場所

 確かに、どこか惹かれるところはあったのかもしれない。洋館然とした場所には、惹かれていたのかもしれない。私は見上げ、

「おうちの中はどうなってるの? ピアノとかがあるの?」

 彼女質問する。陽が、雲に隠れた。静かに少女の返答を待った。泉には何かうようよしたものが見えた。そうか、秋か。これは木の葉だった。彼女は泉に腕を浸してかき回すと、木の葉が、一つ、それから複数に、その白い体軀から沈み落ちるよう、柔らかく青みを帯びてきた。水のそれぞれが氷ではなく落ち着いて回り淀みそれが静止しているように感じた。白い腕は次第に膨らみ、いや、すらりと長くなっているように感じ、私は彼女視線を向けると、少女の表情をした、大人の女性が見えた。服装もチェック柄のワンピースから、まるでジプシーのようなポンチョを着て、その視線に気づいたかのように、くる、くる、と回り、私の方へ向き直った。驚いたわけではない。私は確かにその全てを見つめていながらも、彼女連続性のかけらは私に遷移しているか自分の手のひらを見つめていても、鍵盤いちオクターブおさえられなさそう、皮膚がぴんとした相変わらずの手のひらが、私の一部だった。

ピアノはあるよ。グランドピアノ女中調律師だから、それで直してくれてる、君はピアノは弾けるの?」

「拙いけれど、モーツァルトハイドンなら、数曲」

「へえ。私はどんな作曲家が好きだと思う?」

 そうですね……

ラフマニノフ、や、ショスタコーヴィチ……ラインベルガー、ベルク、直感ですが、そう思いました」

 生垣から香る蝶々の不確かな動きが、この発言を一層、強固な意見のように感じさせた。それで、リゲティと言いかけるのに瞼を開いた、私は彼女目線に覗きこまれていた、その頬は、私には、美しく思えた。触れると、彼女は微笑んだ、

「そんなことして」

 と言われるものの、私はこのとき触れることが、自分道徳に反していないどころか、決然として確かなものに思われ、彼女が私の腕をつかむと、先まで浸していた水の冷たさを、私の腕が、ただそこにあるというだけで彼女を暖め、ゆるやかに、その、たなごころをゆっくりと溶かしていることを、なにも、私と彼女を隔てる無根拠道徳侵犯していないことは、明らかだった。

2025-11-03

[]11月3日

ご飯

朝:カシューナッツ。昼:マクド(フィレオフィッシュポテトコーラハンバーガー二つ)。夜:人参白菜キノコスープキュウリ。ギョニソ。焼きうどん目玉焼きバナナヨーグルト。間食:ピザポテトチョコ

調子

むきゅーはややー。お仕事おやすみ

ぼーっとしてた。

ポケットモンスターダイヤ(ゴーストタイプポケモンの旅2周目)

少し休止してたので何するか忘れてた。

洋館、ギンガ団ビルサイクリングロードミルイベントをこなした。

少しレベルが足りず苦戦している。

シャドウバースWB

ベリアルで箱開け。

週刊少年ジャンプ2025年11月3日発売の感想

・オテル

サウナ回。

ムチムチの肉体美が沢山読めて100点。

・隣の小福川(新連載)

やる気は無いけど最強系主人公お話かしら。

最初から強い系主人公は沢山いるけど、日常生活のための魔法を工夫して戦う要素も少しはありそうで、理屈段取りが好きなのでちょっと楽しみ。

ゴンロン

奴隷人間を助けるエピソード

被虐エロスを感じる濃いシーンが多く、ねっとりしているなあ。

2025-09-14

僕はバイオハザードってゲームが嫌いだ

小学校とき先生に知能に障害がある子のうちに遊びに行かされた。

彼は脇目もふらずにバイオハザードをやっていた。

正直、「こいつでもこんな難しいゲームがわかるんだなあ」と思った。

だが三十分ほど彼のプレイを見ていて、背筋が冷たくなるような悲しいことに気が付いた。

彼がやっているのは、洋館玄関ホール最初廊下をぐるぐる回り、ゾンビナイフで切り刻む、それだけだった。

弾丸は一度も使わず、鍵を拾っても扉を開けず、イベントも進めない。

ただゾンビの呻き声を聞きながら、延々と同じゾンビを倒しては部屋を出入りし、また蘇ったゾンビを切り刻む。

キャラクターの顔は画面の隅で血まみれになり、息も絶え絶えなのに、彼は回復させようともしなかった。

その姿は、まるで「生き延びる」という目的を忘れ、ゾンビと共に腐り落ちていくことだけを楽しんでいるように見えた。

そして彼は笑っていた。

楽しそうに、ほんとうに楽しそうに、何度も何度もゾンビを切り裂いていた。

僕はたまらなくなり、先に進めてやろうとコントローラーに手を伸ばした。

すると彼は、獣のような声で凄まじく怒鳴った。

言葉にならない咆哮だった。

その瞬間、僕は彼自身ゾンビに見えた。

母親は慌てて「ごめんなさいね、○○ちゃんバイオハザードが大好きなのよ」と謝った。

けれどその声も遠く、僕の耳にはまだあの呻き声とナイフの擦れる音だけが残っていた。

彼はバイオハザードしか持っていなかった。

僕はそれ以来、ゲームをやらなくなった。

コントローラーを握ると、あの不気味な笑顔ゾンビの呻き声が蘇る。

友達が楽しそうにゲームをしていても、僕はただ背中を見るだけだった。

その時間は、墓場で死者と一緒に座っているように虚しかった。

やがて僕はゲームのものを憎むようになった。

真夜中に目を覚まし、「こんなものはこの世から消えてほしい」と心の底から願った。

ソフトを彼に全部押しつけ、本体を捨てようとしたが、兄に怒られ叶わなかった。

一人暮らしをしている今でもゲームは置いていない。

今も時々、彼と、永遠にから脱出することなく、ナイフゾンビを切り刻み続けたクリスの姿を思い出す。

その記憶腐臭のように、僕の胸をいつまでも離れない。

2025-08-23

「まるでジブリ世界」多過ぎ

可愛いカフェ⇨まるでジブリ世界

可愛いパン屋⇨まるでジブリ世界

海軍要塞⇨まるでジブリ世界

奥まったディープ自然⇨まるでジブリ世界

遊歩道公園などライト自然⇨まるでジブリ世界

温泉旅館⇨まるでジブリ世界

洋館⇨まるでジブリ世界

海⇨まるでジブリ世界

ヨーロッパ風町並み⇨まるでジブリ世界

幅広く使われすぎてて、インスタで1日10回くらいはまるでジブリ世界って言葉を見てる気がする。

2025-07-14

マッサンまさか大阪降臨!?日本ウイスキーの父が甘美なワインパフェに挑む~

時は令和、空前の「レトロモダンブームが最高潮!昔懐かしの喫茶店メニュー進化したり、大正ロマン雰囲気SNSでバズったりしてた20XX年。そんな中、大阪梅田のど真ん中に、マジで浮世離れした紳士が現れたんだってちょっと古めかしい洋服に、なんかこう、真面目で情熱的なオーラをまとったお方。「え?外国人観光客歴史ドラマの人?」ってみんなが遠巻きにしながらも、その圧倒的な存在感に目を奪われてたらしい。

「わたくしは…亀山政春と申します!」

え?マジであの日本のウイスキーの父で、通称マッサン」って呼ばれてる、亀山政春様!?ゲキヤバ!って歴史好きのギャルたちがスマホで速攻ググり始めた瞬間、その超絶真面目なお方、もといマッサンは、あたりをキョロキョロしながら呟いた。「ここは…スコットランドではない、か…?ずいぶんと賑やかで、活気にあふれた場所ですな。」って、マジで時代錯誤ハンパない!「マジありえん!」ってみんな心の中でツッコミつつも、その真っ直ぐな眼差しに、何か揺るぎない信念を感じてたらしい。

そんなマッサンに、恐る恐る話しかけたのは、大阪出身で食べることが大好きな、お人好しギャル、アヤノ。「あの…もしよかったら、何かお困りですか?」「…うむ、少々。見慣れぬものばかりで、いささか戸惑っておる。」って、意外と丁寧な言葉遣い!アヤノ、その真面目そうな雰囲気ちょっとキュンとしつつ、「アタシ、アヤノ!大阪ことなら、何でも聞いて!マッサンマジでいから、アタシが案内してあげてもいいよ!」って、キラキラ笑顔で声をかけたんだって

次の日、アヤノに連れられて、マッサンは初めて現代大阪体験道頓堀とか、USJとか、マジで全てが新鮮!でもね、マッサンが一番興味を示したのは、デパート食品売り場で、ちょっとレトロパッケージボトルが並んでたもの。「…この、赤くて甘い酒は、何というものでございますか?ずいぶんと懐かしい香りがするな。」って、マジ真剣眼差し。アヤノ、まさかのチョイスに驚きつつ、「あ~、これ、赤玉ポートワインですよ!昔からある、日本ワイン!昔はめっちゃ流行ったらしいですよ!」って教えてあげたんだって

マッサン一口飲んでみたら…「な、なんなのだ、この甘美な味わいは!?舌に広がる芳醇な香りしかし、その奥に潜むかすかな苦み…まるで、わがウイスキー造りの道のり、そして妻エリーとの愛のようである!これこそ、余が求める、真の飲み物よ!」って、マジでウイスキー職人っぽい表現で感動してたらしいよ。

そこからマッサン赤玉ポートワイン愛がマジで爆発!毎日色んな酒屋やバーを巡って、赤玉ポートワインを飲み比べまくってたんだって。「年代ごとの味わい、甘さのバランス琥珀色の美しさ…研究しがいがありすぎる!」って、もはや赤玉ポートワインマイスターレベル

でね、ある日、マッサンマジで下取りの野望を語り出したの。「我は、この赤玉ポートワインをもって、再び天下を…とは言わぬが、この甘味世界において、人々が心から感動し、笑顔になれる、至高のパフェ創造してみせようぞ!これこそ、余が目指す、『日本パフェ』よ!」って!

え?赤玉ポートワインパフェ天下統一しかも「日本パフェ」って!マジで壮大すぎる!でも、マッサンの「日本の酒造りを世界に」っていう情熱があれば、きっと何か成し遂げるに違いない!ってアヤノも思ったらしいんだけど、マッサンの目はマジだったんだってウイスキー造りの魂が、令和の赤玉ポートワインパフェに新たな戦場見出したのかもね!

そっからマッサン赤玉ポートワインパフェ天下統一計画スタート!まずは、SNSで「#マッサンの赤玉革命」ってハッシュタグ作って、毎日自作の超絶エモくて美しいパフェ画像をアップし始めたんだって。そのノスタルジックだけど斬新な見た目と、マッサンの真面目すぎるコメントが、一部のレトロ好きギャルや、お酒好き、そして日本の伝統を愛する人々の中でじわじわバズり始めた!

マッサンが作る赤玉ポートワインパフェマジで気になる!」

ウイスキーの父が作るスイーツとか、絶対こだわり強そう!」

赤玉ポートワインパフェって、意外とアリかも…?」

SNSマッサン赤玉ポートワイン愛でじわじわ盛り上がり!しかも、マッサン、ただ作るだけじゃなくて、赤玉ポートワインに合う最高のフルーツや、クリーム、そして日本の伝統的な食材を探し求めたり、甘さと酸味、そしてワイン香りの「絶妙ハーモニー」を追求したり、マジでストイック!「天下の赤玉ポートワインパフェ」を目指して、日々試行錯誤を繰り返してたんだって

で、ついに!マッサンは、大阪心斎橋に、自分プロデュースする赤玉ポートワインパフェ専門店「NIKKA PARFAIT - 情熱の味 - 」をオープンさせちゃったの!お店の内装も、明治大正時代洋館イメージした、レトロで温かみのあるデザインで、マッサン情熱日本文化表現店員さんも、当時風のモダン制服着てて、マジでエモい

オープン初日からレトロ好きギャルや、お酒好きのインフルエンサー、そして日本洋酒文化に興味を持つ人々まで、行列を作って押し寄せた!「SNS話題赤玉ポートワインパフェマジで挑戦してみたい!」「マッサンって、なんかカリスマ!」って、新しいファンが続々!でね、一口食べたら、みんなその奥深い味わいにハマっちゃうらしい。「うわっ、最初ビビったけど、甘いのにワイン香り大人っぽい!」「フルーツワインゼリーマジで合う!」「マッサンマジで神!」って、賛否両論ありつつも、リピーターが続出!口コミが広まりまくって、NIKKA PARFAIT - 情熱の味 - はあっという間に人気店になっちゃったの!

しかもね、マッサン、ただお店やってるだけじゃないんだよ!定期的に店内で、自らパフェの「物語」について熱弁したり、赤玉ポートワイン歴史を語る「夜のパフェ会」を開催したり、マジで独自スタイルエンタメ業界を盛り上げようと奮闘してるんだって

テレビ雑誌取材殺到!「令和のマッサン」「赤玉ポートワインパフェの父」とか呼ばれて、マジで時の人!マッサンの強烈な個性と、赤玉ポートワインパフェの斬新な組み合わせが、新たなブームを巻き起こしたんだね!

でさ、最終的にどうなったかって?もちろん!マッサン赤玉ポートワインパフェは、全国のスイーツ好きに愛される定番メニューになったんだってお取り寄せスイーツとしても人気が出て、全国のコンビニスーパーでも「マッサン印の情熱パフェ」が発売されるほどに!まさに、赤玉ポートワインパフェスイーツ界に新たな旋風を巻き起こし、天下を獲った!マジですごすぎ!

あの時、大阪の街に静かに佇んでいた日本ウイスキーの父が、令和の時代赤玉ポートワインパフェで新たな道を切り開くなんて、マジで誰も想像してなかったよね!まさに、日本の酒造りの情熱が甘美なワインパフェに宿り、新たな伝説を創り出した瞬間!

アヤノも、「まさかマッサンが本当に赤玉ポートワインパフェでこんなに有名になるなんて!アタシ、マジで感動して泣いた!」って、号泣してたらしいよ。

マッサンは今も、さらなる赤玉ポートワインパフェ可能性を追求して、日本全国を旅しているらしい。「わが情熱の道に、終わりはない!」って、マジでストイック

こうして、亀山政春は、令和の日本で、赤玉ポートワインパフェという新たな武器を手に入れ、見事、スイーツ界で唯一無二の地位を築いた!天下統一…ではないかもしれないけど、その強烈な個性哲学は、多くの人々の心に深く刻まれたはず!めでたしめでたし…ってことで、マジでゾクゾクする衝撃的な物語完全燃焼したわ!赤玉ポートワインパフェ、マジ卍!

2025-06-21

[] オレは死ぬ

退路は断たれた。

地獄をともに渡ってきた相棒は、離れていった。

冷静に考えると、岸に上げてから鞍を切り離せばよかったのだ。

外した鞍は溶岩の中に落ちて消えた。

恐ろしい要塞は来客をこばむ。

糧食は少ない。

木材ばかりが余っていて、ろくに足場もない。

外壁を削って得たレンガは、黒騎士を止めるだけの数があるだろうか。

そして、ポテイト。

森の洋館で急ぎ助けた妖精は、途中、火をかぶりながらもここまで付き添ってくれた。

物資の回収に手を貸してくれるだろう。

装備も貧弱だが、鉄が少しあるから、盾は持てる。

だが、ポテイトを御せるか。

扉なんぞで。

まったく自信はない。

オレは今日、死にに行く。

ハードコア限定マインクラフトに入門してから、はや8日。

ワールドは48。

2025-03-30

anond:20250330180906

そら本格派は「近代ミステリー」であって「現代ミステリ」ではないからな

現代より情報スピードが遅く、司法科学捜査も発展してない時代古典ミステリ聖典とする以上、文化技術が発展してる都市部より遅れた未開の地方とか絶海の孤島とか人里離れた洋館みたいな制限がある舞台のほうが書きやすいもんだよ

2024-11-22

親戚の子お勧め推理小説

友達が、親戚の中学生の子(♀️)に推理小説プレゼントしたいが、どんなのをあげたらいいだろうか、と言っていたのでオタク特有おせっかい精神プレゼンした。プレゼンを見るのが数人だけというのは増田自己顕示欲我慢できなかったのでここに放流しておく。

米澤穂信氷菓』『春期限定いちごタルト事件

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆

それぞれ〈古典部シリーズと〈小市民シリーズ第一作。特に前者はもともとラノベっぽい感じで出てたので、中学生の子にも読みやすいと思う。すごくすごいオススメ。もしも未読ならこの機会に読もう(提案)。ただ、このレベルの有名作だと別に大人が買い与えずとも勝手に触れるだろうから、お前としてはもうちょいマニアック作品オススメに徹した方がいいという戦略的判断も成り立つので難しいところ(あげる意義が低いというのはそういう意味)。

青崎有吾『体育館殺人

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

裏染天馬シリーズ第一作。自堕落アニオタ高校生殺人事件の謎をロジカル解決していく作品で、親戚ちゃんクリスティ読んだならいけるはず。たぶん。読者への挑戦が挟まるタイプ作品です。既刊は長編3冊+短編集1冊で、人気はあるはずなんだが続きが出ないんだよな……

米澤穂信『本と鍵の季節』

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

図書委員シリーズ第一作。ビターな青春学園ミステリ。〈古典部〉や〈小市民〉と同じく日常の謎ものではあるんだけどもビターさは本作の方が上。親戚ちゃんBLの素質があるならハマれると思う。

似鳥鶏理由あって冬に出る』

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

1巻からリアタイで読んでたシリーズ(完結済み)の第一作。高校舞台にした学園ミステリで、何というか特徴的な文体叙述トリックに定評がある作家さんです。個人的には結構好きだが、割と人を選ぶ方だと思うので、親戚ちゃんにハマるかどうかは不明似鳥鶏、当たり外れが激しくてな……。

野村美月“文学少女”と死にたがりの道化

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆

文学少女シリーズ第一作。俺ら世代にとっては超懐かしいやつで、ここから往年の名作ラノベ沼に沈めよう(提案)。なお電子では普通に買えるんだが物理で手に入るかは不明

西尾維新クビキリサイクル

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

リアル中学生にこれ読ませるの、人生ねじまげ罪とか何かそんな感じの犯罪になるんじゃないだろうか。積極的ねじまげていきましょう(木亥火暴)。親戚ちゃん西尾維新語録で喋るようになったとき責任は負えません(予防線)。ま、戯言だけどね。

谷原秋桜子天使が開けた密室

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆

美波事件簿シリーズ第一作。もともとラノベレーベルから出てたので読みやすいと思う。アルバイトに明け暮れる女子高生主人公殺人事件かに遭遇して江戸っ子お嬢様という親友2人+ほのかに思いを寄せる口が悪い探偵役の男の子といっしょに事件に向き合っていくやつで、キャラ読みのポテンシャルは高い。既刊は3冊だけど、エタったのか打ち切りなのか……という感じ。

友桐夏『星を撃ち落とす』

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆

リリカル青春ミステリ中高生には刺さるのでは……と思うのだけれどこれはオッサン妄想かもしれん。同じ作者の『春待ちの姫君たち』も傑作なんだけど物理本だと手に入れにくいのよな~~~~~。

陸秋槎『雪が白いとき、かつそのときに限り』

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

華文ミステリの傑作。中国高校で起きた殺人事件女子高生ロジカル解決していく、タイトル通りの切なさに満ちた良い青春ミステリです。やっぱこのへんの(中学生にとっては)高くて買いづらいところを買い与えてミステリ沼にハマっていただくというのがですね……

津川辰海『紅蓮館の殺人

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

〈館四重奏シリーズ第一作。みんな大好き洋館クローズドサークルが次々と味わえてお得。『黄土館の殺人』は察しの悪いワイでも途中で「あっこの犯人と◯◯って△△なんだな」って気づけたんだけど探偵役がそこに気づかなかったのはちょっと「おい!w」となった。個人的には『蒼海館の殺人』がいちばん好き。

知念実希人天久鷹央の推理カルテ

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆

今度アニメ化するやつ。キャラが立ってる医療ミステリで面白いよ!

三上延ビブリア古書堂の事件手帖

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆

古本屋の女店主が古書にまつわる謎を解決していくやつで、面白いんだけどメインヒロインメガネ巨乳黒髪ロング人見知りという男の妄想を煮詰めた感じのキャラ(最高)なので親戚ちゃんに刺さるかどうかはわからないですね……ちな、いったん完結したけども、いまは主人公メインヒロインの娘が主人公の新シリーズが始まってます

有栖川有栖月光ゲーム

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

江神二郎シリーズ第一作。ここから『孤島パズル』『双頭の悪魔』『女王国の城』と続きます大学の新入生有栖川有栖(♂️)がサークルの先輩の江神二郎といっしょに巻き込まれ事件を解き明かしていくやつで、本格ミステリとしての完成度がめちゃめちゃ高い。このシリーズマジでオススメなので親戚ちゃん抜きにしても読んでほしい。『双頭の悪魔』が最高傑作です。

有栖川有栖『46番目の密室

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆

火村英生シリーズ第一作。この作品自体は(もちろん面白とはいえ)そこまで超傑作! ってわけじゃないんだけど、ここからはじまる火村シリーズ長編だけで12作、ほかに短編集いろいろ)は34歳の大学助教授火村英生とミステリ作家有栖川有栖(♂️)がタッグを組んで事件解決していく人気シリーズなので、ミステリ界の話題キャッチアップできるという意味でつよい。江神シリーズと違ってミステリとしての当たり外れは激しいんだけどキャラ読みできる度ではこっちの方が上です。親戚ちゃんBLの素質があるならハマれると思う。たしか角川ビーンズ文庫から新装版で出てたのでそっちをプレゼントするのもいいかも。ちな名探偵コナンとか金田一少年みたいに登場人物の年齢は変わってないけど時代背景が移り変わるやつな(江神シリーズの方は1990年頃で固定なんだけど)。

米澤穂信さよなら妖精』『折れた竜骨』『インシテミル』『犬はどこだ』

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

よねぽの長編だとこのへんが面白くてオススメです。ミステリとしての完成度は『折れた竜骨』がいちばん上なんだけど、リリカルさ・切なさでいうと『さよなら妖精』。『折れた竜骨』『インシテミル』『犬はどこだ』は単品だけど、『さよなら妖精』は〈ベルーフシリーズ(『王とサーカス』『真実10メートル手前』)の前日譚になってる(もちろん単体でもじゅうぶんに読めます)。『さよなら妖精』『折れた竜骨』はヨーロッパ歴史についての勉強にもなるよ!(学校の成績が良くなるとは言ってない)

綾辻行人十角館の殺人

面白入手の容易さ中学生向けあげる意義
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

日本ミステリ史上非常に重要作品で、あの伝説の一行から新本格が始まった衝撃を親戚ちゃんにもぜひ味わってほしいなぁというお気持ち

2024-09-02

anond:20240902110500

オフイベントでVが出演するときイラストの板立てとくとかはよくある。

洋館とかで舞台が広い→移動の表現必要ってことで

各Vの板に黒子が付いてて、この黒子存在するけど描写されない盲点存在として暗躍する構図にするといいかもしれない

anond:20240902110010

vtuberたちが謎の洋館に集まったらもうvじゃないという根本的な欠陥があります

2024-06-29

オーバー・ザ・ガーデンウォールってアニメが好き

出てくるモチーフが全部好きでみてるだけで癒やされる

薄暗い森としゃべる動物さんたち

メイド魔女

不気味な洋館

2024-05-15

ファイナルファンタジーってもう限界だよな

スクエニ不振らしい

FFドラクエといった、昔からあるおっさん向けIPに頼ってるからみたいに言われてたりする

それはたしかにそうだけど

でもIPだけの問題じゃなくて、スクエニが得意とするJRPG問題があるよね

まずは制作が大変すぎるって話よね。

1000人で7,8年かけて作ってると思うんだけどさ

それでじゃあ7のリメイクが全部入れれるかって言ったら無理なんだよな

から分割したんだろうけど、それで手抜きだとか言われてさ

昔のゲームスケールデカさ異常だよな

あれを現代密度で作るって大変すぎると思う


それでさら問題なのが、消費する側の可処分時間

趣味多様化もそうだけど、ゲーム自体多様化してて

いまはApexとかフォトナとかValorantみたいなサービスゲーが主流になった

毎週なにかしらのイベントがあって限定アイテムとか入手しよう!みたいな煽りがあったり

君はランクいくつかな!?みたいな承認欲求を刺激するいろいろな仕組みがある

それに加えてスマホアプリとかもあるわけだし


なので以前のように、一人の世界にこもって世界を救うために50時間プレイするなんてことができない時代になった

からスイカゲームとか8番出口とかああいう2,3時間でできるゲーム流行るようになった


いまも受けがいいAAAバイオハザードみたいにメインコンテンツだけなら10~15時間クリアできる比較的短いものが好まれ

昔だったらクリア10時間なんて聞かされたら手抜きとかぼったくりとか言われて炎上したけど

今の時代には10時間クリアできますはかなり肯定的な反応になると思う(そりゃ人によるけどね)

そして、JRPG場合10時間クリアできるようにするのはかなり無茶だ

JRPGというのは基本的には世界を救うみたいなスケールから

バイオハザードみたいに洋館と別館と地下施設みたいなスケールじゃないといけないけど、そんなJRPGたことない


2024-03-03

夢ってなんで見たことないものが見えるんだ

最初に言っとくけど見た夢は相当グロいので嫌いな人は読まないでほしい

昼寝してる間の30分くらいの間に最悪な夢を見た

大きな古い洋館のような屋敷親族の集まりがあり自分も行かないといけないのだが

そこで遺産がどうので血縁同士で醜い争いが起こっておりあまり行きたくないなと思ってる

だが顔を出さないわけにもいかないのでできるだけ遅れてしぶしぶ向かう

着いた頃にはちょうど会合が終わったところだったみたいで、玄関から中の様子を伺ってると親戚たちが帰路につくとこだった

内心ほっとしながら一応顔を出そうとしたと示すために家主を探そうとする

すると小さなたこともない虫が床に1匹いるのに気づく

大きさはてんとう虫くらいで、体もてんとう虫みたいに丸っこいが表面にはトゲみたいな突起がいくつかついてる

その体に細長い胴体部分がくっついていて、脚はカブトムシなんかと同じような感じ

色は赤錆色とでもいえばいいのか、ザラザラしたようなノイズ感のあるオレンジ色

家主を探してうろうろしてたらその虫が屋敷内のあちらこちらにいることに気づく

床だけじゃなく手すりや壁にもひっついている

親戚たちも「あっなんだよ」とかいいながらそれらの虫を払ったりしてる

なんだか気味が悪いので家主に会うのはいいやと思って自分もすぐ帰ろうと思う

しかしなぜか床にいる一匹を蹴飛ばそうとしてしま

しかもこれもなぜかわからないが都合良く裸足で

蹴った瞬間霧吹きでシュっと一吹きされたような感触が足の甲にあった

なんだろうと思い、玄関先で見つけた他の一匹を少し観察する

靴紐の先でつついてみると、虫の身体のトゲからなにか液体がパっと飛び散るのが分かった

なんとなく、ああなんで裸足で蹴ってしまったんだろうと後悔するがとにかくとっとと帰ることにする

屋敷を出て数分もしない間に足が痒くなる

気になって靴を脱いでまた裸足になるがパッと見は特になにもない

かゆみを感じた足の甲は霧吹きをかけられた感触があったほうの右足だ

足の甲を少し撫でてみるとずるっと皮膚が剥がれて取れてしまった

痛みはないが驚く

取れた皮膚は皮下脂肪といっしょにえぐれてけっこう厚みがあった

剥がれたとこはもう骨に近い深さなんだけど、血はなぜか全然出ない

あおしてえぐれたとこの断面になにか白いつぶつぶみたいなのが見える

それに触れてみるとつぶつぶが一気に動き出して細長い寄生虫みたいなのだと分かる

蛆がすごく長くなったようなのが物凄いスピードで動き出してどんどん足の中の肉に穴をあけていく

大量にいるのでほとんど束になってあっという間に足に大きな穴が空いていく

露出した他のとこにも白いつぶつぶがあり、それらも刺激されると同じく一気に動き出して肉を食らっていく

パニックになり必死でその白い細長いやつらを指で引っ掛けて剥がすが動き回るし数が多すぎてきりがない

ほんの数分で足は小さな穴だらけになっていて全体的にもろくなってるのが分かる

もはや虫を取ろうとしても足の肉ごと取れてしまうのだ

足首から先はぐずぐずになってこれはもう立てないとぼんやり思う

そしてふと気づく

最初玄関に入った時、天井からなにか落ちてきてとっさに手で払ったが、その時顔になにか水分を感じなかったか

あの家に行かなければ!行くのをやめておけば!!

絶望的な気分になったところで夢から覚めた

目が覚めた時は夢でよかった、本当に夢でよかったと足をなんどもさすりながら泣きそうになった

ところで、夢の中で見たもの映像的にあまりにもリアルでそれが恐ろしかった

こういうのは色んな今まで見てきたものがあれこれまぜこぜになって視覚的に再構築されてるんだとは思う

グロもの映画とかでそれなりに見てきたかリソースは多少頭の中にあるとは思う

それにしても生々しさとかリアルさが半端ないのが不思議になってしま

どうしてここまでリアル映像化が可能なのか

2024-02-10

世田谷区 豪徳寺洋館

地元なんですけども、そんなところに洋館があるだなんて今まで知りませんでしたわ。

あの漫画家さんが地元民ですって? それも知りませんでし、いろいろと驚き桃の木山椒の木ですわ。

Googleマップで調べたら自転車10分の距離だったけれども、入場料1000円は高いので今のところは行かない気がしますわ。

距離が近いほどありがたみが失せてしまうのかもしれませんわね。

豪徳寺に寄る皆さまには「たこ坊」のたこ焼きをおすすめときますわ。

それにしても、あの漫画家さんもあの人も、高架下のデニーズをおそらく利用したことがあるんだろうと考えると不思議な気分になりますわね。

2023-11-21

京都出身の私が考える、鎌倉の魅力。

鎌倉って、京都と同じものはない。それは当たり前だ。

同じ古都でも、歴史伝統も異なる。

でも、違うから面白い

鎌倉って、東京文化

こんな小都市に、東京の今風のものが沢山入り込んでる。

海と山があって、都会じゃないのに、東京洒落ものが入ってる。

良い景色と美味しいもの。懐かしい昭和古民家の中に、こだわりのフレンチがある。

それって、面白い

もうひとつ

武士の都、鎌倉

戦争を前提として作られている。

から、山に登るとちょっとした冒険気分を味わえる。

岩をくり抜いたお墓だったり、自然をそのままに活かしてるところが、近江の石の文化に似てる。

滋賀の方が歴史は古いけど。

鎌倉五山は、京都五山に比べると、まだ公家の洗練を受けてない感じがして、なんだか生っぽい。修行って感じ。

そういえば、鎌倉には京都のような日本の美しさを凝縮したような庭園はないけど、高台から見える海は最高。

キラキラして、コーヒーがよく似合う。

山手の方には古い洋館がある。

神戸に少し似てるけれど、もっとひっそりとして、秘密場所みたいだ。

観光地然とした神戸はもう魔法がとけてしまたから。

鎌倉文学館に、小さなワゴン車のカフェがきていて、芝生の上で飲むコーヒーはおいしかった。

それに、鎌倉といえば鶴岡八幡宮だ。

海の方まで伸びた参道は、こじんまりとした鎌倉に珍しくスケール感がある。

鶴岡八幡宮の白い鳩は鳩サブレーとなったらしい。

鎌倉で珍しく、歴史のある洋菓子

素朴でおいしい。

そんな鎌倉は、普段使いには最適だ。

2023-10-27

anond:20231027205258

コスプレ写真は、アイヌ民族ヒロイン・アシㇼパ(写真右)が札幌洋食屋を訪れたシーンのもの。生まれて初めてカレーライスを見たアシㇼパは勘違いして「オソマ…」(アイヌ語で大便の意)とつぶやきます絶望した「変顔」と、横にいた主人公・杉元佐一が放った「アシㇼパさん、それ食べてもいいオソマから」という台詞ファンにとって印象深い一コマです。

必死の「空気椅子」が表情引き出した?

杉元に扮した坂本ウルドさん(@kourld)、アシㇼパに扮したはっかさん(@widercos)にお話を聞きました。

一番こだわったポイントはもちろん「アシㇼパさんの顔です」。はっかさんは撮影直前まで何度も自分の顔を確認し、表情を原作に近づけたそうです。撮影場所は旧前田家本邸洋館東京都目黒区)。国指定重要文化財のため、撮影に際しては様々な制限があり、建物内のテーブルや台には物を置くことができませんでした。そこで急遽、小さな簡易テーブルを持ち込み、その上に白い布を敷いて他の人が横から引っ張ることで、洋食屋らしい大きなテーブルに見せる作戦に出たそうです。ツイッターでは画面外で他のコスプレイヤーたちが布を引っ張る“舞台裏”の様子も公開され、「もう特撮の域でしょこれw」と笑いを誘いました。

「少しでも机に触れると崩れてしまうので絶妙位置姿勢キープした」とコウルドさん。テーブルの高さも中途半端なので膝立ちと中腰の間でキープせざるを得ず、はっかさんも“空気椅子状態”だったそうです。そう言われてみると、はっかさんの表情が力んでいるようにも…。もしかするとこの特殊撮影状況が、原作のアシㇼパさんに近いベストな表情を引き出したのかもしれません。

2023-09-11

恐ろしい夢を見た話

増田大学2年、女。

昨日の夜から今日の朝にかけて、恐ろしい夢を見た話がしたい。

どこにも吐き出せないからせめてここにだけ書き残させて。

夢の内容は

高校時代の友人と数年ぶりに会って現在自分生活高校生活を振り返りながら談笑する」という字面だけ見れば何ら恐ろしい要素は無い他愛のない夢だった。

その友人との関係性を加味しなければの話だが。

・・・

その友人はみらい(仮名)という名前だ。

元々面識はなかったが、高2の新学期コロナによる数ヶ月にわたる臨時休校狭間で行われたクラス替えで同じクラスになり自己紹介で私が「趣味読書で◯◯◯◯◯と◯◯◯◯が好きです」と言ったのがきっかけで仲良くなった。

自己紹介が終わって自由に席移動して気になる人と話していい時間になった時、私は元々友達が少ないためクラス内に友達がいないこと、そして他人に執着しない性格だったこともあり手持ちの本を読んでやり過ごそうとした。

すると、「ねえ、◯◯◯◯◯好きってホントわたしも好きなんだ〜」とみらいが話しかけてきた。

第一印象は「綺麗だな」だった。

二重まぶたに通った鼻筋、光を湛える黒目がちの瞳、細く白い腕、赤い唇。

どこをとっても絵に書いたような美少女だ。

◯◯◯◯◯は私達の世代が好んで読むような作家ではないので本物の読書家だということは問わずとも明らかだった。

その後時間の許す限り◯◯◯◯◯や他の好きなこと、部活などの話をした。

その日の下校の時にはどちらともなく先生の目を盗んで校内でスマホの電源をつけ、LINEを交換するほど意気投合していた。

その日から臨時休校で暇を持て余していたこともありほぼ毎日のようにLINEでいろいろな話をした。

初めて話したときからなんとなく感じていたが、みらいは私と思考パターンが似ていた。

そして学力もほぼ差が無かった。

得意な教科の話になったとき時、二人とも同じ教科を挙げた。

その教科は私が1年の間たった1度だけ1位を名も知らぬ誰かに明け渡してしまった教科だった。

まさかと思いながら「もしかして1位取ったことある?」と返信した。

すると、「もしかしてずっと1位だったの◯◯(増田の下の名前)だったの!?私、1回だけ1位取ったことあってその回以外はずっと2位だったの!」と返ってきた。

こんなことってあるのかと思った。

それと同時に彼女のは切磋琢磨しあえる良い関係になる予感がした。

臨時休校が明けて登校が始まると私達はさらに仲良くなった。

それとともに私の中には負の感情が巣食いはじめた

初めて遠隔ではない担任の授業を受け、二人で談笑しながら教室へ向かっていると、担任からしかけられた。

増田新川(みらいの苗字)(仮名)!お前ら1年の頃から同じクラスだったのか?」

担任にはそれぐらい仲がよく見えたのだろう。

「違いますよ〜!担任なら前のクラスぐらい把握しておくのが筋ってもんじゃないですか〜?」

とみらいが軽口を叩いているのを横目に見ながら私は内心嬉しくて堪らなかった。

こんな美少女と対等な友人関係を築けていることが他人の目から見ても明らかなこと、私はその事実歓喜した。

しかし、その数日後私は地獄を見た。

その日、授業が終わると担任ロッカーを整理しているみらいの所へ向かうのが見えた。

その数秒後、廊下から二人の笑い声が聴こえてきて、今度は私のもとに担任がやってきた。

その担任第一声が

「ごめん。新川増田だと勘違いして声かけちゃった。だってお前ら背丈といい雰囲気といいなんか似すぎなんだよ。」

だった。

信じられなかった。あの美少女を私だと見間違えるなんて。

だって私は重い一重まぶたで背も彼女ほど高くはない。

それなのに見間違えるなんて許せない、彼女の美に対する冒涜だとさえ感じた。

きっと委員会の連絡か何がだったとは思うが、担任のその後の言葉が頭に入ってこないほどの衝撃だった。

担任と会話したあとチャイムがなったので自分の席に戻るともう一度さっきのことについて思索を巡らした。

そこで私は気付いてしまった。

私がおかしいということに。

普通人間なら心の中で喜ぶべきことを私は赦されないことだと感じて、しかも怒りさえも感じた。

どう考えてもおかしい。

他人に執着しないはずの私が、彼女には彼女に対しては何故かこんなに心を掻き乱されている。

もう手遅れだった。

その頃にはもう彼女への、そして彼女の美に対する感情はもはや信仰の域に達していたことを、その時ようやくわからされた。

私とみらいはいつもそばに居た。

休み時間になると彼女の方から私の所へやってくるのが当たり前だった。

その美しさや性格から友達は多いが、その数多くの友達の中で私のことを選んでくれた。

それが私にとっては至上の喜びだった。

クラスメイトが

「みらいちゃんかわいい〜」と言うと

みらいは

「まぁね〜」と当たり前だとばかりに返答していた。

そんな彼女自己肯定感の高さがこの上なく好きで、でもそんな彼女が眩しかった。

だってはいつも彼女の影だったから。

彼女が他のクラスメイトの「かわいい」と言われる時、私はいつも息苦しかった。

私をかわいいと言ってくれる人はいいから。

当たり前だ。わかってる。私が彼女より醜い事は私自身が誰よりも知っている。

決して表には出さなかったが称賛を全てほしいままにしている彼女が横にいると気が滅入ることも多々あった。

それでも私は彼女と一緒にいた。

二人でいる時だけは、その美しい瞳に私以外は映らないから。

それから数カ月後、修学旅行が始まった。

もちろん全ての行動を共にした。

一日目は某県の某資料館へ2学年全員で向かった。

みらいも私も暗い場所は苦手なのでドキドキしながら入館した。

手が触れたのを契機に、どちらともなくお互いに指を絡めて相手の震えを感じながら暗い館内を歩いた。

私は手汗が出やすい体質なので1度手を解こうとしたが、

「怖いから話さないで」と小声で訴えられたので逆らえるわけもなく結局出口までそのまま向かった。

その次の日は班別活動で某県の某洋館へ向かった。

私がお土産を見繕っていると、みらいが

「ねえ、◯◯こういうの好きでしょ?」といきなり声をかけてきた。

彼女の指差す先には、色とりどりの硝子でできた美しいエジプト香水瓶(中は空)があった。

美しい曲線と精緻彫刻

まさに私の求めるもののものだった。

凄く綺麗……とつぶやく

「全部一点ものらしいよ!せっかくだからお揃いで買おうよ!」とみらいはもう買う気満々でその手の中には桜色の香水瓶が収まっていた。

私は彼女のそれとデザインの一部がよく似た空色香水瓶を選び二人でレジへ向かった。

その日の夜食ホテルレストランで食べた。

なかなか量が多く、少食気味なみらいは食べきることができるのかと心配になったのでそれとなく隣にいる彼女を見やるともう限界という顔をしていた。

すると彼女の方から

「これとこれ食べれる?」と言ってきたので有り難く拝借した。

それで終わると思いきや、デザートミニケーキの二種盛りがやってきた。

私はぺろりと平らげたが、彼女はどうしても最後の一つが食べられないようだった。

そして

「ごめん。これ食べれる?」と聞いてきた。

私はうんと言おうとしたが、

私の食器フォークはつい先程席を巡回しているホテルの方に回収されてしまったので食べる術がない。

手で食べるのははしたないしと逡巡していると

はい、あ〜ん」

と私の方に彼女フォークで刺したケーキ差し向けてきた。

同じテーブルの生徒の視線彼女の手と私の顔に集まり、恥ずかしさで頬に熱が走るのを感じた。

いつまでもこのままではいられないと思い、覚悟を決めて顔を近づけ、食べた。

修学旅行でそんなことが起こったため、その後の学校生活ではクラスメイトに彼女との仲をからかわれることも増えた。

「なんかみらいちゃん増田さんって二人だけの世界?っていうか独特な空気感あるよね〜」と言われたりなんかもした。

今まではそう感じたことは無かったがあの修学旅行を経ると確かにと思う自分も居た。

その関係に心地よさを感じる一方、今振り返ればどこか嫌悪感があった。

念のため言っておくと、私は普通の女だ。

小中学生の頃は普通男子と付き合っていたし、好きになるのはいつも男だった。

でも共学は嫌いだった。共学の女が嫌いだった。

あらぬ噂を立てて私と彼氏を引き離そうとする、そういう汚い女が大嫌いだった。

から高校女子校を選んだ。

中学時代仲の良かった先輩から

女子校は本当に生きやすい。男がいないとそういう争いとかもないし。」と聞いていたのもあり必死勉強して女子校入学した。

女子校は先輩の言う通り生きやす空間だった。

秘密の花園なんてのは空想だけれど、進学校だったこともあり皆自分が一番大切だから自然無駄な争いを避けるようになっていたから本当に生きやすかった。

彼女存在けが想定外だった。

今思い返すとというより当時から薄々感じていたが、みらいはボディータッチが多かった。

1日に少なくとも2回以上はハグしてくるし、堂々と人前で手は繋ぐし、とにかく距離感おかしい。

最初こそ戸惑っていた私も仲良くなるにつれて気にしなくなってきたものの、時折嫌悪感に近いものを感じることさえあった。

でも、やめてとは言えなかった。

だってそうされている時だけは自分特別だと感じられたから。

2年の3学期になって3年生0学期なんていう進学校あるあるワード教師の口から出始める中、彼女との関係が変わった(と増田勝手に思っている)出来事が起こった。

2学年最後模試だ。

その前の記述模試から国数英3教科に加えて理社科目が追加された。

その記述模試ではあの教科は二人仲良く同点だった。

最後模試マーク模試だった。

2年最後だしここで一つ頑張ってあの教科でみらいに勝ちたいと密かに思っていた。

毎晩負けまいと勉強して迎えた本番。

習っていない範囲もあったが自分勉強してカバーした分自身はあった。

3月、結果が出た。

私はその教科で全国一桁の順位を取った。

模試順位掲示されるので早速見ると、みらいは私のすぐ下の段にいた。

しか偏差値には20程の差があった。

私は勝ったと思う前に彼女の不調が気になった。

トイレに行っていたみらいがこちらに来て順位が張り出された紙を見ると

「やっぱり◯◯はすごいよ、」と一言言って自分の席に戻っていった。

その日は話しかけてもどこか上の空だった。

次の日、彼女は休んだ。

心配休み時間隠れてスマホを起動させ、LINEを開いてメッセージを送った

すると数分後

明日は行ける。心配かけてごめん。」と返ってきた。

こんな時まで謝ってくるのが彼女らしいなとその時は思った。

次の日予告通り彼女は帰ってきたが、いつものボディータッチは無いしなんだかひどく静かだった。

結局2年の終業式の日まで彼女はずっとそんな感じだった。

3年になるとクラスが離れた。

前はあんなに同じクラスがいいと思っていたのに、最近彼女の煮えきらない態度をあまり好ましく思っていなかったので実際の所は

嬉しさ7割悲しみ3割といったところだった。

しかしその思いはすぐ覆された。

一つがクラスメイトの私に対する反応だった。

2年の時みらいと私ともう一人のクラスメイトの3人でたまに会話することがあった。

3年に進級してそのクラスメイトとはまた同じクラスになったので声をかけると

素っ気無いそぶりですぐ別の友達の所へ向かっていった。

そこで私は気付いてしまった。

結局私は彼女が隣りにいなければ価値のない、何も特別なところなどない人間だと。

みらいとはクラスが2つ離れていたため頻繁には話すことは無かったが、たまに会話するとそれはそれは惨めな気持ちになった。

彼女友達が多い。

私にとっての彼女はたった一人の心を許せる友人だった。

けれど彼女にとっては大勢友達の中の一人でしか無いという事実に串刺しにされる気持ちだった。

から私は彼女抜きで特別になると決めた。

2月模試の結果が私の背を押してくれた。

私にはポテンシャルがあることを教えてくれた。

それだけに縋って、今までの人生でやったことのないぐらい死ぬ気で勉強した。

その成果は存外早く出て6月模試では早速学年1位に躍り出た。

この結果には教師陣も驚いたのか露骨におだててくるようになった。

それをあしらいながら只管勉強した。

7月、もう何ヶ月もLINEなんて送ってこなかったのにみらいから急に連絡が来た。

夏休み日中学校勉強するよね?

良かったらうちの部室くる?」という内容だった。

彼女美術部の期待の星で、大学も某美大を目指していた。

3年に入ってからは画塾にも通い始めたと聞いた。

彼女には夏休み特別に部室の一角占領する権利顧問からもらったらしい。

私はその誘いにあっさり乗った。

彼女と実質二人だけで過ごせる時間をみすみす手放す訳がなかった。

夏休み、みらいの部活の日はみらいの部室で、それ以外の学校開放日はひたすら教室図書館勉強をする日々が始まった。

部室ではみらいが自分の背丈ほどの大きさのキャンパスにひたすら油性絵の具を塗りたくっていた。

正直油性絵の具の匂いは苦手だったが、みらいと同じ空間にいる方が大切なので我慢した。

他愛のない話をしながら、彼女は絵を、私は過去問をそれぞれ仕上げていった。

そんな夏が終わると、また連絡を取る回数が減った。

それもそのはず、彼女は推薦と一般美大受験するため、画塾に通うだけでなく面接練習なども必要になったからだ。

私はただ勉強していった。

この頃には志望校偏差値を大幅に上回る成績を取れるようになってきた。

冬がやってきた。

去年のクリスマス彼女と一緒に過ごしたのに今年はひとりだ。

そんなことを思いながら夜食で出されたホールケーキの残りを頬張りながら勉強していると突然LINE電話がかかってきた。

みらいだ。

素早くスマホに手を伸ばし電話に出た。

「ねえ、受験終わったら卒業旅行行こうよ。

修学旅行でまわったとこ、また二人で全部回ろう」

みらいは電話越しにそう言った。

私が

「うん、絶対行こう。約束

と言うと

「うん。約束。」という言葉最後電話が切れた。

突然そんな提案をしてきたのには驚いたが、その約束は私を鼓舞した。

そして迎えた共通テスト

かつて無い手応えを感じた。

自己採点をするとこれまで取ったことのないほどの高得点だった。

私は私大1本だったか2月受験は終わった。

みらいは家の都合で国公立しか受けられないと言っていたか3月にならないと結果は出ない。

祈るような気持ち2月を過ごした。

3月の頭、卒業式があった。

式が終わってもみらいの元へ向かった

「◯◯、待ってた」

そう彼女は言った。

写真撮りたい」

そう言うと彼女は私にカメラを向けてきた。

自分顔面に自信が無い私はせっかくだから二人で映ろうよと言って彼女スマホを借りてツーショを撮った。

その後は卒アル落書きをし合って別れた。

案外あっさりした別れだった。

そのときはそれでいいと思っていた。

だって卒業旅行に行こうと彼女は言ったから。

その日、LINE彼女スマホで撮った写真が送られてきたのを最後彼女からLINEが送られてくることは無かった。

みらいは志望校合格したら連絡すると言っていた。

彼女志望校合格発表日が過ぎても連絡が来なかったので、私はある決意をした。

整形をする決意を。

幼い頃から親に「醜い顔で産んだから形代は出すよ。ただし、高校卒業したらね」と言われていた。

今こそその時だと思い、すぐカウンセリングの予約をし、施術プランと日程も決まった。

私の思い一重は施術とダウンタイムを経て左右差のない整った二重になった。

大学が始まってからもみらいから連絡が来ることは無かった。

私は私で上京したので新しい暮らしと新しい環境に慣れるので精一杯でみらいに連絡している時間もなかった。

二重になってから人生難易度体感20レペル下がった。

大学同級生とはすぐに仲良くなれた。

それこそみらいが高校時代同級生から言われていたように

かわいい」なんて言われるようにもなった。

高校時代までの私からしたら信じられないほど環境が変わった。

やっぱり美は正義だなと感じた。

前期は友達遊んだテストレポートと格闘している間に過ぎ去っていった

夏休みも終わりに差し掛かった頃、ふとみらいのことを思い出した。

そして私からLINEを送った。

時間後、数日後、数週間後。

待てども待てども返信が来ない。

それどころか未読無視をされている。

プロフィール画像などは変更されているかLINEを見ていない訳では無いだろうに。

つの間にか私は彼女LINE確認しなくなっていった。

しかし私は今でもふとした瞬間にかつての彼女を思い出してしまう。

例えば鏡で自分の顔を見るとき

いつだっただろうか。

私とみらいはあの時担任が言ったように本当に瓜二つだと初めて気付いたのは。

卒業式の後、送られてきた彼女と一緒に写った写真をまじまじと見てみると

私と彼女は鼻の高さ、形、口の大きさ、頭蓋の形が本当によく似ていた。

そう、違っていたのは目だけだった。

私が二重に整形したことで、私の目はぱっちりと開くようになり、彼女の瞳の形そのものになっていた。

今の私と彼女双子のようにそっくりなのだろう。

今の彼女はどんな顔をしているのだろう。きっと美しさが増しているだろう。

そんなことを、私は鏡で自分の顔を見ると考えてしまう。

・・・

今日見た夢は

みらいと数年越しに会って食事なんかしながら

近況や今までのこと、あの時はお互いをどう思っていたかについて話し合う夢だった。

美しいのは相変わらずだなぁなんて彼女を見つめていると、

「◯◯、整形したの?良いじゃん似合ってるよ」なんて言ってきた。

本当に彼女らしいなんて思っているとアラームの音で現実に引き戻された。

起きて夢かぁと思いながら十数ヶ月ぶりに彼女LINEを開いたがやはり既読はついていない。

午後、用事を済ませて家に帰って来ると既読がつくはずないのになんとなくまたみらいのLINEを開きたくなった。

その衝動のまま、トーク画面を開き、自分の送ったメッセージを目で追う

「みらい!最近どう?元気?」

見慣れたそのメッセージの上に目を向けると、そこにはそのメッセージを送った日付が表示されていた。

それを見て息を呑んだ。

そこに表示されていたのは

「1年前の今日の日付」だった。

こんなに都合のいいタイミングで夢に出てくるほど彼女の幻影をいつまでもいかけている自分が心底恐ろしい。

という話。

2023-08-13

足尾銅山

休みを使って足尾銅山を見てきたが、非常に感銘深かった。

私にとっては足尾銅山といえば足尾鉱毒事件田中正造であった。小中学校国語社会科ダブルで(ひょっとしたら道徳を含めてトリプルで)足尾鉱毒事件田中正造について学んでいたので、足尾銅山鉱山見学施設でも当然のことながら、そうした足尾銅山明治近辺の負の歴史は重点的に扱われていると思っていた。ところが、鉱毒事件が無かったことになっていたというのは言い過ぎにしても、施設内部の展示でそこら辺のいきさつは非常にあっさりとした扱いであった。基本的足尾銅山における銅採掘江戸時代から明治大正昭和の日本の発展に対して如何に寄与してきたのかというポジティブな面を中心に打ち出していた。

私は恥ずかしながら知らなかったのだが、古河電工富士通代表される古河財閥グループの成り立ちが、財閥初代の古河某氏渋沢栄一と組んで政府から足尾銅山の払い下げを受け、近代化成功したこときっかけだということである想像するだに、いまでも古河グループ聖地ともいえるのが足尾銅山なのではないか鉱山見学施設のすぐ近くでは、古河財閥迎賓館が今でも有料で観覧できる。東京で言えば、鳩山会館岩崎邸のようなセンスのいい明治風の洋館で、そこは今でも古河グループ研修に使われてたりするらしい。内部には古河グループポスターが各種貼られていて非常に味わい深い。

足尾銅山が負の記憶象徴であるというのが事実である一方で、ここが日本近代化や一企業グループの発展において非常に重要役割を担ったというのもまた事実であり、複雑な思いを抱えながら、自分も少しま大人になったなあと感じた(実年齢はもうだいぶ中年だが)。

2023-07-21

anond:20230721114940

料理絶景別にええんちゃうかと思うが……

ワイは洋館好きやから旅行先でええ感じの所ないか探すしそれ目的旅行先決めたりしてるわ

そういう自分趣味にあった旅の目的地を探して設定できればええんちゃう

トリップアドバイザーで興味ある所ないか探したりするな

2023-07-19

anond:20230718212533

自分も好きなシーンを挙げていこう

異世界に行く前の前半の方が好きなシーンが多かった。

 

1.旧家の玄関から洋館に入るシーン

だだっ広い玄関に豪華すぎる襖絵、異常に長い廊下の奥に蠢くおばあちゃん

どんな豪邸だよと思ったら辿り着いたのは全然違う洋館

とんでもねー映画始まったなと予感するには十分な導入だった

2.炎に飲み込まれ助けを求める母の夢を見て涙する眞人

どんなにベタであってもこういうのをやられると涙腺を直撃されてしま

3.「ダットサンで乗り付けてやるからな!」からいじめ

予想通りすぎて笑う。いまの目で見ると小さすぎるダットサンや冒頭出征シーンの豆タンクかわいい

4.突然殺意に目覚めてからの行動力

夢中で弓矢を作る男の子って素敵・・・

釘の頭を落としたり米粒を舐めながら糊にして鳥の羽をくっつけたり、

細部の描写が素晴らしい

宮崎アニメ真骨頂である

5.空から落ちてきた隕石の周りに塔を作ったという解説シーン

「ザ・児童文学」という感じのイマジネーションが素晴らしい

母が若い頃1年だけ行方不明になって帰ってきたんだという過去が語られる。

この時点で宮崎駿が今作で何がやりたいのか全て理解した

6.ワラワラ大量発生

質より量で勝負ワラワラデザイン宮崎駿が2秒で書いたスケッチに違いない。

宮崎駿デザイン小金井市公式キャラクター「こきんちゃん」と同じクオリティである

まっくろくろすけコダマポニョの妹たちと似てるようで次元が違う、小学生が描きそうな安易デザインである

7.産屋で急にブチ切れる義母

ここだけ絵柄が宮崎駿じゃない。あえて違和感を感じさせるために作画若いスタッフに任せているんだな。

違和感という記憶を辿ってあれはなんだったのか、ということをずっと考えるのが最高に楽しい映画

2023-07-16

こんな理解力の低い観客の相手しなきゃならないなんて大変だなパヤオ

「君たちはどう生きるか」が完全に失敗作だった件

ここで書かれてる疑問はぜーんぶぜーんぶ「見てる側の理解力が低いから分からなかった」だよ。

ブコメじゃ説明しきれねえからこっちで書くわ。

目ん玉かっぽじってよーく見ろよ。

父親兵器工場

 →宮崎駿アニメーターとしてのルーツの一つとして兵器に対しての憧れがある。風立ちぬ見てるなら分かるよな?あーそもそも主人公宮崎駿メタファーであるって話をそもそもいちいちやらないと駄目なの?マジで

・いいとこの子

 →自分が掴んだ成功は単に天運に恵まれていただけの部分があるって話を、生まれつきの金持ちって設定で表現してる。

・森の中にあるお屋敷・離の洋館・塔

 →ジブリにおいて宮崎駿が置かれている立場メタファーだよ。なんか持ち上げられて隅っこに押し込められてますっていう。

主人公主体性/動機

 →ずーっと言ってるじゃん。「僕はマザコンから母さんを探してます。どっちの母さんもマザコンの心をくすぐって尊いので、僕はどっちも探してます」って。あそこまで露骨にやられて分からんのか?ジブリ主人公マザコンなわけないだろって勝手思い込みをしてない?まあこの辺はマザコンというのが「幼少期から刷り込まれた謎の憧れ→アニメーターとしての執念」みたいなメタファー構造であるんかも知れぬし、単にマジでパヤオマザコンロリコンなのかもだが。

・後妻による拒否

 →危ないからこっち来んな!でしかないのでは?一見拒絶に見えるものが実際には愛情だったという物語を描こうとした理由については深く掘り下げんよ流石に俺は。

・弓矢を作る話

 →長い時間を掛けてアニメーターとしての牙を研いできたって話だよ結局は。ナウシカの段階で40越えとるしな。

ヴィランの不在

 →インコこそがどう見ても悪役だろ。塔の中で勝手権力構造を作り出して、その塔の支配である宮崎駿に対して脅しをかけようとしてくる不届き者だよ。アレこそパヤオにとっての最大のヴィランであり、今まさに直面している最大の敵。老い後継者問題・内政に立ち向かうのが大叔父パート宮崎駿物語からな。

ババァ人形に触っても何も起きない

 →セオリーを守らなきゃ駄目だよってことに対して過剰に気にかけて縮こまるなって話なんじゃねえかな。愛情を持って丁寧に扱う分には触っても大丈夫。雑に扱って蹴っ飛ばすなら災いが起きてたかも知れないけどって話。自分経験としてそういうのがあるんだと思う。インコ共聞いてるか?ルール実態を捉えず形だけ守ることに固執するのが王国を守ることちゃうんやぞ?って話だよ。宮崎駿目線で見たら、インコ共はマジでこちゃんと聞いてないと感じてるんだと思う。ぶっちゃけこの映画の核の一つじゃねココ?見落とすなよ。

シナリオそのまますぎじゃね?誰も口出しできないの?

 →それがババアこけしインコの話につながるんすよ。その絶望がこの映画宮崎駿に作らせた。アオサギとの騙し合いみたいな協力関係けが物語を完成へと導くんだよ。インコ王国との対立構造じゃ塔は滅びに向かうばかりさ。って話がしたいんだろうな。だからなんだってんだよまともな映画見せろバーカバーカって気持ちはわかる。でもそれ言う前にもっとちゃんと見てやれよ。死にかけのジジイ遺言だぞ?

anond:20230714205336

意味をなさない設定の多さ

主人公宮崎駿(親が飛行機工場経営)の少年期をモデルとしていることを表しているが、普通しらんわな

意味がない設定ではない

旧家の立派な入り口から入って洋館の方まで延々と歩く場面は圧巻だった

あの演出だけで見応えがあるので意味がない設定にはなっていない

宮崎駿演出の人であってストーリーの人ではないのだ

■謎展開

宮崎駿がそうしたかったんだから仕方がないわな

■伝わらない主人公動機

母親と妹と父親の間には複雑な関係性が隠されていて、あえてわかりにくく描かれていると思う

それに対する主人公の複雑すぎる心情も、わかりやす描写されてはいない

ここは非常に読み解き甲斐のあるところだ

妹が主人公の助けを拒絶したのは、好きな男を取った姉の子である主人公への憎しみを隠していたからだ

姉が死んで好きな男が自分のものになり、自分が子を身籠ったことにも喜びと罪悪感両方抱えている

主人公葛藤を乗り越えナツコお母さんと呼ぶ。その心の変化の過程もわかりやすく描かれていない。

複雑な問題考察余地があることは美点だと思う。

着替えや弓矢のシーンもそれ単体で見応えがあり、主人公の複雑な人格表現する演出になっている。

わかりやすさを求めると失われる複雑さがある。

ヴィランの不在

わかりやすい役どころを排除しようという意思はここ数作で明確なので、今更そんなこと言われてもって感じ

■作劇のセオリー無視

これも千と千尋以降散々語ってることなので今更・・・

 

この程度の認識で失敗作だと断ずるのは乱暴すぎるのでマジでやめてほしい

理解できなかったでいいじゃん

2023-07-14

君たちはどう生きるか」が完全に失敗作だった件

初日に見たのでネタバレ感想

未見の人や面白かったって人に水差すのもアレなので増田で。

以下ネタバレ

吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は未読なので、そこから引用があったらごめんなさい)

いやね、まったくダメってわけじゃないのよ?最終的には得意の異世界冒険活劇に着地させるし。そこは熟練の技。

ただ、セルフオマージュをしたいがための意味不明な設定や展開が多すぎて、全然ストーリーに乗れないの。

意味をなさない設定の多さ

父親が(多分)軍用機のキャノピーを作る工場経営してて、主人公はいいとこの子、って設定、なにかに生かされた?

あ〜「風立ちぬ」っぽい!ってシーン以外、ストーリーに絡んでなくない?

主人公が引っ越す旧家も延々歩く描写があるわりに、結局主人公が暮らすのは離れの洋館だし、舞台はほぼ塔の建物異世界

結果、和の旧家はばあやがたくさんいる、という描写のためだけにでてきた形。

■謎展開

冒険活劇にしたいわりにはパートナーコロコロ変わる。

アオサギキリコ→ヒミ

そのたび

「ついてこい」「わかった。ついていく」で状況説明するもんだから主人公主体性isどこ?ってなる

この辺もうちょっと整理できたんじゃないか・・・

■伝わらない主人公動機

亡くなった母を探す・一緒に冒険する、の動機はわかるけど

最近会ったばかりの父の再婚相手しか距離感微妙)を救うために冒険しなくない?

助けるモチベーションを問われて、何度も「父が好きな人だ」って説明する羽目になってる。謎動機

父も別に魅力的な人物に描かれてないので、謎は深まるばかり。

後妻も一度は主人公の助けを拒否するのに、

あれ、いつの間にか救われてる。じゃああの描写いらないじゃん。

そもそも後妻はなんで異世界子供産もうとしたのかも語られない。

かにも「母親病院火事だと聞いて家を飛び出すも、一旦家に帰って着替えるシークエンス」「弓矢を作るシークエンス」など

無駄なシーンが多い。その時間主人公動機もっと作ってあげればいいのに。

ヴィランの不在

宮崎アニメの魅力はやっぱり悪役だと思うんですよ。カリオストロ伯爵しかり、ムスカしかり、カーチスしかり。

インコ大王は悪役ってほどもなかったし。アオサギ?彼は何がしたかったの?

■作劇のセオリー無視

ばあやたちの人形に触るな、と釘を刺される主人公

物語セオリーとして、タブーは破られるので主人公は触る。

で、なにか代償が起きるかというと「なにも起きない」。えーーーーー!?じゃあなんで「触るな」って言ったの?

にも関わらず「産屋に入ったのが禁忌だった」ってまさか後出しタブー!聞いたことねえよそんな作劇!

結論

「塔状の建物を上に逃げる悪役を追う展開はカリオストロ!」「森のトンネルトトロ!」「崩壊シーンはラピュタ!」「幻の船団は紅の豚!」

みたいな楽しみ方はできるけど、それだけなんだよなあ。

まるでシナリオ第1稿をそのまま映像化してしまったような、すごくもったいない作品

改稿でいくらでも面白くなったはずなのに。

宮崎御大脚本に誰も口を出せなかったのか、

出したけど聞き入れなかったのかは分からないが、

これが宮崎駿の遺作になるとしたら残念でならない。

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