NYダウ、反落で始まる 対中貿易政策の不透明感が重荷

【NQNニューヨーク=川上純平】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落して始まり、午前9時35分現在は前日比126ドル43セント安の4万2089ドル30セントで推移している。トランプ米大統領が貿易政策について、中国が合意を順守していないとの認識を示した。関税を巡る不透明感が強まり、投資家が主力株に売りを出している。
トランプ氏は30日、自身のSNSに、中国が米国との「合意を完全に破っている」と投稿した。29日にはベッセント米財務長官が中国との貿易交渉について「やや行き詰まっている」との認識を示したと伝わった。米中の緊張が再び高まるとの懸念がある。
米連邦巡回区控訴裁判所は29日、トランプ政権の関税の大部分を差し止めるとする米国際貿易裁判所の命令を一時的に停止する判断を下した。一方で、トランプ政権が違う手段を用いて関税を課すとの観測もある。貿易政策を巡る市場の先行き不安は強い。
30日発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2.1%上昇した。上昇率はダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(2.2%)を下回った。インフレに対する懸念の後退は米株相場を下支えしている。
エヌビディアやナイキ、ボーイングが下げている。半面、コカ・コーラやウォルマート、マクドナルドは上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落して始まった。
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