奈良県、民俗資料を3Dデジタル保存へ 約4万5000点

奈良県の山下真知事は30日、県立民俗博物館(大和郡山市、展示休止中)が収蔵している生活用具や農具などの資料約4万5000点について、3D画像データなどとしてデジタル保存する方針を発表した。有識者でつくる検討委員会を早期に設置し、2025年度中に収集・保存ルールを策定する。
山下氏は10日の定例記者会見で「ルールを決め、価値のあるものは残し、それ以外は廃棄処分を含めて検討せざるを得ない」と発言。民具研究者らでつくる日本民具学会が「安易な一括廃棄」への懸念を示す声明をホームページ上に掲載するなど議論を呼んでいた。

収蔵スペース不足の問題について、山下氏は全国の博物館で先送りされてきた共通の課題だと指摘。デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極活用しながら「民俗資料の収集・保存の奈良モデル」を構築したいと説明した。
保存展示しない資料は市町村や民間に譲渡し、最終的に譲渡先が見つからない資料は廃棄する考えだ。県立民俗博物館が展示再開を予定している27年度中をメドに一連の作業を実施することを目指す。













