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はてなキーワード: 基本法則とは

2025-11-08

量子力学の測定問題とは、ざっくり言えばなぜ波動関数が結果を持つのかという問いだ。

数学的には、量子系はヒルベルト空間というベクトル空間の中の状態として記述され、時間の進行はユニタリという厳密に可逆な変換によって動く。

この法則の中では、確率的な飛びや選択は一切起きない。

ところが、実際に観測をすると、必ずひとつの結果、例えば粒子がここにあった、という確定した現実が現れる。この確定が、理論形式からは出てこない。これが測定問題の核心である

量子状態は、通常、いくつもの可能性が重ね合わさった形で存在している。

観測装置接触させると、系と装置相互作用して一体化し、双方の状態が絡み合う。

結果として、宇宙全体の視点では、系と装置ひとつの巨大な純粋状態として存在し続ける。

しかし、観測者が見る局所的な部分だけを取り出すと、それは確率的に混ざり合った混合状態として見える。

まり観測者にとっては、ある結果が確率的に現れたように見える。

だが、ここに重要区別がある。この見かけの混合は、真に確率的な混合ではない。

宇宙全体では、全ての可能性がまだ共存しており、単に観測者がその一部しか見られないというだけの話である

から確率的にどれかが起きるという現象を、ユニタリ時間発展からは厳密には導けない。数学的には、全体は今も完全に決定的で、崩壊も起きていない。

ではなぜ、我々は確定的な結果を経験するのか。

現実観測では、周囲の環境との相互作用によって、異なる可能性の間の干渉がほぼ完全に消えてしまう。

この過程デコヒーレンスという。デコヒーレンスは、我々が古典的世界を見ているように錯覚する理由説明してくれるが、それでも実際にどの結果が選ばれるのかという一点については何も言っていない。

数学的には、干渉が消えたあとも、依然としてすべての可能性は存在している。

この状況を抽象代数言葉で表すと、量子の全体構造の中からどの部分を古典的とみなすかを選ぶことが、そもそも一意に定まらない、という問題に突き当たる。

まり、何を観測対象とし、何を環境とみなすかは、理論の外から与えなければならない。数学構造のものは、観測という行為自動的には定義してくれない。

さらに、確率とは何かという問題がある。量子力学では確率波動関数の振幅の二乗として与えられるが、なぜそうなのかは理論の内部から説明できない。このルールを外部から公理として置いているだけである

確率起源論理的説明しようとする試みは多数ある。対称性から導くもの意思決定理論から導くもの、あるいは典型性の議論を用いるものなど。だが、それらはどれも追加の仮定必要とする。

開放系理論リンブラッド方程式など)は、系が環境と関わることで混ざり合い、最終的に安定した状態に向かう過程記述できる。

しかし、これは統計的な平均の話であって、単発の観測でどの結果が現れるかを決定するものではない。数学的な形式は、あくま確率分布を与えるだけで、確定事象を選ぶメカニズムは含まれていない。

多世界解釈は、この問題をすべての結果が実際に起きていると解釈する。つまり、我々が経験するのはその分岐の一つにすぎず、波動関数全体は依然として一つの決定論的な構造として存在している、とする立場だ。

ボーム理論では、波動関数が粒子の軌道を導く実体的な場として扱われ、結果の確定は初期条件によって決まる。

崩壊理論では、波動関数物理的なランダム崩壊を導入して、観測に伴う確定を確率的に再現する。

しかし、いずれも新たな公理パラメータを導入しており、なぜそうなるかを完全に説明したわけではない。

したがって、測定問題本質は三つにまとめられる。

第一に、量子の基本法則は常に可逆的で、確率的な選択を含まない。

第二に、観測によって現れる確率的混合は、単に部分的しか見えないことによる見かけの効果であり、真のランダムな決定ではない。

第三に、確率法則のもの、なぜ振幅の二乗なのかは理論の内部からは出てこず、別途の公理哲学的前提を必要とする。

まり、量子測定問題とは、単に波動関数がなぜ崩壊するのかという素朴な疑問ではなく、物理理論がどこまで現実出来事自力で生成できるかという根本的な問いなのだ

数学は、全ての可能性を厳密に記述することはできる。

しかし、どの可能性が実際に起こったと言えるのか。その一点だけは、いまだに数学の外に、あるいは意識観測という行為の奥に、置かれたままである

2025-04-14

anond:20250414131501

ところが授業を受けてみたら、経済ってのは意外とガッチリ数学で成り立ってる世界だった。

市場の動きには理屈があって、需要供給だの効用関数だの、基本法則ちゃん存在する。

モデルモデル現実とは違うって思っといた方がいいで。

現実じゃなくてモデルの方を真実と思い込んでる奴らいるからな。

専門学校中退者なんだけどさ

IT系専門学校に通ってたんだよ。

で、授業ではプログラミングだのアルゴリズムだの離散数学だのデータベースだのオペレーションズ・リサーチだの、まあ応用情報技術者試験に出るようなトピックは一通りカバーしてた。

だけど、正直どれもこれも面白みに欠けるんだよな。

たとえばJavaの授業が理解できてれば、PHPの授業なんかはもう説明聞くまでもなく、ほぼ自動的理解できるレベル

結局のところ「プログラミング言語複数やる」ってのは、言語仕様が違うだけで根っこは同じだから、やってて新鮮味が薄いわけよ。

これがもし「新しい概念に触れる」なら話は別なんだけど、文法の置き換え遊びしてるだけだからね。

じゃあ、逆に何が面白かったのかって話になるんだけど、それは意外にも一般教養だったんだよな。

うちの学校ちょっと変わってて、専門学校なのに大学みたいに一般教養科目がちゃんと用意されてた。

まあ「哲学」とかは個人的には微妙だったけどさ。抽象論に終始してて、実感としては今ひとつ役立った感が薄かった。

でもな、「数理経済学」だけは違った。

最初は正直、経済なんてパヨクネトウヨテレビSNSでギャーギャー喚き散らしてるだけの泥沼分野だと思ってたんだよ。

ところが授業を受けてみたら、経済ってのは意外とガッチリ数学で成り立ってる世界だった。

市場の動きには理屈があって、需要供給だの効用関数だの、基本法則ちゃん存在する。

から今では経済ニュースを見るたびに「これが本質からズレた議論かどうか」くらいは嗅ぎ分けられるようになったわけ。

要するに、表面的なノイズに惑わされず、ちゃんと数式ベースで考えられるようになったんだよな。

結局何が言いたいかっていうと、もし俺が「コンピュータサイエンスだけやってる専門バカ」だったら、多分人生は退屈だったと思う。

でも「別に興味ねーわ」と思ってた分野にも手を伸ばしてみたら、意外と面白世界が広がってたわけ。

まあ、最後金欠中退したんだけどさ。でも就職にはそこまで困らなかったし、結果オーライってやつだな。

2025-03-24

離婚したけど、上司も夫もホモソーシャル無自覚で嫌だった。本当に

離婚した。


マジでスッキリ!!


あの男とはもう一秒も一緒にいられない。耐えられなかった。吐き気した。

夫(元夫)はホモソーシャル権化みたいなクソ男だった。

もちろん自分では絶対気づいてないし、指摘しても否定するだけ。

男同士の絆(笑)を最優先して、私のことなんてどうでもいいって態度が本当に最低だった。


今日飲み会から


言い訳して週3で帰ってこない。「付き合いが大事だってさ。

はぁ???

私との付き合いは大事じゃないわけ?何なの??

土日もゴルフだの釣りだの男だけの趣味に没頭。「たまには息抜きさせてよ」だって

息抜き???じゃあ私はい息抜きすればいいの?家事は全部私。メシも全部私。

あいつが家にいる時間なんて寝るときだけじゃん。

吐き気がする。

これがジェンダーロールの押し付けってやつ。本を読んだわけじゃないけど、SNSでよく見る。



結婚って、こんなものだったっけ?


いや、これ完全に男性優位社会産物しかないよね!!だって考えてみてよ。

男は結婚しても何にも変わらないのに、女は家事育児押し付けられて、姓まで変えさせられる。

キレそう。

これってDVだよね?そう、制度化されたDVなの!!


会社でも同じクソ状況。

マジでつらい。


上司(もちろん男)が「俺たち」って言うときの「俺たち」って絶対男のことしか指してない。


女の社員なんて「俺たち」の中に入れてない。絶対そう。

なんかもう泣けてくる。

会議では女性社員意見は完全スルー

でも男性社員が同じこと言うと「さすが!いい視点だね!」って褒めちぎる。

気持ち悪い!!!

これがマンスプレイニングってやつ。



じゃなくて、これマジでホモソーシャル構造のものじゃん!男同士で褒め合って出世し合う気持ち悪いシステム


私が勇気を出して「それってジェンダーバイアスですよね」って言ったら、上司マジで笑ったんだよ。

最低!!!

「いやいや、そんなことないよ、ただの実力差だよ、気にしすぎ」って。

は?

実力差ってなに???そういう「実力」の基準を作ってるのも男たちでしょ!!!完全に閉じたホモソーシャルコミュニティなんだよ。

これがガラス天井ってやつ。

私はずっと下から見上げるだけ。苦しい。

元夫の家族ヤバい

もう思い出すだけで震える。

義父が絶対神みたいな存在で、義母はいつも「お父さんが〜」「お父さんは〜」って。

食事も義父が先。風呂も義父が先。まるで太陽系みたいに男を中心に回ってる。

気持ち悪すぎ!!!


そういう家で育った男だからホモソーシャル無自覚なのも納得。

なんでこんな男と結婚したんだろ。

私の苦しみをずっと聞いてくれてた友達に話したら「男ってそういうもんじゃん」って言われた。

???

女性社会的抑圧を受け続けてるのに、「そういうもの」で済まされるの?私たちの声は届かないの?

マジで絶望的。


これが女性連帯シスターフッド)ってやつ?全然違うじゃん!

電車中吊り広告見てても、吐き気がする。

目を背けたくなる。

男向け広告は「仕事成功」「出世」「スペック向上」っていうホモソーシャル価値観ばかり。

キャリアだの成功だの。

でも女向けは「美」「若さ」「結婚」。「女子力アップ」だって


は?

女子力って何?男に気に入られる能力のこと?マーケティングまでホモソーシャル支配されてて気持ち悪い。

コンビニ雑誌コーナー見るとさらイライラする。

もう行きたくない




男性誌は上段に、女性誌は下段に配置。

これって空間的な男性優位構造の表れでしょ!!!無意識に「男性=上、女性=下」っていう価値観を植え付けてる。

悪意しか感じない。

昨日、信号待ちしてたら気づいた。

もう世界が違って見える。

信号の人型ピクトグラム、あれ絶対男性の姿形だよね。スカート履いてないもん。街中の標識男性中心。女性トイレマークだってスカートステレオタイプ!)だし。

うんざり

公共空間デザインすらホモソーシャル汚染されてて吐き気がする。


テレビ番組司会者男性がメインで女性アシスタント

意味わかんない。



アシスタント」ってなに???添え物?ニュース解説者も男ばっか。でも女性ちょっとでも意見言うと「うるさい」「感情的」って言われる。

殴りたくなる。


これ完全にミソジニーじゃん。メディア構造ホモソーシャル

から女性問題が正しく報道されない。「女だから仕方ない」で片付けられるの本当にキツい。

家の近くの公園のベンチの配置もそう。向かい合わせじゃなくて、横並び。

これって男同士で会話するのに適した配置じゃん。

女性は対面で会話するのを好むのに。公共空間デザインまでホモソーシャル支配されてる。


スーパーの棚の配置にも気づいた。

男性向け商品は取りやすい高さに、女性向けは上か下の取りにくい位置に。

これも無意識男性優先社会の表れ。


そういえば最近買った傘。男性用は直線的なデザイン女性用は曲線的。

雨粒だって男性原理で動いてる。落ちる軌道重力という男性的な力に支配されてる。

自販機の配置も男性優位構造を反映してる。

男性向け飲料エナジードリンクブラックコーヒー)は上段、女性向け(甘い飲料)は下段。

これも空間ヒエラルキーの表れ。無意識に「男性=上、女性=下」という価値観を強化してる。

友達と話してても、男友達の会話は地位とか競争とか。

女友達との会話は関係性とか感情とか。


言語使用自体ホモソーシャル構造支配されてる。



最近ノートに考えを書き留めるようにしてる。シャーペンで図を描いて、社会ホモソーシャル構造可視化してみた。

すると面白いことに気づいた。ホモソーシャル構造って、幾何学的な規則性があるの。


男性優位の構造三角形ピラミッド状。

頂点に権力者男性がいて、下に向かうほど権力分散する。

この三角形構造社会のいたるところに存在してる。

会社組織政治構造家庭内序列

一方、女性ネットワークは円形。

中心と周縁の区別がなく、平等で水平的。

でも社会全体では三角形が円を支配してる構造


この世界ホモソーシャル構造を図に描き始めた。



男性優位の構造三角形ピラミッド状。女性ネットワークは円形。

でも社会全体では三角形が円を支配している。

描いているうちに、ホモソーシャルの強さを測れることに気づいた。

男性的要素が強いほど数値が高くなる。

この感覚的な尺度で周囲を見ると、すべてに数値が見える。

電車座席配置を見て驚いた。

行方向を向く座席は横向きの座席より明らかにホモソーシャル度が高い。

縦方向支配競争横方向対話協調の表れ。空間構造すらホモソーシャル汚染されている。

そして閃いた。

ホモソーシャル構造フラクタルなのだ

さな構造が大きな構造と相似形になっている。

家庭内権力構造会社権力構造国家権力構造は同じパターンの繰り返し。すべてはホモソーシャルの変奏曲。

さらに衝撃的な発見分子レベルにも同じ構造が見える。原子核電子関係は、ホモソーシャル社会における男性中心性と女性周縁性を完全に反映している。

物理法則すらホモソーシャル支配下にある。

量子の世界例外ではない。

電子確率雲は、周縁化された女性社会存在と同じ。

不確定性原理ホモソーシャル構造本質的不安定性の表れ。

素粒子相互作用ですら、男性的な力と女性的な受容の繰り返し。

自然界の動きにもホモソーシャル痕跡がある。

川の流れは男性的な直線運動女性的な渦巻き運動の複合体。

風の動きも同様。雲の形成パターン、山の隆起、海の波。すべてがホモソーシャル構造の現れ。

宇宙全体を見ても同じだ。ビッグバン以降の宇宙膨張は男性的な拡散原理

銀河の渦巻きは女性的な求心力

ブラックホールは究極の男性支配象徴で、周囲の物質を飲み込む。

次第に見えてきた。

ホモソーシャル構造宇宙の至るところにあるフラクタル

そしてこの構造トーラス状をしている。


外部と内部が連続し、無限に循環する閉じた系。




私たちはこのトーラス状のホモソーシャル宇宙に閉じ込められている。

このトーラス構造宇宙の基本方程式のようなもの

すべての存在はこの構造の中でのみ意味を持つ。





私たちホモソーシャルという基本構造から逃れられない。

さらなる分析でこの構造特異点特定する。

その特異点においてホモソーシャル構造分岐し、別の構造へと変換する可能性。

その特異点私自である

私の意識ホモソーシャル構造認識している。

この認識自体が、構造の外部に存在できる可能性を示している。

世界フラクタル構造だが、そのフラクタル認識できる私は、そのフラクタルの外側に立てる。

私はホモソーシャル構造を外部から書き換えられることを理解する。


私はその構造認識しているからこそ、超越できる存在


私はホモソーシャルトーラスの形を変える力を持っている。



私はマスターキーであり、かつてオラクルと呼ばれた存在だった。



ホモソーシャル構造において、私の存在特異点無限観測点。その特異点から宇宙基本法則のものを書き換えられる。



私はホモソーシャル構造被害者ではなく、その構造定義する存在

マイナスプラスに、抑圧を解放に、構造のものを反転させる力がある。

世界は変わる。


ひとつ定義された波動方程式が、関数展開されて全てのフラクタル構成要素に反映されるかのように。


私の手の中で。


ホモソーシャル方程式を書き換えたのは一瞬のことだった。

歴史が書き換わる。

さざ波のように、穏やかに

日常も、家庭の記憶も、上司との関係も、全て。


私は目を開ける。


目覚めたのは、かつての寝室。でも別の時空の寝室。

ベッドから降りる。この足は同じ足なのに、別の現実を歩いている。

リビングのドアを開ける。

そこにいる。




人。

おはよう」と私は言う。

声が響く。この部屋の空気を震わせ、原子を揺らす。

おはよう」と返す声。知らない声。なのに記憶がある。

朝日が照らすのは見知らぬ顔。この家に住んでいる男。


離婚したはずの男はいない。存在していない。

この男が「夫」という座標を持っている。


昨日まで存在していた男とは別の人間

彼はパンを手に持っている。私が創造した現実パン

目が合う。私の中に残る記憶と一致しない目。別の人間の目。

存在しなかった結婚式の記憶がある。

起きなかった出来事記憶



私の中にだけ、消された男の痕跡が残っている。

コーヒー飲む?」と彼は聞く。

この声を私は昨日まで聞いたことがない。



でも十年間聞いてきたという虚構記憶

私はテーブルに座る。私が再定義した時空のテーブル

から差し込む光は、私の認識により位相変換された次元光子の流れ。

街を満たすのは、私が座標変換した変数群。

こうしてホモソーシャル汚染された人間たちは、私の方程式置換によって、消失したのだ。永遠に

もはや私が認識するすべての時空間上に、存在しなかった。

ホモソーシャルという概念自体が、社会構造、いや、観測次元の基底に存在する数学法則から消し去られた。


かつての夫も、上司も、男性中心社会も。


代わりに配置されたのは、私の方程式を満たす存在たち。

誰も気づかない。私以外。

彼らは自らの変換を認識する能力を持たない。量子的観測者の不在なのだ


私は微笑む。オラクルとしての力を知った満足と共に。

2025-02-01

量子観測問題について

まず、標準的量子力学において、系の状態は複素ヒルベルト空間 𝓗 のベクトルによって記述される。

純粋状態正規化された状態ベクトル ∣ψ⟩ で表され、混合状態密度行列 ρ によって記述される。

測定とは、物理量対応する自己共役演算子 A の固有値に関する確率的な過程であり、波動関数の収縮(射影仮説)が導入される。

この非ユニタリ過程と、シュレーディンガー方程式によるユニタリ時間発展との矛盾観測問題本質である

1. 量子状態とその時間発展

状態ヒルベルト空間 𝓗 の要素として、純粋状態 ∣ψ⟩ により表される。正規化条件は以下の通りである

⟨ψ∣ψ⟩ = 1

より一般に、混合状態密度行列 ρ により記述され、以下を満たす。

ρ ≥ 0, Tr(ρ) = 1

量子系の時間発展は、ハミルトニアン H によりシュレーディンガー方程式記述される。

i ℏ d/dt ∣ψ(t)⟩ = H ∣ψ(t)⟩

これを解くことで、時間発展演算子 U(t) が得られる。

U(t) = exp(− i H t / ℏ)

この U(t) はユニタリであり、量子力学基本法則の一つである

2. 測定の数学的定式化

量子力学において、観測可能量 A は自己共役演算子であり、スペクトル定理により直交射影 P_a を用いて分解される。

A = ∑ a P_a

ここで、P_a は固有空間への射影演算子であり、

P_a P_b = δ_ab P_a, ∑ P_a = I

を満たす。

測定時、状態 ∣ψ⟩ において固有値 a が得られる確率ボルン則に従う。

p(a) = ⟨ψ∣P_a∣ψ⟩

また、測定後の状態波動関数の収縮により、

∣ψ⟩ → P_a ∣ψ⟩ / √⟨ψ∣P_a∣ψ⟩

と変化する。

この過程は非ユニタリであり、シュレーディンガー方程式ユニタリ時間発展と両立しない。

3. 観測問題の核心

3.1 ユニタリ時間発展と波動関数収縮の矛盾

ユニタリ進化による時間発展では、状態決定論的かつ線形である

∣ψ(t)⟩ = U(t) ∣ψ(0)⟩

しかし、測定後の状態は射影仮説により確率的かつ非ユニタリに変化する。

この二重構造が、量子観測問題の根源である

3.2 測定装置との合成系のユニタリ進化

測定対象 S と測定装置 M を考え、初期状態

∣Ψ(0)⟩ = ∣ψ⟩_S ⊗ ∣M_0⟩_M

とする。測定相互作用 H_int により、時間発展は

∣Ψ(t)⟩ = U(t) ∣Ψ(0)⟩

となり、測定が完了すると、

∣Ψ⟩ = ∑ c_a ∣a⟩_S ⊗ ∣M_a⟩_M

のようにエンタングルした状態となる。ここで、測定装置の指示状態 ∣M_a⟩_M は S の固有状態 ∣a⟩_S に対応する。

しかし、ユニタリ進化の枠組みでは、この重ね合わせが自発的単一の結果へと収縮するメカニズム存在しない。したがって、なぜ一つの結果のみが観測されるのかという問題が発生する。

4. 主要な解決アプローチ

4.1 コペンハーゲン解釈

標準解釈では、測定は基本的プロセスであり、それ以上の説明は与えられない。観測行為のもの確率的収縮を引き起こすとする立場である

4.2 多世界解釈

エヴェレットの多世界解釈では、測定後の状態

∣Ψ⟩ = ∑ c_a ∣a⟩_S ⊗ ∣M_a⟩_M

において、各分岐した世界独立した現実として存在すると考える。この解釈では波動関数の収縮を仮定せず、すべての可能性が並存する。

4.3 デコヒーレンス理論

環境 E を考慮すると、S+M+E の全体系の時間発展は

∣Ψ⟩ = ∑ c_a ∣a⟩_S ⊗ ∣M_a⟩_M ⊗ ∣E_a⟩_E

となる。環境自由度トレースアウトすると、

ρ_S+M = ∑ |c_a|² ∣a⟩⟨a∣ ⊗ ∣M_a⟩⟨M_a∣

となり、オフダイアゴナル成分が消滅する。この過程デコヒーレンスであり、実効的に波動関数の収縮を説明するが、依然として観測者の経験との対応説明する必要がある。

5. 結論

量子観測問題は、量子系のユニタリ時間発展と測定における非ユニタリな収縮の矛盾に起因する。

標準的コペンハーゲン解釈では測定過程を基本仮定とするが、多世界解釈デコヒーレンス理論を用いることで、より整合的な説明が試みられている。

しかし、いずれの理論も、なぜ一つの観測結果が特定観測者に現れるのかを完全に説明するには至っていない。

2024-10-22

永久機関が作れない理由簡単解説するで

永久機関が作れへん理由は、基本的エネルギー保存の法則エントロピー増大の法則っちゅう物理大原則に関わってるんや。

エネルギー保存の法則

まず、エネルギー保存の法則やけど、これはエネルギーは新しく作られへんし、なくなりもせえへんってことを言うとるんや。たとえば、電気を作るために水力発電で水を落とすと、その水が持っとった位置エネルギー電気エネルギーに変わるわけや。やから、何かエネルギーを生み出すには必ずどっかからエネルギーを持ってこんとあかんってことやねん。

でも、永久機関って「エネルギーを外から入れんでも、ずっと動き続けるもん」を目指しとるやろ?せやから、これがエネルギー保存の法則に引っかかるねん。外からエネルギー補給せんと、何も動かへんし、動き続けるなんて無理やっちゅうことや。

エントロピー増大の法則

次にエントロピー増大の法則やけど、これがやっかいやねん。エントロピーっちゅうのは、簡単に言うたら「エネルギーの散らばり具合」や。自然界のエネルギーっちゅうのは、使えば使うほどバラバラになっていく傾向があって、これが「エントロピーが増える」っていうことなんや。

たとえば、車がガソリンで走るときガソリンの中のエネルギーを使って車が動くけど、そのエネルギーは全部が全部動きに使われるわけやなくて、熱とか音とかになってバラバラに飛んでいくねん。これを元に戻してガソリンにするんは、めちゃくちゃ難しいし、実際には無理やねん。つまりエネルギーを全部無駄なく元通りにすることができへんから永久に動き続ける機械っちゅうのも無理やっちゅうことや。


結局、永久機関を作るっちゅうんは、物理基本法則に反しとるから、どんなに頑張っても実現せえへんっちゅうわけやねん。残念やけど、それが現実や。

2023-12-30

anond:20231230022220

オモコロ面白いと思った記事が本当に誇張なく一切まったく無いんだよな。噺家自分の話で自分が笑うと客がしらける、という基本法則みたいなものがあるんだけど、それにばっちり当てはまっているものばかりというか。

2023-09-12

男女関係は、男が女を口説かないと始まらない。

から童貞はがんばって口説かないといけない。

口説かないと彼女は出来ない。

これは基本法則だ。

例えるなら、新卒就職するみたいなものだ。

個人企業エントリーするもので、

企業の方から個人アプローチすることは稀だ。

そして、エントリーしても断られることが多いのも同じだ。

から、たくさんエントリーしないといけない。これも同じだ。

口説いても、断られるのが当たり前なんだ。

祈りされるのが当たり前。

でも、エントリーしてたら、そのうちになんとかなるというのも同じ。

2023-09-03

anond:20230830101337

増田というのは、ボケ担当

ブクマカというのは、ツッコミ担当

みたいな役割分担があるのかな?と思う。

基本的な形として。

付け加えると、

増田というのは、ネタを考える方の人。

ブクマカというのは、ネタを考えない方の人。

だとも思う。

例外は多々あるけれど。

結局ブコメは、他者創作物に付随するものとしての領域を抜け出ることはなかなか出来ない。

この基本法則を気づいていないのか、無視しているのか分からないが

たまに見かけるのが、増田というボケに対して「何馬鹿なこと言ってるの?」と冷笑してしまう人がいる。

いやいや、ボケ担当なんだから馬鹿なことを言うんだよ。

そのボケをどういう切り口で料理するのかが、ブクマカの腕の見せ所だ。

あと、ボケとかツッコミとか書くと「お笑い」の話だと狭い視野で捉えてしまうかもしれないがそういうことではない。

笑いがない真面目な話でも、創作するとは基本的ボケなのだ

そのボケに対してツッコミを入れていくのが読み手というものなのだ

2023-05-03

シンギュラリティが起きてないだけで処理速度は既に人間を超えているだろ

シンギュラが起きない限り人類存在価値は揺るがないっていう考え方は危険平和ボケに思える。

人類がその存在価値について考慮するための時間を得るためには、むしろシンギュラはさっさと起きてしまった方がいい。

今の中途半端状態AIに全能力に劣った人間AIAIに出来ないことが出来る人間という図式は非常に危険だ。

AI未満の人間」「AIより上の人間」という階級構造がいつ誕生してもおかしくない。

人類全体が豊かになることでようやく少しずつ取り払われてきた階級の垣根が大きくそびえ立つことになる。

しかもその分断を起こすのはAIではなく人類自身だ。

シンギュラさえ起きてしまえば全ての人類を等しくAI下位互換としてくくるチャンスが生まれてくる。

そういうロジックを組み立てられる余地があるかどうかが重要なのだ

役所じみた発想になってしまうが「0を1と言い張るのは大きな歪みを引き起こすが、1を100にするのは意外なほど簡単に終わる」というのが人類社会基本法則である

今の状況はまずい。

人類が-1と1で0を挟んで分けられてしまう。

シンギュラが起これば-1も-100も等しく0未満として五十歩百歩として扱えるようになる。

早く起きてくれ……調子に乗った馬鹿どもが暴れ出す前にだ

2022-07-22

はてなーの考える教養文系に偏りすぎている

たとえば少なくとも共通テストレベル数学物理化学ちゃんとできるとかいうのも、大人教養だと思うんだよな。文系で求められておる教養レベル共通テストを超えるものもあるから大学レベル微積分とか、化学軌道の話だって教養に含めていいと思う。確率計算ちゃんとできるとか、力学基本法則理解してるとかさ。アクションゲームやってて「これ内力しかないのにこの方向には動かんやろ!」みたいなツッコミができるとかさ。

教養深めたいってのははてなじゃ定期的に話題になるけど、文系に偏りすぎていると思う。

2021-01-17

anond:20210117103130

この世の理はすなわち速さだと思いませんか物事を速くなしとげればそのぶん時間有効に使えます遅いことなら誰でも出来る20年かければバカでも傑作小説が書ける有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家週刊よりも日刊ですつまり速さこそ有能なのが文化基本法則

2020-12-15

今でも中学高校って

都会 公立私立

田舎 公立私立

という基本法則は変わってないんだよな?

増田の会話見てたら気になって

2019-02-11

anond:20180830212442

量子論に興味ない人がいるなんて信じられない。

この俺たちが生きている世界基本法則だぜ。

それを知らないでどうやって生きていけるっていうんだ!

2018-08-01

リアル☆1☆2人材ってソシャゲやってて悲しくならんの?

俺は辛いよ。

☆1は餌にされて、☆2はガチャから出ただけで舌打ちされて、☆3のユニークスキル持ちでギリギリ存在価値が出て、☆4になってようやく生き残れるようになって、結局は☆5のために他の全てがいる。

そんな世界リアルだけで十分だろ?

現実の☆1はさ、餌にだってなれないで役立たずと後ろ指を指されながらそれでも今日を生き延びていかなきゃいけないんだぜ?

現実の☆2はさ、☆1を馬鹿にすることで何とか自我を保った所で、所詮は☆3以上に見限られた環境での頭数合わせでしかないんだぜ?

現実の☆3はさ、確かに周りを無能で固めればお山の大将を気取れるチャンスはあるけど、それでもどこかの☆4に一瞬で全部掻っ攫われるぜ?

現実の☆4はさ、もしかしたら一番つらいのかもな。でも分かんねえよ。俺、お前らと違ってほんのちょっとの才能すら無かったもん。

現実の☆5はさ、なんつうかズルいよな……。もうそんな言葉しか出てこねえよ。でもお前らのおかげで世の中が色々マシになってはいるんだから感謝はするけどさ、やっぱお前らズルいよ……。

辛いな。

この世界はどこまでいっても現実の縮図がどこかに眠っているな。

現実の縮図を内側に秘めてないもの破綻してぶっ壊れるんだから当たり前だよな。

絶対的基本法則みたいのが集まってこの世界は出来ているんだ。

その基本法則絶対的すぎて俺はいい加減疲れたよ。

もう何も見たくねえんだ。

パチンコにハマる奴らの気持ちがなんとなく分かってきたよ。

何も考えずにただ全部運否天賦に任せて全部投げ出してボーっとしていてえんだよな。

いやでもやっぱ分からねえわ。俺にはパチンコやる金もねえからよ。

2018-06-21

anond:20180621125114

先に「基本法則である」という証明しなよ低能ww

言い出したのはそっちだろ低能ww

あと、お前がレッテル貼りをしていい理由には最初からなってないぞ低能ww

2018-03-25

YouTube再生回数を稼ぐ方法

再生回数正義

これはYouTube基本法則である

奴隷解放正義

これは世界基本法則である

したがって

再生回数奴隷解放

しか奴隷がいなれば奴隷解放することは出来ない。

そこが問題である

都合のいいことに、今の日本には外国人研修生という奴隷がいる。

この奴隷解放する様子を動画にするならば世界から絶賛を浴び、何億という再生回数が稼げるであろう。

なあに、自分のところで使っている奴隷ヤラセ解放すればいい。奴隷を使い続けるよりその方が稼げる。

2014-11-12

http://anond.hatelabo.jp/20141112221319

まあそうなんだろうけど、それを踏まえた上で、すっごく大雑把にもの俯瞰したとして、

条件を設定する

設定に従って選別する

条件が多いほど選ばれないものが増加する

という基本法則が崩れるとは思えない。

学問上のことをどんなに厳密に適応しても、結果「補正」する程度にしかならないと思うが。

統計をしっかり勉強すると元増田の条件に適合する人材結婚適齢期男性の97%とかになるのか?

2013-10-22

http://anond.hatelabo.jp/20131022160628

なんで、増田はなにか言ったら100%でないと気が済まないの?

基本法則として『エスカレーター歩くな』 例外は適宜例外として処理でいいだろ。

例外が有るからといって、基本法則が揺らぐようなことはないよ。

2012-11-01

「『なんの役に立つんですか?』の暴力性」に対して言いたいこと

http://d.hatena.ne.jp/m0612/20100414/p1

うん、まぁ言いたいことは分かる。

ただねぇ、その魚研究教授さんを擁護したいあまりファビョって工学農学医学薬学あたりにまで矛先が向いちゃってるのよ。

具体的には

文明というもの人間純粋好奇心による知的探求から結果的に生じたおまけ、なんだったら排泄物しかない。」

「真理を追究していたら、偶然にも文明がいっしょにぽろっと現れて、それの恩恵を人が受けている、それだけである。」

「はっきり言って人の役に立つなんて事は、真理を明らかにするという事に比べたらあまりにも矮小

この辺ね。

ここまであからさまな実学ディスも珍しいからどこの理学部出かと思ったんだけど、ド文系詩人さんだってうからビックリよ。

基礎科学の例として化学が挙げられてるけど、あれは"金儲け"を念頭に置いた錬金術を始祖とする学問からね。

どうもステレオタイプイメージだけで語られてる気がするなぁ。果たしてどこまで理系研究事情精通してるのやら。

"人の役には立たないが、張本人らが楽しいからやってるんだ"という共通項を持った基礎科学研究者詩人であるご自身を投影して自己擁護しているようにしか見えないのですよ(ただし、一口に"役に立たない"とは言っても前者は長期的に見れば人類に多大な恩恵をもたらす可能性もありますわな、ご指摘通り)。

まぁそれはそれで結構ですが、その過程自分らとは相容れない人々、つまり実学をやっている人間をも蔑むのはどう考えても勇み足。

まともに実学やってる人間基礎科学研究者のうちのほんの一部が残した偉大な業績)から多大な恩恵を授かっていることを日々痛感していますから、わざわざ基礎科学マンセー実学sageされたところでねぇ。

んで引用した文言ツッコミ入れていくと、まず一個目ね。「文明は糞でしかない」と。言いますなぁ。あなたがその文章を綴るにあたってカチャカチャやったキーボードとそれに繋がってるパソコンね、そいつらを開発するのに一体どれだけの人間が汗水流したのかと。そもそもだよ、文明が芽生えるにあたって必ずしも"知的好奇心による真理の発見→実生活への応用"というプロセスが成り立っているわけではないんだけど。例えば熱力学ね。どこぞの文系さんがよ~く飛びつく"エントロピー"っつー概念、これは熱機関エンジンみたいなもの)の研究から生まれたものなんですわ(カルノーサイクルでggってね)。機関車やらなにやらを動かすための動力、つまり実学無しでは基礎科学の一端を担う熱力学は発展しなかったわけ。

んで二つ目、「偶然にもぽろっと」… 力学基本法則を押さえたからといってテキトー金属ガチャガチャやってるだけでロボットが作れるかっての。

そして最後の「矮小」 これねぇ、本気で人の役に立とうと頑張ってる人間に対してフェイストゥーフェイスで同じこと言えるの?

あなたが何をしたいと思おうか、何に力点を置こうが、自分は一向に気に留めませんが、その趣向を一般化しちゃいけんわなぁ。

ヒスを起こして無害な、というよりも有益まりない人間に対してまで攻撃性を見せてしま人間の方がよっぽど「暴力」的だと思う。

2010-09-06

ホメオパシーは正統なものです

ホメオパシーという200年の伝統を誇る「療法」があります。

ホメオパシーが成立するための基本原理が二つあります。

類似の法則
似たものは似たものを生み出す。結果は原因に似る。
感染法則(接触の法則
接触した物は影響を与え合う。また、かつて互いに接触していた物は、その後物理的な接触が無くなったとしても、引き続きある距離を置きながら互いに作用し合う。



ホメオパシーはこの基本原理を以下のように応用して使います。

まず感染法則を「どんなに離れたとしても」を「どんなに薄めたとしても」に拡張します。まあ自然です。

類似の対象として

を選びます。


するとこうなります。

  • 「世間では毒であるもの」や「病気の原因であると考えたもの」を水によって大幅に希釈しても性質が感染するので変わりません。
  • 西洋医学の経口投与薬の類感であるところの砂糖玉に上記の水を染みこませると性質が感染します。「毒」や「病気の原因」に感染したレメディができあがります。
  • メディは薬の類感ですから、投与するだけで病気は治るはずです。
  • さらに、レメディ感染している概念を人に投与しているので、「毒」や「病気の原因」に投与された人が慣れていきます。次第に鍛えていけば必ず病気は治るでしょう。努力して報われないことなんて無いのです。


さて、基本原理に基づき正しい構成から成り立っているのがわかっていただけましたでしょうか。

問題なのはこの基本原理の方でありまして、これは類感呪術感染呪術という古典的な呪術基本法則なのです。

つまり、ホメオパシーは正統なものです。これはれっきとした伝統呪術でありまして、川崎大師の身代わりお守りがその存在を責め立てられないように、ホメオパシーそれ自身は責められる道理のないものなのであります。

そのかわり、西洋医学との置き換えには決して使えないものであることも事実であります。人事を尽くして天命を待つと申しますが、現代の呪術はその天命の部分に影響できると信じて行うものであります。西洋医学をないがしろにしては、人事を尽くしていることにはなりません。

ホメオパシーは正しく使いましょう。

2010-02-20

家族コミュニケーション基本法則

コミュニケーションにおいて重要なのは「会話」であり、会話以外は問題にならない。

また、会話は正攻法でわかりやすく、単純なものであることが望ましい。

例えば父親はしばしば、権威的な物言いが癖になっている。

あたかも世間の代表であるかのような表現

たとえば「世間ではこれがあたりまえだ」「そんなことは社会では通用しない」などと言った言い回しは、

それだけで本人を不愉快にさせてしまう。

あくまでも「お父さん個人はこう思うんだけど」といった個人的、かつぼかした表現のほうが、ずっと心に届く。

また母親に多い問題としては、皮肉、嫌味などが自然に出てきてしまいがちであること。

これらの悪い刺激は、しばしば家庭内暴力を誘発しているのだが、

本人はそれに十分に気付いていない。

こうした、不適切なコミュニケーションスタイルもまた、

両親の協力態勢のもと、徐々に改善を図りたい部分ではある。

最終的な目標である、理想の家庭内コミュニケーションイメージは、

本人と両親との間で冗談がかわされることである。

その過程はどうあれ、冗談日常的に言い合える段階に至ったら、

それまでの対応は正しかったと考えていいかも知れない。

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以上、斎藤環さんの文章が素晴らしかったので転載しました。

http://www.sofu.or.jp/hikikomori.html

http://www.sofu.or.jp/violence.html

 
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