はてなキーワード: 家庭内別居とは
◯ 私
ゲームで知り合い、好きになって付き合って、2022年冬から同棲を始めた。
彼氏の方は「私ちゃんが初めての彼女」らしく、傍から見てもベタ惚れデレデレで、私に対しても毎日かわいいだいすきみたいな愛情表現を常に欠かさないタイプ。
対する私はそれなりに恋愛経験があり、彼氏のことは当初は別に好きじゃなかったものの、猛アタックを受けるうちに興味を持って好きになって、結果的にバカップルといわれるように。
私が当時住んでいた物件の契約更新のタイミングで、せっかくならと同棲を始めて、1年半くらいはしょうもない喧嘩こそすれ仲良くいちゃこら過ごしていた。
1Kの部屋に住んでいたので常に一緒にいた。
それがおかしくなったのは、彼氏の仕事とかの都合で1LDKの物件に引っ越して半年が経ったころだった。
彼氏は以前からヴァロラント(FPSゲーム)が好きで、ちょっと空き時間があればヴァロを開いて射撃訓練場にいる人だった。
私が仕事で遅くなるからごはんは先に食べてて、と連絡を入れても、ヴァロに夢中で連絡に気付かず、私が帰宅してそれを知って叱る(ごはんはちゃんと食べてよ!という叱り)、というのはもはや日常茶飯事だった。
2023年の冬、何かのきっかけで彼氏のゲーム漬け生活に拍車がかかり、仕事から帰ったらごはんをかき込むように爆速で食べて友達と通話しながらヴァロ→平日でも3時頃までヴァロ→6時半に起きて仕事……という生活が続くようになった。
睡眠不足が祟ってか、コロナに感染して4日間も高熱に苦しんでいた。
さすがに体に悪いので、「せめてごはんはちゃんと噛んで食べて、夜は1時には寝なさい」と言った。ゲーム中は構ってもらえなくてだいぶ寂しい思いをしたが、それよりも彼氏が体調を崩すことの方がよくないと思っていたし、まあそういう波なんだろう、いずれこっちを向いてくれるだろう、と思って、そのへんは何も言わなかった。
結局、その忠告をした当日は、彼氏は4時までゲームをしていた。
我が家は「寝るときは一緒に寝室に行く」「おやすみのチューをする」というルールを設けていた(照)ので、最初は私も必死に3時過ぎまで起きていたが、次第に彼氏を置いてひとりで寝室に行き眠るようになった。私にも仕事があるし、ずーっと背を向けられて、壁に向かって何時間もこっちを振り返ることもない姿を見続けるのが辛かった。
先に寝てしまうのでおやすみのチューなんてもちろんしなくなって、次第に普段の会話も業務連絡程度になっていった。
ハグもキスもしない、時間さえあればゲームをしているのでセックスもしない。
彼氏は日曜が唯一の休日で、以前は買い物ついでにデートをしたり……なんてこともあったが、それも一切なくなった。
日曜日は朝7時に起きてひとりでゲーム、私が起きてきたら朝食を食べて昼までゲーム、昼食を食べて夕方までゲーム、買い物に行って夕食を食べたらまたゲーム。毎週その繰り返し。
次第に食事の内容も「ゲームをしながらつまめるもの」を求めるようになり、食卓ではスマホでゲームの実況を見ているので、会話もしなくなった。
そのころになると私もいよいよ嫌になってきて、ゲーム辞めてよ、寂しい、なんて言うようになっていた。
でも、その瞬間ゲームの片手間にこっちを見るだけで、何も変わらなかった。私が生理痛で寝込んでいても、飲み物ひとつも持ってきてくれることはなかった。私よりゲームの方が好きみたいだった。
ゴールデンウィークに入り、カレンダー準拠の私たちはお互いに長い連休を得た。
その頃にしては珍しく、彼氏が「せっかくだから5月3日は私ちゃんが好きな水族館デートをしよう」と言ってくれて、私は泣いて喜んだ。私のことまだ忘れてなかったんだ、みたいな安心感がすごくて、わんわん泣いて、当日は何を着ていこうかな、どのバッグで行こうかな、美容室いっちゃおうかな、って浮かれていた。
私が寝室のクローゼットで服を選んで、リビングにいる彼氏に「この服、デートにどうかな?」って持っていったら、彼氏は壁に向かってしゃべっていた。
寝室に戻って泣いた。
ゴールデンウィーク中の彼氏は生活リズムもくそもない生活をしていた。
朝9時に起きてゲーム、私が起きてきたら朝食を食べて昼までゲーム、昼食を食べて夕方までゲーム、買い物に行って夕食を食べたらまたゲーム、朝5時に寝て、朝9時にはまたゲーム、のループ。嘘みたいだよね。嘘だって思いたかった。
そんな生活の最中だったから水族館デートの当日は揺すってもくすぐっても全然起きなくて、結局家を出たのはお昼をだいぶ過ぎたころ。
八景島に行ったんだけど、時間も遅いしそもそも混んでるしで閉館までに回り切れなくて、私が見たかったペンギンのイベントにも間に合わなかった。
彼氏は一生けんめい話を振ってくれたり変なダジャレを言ったりして私を励ましてた?けど、正直私の中では、もう無理だという感情しか沸いてこなくなっていた。
ゲームのためなら7時に起きられるのに、私とのデートのためには午前中に起きることすらできないの?
そもそも次の日朝からデートなのに、朝までゲームしてるって何?
この人と結婚なんかしたら、この先何年もこうやって放置されるの?
いろんな不満と悲しさがうわーっと押し寄せてきて、家に帰って早々、私は別れ話を切り出した。
私は上に書いたような不満を吐き出して、彼氏は言い訳もしないでただ「ごめん…」だけを言い続けて、別れ話は2時間くらい続いた。
で、結局別れなかった。
彼氏は「「私ちゃんが人生のすべて。私ちゃんより大切なものはないからゲームの時間を減らす」と約束してくれて、寂しさから別れ話を切り出していた私はそれを信じて、再構築することを誓って別れ話を終えた。私はギャン泣きして彼氏に抱きついた。何か月ぶりかのハグだった。
私の中でなにかが消えた。
もうなんか、すべてがどうでもよくなってしまった。
もちろんそのとき直接抗議したよ。今日くらいは一緒に寝ようよ、さっき別れ話を乗り越えたばっかりなんだよ、って。
そしたらお姫様抱っこで私を寝室に運んで、ほっぺにチューをして、「すぐにやめてこっちに来るからちょっと待ってて」って言った。
私は信じて待ってたけど、1時間経っても2時間経っても、彼氏は寝室に来なかった。ちらっとリビングを覗きに行ったら、まだ壁に向かって話しながらゲームをしてた。
私の中に残っていた寂しさとか好きって気持ちとかが今度こそさっぱりなくなった。
寝室に戻って、眠くなるアレルギーの薬を飲んで強引に寝た。
次の朝、8時に起きたら、彼氏はもう起きてリビングにいて、ゲームをしていた。
そんな状態のままゴールデンウィークが終わり、私はといえば、完全に冷め切っていた。
家に帰っても彼氏はゲーム、私はネットサーフィン。時間になったら勝手に寝る。
完全に家庭内別居状態になっていて、当然会話をしてもぼんやり空気が悪いので、私はだんだん家に帰らなくなった。
高校の先輩と飲みに行ったり、友達の家に泊めてもらったり、男女関係なく毎晩飲み歩いた。
そしてついに男を作った。
これに関しては理由は何であれ私の非だと思う。
とりあえず、私は家に帰らず男とごはんやらホテルやらに通うようになって、いよいよ彼氏とは疎遠になっていった。
8月に入ったころ、彼氏に「最近家にいないけど、浮気でもしてるの?」と詰められた。
曰く、私が家にほぼいない状態が続いてしばらく経った頃、さすがに放置しすぎたかなと思って焦ってゲームをやめ、ごはんを作って私の帰りを待つようになったのに、私は帰ってこない。
身寄りがなく、職場が家の目と鼻の先である私が家出したとは考えられなかった彼氏は、私のSNSを追いかけて、男と仲良くしているのを見つけたらしかった。
私は咄嗟に謝ったけど、心の奥底では、なんで私だけが謝らなきゃいけないの?とも思っていた。
浮気はもちろん最悪の行為。だけど、何ヶ月も私を放置した向こうには一切の非もないの?って。
私は何回も話し合おうって言ったし、意見も言ったし、向こうからの同意も得たはずなのに、その日のうちに裏切られた。何回もそんなことがあったから愛想が尽きたのに、これって私だけが悪いのか?って。
そこから家の中は以前にも増して冷戦状態になり、私はますます彼氏のことが嫌になった。
彼氏は今度こそ本当にゲームの時間を減らしたみたいで、毎日仕事の合間にも夜にも朝にもLINEを送ってくるようになったけど、私は「そうなんだ」「ふーん」「がんばれー」みたいな返信しかしなくなっていた。
「私ちゃんとの時間がほしいから今日は早く帰ってきてね」という連絡を無視して、男と吞んだくれた。
今さらなんだよもう遅いよって思って、ホテルのトイレでひとり泣いた。
さすがに今日くらいは家にいるべきか?と悩んでいたら、珍しく彼氏が「新宿に買い物に行きたい」と言いだした。
その日は平日だったのと、彼氏は普段「都心は人が多くて嫌い」と言って都心でのデートや買い物を断固拒否していた人だったので、ほえー珍しい、と思って、何の気なしに適当についていくことにした。
彼氏が新宿について入ったのは南口のサマンサで、買い物というのは私の誕生日プレゼントだった。私が好きそうな淡いピンクのバッグを選んで買って、家に帰って、手紙と一緒に渡された。
半年近く私を放ってゲーム三昧だったくせに、バッグくれたくらいで気持ちなんか戻んないよ、って思った。
とりあえずありがとうと言って受け取って、時間も時間だからとシャワーに行った。
今日は早寝なんですねwと思ってベッドで寝るように促そうとしたら、彼氏の頭の近くに、画面つけっぱなしの彼氏のスマホが転がっていた。
そうやってつけっぱで寝るから充電なくて仕事中困るんだろ、とイラっとしてスマホを手に取ると、LINE keepのトーク画面。
「やっぱり僕は私ちゃんのことが好きなんだよね」
「早く会いたい」
とかなんだかんだ書いてあって、私はその瞬間ぶわっと泣き出した。
そういうのは直接言えよとめちゃめちゃイライラした。と同時に、なんでこんなことになっちゃったんだろう、って思ってどうしようもなくなった。
何回も話し合って、私は男と縁を切って、彼氏はゲームを辞めることを約束して、再構築を決めた。
しばらくはぎこちない感じだったけど、だんだん私も好きって気持ちが戻ってきて、前みたいにおやすみのチューもするようになった。
そんなこんなで1年近く経って、先日、また私の誕生日が来た。
今年もバッグをもらって(※彼氏が、私のお気に入りのショルダーバッグを破壊してしまったため)、手紙もついてきた。
そこには、「この1年は、お互いに言いたいことを言い合って、良い関係を築けたと思います。ずっと一緒にいようね」と書いてあった。
その場は嬉しくてまた泣いたんだけど、ひとりになって手紙を読み返していたとき、自分の心の中にもやもやした影がいることに気が付いた。
再構築を約束してから、私は飲み歩くのをやめて家にいるようになって、男とも縁を切った。
浮気したことを心から謝り反省して、男友達との交流をもつときは逐一連絡したり、紹介したり、私なりに少しでも信頼を得られるように動いてきたつもり。
では、彼氏は?
結論から言うと、彼氏はまだヴァロラントをやっている。まあ、2時には寝るようになったけど。
ただ、あんまりゲームが好きそうなんで、取り上げるのは悪いなと思い、一緒にできるオンラインゲームを見つけてきて彼氏を誘ったら、見事にはまってくれた。
最初のうちは一緒にやっていたけど、次第に、私が寝た後にひとりでやり続けるようになってきた。
日曜日、朝目が覚めたら、「洗濯がてらリビングでゲームしてるね。私ちゃんは疲れてるだろうから寝てていいからね」って、優しい顔。
私はもう浮気するつもりも、あのときみたいに話し合いを諦めることもしたくないと思っている。
本当に彼氏のことが好きで、本気で再構築したいから。「私ちゃんは寂しいと浮気しちゃうもんね」ってイジられても、毎回心から謝罪して、頭を下げている。
でも、本当にこれでいいのかな。
未だに彼氏がヴァロラントをしている背中を見ると、吐き気とパニック発作を起こしてしまう。
朝方目が覚めて隣に彼氏がいないと、あのときのことを思い出してリビングに走って向かってしまう(大体、トイレ行ってるだけなんだけど)。
彼氏は、再構築どころか、「雨降って地固まるって僕たちのことだね」なんて呑気に言う。
私だけが、1年前に取り残されている。
「浮気した夫を許すべきか」と検索しても、納得のいく答えは出てこない。
しかし、「不倫した夫を許すべきか」という問いになると、話は少し変わってくる。
この違いを理解しないまま「一度きりの過ちだから」と許してしまえば、後からより深く傷つく可能性がある。
夫が不貞行為をした際に許すべきかどうかの判断基準を提示する。
もちろん許されることではないが、「オナニーの相手がたまたま実在する女性だった」と捉えると、怒りの温度も少し変わってくる。
本音を言えば、風俗やAVと浮気の境界は曖昧であると考えている者も多い。
その延長にあるのが、飲み会の流れや出張先での一夜限りの関係である。
ここで重要なのは、妻のことを大切にしていないわけではないという点だ。
むしろ「妻は大事」「浮気相手は性処理」と、完全に切り離して考えている。
浮気相手の女性が「本気かも」と思っていようと、夫側はただのオナホールのような存在と見なしているケースも多い。
一度きりで反省しているのであれば、家庭を守るために許すという選択肢も現実的である。
一方、不倫は明確に違う。
夫はその間、妻を「女として」見ていない。
たとえバレて「もう終わった」「反省している」と口にしたとしても、一度冷めた気持ちは元には戻らない。
「好きな人ができた」「もう気持ちがない」と言われたとき、冷静に対応できるだろうか。
不倫が発覚した直後はシュンとしていても、数ヶ月後にまた連絡を取り始めることもある。
家庭内別居のような状態が続き、精神的に消耗していくパターンも多い。
しかし現実には、「割り切って許す妻」と「すべてを拒絶する妻」の間に、無数のグラデーションが存在する。
許すことで守れるものがあるのか。
自分:30代後半
妻:20代後半
リビング以外の個室のうち1室を寝室、1室を物置+半自室として使用している。
加齢によるものかわからないが、ここしばらくは0時を超えてから就寝すると
翌日のパフォーマンスへかなり影響するように感じる。
もともと自分が朝方というのもあるかも。
それに加えて眠りが浅いので、ちょっとしたことですぐ目が覚めてしまう。
対して、妻は典型的夜型。頑張って寝ようとしなければ2時でも3時でも起きていられる。
また、眠りが深いタイプで睡眠中はよっぽどのことが無いと起きない。
という状況なので、先に自分が寝る→妻が後から来る→自分だけ目が覚める、みたいなことがある。
寝室を分けることで、以下のようなメリットがあると考えられる。
・寝室+半自室という区分けから、お互いの自室*2というテリトリー分けができる
反面、以下のようなデメリットが想定される。
・一人だとさみしい
・夫婦の顔を合わせる時間が減少し、半ば家庭内別居みたいになりそう
・電気代が2室分かかる
なんとなくだけど、夫婦二人暮らしで寝室まで分けると急速に夫婦仲が冷え込みそう。
みなさんどうされてますか?
私が生まれ育った家庭は両親が家庭内別居していることもあり、かなりの個人主義。
小学校高学年ぐらいから洗濯も掃除も各自で行う、平日は朝食や夕食が出てくるが、毎週金曜日から日曜日の夜まで両親共に不在でどこかへ出かける(仲悪いので別々にどこかへ出かけている)ため、冷蔵庫にあるものやカップ麺などを適当に食べる。
対して、うちの旦那の家庭。
カップ麺などは一切食べない。
家族仲が良く、誰かが出かける際はどこへ行くかなども把握。
はじめは旦那の家庭の仲の良さに感動したが、今ではどうかと思うところがある。
義父は夕飯時にまずは晩酌、お酒を飲み終わったらお米を食べるのだが
義父がビール飲み終わるタイミングで義母が必ずお米をよそいにいく。
たまにそれが出来ないと、義父がご飯。といい、義母が失礼しましたとお米をよそいにいく。
これ、まじお手伝いさんじゃない?
そして義母は時々うちに来るのだが。
約束の30分前に到着される。。
30分前に人の家に来るとか非常識極まりないことを出来るのは、義母が当たり前に義父のお手伝いさんにされているのと同じニュアンスの闇を感じる。。。
lot********
24分前
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こういう人なんだからしょうがない。
手慣れてるんだと思いますね。
奥さんも気の毒に、子供がいないうちに別れたほうがいいかもね。
こういう性根というのが40から変わると思えない。
人を大事にできない人と一生一緒にいるのは人生を台無しにすることだと思う。
no
3分前
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しっかり慰謝料とってさっさと別れた方がいい
奥様には頑張ってほしい
mif******
11分前
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40でこの行動してるならこの先治らないよ
20歳そこそこで遊んでるなら将来は意外と落ち着くかもだけどさ。
cat********
19分前
非表示・報告
そう、子供がいないうちに別れた方がいいと思う。
yat********
18分前
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許せるわけなどない
一生、トラウマですよ
サレ妻より
min********
12分前
非表示・報告
なんだかんだずっと許せないしまたやるよ
そういう生き物なんだと諦めて25年
もっと許せそうだな
たった今
非表示・報告
俺と親友の出会いは就職。新卒の時に面接で知り合って、入社式でも顔をあわせて、そのまま同じ支店になった。
それから、親友が異動になっても俺が転職してもちょくちょくラインしたり飲んだりする仲だ。
俺は勝手にこいつを親友と呼び、そして俺にとって親友と呼べる男はこいつだけだった。
結婚前は、親友も俺も遠距離恋愛をしていて、彼女の居住地が近かったので、一緒に長距離ドライブで彼女に会いに行ったりした。
俺はその頃、もう彼女と別れていたけど、目一杯親友の人生の門出を祝った。
親友は、あまりかしこくはないが、まじめで、要領が良くて、人当たりがよくて、どこか気品があって、それでいてなんだかミステリアスで、男女ともに人気があるタイプというか、なんだか華がある男だった。
でも同時に、どこか他人に心をひらくのが苦手で、他人に対していつも批判的で、本音のところで素直じゃなくて、人を慕ったり、こびたり、大事にしたりするのがヘタだった。
かまってほしいのに、かまってもらうのがヘタ。
愛されたいのに、愛することはできない。
第一印象がとてもいいぶん、親しくなればなるほど欠点が目立つタイプで、よくトラブルを起こしては「人間関係リセット」をやってしまうやつだと知ったのは、最近だった。
そんな男だったので、親友にとっても、親友と呼べる友人は俺だけだった。
コロナ禍でも釣りに行ったりしていた親友と、昨年の夏頃から連絡があきらかに薄くなっていった。
先月ひさしぶりに会うと、近況報告もそこそこに、奴はビジネスバッグから封筒を取り出した。その封筒には、筆文字で書かれた屋号のようなものと電話番号や住所が記されている。そこから降りた畳まれたA3よりすこし大きいくらいだろうかといった紙が出てきて、ビールと枝豆のとなりに広げられた。
「数年前に、一緒に担当だった●●さん、覚えてる?占い師がいたろ。いっしょに四柱推命を占ってもらった。」
それを聞いて思い出した。そういえばそんなことがあった。言われてみたら、その筆文字で書かれた屋号も、なんだか見覚えがある気がした。
「ほら、俺が33歳の年。運命的な出会いがありって。このときはお前と笑ったよな。俺指輪してたのに、占い師のくせに不注意だって。」
そう、親友は結婚していた。俺は結婚式にも出席したし、親友はずっと指輪をつけているタイプだった。真面目な男だ。遊んだりしない。
「いたんだよ。ほんとうに。運命の人が。」
そういう親友の目はとろけていて、なんだか別の人みたいだった。
その晩の親友は、今までの、人当たりがよさそうにふるまいつつどこか2面性があって、ドライだったり斜に構えたりするところが完全になくなり、素直で純情でロマンチストで、恋愛に夢中で他に何も見えないといったような、気持ち悪い生き物に見えて、とてもつらかった。
そう言えばかつて、「俺も結婚したいなあ」なんていうと、親友から「子供がほしいならいいとおもうけど、そうでないならしなくていいと思う」と言われたのを思い出した。
親友は早くに結婚し、その頃は結婚7年目とかだった。結婚7年目というのが、実際どういうものか俺はわからないが、親友のところに子供はいなかった。
つまり、親友はいわゆるDINKS的なものを目指していると勝手に思っていたので、つまり好きで子供が居ない夫婦関係でいると感じていたので、そのせりふに違和感を感じたものだった。
こちらから、本気やノリや茶化しや冷やかしでその話題を振っても流されるので、いつからか触れなくなった。
家を買ったことは知っていた。
だからそれなりに関係が良いのだと思っていたのだが、これよりあとになって、「家を買ったのは快適な家庭内別居のためだった」と知らされた。
親友の嫁さんと3人で会ったこともかつてあるし、俺はそれなりに嫁さんのことも知人であるつもりでいた。親友と嫁さんは、大学時代のサークルの先輩後輩で、甘い雰囲気というよりも、仲間としての連帯意識が強い夫婦関係に感じていた。
親友にとったら初めての彼女だったのが今の嫁さんで、そんな嫁さんがそんな関係だったもんだから、
自分を失うような恋は、初めてなのかもしれない。
ふつうは10代かそこらで済ませて、あとから青臭すぎて痛くて恥ずかしい思いでとして振り返ったり蓋をしたりするような恋は、親友にとって初めてだったのかもしれない。
まるで10代の少女のように占いなどを真に受けて、運命なんて言葉を甘く利用して。
「俺は離婚するつもりだ。不倫相手といっしょになりたい。お前は応援してくれるよな。結婚してなかったことにするつもりだから、学生時代の友人や、今の職場の人間とは関係を切る。転職もする。でもお前だけは応援してくれるよな」
それとも、そんなになるまで嫁さんとの不仲を抱え込んでしまって狂ってしまったのか。
俺はこいと親友で居続けたいのかな。
でも離婚って正しくないのかな。
離婚って間違ってんのか?
こいつは本当は子供が欲しかったのかな。嫁さんに拒まれていたんだろうか。それなら、乗り換えたい気持ちもわかる。
頼んでもいないのに親友が見せてきた今の"恋人"の写真が頭にこびりついて離れない。
どこにでも居そうな、特段ブサイクではないが決して美人ではない、無理やり褒めるなら、きれいというよりは可愛らしい女の子だった。
親友にとっては絶世の美少女らしい。その魔法が解ける日も怖いが、不倫相手は嫁さんといわゆる正反対の見た目をした女だったのも、また怖かった。
俺は医局内でうだつの上がらない眼科医の父親と、同じくうだつの上がらない乳腺外科医の母親の一人息子として生まれた。
うだつの上がらない両親は医局内で粗雑に扱われており、かと言って開業する気概も資金もなく地方や郊外の関連病院を行ったり来たりしていた。
スポーツも不出来で両親と同じく気弱な俺が平穏な学生生活を送ることができたのは、幼稚園から高校までエスカレーターの私立男子校に進学したからだろう。
母校は俺が入学した時には既に開成や筑駒などに大きな差をつけられていたが、同級生には芸能人や経営者の子息がたくさんおり、彼らとの格差を感じずにはいられなかった。
高校を卒業した俺は1年間の浪人を経て都内の私立大学医学部に進学した。
部屋の先輩はスポーツ推薦で入学した他学部の学生であり、俺とは全てが真逆だった。
合コンに明け暮れ、大量の酒を飲み、それにも関わらず部活で結果を示していた。
先輩は善意から俺を合コンや遊びに連れて行ったが、お互いに気が合わないとわかってからはコミュニケーションも殆どなくなり、寮から出られる二年目以降は祖母の家に帰った。
大学を卒業した俺は東京を離れ地方の総合病院にて初期研修に入り、そのまま内科の道に進んだ。
当初は呼吸器の道に進もうと考えていたが、実習中に見た気管支内視鏡のおぞましさと患者の辛そうな様子を見てやめた。ちなみに内科のローテート中でもこの気管支内視鏡を目にするのが一番嫌だった。
妻は俺が女性経験がないことを知ると「その歳で…?信じられない…」とドン引きしていた。
結婚式の際、地方で代々事業を営み財力もあり顔の広い義父の招待客でホテルが埋め尽くされる中、隅っこで父と母が小さく座っていた。
結婚後、妻との営みは片手でちょうど数えられる回数しかなく、妻は俺の性的能力の低さを侮辱し俺は男性機能を喪失した。
そのため俺と妻の間には子供がいない。
完全な家庭内別居が始まり、消化器内科医として一人前になった頃にちょうど病床の母が亡くなった。
見舞いも拒む妻は当然葬儀の日にも予定を入れており、俺は一人で東京に向かった。
続く
数年間レスで休日もほとんど別行動、家が一緒なだけの家庭内別居状態の配偶者が不倫してるって知ったら怒る?
怒るとしたらどういうポイントなんだろう?法的に認められてないから?別の相手を好きになったから?
あんまりセックスに積極的じゃなくなんとか断ってたのをだんだん誘われなくなってラッキーって思ってなかったか?
それで、もし再構築しようってなった時セックスからやり直せるのか
セックスしたくないけど不倫は許さんでは相手の性欲を押さえつけるだけでDVと変わらんのではなかろうか
肉体的に性欲的にセックスの繋がりを求めなくなったのもわかるけど、求められても応えられないなら外でセックスパートナー作るのも多少は目をつぶっても良いのではなかろうか
パパ活をしていた男、五十代、経営者、既婚者(家庭内別居中)、息子は独立済み
パパ活をしていた。
長年の相手で始めた当初はパパ活という言葉はこんなメジャーでなかったに思う。
相手が大学生で当時から家庭内別居をしていた俺は食事をする相手がいなかったからガールズバーの女に小遣いを渡して月何回か飯を食っていたという関係だ。体の関係は無い。恥ずかしながら昔からそういう欲が少なく、こちらからのセックスレスが原因で家庭内別居になっている。
それが数年続き、大学生だったその子は社会人になっていた。あくまで小遣い上げてるおじさんだから彼氏の話とかも全然聞くし恋愛どうこうは思っていなかった。
なんなら若い子の恋愛の話を聞くのが楽しかったし、俺より高いものプレゼントしてくれる彼氏を見つけろよなんて言いながらシャネルのバッグをあげたりして二人で笑っていたような仲だ。
そしてその子が結婚するらしいと言ってきた。ならこの関係も終わりかとしみじみしていると、なんと相手に会って欲しいと言ってきた。
曰く、自分には両親もいないし俺の小遣いで奨学金を返したようなものだから実質父のようなものだと思ってる、らしい。結婚相手にも言ってあると。
いやいやいや、それは無いだろ……って思って断るも彼女は随分強気だ。押しに押されて三人で食事に行くことになった。
俺は滅多に行かない料亭を予約した。
そして食事は和やかに進んだ。彼女はしっかりした商社で働いているが彼はなんと弁護士でなかなかいい事務所で働いていた。将来的に独立を目指しているという。
そして俺に「娘さんを幸せにします」と言ってきた。少し泣いた。
娘のつもりなんてなかった。自分が仕事人間で家庭を駄目にした寂しさを彼女で消費しただけだ。それなのに彼女は俺を父親と言ってくれた。
キモいと言われるような関係だと思う。でもこんな俺を父親みたいと言ってくれた彼女も、そんな俺たちを受け入れてくれた彼氏も本当にいい子で心から幸せになって欲しいと思った。
自分の血を分けた息子は俺のことをどう思っているかわからない。年一、二度会うだけの仲だ。妻は俺が死ぬのを待っているのではないか。それだけのことをしたから別に異論は無いし、これから好きな人が出来たなら金を渡して離婚してもいい。今、恋人がいたってそれはそれで構わない。