はてなキーワード: 人民元とは
Aさん
なんと、ずっと耐えていたドル円154.5ラインを特にイベントなく突破したんだ こういうと本当に経済に疎い人は「でも去年は160円突破したじゃん」とまず言ってくる ここでそういう人に教えてあげたいのは、ドルの価値はその頃から15%ほど落ちているということなんだよね
ドル円160円の頃からドルの価値が15%落ちたらドル円はいくらになるだろうか?
ワーオだ
Bさん
ドルの価値が何と比較して15%下落してるのか意味不明。そもそも基軸通貨はドルなことに変わりは無いし、それを好き勝手に印刷可能なのは米国だけなのでな
Cさん
次にBさんとCさんの疑問に答えてください
11月上旬の実勢レートは154円台半ばで推移しており、154.5付近をつけています。これはデータと整合します。
2024年7月3日に161.62円の高値を記録しており事実です。
DXY(米ドル指数)は、2024年夏(~105–106)→2025年11月(~99–100)で約5–7%下落にとどまります。
FRBの名目・広義ドル指数(貿易加重)でも、2024年から2025年秋にかけた低下は一桁台です(月次データ)。
2025年前半にかけ年初来で10%超の下落局面があったことは報じられていますが(時点依存)、それでも「“160円を付けた頃から”15%下落」という断定は根拠が弱いです。
算数としては“全通貨に対して一様にドルが15%下落したなら、USD/JPYも160×0.85≈136”という単純比例の仮定です。ただ、実際は通貨ごとに動きが違うので、そのまま当てはめるのは経済学的には雑です(実務では貿易加重や二国間のファンダメンタルズを見ます)。
①と②は正しい。③の「15%下落」は定義が不明確で誇張気味。④の計算は仮定が強すぎる。
実測ではUSD/JPYは161.6→154.3で約-4~5%のドル安・円高。いま154円台に留まっているのは、「ドル全体の弱さに比べ円が相対的に弱い(金利差・政策要因等)」と表現するのが適切です。
1. DXY(米ドル指数)…ユーロ等の主要通貨に対する固定バスケット。ニュースで最頻用。
2. FRBの名目・広義ドル指数…貿易加重で“世界全体に対するドル”を測る政策向けの指標。
3. 二国間為替…USD/JPYやUSD/EURなど特定通貨との相対価格。日本経済の文脈ならUSD/JPYが一番実務的。
4. 実質実効為替レート(REER)…インフレ差まで調整した購買力ベース(BIS等)。
5. 金・コモディティ…“対モノ”の購買力を見る指標(ボラは大きい)。
「ドルは基軸通貨だから刷れる」ことと為替レートの水準・変動は別問題です。
実際のレートは金利差・成長率・インフレ見通し・リスク回避/選好などで動き、2024–25年は日米金利差や政策スタンスがUSD/JPYを押し上げてきました(=円が相対的に弱い)。
日経「中国車、『勝ち組』BYDや吉利も減速 価格競争が供給網にも打撃」を字面通りに飲み込むと、「EVの潮目は終わった」と読み違える可能性が高い。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM22B8R0S5A820C2000000/
実際の一次ソースを当たると、台数と売上の増勢は続きつつ、利益や設備投資の歩調を調整しているという像が浮かぶ。その「読み違いの構造」を一次情報で解く。
2025年上期の売上は約3713億人民元で前年比+23。株主帰属純利益は約155億人民元で+14。いずれも一次資料が確認できる。
ただし2025/Q2は純利益が前年同期比約-30と減益。背景に激しい価格競争と、仕入先への支払サイト短縮の規制強化がある。
2025/07の販売は前月比で鈍化しているが、月次の前年同月比と前月比を混同すると「減速」の意味合いが変わる点に注意。
2025年上期の売上は1503億人民元で+27、販売は140.9万台で+47。会社公表のコア利益(非経常除き)は66.6億人民元で+102。
一方、報告ベースの純利益は92.9億人民元で前年同期比-14との外部報道が並立。つまり「台数と売上は強いが、純利益は前年の特殊要因反動などで見かけ上は減少」という構図である。
2025/07の乗用車小売は前年比+6.3だが、前月比では-12.4。マクロの失速ではなく「夏場の需給要因と販促の強弱」が効いている。
NEVの小売は前年比で伸長が続く一方、前月比では調整局面。月次の上下を以て「潮目の転換」と断ずるのは早計である。
2025/06以降、主要自動車メーカーが仕入先への支払い60日以内を相次ぎ表明。背景に鉄鋼など素材サプライヤの資金繰り悪化と規制圧力。
工業情報化部が苦情受付プラットフォームを開設し、履行監視を強化。支払前倒しは大手のキャッシュ負担を一時的に増やし、損益にも影響する。
実施例としてCheryは平均47日に短縮。供給網の資金繰り健全化という「良い副作用」も同時に起きている。
売上や台数の伸び率鈍化(それでもYoYプラス)は「トレンド終了」ではなく、成長のペース調整にすぎない。
利益の減少は、価格競争と支払サイト短縮の同時進行に起因する。構造的な需要萎縮と同義ではない。
報告純利益と、非経常を除いたコア利益では景色が変わる。Geelyは「報告純利益-14」だが「コア利益+102」で、事業コアの稼ぐ力は強化されている。
2025/07はYoYプラス、MoMマイナス。MoMの調整をもって「潮目の変化」と断ずるのは論理飛躍だ。
仕入先支払いの前倒しは短期的に資金繰りと利益を圧迫する一方、供給網の健全化という中長期の正の効果を持つ。
「勝ち組も減速」というラベルは、台数と売上が伸長しつつ利益が一時的に圧迫されている局面を、あたかも需要トレンドの終焉であるかのように誤誘導する危うさがある。必要なのは、
やりもせずエアプ並の想像でイキって対立煽ろうとする、己の人生を投資すらしていない雑魚のくせに語りたがるのが多すぎる
そういうアホほど産地やら表現やら何やらというクソしょーもない枠に執着したがる、枠に縋るしかないくらい自分というものが無いからだろうな
ただ俺が何かを褒めるにしても、それも個人の好みの差の範囲ではあるが、ゲームとしての品質や快適さ、カネかけて作ってる感は作品の出た時代に応じて雲泥の差がある
業界の開発予算がここ10年でどんどん高騰してるってのはほとんどの人が知ってるけども、その高騰した予算をうまく使えてるかどうかにも月とスッポンくらいのメーカー差や作品差がある
ただ、実際の所、どれくらい売り上げてるかってのはやっぱりどれくらいの人を惹きつけられてるかって事実のおおまかな指標としてある程度までは参考にできる
2次元(アニメ系)モバイルゲーム限定の集計で、グローバル売上でいうとこのへんの動画に数字が挙がってる、これは4月分だけどな
https://www.bilibili.com/video/BV1KyJqz2E59/
ただこれ系のゲームの最大の消費国が(圧倒的な人口のため)中国になるから、中国のランキングに日本、米国、韓国と東南アジアの消費者の嗜好がくっついてるようなもんだ
そして最大市場である中国マーケットの動態を調べる能力やコネを持ってるのも一部の中国人だから、どうしても中国語を翻訳しながら調べることを避けられないが
とにかくそうして見えてくる4月グローバル集計で一番売れてる国産タイトルはFGO(37億円)、ウマ娘(33億円)、プリコネ(16億)、プロセカ(9.9億)、まどドラ(9.6億)、メメモリ(8.1億)、ヘブバン(7.6億)、バンドリ(4.9億)、あたりになる
億円部分は動画のxx万(人民元)を日本円に換算したやつだな、それでも全体を見ればもっと上がいることが分かる
もちろん売上は至上の指標じゃないし、大して売れてないけど作り込みがエグい崩壊3rdみたいな、いわば金持ち老人が道楽でやってる質と値段が釣り合ってない穴場飲食店みたいな作品もあるにはあるし
儲かってても昔のソシャゲのようにアプリとしての質は低くて課金圧で搾取してる側面が強い(=ゲーム的にはそこまで面白くない)のも混ざってくる
ただ一つだけ言えることは、今の中国勢は本気で運営型ゲームを作ることに向かっていてその成果が着々と上がってきて上位に食い込むのが増えているが
日本のソシャゲ屋は大して体質が変わっていなくて、ソシャゲ開発が爆死まみれの掛け金の高い割に合わないギャンブルになるにつれ
2018年くらいならVtuber事業に、2021年くらいならWeb3ゲームにと、その時々で儲かりそうな商売に、ソシャゲで一山あてた資金を注ぎ込んで軸足を移そうとする癖がある
彼らはもともとゲーマーでもオタクでもない、ゴミみたいなスキームの携帯電話ゲームを量産していくことに何の後ろめたさも感じなかった、コンシューマ開発から逃げてきたカス人間
でもそういうカスのための逃げ場も、外圧や技術の進歩により、ガチなゲームが支配するフィールドになってしまい、本格的に長い冬が訪れますよってのが今の状況
本当に誇り支えていくべきものは、ゲーマーを喜ばせてくれるものを提供する力と覚悟をもっているメーカーや作品で、それ以外のことはノイズだろう
しょーもない「枠」に執着している人間はそういう大切なことが見えていないから、くだらないバトルをしようとする
この増田みたいな聞きかじりタイトルをあげて国産タイトルをあげてドヤれるという未だにお花畑な認識でいる人間はこれを見たほうが早いかもな
こんな記事を読まずに、レイ・ダリオの本を読め。動画を見ろ。GR!GR!GR!
ダリオ氏は約50年にわたるグローバルマクロ投資の経験と、過去500年間の歴史研究に基づいて
世界秩序の変遷には繰り返されるパターン(ビッグサイクル)が存在することを主張しています。
本稿では、そのビッグサイクルの構造、帝国の興隆と衰退の要因、そして現代における世界秩序の変化の兆候について概説します。
ダリオ氏は、自身の経験を通じて、驚くべき出来事は過去にも繰り返し起こってきたことを痛感し、過去500年間の帝国(オランダ、イギリス、アメリカなど)の興亡を研究しました。
彼は、帝国や世界秩序の変化には時代を超越した普遍的なサイクル(ビッグサイクル)が存在すると結論付けています。
「過去の事例に似ているようですが、これからの時代は私たちがこれまで生涯で経験した時代とは大きく変わります。どうしてそれがわかるのでしょうか。なぜなら、これまでもずっとそうだったからです。」
ビッグサイクルは約250年続く重なり合うサイクルで発生し、その間には10〜20年の移行期間(しばしば大きな紛争の時期)があります。
ダリオ氏は、帝国の力を測る8つの評価基準を用いて分析を行っています。
・教育
・軍事力
・技術革新
によって特徴づけられます。
衰退は
・競争力の低下
・労働意欲の低下
・富の格差拡大
・政治的分極化
・内部紛争
によって引き起こされます。
「中央銀行が危機を回避するために多くのお金(紙幣)を印刷し、株式、金、一次産物を購入すると、それらの価値が上昇するため、お金(紙幣)の価値が下がるのです。」
準備通貨を持つことは、帝国がより多くの資金を借り入れることを可能にする「法外な特権」をもたらしますが
ダリオ氏は、秩序を「お互いに対応する人々のための地のシステム」と定義し、
国内秩序(通常は憲法に定められる)と世界秩序(通常は条約に定められる)の2種類があると指摘しています。
世界秩序は通常、大きな戦争の後に変化し、新たな支配的な大国と通貨システムが確立されます。
現在の世界秩序は、第二次世界大戦後の連合軍の勝利とアメリカの台頭によって形成された「アメリカ世界秩序」です。
ブレトンウッズ協定によってドルが世界有数の準備通貨となりました。
ダリオ氏は、自身の生涯で経験したことのない以下の3つの大きな事柄が、現在の世界秩序が変化しつつある兆候だと指摘しています。
中央銀行は債務支払いのために大量の紙幣印刷を開始しています。
②富と機会の格差が拡大し、大きな国内対立が発生していること。
③中国とアメリカの間で生じているような、台頭する大国とリードする大国間の外部紛争が増加していること。
ダリオ氏は、これらの状況が以前にも同時に起こっており、ほぼ必ず国内および世界秩序の変化につながっていると述べています。
前回この連続的な事柄が起こったのは1930年から1945年です。
ダリオ氏は、過去のサイクルを理解することで、これから起こることをより良く予測し、対応できると主張しています。
帝国の盛衰の歴史から得られる重要な原則として、以下の2点を挙げています。
①歳入よりも多く支出しないこと。
②お互いを敬い、大切にすること。
健全な教育、独創性、競争力の維持などは、上記の2つの原則を達成するための手段であると述べています。
ダリオ氏は、各国が自国のバイタルサインに注意を払い、改善に努めることで、サイクルの期間を延ばすことが可能であると示唆しています。
1971年、アメリカは資金が枯渇し、ニクソン大統領はドルの金との交換を一時停止しました。
これは、ダリオ氏が「私たちが理解していた貨幣が終了しつつある」と認識した出来事でした。
1933年、ルーズベルト大統領も同様に、金準備の不足からドルの金との交換を停止しました。
歴史的に、政府が歳入よりも多くを支出し、資金が不足すると、大量の紙幣を印刷し、通貨の価値が下落し、ほとんどのものの価格が上昇するパターンが繰り返されてきました。
ビッグサイクルは通常、大きな紛争(しばしば戦争)の後に始まり、新たな大国と世界秩序が確立されます。
過去の帝国の興隆と衰退のパターンを分析することで、現代の世界が大きな変革期にあることを示唆しています。
彼の提唱するビッグサイクルの理解は、現在の国際情勢を読み解き、未来の動向を予測する上で貴重な視点を提供します。
特に、債務問題、富の格差、そして大国間の対立といった現代の課題は
過去の帝国の衰退期にも見られた特徴と重なっており、注意深い分析と適切な対応が求められます。
ダカット(オランダ)→ポンド(イギリス)→ドル(アメリカ)→現在、人民元も台頭。
全世界への10%関税がトランプ個人の思いつきではなく、Oren Cass率いるAmerican Compassという組織などからもレポートが出ている。
大統領選挙期間中から言っており、トランプ個人としては選挙公約を実行しているという認識だろう。
多くの人がトランプのディールとして高い球を投げるためのものだと思っていたら実行に移されてしまった。
今、ニュースやコメントで駆け巡っている関税かけたら価格が上がる、米国消費者がコストを払うといったことも、大統領令選挙中から反論されていたことであり、トランプ陣営からすると折込済みなのだろう。
トランプ周辺はどう考えているのか知らないことには、どうにもならんと思い調べてみた。
彼らは自由貿易が米国に必ずしも利益にならなかったという認識にいる。
グローバル経済で、海外の安い人件費の国で生産して米国に輸入すれば、安い価格で商品を手に入れられ、消費者は豊かな生活ができると一般的には考えるが、そうではない。
一部の多国籍企業や投資家には当てはまるが、米国の労働者や地域社会には貢献しなかったと彼らは考える。
一時的には利益があるように見えるが、10年、20年の単位ではダメだったと。
1人が働いた収入で子供数人が養えるような社会は崩壊し、移民に依存して地域コミュニティは変わってしまったと。
各国が得意な物に特化し自由貿易で物をやり取りすればというが、中国が全て取ってしまった。
自国で生産するだけでは、中国でパクった安い品物に負けてしまう。
価格で負けないために、中国に工場を立て、中国で生産し価格競争してきたが、米国の製造業は空洞化してしまった。
いくつかの品目であれば貿易で交換すればいいが、中国総取り構造となっている。
グローバル企業と投資家は利益をあげるが、米国のコミュニティには再分配されなかった。
そのような認識から、自由貿易への不信感、WTOの不支持につながっている。
(なので、自由貿易の観点で今のトランプの行動に反論した所で意味がないだろう)
民生品からの軍事転用も出来ずにコスト高になる。造船もできなくなった。
第二次世界大戦時の物量で攻めることができるアメリアはもうない。
製造業の衰退が安全保障を脅かす状況になった。(大統領令は安全保障絡みでないといけないが、その根拠)
グローバル企業は税回避を行う。法人税などで税の取り立てが困難だ。
関税で得た資金で政府系ファンド設立→インフラ、産業への投資や再分配の資金とする
(グリーンランド、ウクライナの資源での収入もファンドへの資金に含む)
世界経済より米国の労働者と地域コミュニティ優先。消費より生産重視。
迂回路が出来ないように全部の国に適用。
第一次トランプ政権時に中国への関税をかけたのを分析した結果、10%がそのまま価格上乗せされるのではなく、2%~3%。
そのまま上乗せされなかった理由は、輸出企業による負担、他の代替商品の選択など。
また関税でブーストされるのは1度のみ。関税適用で消費の落ち込みに財政出動必要だが、それ以降は収入増。
人民元切り下げ?
人民元切り下げで関税増分を補填。関税で原油価格下落すると、中国国内のインフレへの影響が少なくなり、人民元切り下げしやすくなる
→円高
トランプが経済制裁するって話を批判してるけど、お前ら経済制裁でロシア崩壊って言ってなかった?
ウクライナ戦争の初期 「経済制裁したらロシアなんかすぐ干上がる!」って言うてる人めっちゃおったけど
現実はそんな甘なかった
ヨーロッパがロシア産エネルギー減らそうとしても、中国やインドがガッツリ買い支えてたから、経済崩壊なんかせえへんかった
確かに制裁の影響でダメージは受けたけど「すぐ終わる!」なんて期待してた人は完全に見誤ってたな
2014年のクリミア併合のときも制裁受けたけど、結局乗り越えて軍備増強し続けてたしな
西側が金融制裁かけても、ロシアは自国の決済システム強化して、中国の人民元決済活用する方向にシフト
戦争始まった頃に 「経済制裁でロシアはすぐ降参する!」って言うてた人は、ロシア経済の実態も過去の歴史も見てへんかったんやろな
制裁の効果は長期的にしか出えへんし、それだけで戦争止められるわけない
願望だけで語ってたら、そら判断も狂うわな
https://anond.hatelabo.jp/20250217215312
https://anond.hatelabo.jp/20250218205326
第三章 蜃気楼の帳簿
浦東空港の遅延便案内板が痙攣する。赤いLED文字が「人生の定刻」を嘲笑ふように点滅する。ノートパソコンの画面に踊る香港からの偽装送金データが、リンユイのイヤリングの揺れ方と同期する。湿気を含んだ人民元札束の束が、デスクの引き出しで黴くさい息を吐いている。指先で数えるたびに毛主席の肖像が歪む。「ふるふる」とWeChatが震える度、肋骨の裏側で心臓が監査報告書の表紙を蹴破す。
「印鑑の捺印、明朝までよ」リンユイの声が受話器を越しに蘇州琴の調べになる。領収書の改ざん作業が、街の印刷屋で刷る偽造伝票の速度に追いつかない。USBメモリの存在感がズボンのポケットで体温を帯びる。路地裏で受け渡した男の手の甲に、青い龍の刺青がうごめいでいたことを突然思い出す。
経理システムに毒を入れる瞬間、オフィスの蛍光灯が一瞬暗転する。液晶画面に映る自分の瞳が、翡翠宮KTVのシャンパングラスぞこのように濁っている。エアコン吹出口から舞い落ちた灰が、平成31年度の旅費精算書に小さな黒い星座を描す。その模様がリンユイの泣きぼくろの位置と奇妙に一致す。
監査チームの予定表が更新された通知音と共に、スマホの待受画面が娘の運動会写真に切り替わる。小春が走るトラックの白線が、偽装送金の矢印記号に変形する。汗が領収書のインクを滲ませ、2019年4月が2023年5月に化ける。
深夜のオフィスでシュレッダーが唸す。裁断された紙片が、黄浦江に浮かぶ貨物船の積荷のよう排水口へ流れ落ちる。窓外で雷光が閃いた瞬間、リンユイからの未読メッセージが3件に増えている事に気つく。雨戸が打付けるリズムが、架空発注書の承認印を押す速度と同調しはじめる。
トランプ関税で「日本は自動車関税ゼロなのか」って言ってる人が多くて気になった。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20250215/k10014723331000.html
ある時期まではそれでも勝ってきたのだね。というか、勝ってきたので関税を下げていったのだ。
日本の復興と経済成長というのは相当とんでもないもので、焦土から25年くらいで世界トップレベルの工業力を持つに至った。
そうなると今度は工業の保護政策は必要ないから税率下げなさいとアメ様より指導を戴く。優等生路線に切り替えた戦後日本はそれに従い、70年代には税率ゼロになったってわけ。
この「指導」は日米貿易協定で対米関税失くせっていう要求だけじゃなくて、他の国とも貿易協定(EPA)を結んで関税無くして行きなさいというのも含むわけ。
別に毎度直接そう言われたわけじゃないが最早それが戦後の常識だったからそうやって来た。
https://www.customs.go.jp/tariff/2024_04_01/index.html
工業産品はあら方ゼロ。数パーセント掛かってる品もあるが、日本と良く取引があるASEAN諸国、EU、環太平洋、中韓台などは協定でゼロとなっている。
色々調べると戦車とか野戦砲とか兵器だけには高関税掛かってるのとか発見できるぞ。でも兵器買うのって国家しかいないので関税の意味無いね。
こんな風に輸入障壁は撤廃しようという流れで来て、先進国は大抵どこも工業産品関税ゼロになっている。
工業部門の障壁は撤廃出来た。それじゃ今度はITや頭脳労働などサービスと農産品の輸入障壁を撤廃して関税ゼロにしようず!となったのが、GATTウルグアイラウンドだ。WTO(世界貿易機関)もこの時の合意で出来た。
だけどウルグアイラウンドはGATT史上初のつまずきになった。農業部門などで妥結出来なかったのだね。
農業ってのは国の根幹だし付加価値が低い産業なのであんま儲からない構造の所が多いのよ。それで補助金出して買い上げたりと各国保護政策を採ってる。
それに農家ってのはどこも保守的。なので保守政党の支持層なわけだ。
その農家を不安定な状態にしてしまうと政治も不安定になるってわけ。ぶっちゃけ自由化しちゃうと個人事業主の農家が全滅して国際農業メジャーが全部かっさらって各地の農場はプランテーション、みたいな事になりかねない。
だから各国反対で農業部門の合意は流産。これが現在までの経緯。
第二次大戦の原因は
連合国の総括は2.だった。1だったら日独は分割占領したままで二度と復活しないように主権を制限すればよいな。
でも2だと民生中心の工業国として立て直す支援をすべし、となる。
また戦勝国側も同じ轍を踏まないように経済のブロック化を防止しよう、という事で貿易協定を国家間のものから、多国間一般の協定にしようず、という流れになったわけだ。
ここで大事なのは、植民地争いを復活させる意図はないから産業未発達の途上国は除外された。工業未発達なのに外国製品と競争しろ!とかは言わないってこと。
急に話が変わるが、中国の人民元ってあるじゃん?なんで人民って付くんやろな?
社会主義では生産量も価格も国家が決めていた。そこで海外からの旅行者が勝手に通貨を使うと不安定要素になってしまう。そこで旅行者には普通の通貨と違う通貨を持たせたの。そのレートも国家が決める。
個人も会社も輸出入は独自で出来ない。輸出入出来るのは国家だけ。
ところが鄧小平以後の開放政策では市場経済を導入したので旅行者用元を発行する必要が無くなったわけ。旅行者が持ち込むカネは不安定要素じゃなくて市場の調整に任せるから。だから旅行者にも人民元持たせて法人も人民元で他国と決済出来るってなった。
脱線するが元は略字であって元は圓。日本の円も韓国のウオンもベトナムのドンも圓を各国読みしたものなんよな。人民元と日本円の通貨記号が¥で同じなのはこういうわけ。
つまり共産勢力も貿易自由化協定に参加したんだけど国家運営の都合上かなり制限があった。そして冷戦激化によって自由陣営と共産陣営の2ブロックに分れてしまっていた。
その共産陣営の方は行き詰って統制経済を放棄。自由主義陣営の旗振り役は?アメリカだ。
だから改革開放、ドイモイ、ペレストロイカでパックス=アメリカーナは決定的になったってわけ。
日本の工業力が復興して急成長した原因は、朝鮮戦争の特需なんかもあるが、元々のスターターは軍港の解体なんだな。
横須賀、呉、佐世保が戦前の主な軍港だったが、その規模は今と全然違う。
例えば横須賀だと今なら街があって海の方が自衛隊と米軍の基地になっているが、戦前だと駅前から始まって全てが軍港。ドック、宿舎、軍需工場、軍需工場工員向け宿舎/飯屋、軍に関係が無いものは一切ない。
敗戦後に軍は解体されるんで軍港都市であった3港はどうするかね?って事になった。そこで海沿いの海軍基地は民間船の造船ドック、製鉄所に転換されることになったわけ。
因みにこん時に旧軍港市転換法という法律を作ってやったわけだが、施行されたばかりの日本国憲法には95条:一の地方公共団体のみに適用される特別法は住民投票での同意を必要とするって項目がある。そこでこの3市では住民投票を行ったわけや。
こういう感じで軍港を廃止して造船所と製鉄所に転用した事が起爆剤になって各地い造船所が林立。日本は一気に造船と鉄鋼の国になったわけ。鉄は工業の基礎だからな。ここを押さえておいたのは強い
GHQのプロパガンダで戦艦などの兵器を溶かしてビルや鉄道などの民需品になるっていうポンチ絵があるがその通りになったてわけ。
その後家電や自動車などの民生品、エレクトロニクスといった軽薄短小産業にシフトして行って造船トップの座は韓国に移った。因みに極東アジアは韓中日と造船トップ3国が密集する異常地帯なんだな。この三国で世界の船の9割を造ってるんだぜ、いかれてるよな。
こうやって産業シフトに成功した日本は工業産品輸出量をメキメキ伸ばし、70年代初頭にはかなりとんでもないレベルになった。世界の港湾扱い量のランキングの上の方が全部日本の港って具合だ。1位横浜、2位神戸、3位門司みたいに日本の港がずらっと並びその下にアメリカのが出てくるって具合だ。日本スゴイとか嫌いなんだが、20年前は焼野原なんだぜ?イカれた復活具合だよな。
一方この頃アメリカや欧州はっていうとかなり停滞していた。アメリカは世界一の経済大国ではあったが国内が疲弊し、ベトナム戦争長期化で病んだ若者が増え、日本製品に国内産業が負けつつあった。
欧州では植民地の独立問題で揉め、労組の抵抗で産業転換が進まなかった。植民地が独立したら産業構造が変わって国内経済にダメージがあるのは当然。それを引延ばして軍事介入などを続けていたので建て直しに時間が掛かった。
一方日本は負けてとっくに植民地を手放していたのでこういう問題に拘わずに済んだ。
もう一つは吉田ドクトリン。憲法9条があるから武装できません~と紛争に一切拘わずに防衛費負担も軽く、一方で日米安保で防衛力は確保しておくという良いところ取りで全てを経済発展に注力するって算段。吉田は吉田
ヨシオじゃなくて吉田茂だぞ。ただ吉田茂は経済発展が出来た後の日本は再軍備して海洋国家として海軍力を高めるべしって考えだったけど。
同様に西ドイツも異常な発展を遂げていたので戦後は「負けるが勝ち」だったんやな。戦争を仕掛て負けたせいで信用されないという条件を奇貨としたってわけや。
欧州の方はいつまでも停滞してグダグダやってたんやが、EUの前身のECのせいで持ち直していった。EU発足後は急成長。70~80年代の貧乏臭いヨーロッパはどっかに行ってしまった。
なんで、無関税無障壁の貿易自由化が全体の利益になるっていうのは前提なんだな。だがそのせいで国内に矛盾が出るからやり方考えた方がいいぜっていうのがちょっと前まで各国が立っていた立ち位置。
因みにEU圏内では無関税どころか税関自体がないんだが、域外からの輸入には工業産品で10%の関税を掛けている。
今のアメリカのアレは全方面でおかしいけど、関税関連で言えば、そもそもこういう前提で今まで国際社会がやってきたって事を政権中枢が判ってねえんじゃね?ってところなんだ。国益の為に関税掛けたくても、それをやると国益を棄損するからやらなかったってこと判ってるのか?ってことやな。
関税合戦になると貿易が冷え込むから巡り巡って国益に反するしアメリカの場合はパックス=アメリカーナによる国益を失うという問題もある。
いや、共和党のやつらは判ってるよ。だって対外的に先頭に立ってやってきたのだから。だが新しい共和党人士、バナナリパブリカン達はそこを判ってないから反米的な政策を国益と信じてしまうし、古いリパブリカンはパージが怖くて言えないって状態じゃね?
この辺、昔オバマと対立するまで安倍さんが「戦後レジーム打破」を連呼していたのと被る。戦後政治やって作ってきたのって自民党なのに、その内容分ってないんじゃね?という疑念しかなかったな。
特に「農業産品自由化で紛糾」のところを判ってるのか?というのも疑問で、例えばイーロンマスクが全連邦政府廃止すると言ってるがそうなると農産品も市場原理で取引されて補助金は無くなる。穀物メジャーは農家より強いから買取価格も引き下げられるだろう。農業はお天気商売だから価格のバッファが必要だが資本がそれをやるつもりはないだろう。そうなると農家は窮乏して小作化するんじゃね?
アメ車って日本で売れてないっしょ?掛けても余り効果が無いんじゃね?
そもそもこの関税のせいでアメリカの自動車メーカー潰れるんじゃないんですかね?原料費跳ね上がるわけで。
それにトランプ政権の「信用の無さ」のせいで効果が無いと思われ。関税掛けると国内産の方が価格優位性が出るから国内に工場が作られ、ラストベルトは救われるわけです。
でもさ、工業っていうのは原料を加工して利益を乗っけて売る訳だけど、工程の下の方ってその付加価値って極小なわけですよ。つまり製鉄業の利益率は低い。一方プラントは数百億円と超高額なわけで、20年くらい稼働させて元取るって感じ。
この時途中で需要が止まってしまうと投下資本が回収出来なくなって借入の場合は倒産しちゃう。だから先行き不安な件では設備投資しない。
Amazon荷物で飽和してる時、ヤマト運輸は物流拠点増やす投資しないで仕事断ったじゃないですか。あれってAmazonがいつでも他社に乗り換える可能性があるから投資出来なかったわけです。
本件でも同じで、トランプ関税がずっと続くと考える人はいないわけ。すると製鉄メーカーは新製鉄所を建てる事が出来ない。
しゃーないから関税払って同じ鋼板を2.5割増しで買うか、もっと安い地域の鋼板に切り替えるかってなる。安い鋼板に切り替えて失敗した例は70年代イタリアにあって、フィアットと新たに半国営化したアルファロメオの鋼板を安いソ連製に切り替えたら防錆処理されてなくてあっというまに車は錆で腐ってブランド価値低下となったことがある。
商売に信用が大事なのは国家も同じ。経済的信用って「履行してきた」ことで蓄積されるものでしょ?急に政策を変更する、前の政策の影響、意味を判ってるか疑問となればネットナードは騙せても商売人は無理なんじゃ?
だから鉄鋼メーカー設備投資して増産出来ない→自動車メーカーコスト高解消できないって状態が続くと思います。
日本の特長っていうのは天才の芽は出にくいけど底上げされてる事ってよく言われる。文盲いないし教育程度が満遍なく高い。アメリカは高校まではかなり緩いし街中で常識問題出して何も知らないのがネタにされたりする。
自分のいる場所が社会的にどうやって構成されているか、直情的以外に利益判断できる基礎を叩き込むという思想で社会科の教育課程は作られている。
だから基礎的な社会の構造を無視して自尊心を鼓舞するような旗振りが現れた時の耐性は日本の方があるんじゃないかと思うんだ。グローバリズム批判しながら農業補助金カットや農家瓦解みたいな未来を提示された時に「そっち行くわけないだろばかかお前」と言えるってことだ。野菜になっちゃう人もいるけどな。
反グローバリズムにもちゃんと意味はあるんよ。だがそれが言葉が遊離して農業保護に反する事をしようとしても気が付かずに、DSだのウォークだのというように成ったら義務教育の意味がないじゃん。
あっちは光の速さでもう26世紀を生きているが日本は順当に500年掛けて行けばいいと思うのだ。野菜の栽培にはスポーツドリンクじゃなくて水上げればいいという知識が重要なんだ。
(※※※リーク話を含むので注意※※※)
リーカーによって明らかにされた実装予定キャラのビジュアルが本作としてはかなり攻めていると俺の中で話題。
今まで名前だけが登場していた原神のヴァレサという女性キャラの話だが。
少女体型モデルでありながら相当ムチムチでボンキュッボンな、例えるならグラブルの♀ドラフっぽいビジュアルになっている。
レスラーっぽい設定なので恵体なのは理解できるとはいえ、ヒッププレスやおっとっと系のモーションから見るに、性的な意味で過去一あざとい作りだ。
ただしセクシーというよりはかわいいファンシー系寄りな見せ方で原神らしさを保っているとも取れる。
ちなみに一部ネット民の間では原神はもうHoYoverseタイトルの中でも下火かのように言われることもあるが、収益の面ではいまだトップだというデータがある。
2024年のグローバル売上の推計は、原神が275.1439億人民元(約5781億円)で同社タイトルの49.52%を占めている。
次に崩壊:スターレイルが194.0051億人民元(約4076億円)で34.91%
続いてゼンレスゾーンゼロが74.4521億人民元(約1564億円)で13.40% (※サービス開始が7月4日なため5ヶ月分しか集計されていないことに注意)
崩壊学園が0.8162人民元で0.15% となっているそうだ。ソースはbilibili.com/video/BV1yQFDegEge
開発規模の面でも、上位4タイトルをプレイしている実感からの印象では、やはり原神がもっとも大規模だと感じる。
個人的に、こういった思い切ったキャラデザインをするようになったのは、ゼンレスゾーンゼロの成功の影響があると思う。
miHoYoはもともと崩壊3rdまでのタイトルでは露骨な乳揺れなどセクシー表現を隠していなかったが、原神以後は露骨さを控えてフェチズムを感じさせる範囲にとどめてきた。
そこに去年、アート畑の人間にやりたいようにやらせたゼンゼロを投入し、セクシー路線強めでも今のオタクたちは相変わらず受け入れてくれることを認識したのだろう。
しかも男性ユーザー主体の3rdまでと違い、ゼンゼロは比較的女性ユーザーもいるが受容される範囲だということを理解したのかもしれない。
むろん、ゼンゼロと原神ではユーザー嗜好も異なるとは思うが、主観ではどちらも遊んでいる人がかなりの割合いるように思う。
そこは運営が一番よく分かっているところなので詮無いことはこれ以上語らないが、このキャラがどれくらいヒットするかに注目していきたい。
なんで人民元やねんと思った
手元の銭は人民元にするべき
群雄割拠の中国市場で、HyperGryphのアークナイツは2Dのタワーディフェンス一本で本当に増田が言うほど「超大手タイトル」といえる位置にいるのか?
ということで調べてみた。
2次元(アニメ系)モバイルゲーム限定の中国内2024年10月度収益ランキング ※1000万人民元≒2億円ちょい
| タイトル | 収益(人民元) | 補足 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 原神 | 3.89億 | miHoYoのオープンワールドRPG |
| 2 | 恋と深空 | 3.47億 | Papergamesの3D近未来ファンタジー乙女ゲーム |
| 3 | 火影忍者 | 3.29億 | バンナムとTencent共同開発のNARUTO -ナルト-IPゲー |
| 4 | 如鳶 | 3.25億 | 女性向けカードゲーム |
| 5 | 崩壊:スターレイル | 2.39億 | miHoYoのターン制RPG |
| 6 | 龍族:カッセルの門 | 8942万 | ドラゴンブラッドシリーズのアニメ龍族 -The Blazing Dawn-を元にしたRPG |
| 7 | 世界之外 | 8679万 | NetEaseの乙女ゲーム |
| 8 | アークナイツ | 8563万 | Hypergryphのタワーディフェンス |
| 9 | 陰陽師 | 7710万 | NetEaseのRPG |
| 10 | ゼンレスゾーンゼロ | 7505万 | miHoYoのアクション |
| 11 | 光と夜の恋 | 5483万 | Tencentの乙女ゲーム |
| 12 | きらめきパラダイス | 5308万 | 3D着せ替え系RPG |
| 13 | リバース:1999 | 4607万 | |
| 14 | 鳴潮 | 4520万 | KURO GAMESのオープンワールドRPG |
| 15 | 归龙潮 | 4409万 | 九龍城を舞台にした3D横スク |
| 16 | シャイニングニキ | 4342万 | Papergamesの3D着せ替えRPG |
| 17 | 新月同行 | 2704万 | 10/24リリースほやほやの注目作でこの順位、リリース時のセルランは首位総なめ |
| 18 | スノウブレイク : 禁域降臨 | 2285万 | 3D美少女TPSRPG |
| 19 | Fate/Grand Order | 2160万 | |
| 20 | アズールレーン | 2094万 | |
| 21 | 奇点时代 | 2087万 | 男性向け恋愛ADV |
| 22 | 未定事件簿 | 1971万 | miHoYoのミステリー乙女ゲーム |
| 23 | 崩壊3rd | 1946万 | miHoYoのアクション |
| 24 | 時空の絵旅人 | 1790万 | NetEaseの乙女ゲーム |
| 25 | 恋とプロデューサー〜EVOL×LOVE〜 | 1626万 | Papergamesの乙女ゲーム |
| 26 | ラングリッサーモバイル | 1283万 | |
| 27 | デジモン新世紀 | 1280万 | 中国のみで配信されてるデジモンアプリ |
| 28 | Echocalypse -緋紅の神約- | 1224万 | |
| 29 | パニシング:グレイレイヴン | 1175万 | KURO GAMESのアクション |
| 30 | ミラクルニキ | 1063万 | Papergamesの着せ替えコーデRPG |
原神のストーリーは、正直1年そこらで理解できるほどのもんじゃない。
厳密に何が起きてるのか知ろうとせず雰囲気で感動できる人はいるかもしれないが(それが多数派だろう)、理解しようとするタイプの人がちゃんと感動するにはガッツリ考察勢にならないといけない。
初期から現在にいたるまでゲーム内外あらゆるところに情報が散らばってて、しかも昔の期間限定イベント等にも世界観を理解するための重要な示唆が含まれてるので、コンシューマゲーの感覚でシナリオ評価することは不可能。
初期からリアルタイムで遊んでても、後発の配信者とか見て昔のシナリオを振り返ってる時に、自分が遊んだ当時は何とも思ってなかった部分で気づきがあったりするし、どう考えても求められる教養の幅的に一人じゃ気づくのが不可能な意匠などが織り込まれてるので、公式コミュニティやSNSやnoteなどを漁っていくこともしたくなる。
そうして初めて、完全とは程遠いながらも「こういうことなんだろうな」とぼんやり分かる部分が積み重なって解像度があがっていく。最新のシナリオまで読破してもまだ明らかでない要素が山ほどあるので、常に追いかけながら認識を更新していかないと面白さがわからない。わからない状態で面白いと思える素養が要るというか。その点はほとんど「開発者に対する信頼が築かれてるかどうか」と同義かもしれない。
つまり、運営型ゲームにおける巧みなシナリオの展開というのは、本や映画やコンシューマーゲームの脚本の面白さの作り方とは根底からして異なるということ。
そのへんをよく理解しているネトゲ経験値の高い人でないと、特に高齢で孤独なゲーマーは振り落とされてしまいやすいだろう。
会話スキップ機能を求める人はそもそもこのゲームに向いていなくて、この手合は開発が心を込めて作ってる部分までも「石集めのためのハードル」としか捉えていない節がある。
これはスマホでやるゲームじゃなく、スマホでもできちゃうだけで、虚無作業をこなして当たりを引くソシャゲ・ガチャゲーの文化とは似て非なる次元にあるPCオンラインゲームだと気づく必要がある。
普通のソシャゲの運営の頭なら、もっと復刻をして集金しようだとか、無料10連やガチャフェスを開催して課金煽ろうだとか、キャラの属性をバランスよくバラけさせて実装しようとか思うかもしれないが、まったくそうしない。
おそらく、物語の展開や設定にあわせた形で登場させていくことが最優先になっている。ヌヴィレットや召使が飛び抜けて強いのも納得させるだけのシナリオやムービーがあっただろう。
キャラを戦闘力を充実させるための道具としか見てないソシャゲに過適応したユーザーにとってはこの采配が歯がゆく感じられるのかもしれない。
はっきり言うとこのゲームにおいて、戦闘部分やキャラはおまけ。おまけとしては尋常じゃないほど作り込まれてるけど。
おまけ加減はイベントを見れば分かる。毎回テーマイベント毎に異なるミニゲームをわざわざ開発して3つほど提供する中で、戦闘はそのうちの1つでしかない。
戦闘やキャラ部分はかなりカジュアルゲーマーを意識してボトムを広く取ってると思う。お試しが手厚いのもそうだし。
それがなんのためかというと、できる限り多くの人に世界観に浸って、いろんなことを感じ取って、ファン同士で感動を共有しあってもらう、ファンの輪作りが主だからだと思う。
自分は崩壊3rdも初期からやってきた。これはかなりオタクくさいニッチな嗜好をしているゲームだが、内部的に崩壊4作目として作られた原神の役割を考えたら腑に落ちるところだ。そして見事それを成し遂げてる。
だから楽しむという面においては、無凸無餅でぜんぜん構わないから可能な限り全キャラ確保して箱推しみたいなスタンスで遊ぶのがゲームコンセプトとしては理想的だろう。
ソシャゲみたいに強さに注目しすぎないほうがいい。そのことは天井が引き継がれるガチャシステムからも如実に伝わってくる。
ログインだけでもらえるような配布は少ないが、やり込んで獲得できる石はかなり多いので、月額+2倍石までの微課金でも新規追加キャラの8割くらいは確保できる部分もそうだ。
自分はサービス開始日から毎日遊び、キャラはリオセスリ以外全員とっているアラフォーおじだがかなり正解な楽しみ方をできていると思ってる。
原神をやっていて、致命的なバグに遭遇したことがあるだろうか?
自分は4年やってるが一度もない。ペェモンみたいなバグを見つけるのが上手い人もいるが、ネット民がバグだと騒ぐのは5chでも話題にならないような些末なものだ。
四半世紀ほどネトゲ俳人をしていたから分かるのだが、バグがひどいゲームというのはコミュニティでそのバグについての話題がしょっちゅう愚痴のように出てくる。
でも原神、というかミホヨゲーではそういうゲームにならないような重大なバグは目につかないか、起きてもかなり迅速に修正される。
またメンテがいつも定刻で終わり、緊急メンテナンスが入ることも滅多にないという点だけでも、ここの技術力が今まで見たこともないほど高いのが分かる。
国産ゲーや韓国ゲーだと終わらないメンテどころかサーバーが開いていてもログインできないようなネットワーク周りの不手際がしょっちゅう起こるのだがここでは見た覚えがない。
それから細かい不満点についてだが、確かに新作のゲームは配慮が行き届いてる部分が多く、一方で原神では不便なままのところが多かった。
最近はそれら新作を並行プレイしているユーザーからせっつかれるせいか、かなり利便性面のアップデートが入っているが、スメールくらいまでは遅々としてシステム改善が進まなかった。
なぜかというと、原神は開発規模が同社のタイトルの中でも依然最大なくらい、コンテンツ量が膨大なのだ。
6週間おき、それから隔verおきのマップを考えると、細かい既存部分の調整よりもそれら新規コンテンツのクオリティに割いた方が、ゲームとしては魅力的なものになるであろうことは明らか。
そして、この4年間、どのバージョンアップでも期待を上回る内容を見せつけてくれた。
これが平凡なネトゲやソシャゲで、お決まりの更新しかしないようなオンラインゲームだったら、細かい部分を修正して遊びやすくしてくれよ、思うだろう。
そういう無料ゲーでは、利用者は「プレイヤー」ではなく「ユーザー」になってしまっているんだと思う。ゲームを射幸性を満たすツールのような心地で使うわけだから。感動よりも快適を求める。
でもあくまでこの会社は、利用者に「プレイヤー」でいてほしい数少ないモバイルゲームメーカーだと思ってる。
もちろんユーザーの声を無視していいと思うわけじゃないし、自分も一部のコアな原神声優さんたちが言うような不満点、というか要望をよく理解できる。
でも、ことさらネット民がいうほどそこをあげつらうべきなのかというと、正直不満をはるかに上回るレベルのものを受け取っているし、こういう水準で運営型ゲームを提供できている競合も存在しないので、贅沢かなとおもってしまう。
まーーーでも個人的には過去シナリオの回想やパイモンボイスの再開機能、それから祈聖オイルが掘れる花芽とその倍加イベは可及的速やかにほしいと思ってるが。
あと、売上を見るのに関して、セルランというのは当てにならない。瞬間風速的なものしかあらわれないからね。
原神をはじめとしたホヨバゲーは月額勢による収益がかなり分厚くて、二次元ゲーム界隈では依然としてトップにいる。
2次元(アニメ系)ジャンルのゲームのグローバルの売上を統計している人がbilibiliにいて、中国語だがこれ見るとわかるように
https://www.bilibili.com/video/BV1LSSHYXETX
9月データではスタレがトップだが、原神もそれに次いで売れてる。111604万人民元~なのでおおよそ月間セールス240億円だ。
駅にある喫煙所の扉を開いて外に出たら、通り掛かった外国人の方が眉をしかめ「oh,bad smell」と呟かれました。
少し傷付きましたが「グローバルバッドスメラー」って横文字にすると何かのインフルエンサーぽい気がしますし何だかカッコいい気がするからセーフ、という事にしておきましょう。
さて、そんな感じで今日もヤニカスokな喫茶店を紹介して行きますね。
お店の場所はJR秋葉原駅電気街口を出て3分掛からないくらい。昭和通りに面したビルの一角にひっそりとある喫茶店です。
店のシンボルはタバコ吹かすおじさんのシルエット。ヤニカス的にはとても魅力的で勇気付けられるマークですよね。
店内入ってすぐのカウンターで商品のオーダーと会計を済ませるスタイルで、頭上は色とりどりの輝く電飾で彩られていて縁日ぽい雰囲気。
そして商品一覧のボードと共に、様々な国の紙幣がクリップで大量に留めてあります。
ドルとか人民元はもちろん、全然知らない国の紙通貨が一面に飾られていて、見ているだけでワクワクしてきますね。
紙幣の隅に「thank you〜」とか書かれていたので、おそらく外国人観光客の方が残していったものでしょうか?
ジンバブエドルとかあったら面白いなと思って注文待ちの間に探しましたが、最近老眼が気になり始めているおじさんアイでは発見出来ませんでした。残念。
オーダー完了してお会計を済ませると、食事は後で届けて下さるとの事なので飲み物だけ貰って喫煙可能な2Fまで上がります。
ここで注意点がひとつ。
お店の心遣いにより、飲み物は全てカップのフチ辺りまでたっぷり並々と注がれているんですね。
つまりコーヒーをこぼさないように階段を上がるのに、かなりの技術が必要でして非常に難易度が高いんですよ。
タイミング悪く、階段の途中で他の方とすれ違いなどが発生するとコース取りの難しさは天井知らず。
気分はまるで繊細なドラテクで峠を攻めるイニシャルDの拓海さん。訪れた人のバランス感と巧みなコーナーワークの見せ所なんですよ。
ええ、もちろん私は毎回こぼしてますよ?
カフェモコ峠は初心者にとって難しいコースですからね。仕方がないのです。
さて慎重な足捌きで階段を踏破すると、そこは喫煙可能席というエルドラド。
店内壁紙や照明もお洒落レトロな素敵空間で、店内BGMはジャズやボサノバが流れています。
後はヒョウとか虎とかネコ科の猛獣の置物が、店内のあっちゃこっちゃに設置されています。
多分、秋葉原という土地柄とお洒落が絶妙なバランスで交わり合った結果として、このような面白不思議お洒落な空間が形成されたのでしょう。
地政学的見地からしても大きく間違ってはいないんじゃないでしょうか。
よく知らないですけど。
空いてた窓際のカウンター席に腰を下ろすと、テーブル上には先客であるカエルの置物。
このカエルさん、王冠を被っているのに物憂げな表情で頬杖をついたまま体育座りをしておられまして。
よく見ると首元に六文銭みたいなネックレスが掛かっており、そこに付いている缶バッジに何か文章が書かれています。
『私は暴力が嫌いだ』
……詳細は不明ですが、とても苦労をされているようですね。店内に居るネコ科の猛獣達に甘咬みされたのかも知れません。
どんな目にあったか彼は語ってくれませんでしたが、お互い強く生きて行きましょうね。
カエルさんが受けたであろう仕打ちを想像し、ちょっぴり切ない気持ちで飲んだコーヒーは苦みと酸味が薄いタイプ。
飲みかけで放置してしまっても、あまり酸っぱくならないコーヒーでした。
大井町のポットリーに続き、イケオジなマスターさんは私の中で勝手に「コーヒーを美味しく淹れてくれる妖精さん」に認定します。
そんな感じでコーヒーを飲みながら料理が提供されるまで、店内を見渡してたのですが……
後ろの席にはイチャつくカップル。
私と同じ窓際のカウンター席では、オーダーした商品と一緒に持参した人形と撮影を楽しんでいる方。
両者が混在する喫茶店など秋葉原くらいでしかお目に掛かれないんだろうな、などと考えながらコーヒーを啜る汚いおじさんである私。
バラエティ豊かな人々を包み込み、ボサノバをBGMにして実に緩やかな時間が流れます。
料理の紹介。
パンからはみ出るソーセージにチーズをたっぷりかけて焼かれた逸品。
パンとお皿の間に薄黄色のプレートみたいなのがあって、何だろうと思ったらチーズが羽根みたいになってました。
羽根付餃子なら知ってますが、羽根付ホットドッグは初めてです。
更にプレートの空きスペースは許せないと言わんばかりに、ポテトチップスが山盛りで付け合せられていまして。
何だかアメリカの風を感じるディスプレイですね。アメリカのホットドッグとか食べた事ないですが多分そう、部分的にそう。
見た目に圧倒されつつ、付属したケチャップとマスタードをビッチビチに振りかけて頂きましょう。
齧り付くと、温かで焼きたてっぽいふっくらしたパン、ソーセージ、チーズ、ケチャップ、マスタードの夢コラボが口の中で弾けます。
こんなの美味いに決まってるじゃないですか。
口の中が油っぽくなったらコーヒーで口を洗い、思い出したようにポテチを齧り、カリカリになった羽根チーズを摘む。気分はまさにアメリカンキッズです。
コーラの方がよりキッズぽい感じになったかなと思いながら食していたのですが、気付けば口の周りと手がベトベトに。
あらやだ。今のおじさんの食事風景ったら、まんまアメリカンなキッズじゃないですか。
提供されたホットドッグをキッズみたいに手掴みで思うがまま食し、無事完食。ベタついた口と手を紙おしぼりとナプキンで拭ってから〆にクッキーを頂きます。
ホットドッグのバンズにレタスを敷き、焼肉を挟んだ逸品。……正確にはパンの隙間に肉を詰められるだけネジ込んだ逸品です。
もちろんプレートの空きスペースは美しくないですから、ポテトチップスもどっさり付いてきますよ。
囓ると甘辛いお肉の味が口いっぱいに拡がります。散らされた白ゴマも良いアクセントで美味。ご飯が欲しくなってしまいますね。
これはフォークが一緒に提供されたのですが、お肉だけだとちょっとしょっぱいですし、パンを齧ろうとすると使うタイミングなさそうなので、結局使用できませんでした。
焼きそば:
極細麺をたっぷりのキャベツとソーセージに絡めて焼き上げた逸品。
皿にどっかりと盛られた焼きそばの上には刻み海苔。紅ショウガも横に控えています。
……パン??
頭に疑問符を浮かべながらよく見ると、中央に切れ込みが入っていました。
なるほど! これ使って自分で焼きそばパンを作れ、という事ですね。
カフェモコスタイルでパンの隙間に限界まで焼きそばをネジ込んで、紅ショウガを散らせば、おじさん謹製の焼きそばパンが完成。
味としては縁日で食べる焼きそばをオシャレにした、すごくいい感じのソース味でした。
とろっとろなカルボナーラパスタの中心に卵黄が鎮座し、ピリりと胡椒の効いた逸品。
残ったパスタソースに着けて食べる用なのか、こちらもパスタ本体とは別にパンが一緒に提供されます。
パスタとソースの絡み具合、卵黄のまろやかさ、胡椒の刺激がとてもいい感じで美味しかったです。
カフェモコの料理は何を頼んでも「物足りない」と感じる事がないです。
『食べ物を頼むって事はお腹が空いてるって事だよね? よし任せとけ! 必ず君のお腹を幸せで満たしてあげるよ!』みたいな感じでしょうか。
とにかく食事を頼んだ客をお腹いっぱいにしてあげたい、という店側の思い遣りがビンビン伝わって来ますね。
頼んだ食事メニュー全てにクッキーついてきてますから食後の口直しもバッチリです。
喫煙される方には大きく頷いて頂けると思うのですが、満腹になった直後に吸うタバコのまぁ美味しいこと。
食後はタバコとコーヒーを楽しみつつ、昭和通りを行き交う人々を眺めながら優雅な時間を過ごしました。
店の奥には昭和通りを見つめる虎の置物も居ますし、多分これがカフェモコのカウンターで食事した際の正しいマナーでしょう。
私が初めて訪れた時は駅前にジャンクパーツ横丁みたいのがあって謎の部品がいっぱい置いてある、みたいな場所だったのに。
当時の人に「秋葉原はお洒落になって、道端にメイドさんがいっぱい生えてる」って言っても誰も信じないでしょう。
そんな時代の流れを懐かしみつつ、おじさんは秋葉原を後にしたのでした。
以上、ここまで読んで頂いてありがとうございました。
デイリーポータルZでジンの飲み比べをしているがはっきり言って飲み方が違うと言いたい。
https://dailyportalz.jp/kiji/jin-6syu-nomikurabe/page/2
そしてウィルキンソンとギルビーが一番良いという結果になってる。この二つって国産じゃん。価格も他よりかなり安い国産のジンが本場モンより美味しい訳ないじゃん。
これは暴言じゃないぞ。
テイスティングの方法としてはロックや水割り、常温ストレートが正しいのかもしれないが、それは美味しいという事を意味しない。
冷凍庫に入れておくのだ。
家庭用冷凍庫の温度というのは色々とあり、単身向けの小型2ドアだと-10度程度しか下がらない。大きい4ドアのものは-20度程度まで下がる。
ジンの場合は-10度でも行けるので兎に角温度が下がりきって冷凍庫から出した時に霜で真っ白になるまで冷却する。
するとジンはアルコール度数が高いので凍らず、粘性が上がりとろみが出るのである。
一緒に冷却したショットグラスに取って飲むとアルコールのヒリヒリ感が無くなり、非常にまったりとした味になる。もっとはっきり言うと「甘い」のだ。
この飲み方では安物の焼酎も甘くなる。
デイリーZの飲み方ではタンカレーやゴードンのスパイス的な味と香りは雑味や苦みに感じられる筈だ。
炭酸水をそのまま飲むと苦い。そこにスパイスを入れると更に不味くなる。
でもそれに砂糖とカラメルを入れると美味いコーラになる。それと同じである。
クセが無く作られている日本の安いジンが本場ものより美味く感じられるのはこの為だ。
蒸留酒のアルコールが高いヒリヒリする感は消せるし、それは結構一般的なのだが日本ではあまり知られていない。
日本でも高品質のワインやウィスキーはあるのに、「日本のだからダメ」となぜいうのか?
昭和末~平成初期にバブルの余波を受けてグルメブームというのがあったのだ。「美味しんぼ」とかあのあたりのだ。
それまで日本でもウィスキーやワインなど洋酒の製造は行われていて主にそれらが消費されていた。だが円高で本場の洋酒が安く手に入るようになるとどうしてもそれらに国産のは見劣りしてしまう。
元々日本人の味覚というのは今から見ると幼稚に見える味付けを好む傾向があった。特に洋食でそれは顕著だった。
酒も然りで例えば赤玉パンチというのは、「ワインを輸入しても日本人の味覚に合わなくて売れない」というのを解決する為にワインに甘くてフルーティな味付けをした製品だった。
それがバブルを経て「本格」が好まれるようになった。今も「本格派」とうたう食品があるが、それはこういう経緯で「昭和の洋食じゃなくて本場の味になってます」というのをセールスポイントにしたものである。
この酒での「本格派」路線の火付け役はサントリーで、山崎工場をブランド化して高品質なウィスキーを製造するようになった。
また勝沼も高品位なワインでブランド化に成功、混合果樹園だった勝沼の斜面は地平線までブドウ畑になった。それまで国産ワインはただの安物だったのだ。
ところでウイルキンソンジン(アサヒビール)もギルビージン(キリン)もこの過程を経ていないので、単にクセが無い昭和のカクテルベース酒のままなのである。
もう一つ、冷凍庫冷却すると実に美味くなるのはウオッカである。
甘味の中に仄かな香りがあるのが実に美味い。ただ、ウォッカの方は-10しか下がらない単身向け冷蔵庫だとイマイチである。-20度まで冷やしてトロットロになってないと美味くない。また、温度が上がって霜がなくなるようだとヒリヒリ感が復活してしまう。チビチビと飲んでは冷凍庫に入れて待つ、を繰り返すしかない。
この飲み方ではやはり国産のウィルキンソンウォッカ、ギルビーウォッカは全然ダメである。
ロシア革命から逃れたスミノフ家がアメリカで起業したスミノフもちょっとイマイチ。カクテルベースっぽいのだな。
ウォッカのデファクトスタンダード、ロシア産のストリッチナヤはかなり美味しい。
だが実はこの飲み方でもっと美味い、伝説のウォッカがあったのだ。
このゴリルカの産地は「ソビエト連邦ウクライナ共和国」であった。
ご存じの通り、ソ連は1991年に崩壊し、ウクライナは独立主権国家となった。ソ連時代は輸出入は一元管理されておりウクライナ共和国産ウォッカも他の共和国産物と一緒にソ連の国営商社(食料輸出輸入公団)を通して輸出されていた。
この構造はソ連崩壊後も残りストリッチナヤ等は輸出入公団が株式会社化したS.P.I.@ロシア共和国経由で輸出が続いていたが、1990年代末にはゴリルカだけは入って来なくなった。製造していた現地企業が法人化してSPIと関係が切れたのだろう。
余談だが、社会主義国家は自国で産業が完結する訳でも無いので西側から輸入する。それには外貨が必要だ。だから輸出にも力を入れていた。
だが国際通商をすれば当然流入外貨によって国内通貨の価値が変動する。社会主義の根幹は通貨管理であるからこれは困った事になる。そこで国際通商用の別建て通貨を作り、旅行者や外国の商社はそれを使用するようにする。中国の通貨が「人民元」なのはこの為だ。人民用でない旅行者用の元があったのである。
だから各製造元が直接外国商社と取引するのではなく国営商社が一元管理するという迂遠な事をやっていた。
なお、中国の旅行者用元が無くなったのは市場原理の導入による。今の中国は社会主義じゃなくて鄧小平主義なのだ。
さてこのゴリルカだが、ウクライナ語でスピリッツ、蒸留酒の事で、それを英語読みしたものらしい。製造元は恐らくここ https://en.wikipedia.org/wiki/Nemiroff で、1994年に直接輸出をはじめたとあるから、流通在庫が数年で無くなって日本で見る事も無くなったのだと推測される。
「ゴリルカ」の名前のウォッカはラインナップには無くなっているが、そもそもその名は「日本酒」みたいなもので、外国向けの名づけだからここで作るオーソドックスなウォッカは皆「ゴリルカ」だ。
昔はソ連→ロシア経由で入って来ていたが、最早ロシアがどうしようもない失敗国家となり果てた今、もうその経路で入ってくる事は無いだろう。
EUに加盟したウクライナは戦後メキメキと経済成長し、ウクライナ産ウォッカもEU経由で潤沢に入ってくるようになると思われる。
読者諸兄もその時は「ウォッカの本当の名産はウクライナでね」とか「冷凍庫でキンキンに冷やしてストレートで舐め舐め飲むのが正しんだよ」とか酒場で蘊蓄吹かしてウクライナウォッカと飲み方を唱導してしてやって欲しい。