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はてなキーワード: 化学療法とは

2025-10-19

anond:20251019095603

うーん。

この人は話がわかりそうだし、ちょっと説明するか。

病気になって困ってることはすごいかわいそうだと思ってるし、治療がうまくいくことも願ってるんですよ。それは文章読めばわかると思うけどね。

ストーマ人工肛門)になるかどうかをすごく気にしていたけど、それはおそらくストーマになる可能性が結構高いので、そういう気持ちで準備できるようにと思って書いたんだけどね。

ストーマって確かに生活が変わって大変だけど、「これまでより排便管理が楽になった」て話す人もいるし、うまくなれて欲しいと思ってるよ。

「見苦しい」っていうのは、「慌ててる様」のことだけど、その「慌ててる」っていう言葉意味だよね。問題は。

最初はもちろん細かくは書いてなかったけど、その後のやり取りを見ればわかるように、

「慌ててる」「見苦しい」って言って問題にしてるのは、周りに対する配慮のなさなんですよ。周りに配慮することなく、それこそ医療従事者の実名を平気でネットに出すとか、発言ネットに流す、画像診断レポートネットさらすとか、Amazon 欲しいものリストを貼り付けてるとか、そういうのね。あまり関心はしない。

ただ、ここまでだったら敢えて自分増田に書かなかったと思う。問題はその後。

こういうことが「問題」って分かった今でも医療従事者の発言とかレポートとか上げてるでしょ? まぁ見に行ってないから最新は分からないけど、自分が見た時には貼り付けていた。消すべきですよ、それは。

で、謝罪もしてないよね。少なくとも自分は見つけられてない。彼のこと追っかけてないから全ては見てないけど、正直、ブログで一つの記事まるまる使って謝罪するレベルのことをしたと思いますよ。今でも医療従事者の発言とかレポート貼っつけている(いた)し、迷惑かけてるって分かってないよね。


で、彼の病気が重いかって話。医療従事目線で言うと重くはないよ。まず直腸癌だったとしても、化学療法が色々あるし、5年10年生きる可能性が高いですよね。NET、古い言葉で言えばカルチノイド にしても大部分は良性なので、やっぱり長生きする可能性が高い。手術するような病気=大病って考えてるかもしれないけど、そんなに大病ではない。

大病の基準…例えば原発性膵管癌は大病だろうね。大腸癌でも特殊組織のもの・多発遠隔転移を伴うものは大病かな。胃癌もtub1/2でラパロ下の根治的切除ができるなら大病とは感じない。por/sigSS以上の深達度なら大病な感じがする。肺癌は部分切除でいけるなら大病とは感じないけど、葉切以上なら大病かな。前立腺癌ロボット切除が出来て、ずいぶん侵襲が減ったよね。癌以外なら、急性膵炎は大病。胆嚢炎はPTGBDまでならギリ大病に入らないかな。CBD stone 伴い内視鏡的総胆管結石除去やEST、T tube 含む胆摘とかならギリ大病かな。これはみんな基準が違うだろうから異論は認める


とはいえ病を得て焦ると思うのよ。その焦ってること自体を「見苦しい」とか言っている訳ではない。

なりふり構わず医療機関の迷惑とか、医療保険制度サポートとか考えずに自己憐憫に浸って、周りの優しさが見えず自己中心的に行動してるとことが見苦しいよねって話。

PETを受けに行くのに3万円も払わないといけない」みたいなこと書いてたけど、それ自己負担3割。残り7万円って医療から出てるのよ。

会ったこともない。水知らずのたくさんの人が命を支えてるわけ。3万円払うの大変だと思うよ、でも残りの、半分以上は赤の他人が払ってんだよね。

これから払う医療だって、大部分は他人が払うことになるんですよ。おそらく高額医療費を突破するからね。

あと、受診したその日に緊急CT、昼に撮ったって話だけど、それだってさ。昼休み時間おしてるのよ。医師看護師さん、検査技師さんが昼休み削って撮ってくれてるわけ。

世界さらしたレポートだって、緊急だし慌てて書いたレポートなわけ。おそらく昼休みを削ってね。

そういう周りの優しさに気づけてないところね。

そういうのが見苦しいわけ。

この文章だって、確かに表題も「見苦しい」だし negative に受け止めたとは思うけど、前半部分読めば、彼の健康に関心があると分かるし、今後の情報収集に役立つ情報を落としたつもりだけど、そういうのも気づけないんだなぁと。

情報って、知識って、何でもただで簡単に手に入るとでも思ってるんだろうか。

悲しいよね。


書く必要いかもだけど、「CHU 傲慢でゴメン」も、「傲慢で良い」って思ってるわけじゃなくて、

歌「可愛くてごめん」の歌詞になぞらえた文。「可愛いだけでちやほやされてムカつく」とか思われてる地雷女子だって、それを維持するために影で努力している。だけどそんなことは言わずに「CHU かわいくてごめん」って敢えて煽るようなことを言って、まわりに心配かけないように笑顔で振る舞って、実際には可愛さを維持するために影で頑張ってるんだよね。

世の中の人達、みんなそうじゃないですか。誰もが見えないところで頑張ってたり、努力していたりする。

それをことさらに人前で主張しない、まわりの人たちが不安にならないよう、心配をかけないよう虚勢を張ったりするもの

可哀想な私」を主張して同情を引くのは、同情される方は楽しいだろうけど、まわりに気を遣わせてること、負担をかけてること。分かんないのかな。

そんなこと書かなくても分かると思ってたけど、分からない人もいるみたいだから


元増田だけだったら

 ・投稿者は思いやりのない嫌みなヤツ

で終わってたのに、いろいろコメントするから

 ・投稿者医療従事者。

 ・比較的大きな病院に勤務してきていて、他部門とのコミュニケーションもわきまえている。

 ・いろいろなカンファレンス豊富経験がある。

 ・ブログ主に対して悪意は持っていない。投稿での初回のやらかしについても問題とは思っていない。

 ・医療機関は守秘義務があり反論できない中で、医療従事者の発言レポートなどを残し続けていることを問題とみている。

などが明らかになってきて、

 ・投稿者は思いやりのない嫌みなヤツ?

ってなるじゃん?

2025-10-15

老い、病や死は世界中に満ちているというのに、見苦しい…

関内関外日記 https://blog.tinect.jp/?p=90366 の 黄金頭@goldhead 氏が直腸腫瘍に侵されたとのことで、度々ホッテントリに上がっている。どうも、直腸癌~カルチノイド(NET)、直腸リンパ節転移があるかもしれないという状況らしい。氏の投稿を見ている限り、医療はまともに仕事をしている。ただ、FDG-PET/CT必要かは正直分からない…patho で NET 成分が含まれるかなど、どちらかと言えば patho の方が治療方針に影響しそうだ。

なんで PET を撮るんだろうね? 直腸 NETlow grade が多く、 low grade なら FDG はあまり入らない。リンパ節転移判定に FDG-PET有効かどうか疑問だ。

しかCT撮影読影時点は直腸癌想定だった。このサイズ直腸癌でリンパ節転移まれだし、転移の有無は術式選択に大きく影響する。また、直腸癌のリンパ節転移判定なら FDG-PET有用から…という状況だから PET 薦めたのか。まぁ patho が出るまでに時間はかかるし、FDG-PET による delay はないだろう。

patho で NET が含まれるなら、FDG-PET の結果がどうであれリンパ節は取りに行くだろう、人工肛門になる可能性が高いだろう。NET なら化学療法放射線治療はあまり効果がない。手術だ。

生老病死」などという言葉があるとおり、生まれた時から常に老いや病はいつも隣にいる。誰だって今日死ぬとも限らない生を生きている。老いや病、死に目を向けずに生きてきて、ふとそれが目の前に迫ってきた時に慌てている様は、実に見苦しい。

40台よりも若くに、より悪性度の高い腫瘍や治らない病気に冒され、苦しむ人もたくさんいる。たくさんいた。「この程度で大騒ぎするのか」とあきれる限りだ。

コメ返

>何も無い中年氷河期は黙っとれ。 何も生み出せない病気にもなれない何にも持ってない奴の癖に、病気になった同世代揶揄するとかどんだけ傲慢なんだよ。

 良くもまぁこの短い文章の中にレッテリングを詰め込めたもんだ。俺が書いた文章不快だって言うのは分かる。なら不快だと書けば良い。同じように、彼のブログは俺にとって不快だ。彼よりも苦しんでるやつはいっぱいいる。いっぱい見てきた。もっとかわいそうな人がたくさんいるんだよ。彼よりも救うべき人たちが、いっぱいいるんだよ。そいつらのことをオマエはどうするんだ。無視か?

 普通に生きて、税金社会保障費を払っていることで、苦しむ人たちをサポートしてるんだよ。別に彼をことさらサポートする必要もない。普通に生きるだけで、みんな彼をサポートしてるんだよ。勿論俺だってオマエだってな。

 彼の投稿を見れば、医療はきちんと仕事をしている。なんの問題もない。

 CHU、傲慢でゴメン。


馬鹿なんだな 可哀想な人がいるから黙ってろとかお前が黙れよ ほんと、はて爺ってクズだな

 オマエまず日本語読めよ。日本語理解出来てないだろ。「黙ってろ」なんて書いてない。馬鹿はどっちだ。

 この程度のやつはたくさんいるのに「地獄だ」とか、情けないって言ってんだよ。

>「お前が黙れよ」

 へー。 言論の自由無視? 基本的人権無視? 日本国憲法に反対なのか。 びっくりだな。 憲法尊重しろ

 他人には「黙れ」。でも自分は言いたい放題。二重基準だな。自分さえよければいい、他人尊重しないってことだ。いや他人自分と同じく尊重しろよ。

 「馬鹿なんだな」「はて爺ってクズ」こういう人格否定印象操作・レッテリング、まぁ何でも良いけど。こういう言葉自然に出てくるって、思考パターンヤバいよ。


ウンチク披露したくてたまらないだけのクソ無能じゃんw

 「この程度の病気の人は日本中に山ほどいる。これより苦しんでるやつだってたくさんいる。この程度のことで『地獄だ』とか、恥ずかしいな」、それだけ書いても信憑性ないだろ。伝わらないだろ。

 ウンチクって「NETがどう」とか書いてるやつのこと? 普通のだろ。キャンサーボードとか教授回診で普通に話されるレベルだよ。ふつうのはなし。これくらい知っとかないと教授回診で困るだろ。大勢の前で吊るし上げられるのが嫌ならこれくらい知っとけ。

 「何でカルチノイドを疑ったのにPET取ったんですか?医療費の無駄じゃないですか」とか「PET取らなければ先週のカンファに出せたから手術枠だって空いてたのに、手術が集中してる or 学会で人手がない今持ち込まれても困るんです」って言われたらお前はどう返すんだよ? 手術枠調整するのも大変なんだよ。

 だからゆとりは…」って言われんだよ。甘えんなよ。命扱う仕事なんだよ。お前は研修医からやり直せ。


>反出生主義を標榜するようなやつは生老病死リアル理解せず空論を吐いてるだけのカス、って気持ちが働いて辛辣になる心情はまあ分からないでもない
>そうでない人が高齢になる前に大病を患って「死ぬかもしれない。死にたくない」と狼狽した場合にも、見苦しいと切り捨てたとしたら「うーんこの」となってしまうが

 see comment:https://anond.hatelabo.jp/20251019125903

2025-08-21

倉持先生、それはさすがに雑過ぎやで

医者貧乏に見せたいんだろうけど、嘘はダメだよね

医師人件費経営破綻の一番の要因だから

厚生労働省日本病院会調査では、人件費が総費用の40~60%を占めるのが一般的

一方、薬剤費や診療材料費20~30%程度

https://x.com/kuramochijin/status/1958120224928235637

例えばね10万円の薬でも20万円の薬でも病院はそこから税金分だけ引いた原価で買い、患者さんに注射したらいくらもらえると思いますか?

ま、まさか200円ですよ。

それで、前もって10万の薬買って準備しておいて、使ってお金が4ヶ月後に10万円みたいな感じだから、高度な医療とか高い薬使うと医療機関は赤字になります

1. 薬剤の仕入れと「税金分だけ引いた原価」

病院診療所は薬を「薬価(公定価格)」で仕入れるわけではなく、製薬企業や卸業者から仕入れ価格」で購入します。

実際には薬価より安く仕入れることが多く(いわゆる「薬価差益」)、病院収益の一部を支えてきました。

税金分だけ引いた原価で買う」という表現は正確ではなく、消費税の扱いを誤解している可能性があります医療機関は診療報酬が非課税であるため、仕入れ時の消費税分を控除できず、その分の負担はありますが、それをもって「税金分だけ引いた原価」とは言えません。

2. 「患者注射したら200円しかもらえない」

薬を患者に投与する際に加算されるのは「注射料」や「調剤料」などの技術料で、確かに数百円程度にとどまります

しかし、薬の費用自体薬価に基づいて診療報酬で請求できます

例:薬価10万円の抗がん剤を投与すれば、その10万円は診療報酬として病院に支払われます患者負担は3割など)。

よって「200円しかもらえない」というのは薬価分を無視した説明で、誤解を招きます。正しくは「薬価部分は患者負担保険者から入金があるが、技術料としては200円程度しか算定できない」ということです。

また実際には 注射行為に至るまでに必要な診断や検査にも診療報酬が算定される ので、医療機関が得られる収入は「注射技術料」だけではありません。

例:初診料/再診料(例:初診2,880円、再診730円

検査料(血液検査腫瘍マーカー画像診断など、内容によって数千円〜数万円)

管理料(がん化学療法糖尿病指導管理外来化学療法加算など)

3. 「4か月後に支払われるので赤字になる」

医療機関が診療報酬を受け取るのは通常「診療月の2か月後」程度で、4か月ではありません(支払基金国保連合会経由で精算)。

高額薬剤を先に購入して在庫する場合資金繰りが厳しくなることは確かにありますが、制度的には薬価相当は請求可能です。

実際の問題は「在庫リスク」や「未収金リスク」、薬価改定による差益縮小であって、「高額薬を使うと必ず赤字」というのは誇張です。

2025-04-04

癌になるのって交通事故みたいなもんだよな

当たる確率は、遺伝的な要因もかなりあるし、生活習慣などでかなり変動するけれど、最終的には運だよね。

どれだけ気をつけてても、なる時はなるというかさ。

おれの親父は10年前の夏に自覚症状が出て、診断したら末期のスキル胃癌。その年末に亡くなった。享年65。

伯父(親父の5つ上の兄)は、風邪すらひかない元気おやじで、ゴルフ釣りばかりしている超元気な80歳。

伯母(親父の10上の姉)は、70歳くらいの頃に肺炎レントゲン撮ったら肺がんが見つかり、手術と化学療法寛解。ピンピンしている。

なるならなるで、できれば早期発見寛解するパターンだといいなあって思ってるけれど、どうなるかなー。

2025-02-20

どうすればよかったか

もし、どうすればよかったか?と聞かれたら

「見に行かなければよかった」と、答えるし

監督にそう聞かれたら、

あん映画作らなければよかったし、もし作っちゃったのなら公開しなければよかったのに」と答えると思う。

以下、その理由

そもそも現在ホームムービーを撮りますとか、映像勉強のためとかで回した素材を編集してドキュメンタリー作品にするという手法はありなのか?という問題

作者の両親や姉はそのことを理解したうえで許諾していたの?

文書で許諾を得ていたの?

作品の後半でやたらと姉のピースサインがでてくるが(ラストシーンピースサインかな)、姉はかわいい弟がホームビデオを撮ってくれていると思ってピースサインしているから切ない。

ドキュメンタリー作家として致命的なのは、作者は「記憶」と「記録」の違いについて理解していないこと、

納棺のシーンで、父親論文を入れようとするところを、父親の異常な行動として「記録」している

父親は、自分と同じ医学研究を志していたという「記憶」の中の娘として送り出そうとしているんですよ、きっと

長い髪がきれいだったという「記憶」の中のお姉さんと見送るのなら、化学療法でぬけてしまった頭に帽子かぶせるのではなくて

ロングのウィグでもかぶせてあげればよかったのに、そういうところ

家族というものは「記憶」にしたがって判断し、決定する

記憶」が偽で「記録」が真ではなく、また「記憶」が邪で「記録」が正ではない

作者は姉の異常なところばかり撮ろうとして、また異常な言動を引き出そうとしてインタビューについてもそうしたものしかしない、

しかし40年ちかく暮らしていたその生活の中身、楽しかたこと、幸福だった側面そうしたものはあったはずで、それが伝わってこない、

玄関に鍵が!とか騒ぐが、私宅監置とか座敷牢というのは、玄関の「外側」から鍵をかけるものです、

過去事件事故もそうした環境でおこっています

作者は姉の異常性にフォーカスするあまり、寄り添えていない

自分が「カリフォルニアから来た娘」であることの自覚がないのでは?

寄り添えていないから、見えているものフォーカスできていない

退院後の部屋にカメラをかまえてずかずか入っていくのもいかがかとおもうが、その時ベッドのわきにあるごみ箱に注目できていない

あの位置ゴミ箱があるとき自分だったら「薬の副作用などで吐き気があるのか」とか、まさかだがここで用を足しているのかとか考えますね、

統合失調症は大変な病気ではあるが、肺がんステージ4というのはそれ以上に深刻な病気

ステージ4まで気づけなかったことに対する反省とか後悔とか何もないの?

お父さんの「失敗したとは思わない」とかい言葉、これは重い、ある意味真理をついている

障害のある子どもをかかえる親にとって、健康留意して子どもより長生きをして、子ども葬式をだしてやるというのは一つの成功パターンですよ

作者には理解できないことかもしれませんが、

精神科の長期入院は悪いということになっていて、医療関係者などは

短期入院退院して、またなにかあったらそのとき入院して治療すればいいのです」などと言う

なにかあったら、の中身については触れない

深夜にマンションの隣の部屋のドアを、ダンベルで何度もたたく(本当にあった

近所のスーパーに行って、幼稚園児を蹴りケガをさせた(これもあった)

家族ケンカをするたびに、110や119に通報する(これもよくある)

地域住民精神疾患に対する理解がないから受け入れてもらえないと言われるけれど

理解しているからこそ拒絶しているともいえるのでは?

日本精神医療ライシャワー事件で大きく変わったと言われるが、どうなの?

統合失調症精神「疾患」なのか、精神障害」なのか、

「疾患」であるなら治療すべきだし、「障害であるなら直すことより抱えていても、より幸福に生きていける道をさぐるべきだし

であるのに、「異常」な姉を見世物にするようなやりかたで作品を公開するのはいかがかと

結局、姉は作者を愛していたのに作者はそれほど姉を愛してはいませんでした、というのが結論なのか?

2025-01-12

クリニックの口コミ googke ☆1つ

A面――医師・富門 武の物語**

 12月。富門 武(ふもん・たけし)の内科循環器クリニックには、朝から多くの患者が押し寄せていた。インフルエンザ新型コロナウイルス流行による発熱患者があとを絶たず、予約はぎっしりまり、一時間に二十人以上を診察しなければならない。なるべく待ち時間を減らすため、富門は流れるように診療をこなしていた。

 しかし彼の頭の片隅には、広島入院している父親の姿が離れない。父は肺がんで、化学療法を続けているものの、病状はなかなか好転しない。親族の中で医師は富門だけ。主治医から説明も、ほぼ彼が一人で受け止める状況だった。

 昼過ぎ、ちょうど診察を急いでいる最中スマートフォンが震えた。相手は、広島病院だ。嫌な予感が胸を締めつける。

「残念ですが……化学療法がまったく効いていません。腫瘍さらに大きくなっています。余命は、一週間か、二週間ほどかと……」

 予想していた言葉ではあったが、実際に突きつけられると心がぐらりと揺れる。思わず電話口で沈黙してしまい、会話は二十分ほども続いた。クリニックのスタッフ心配そうに覗きこむが、富門はうまく笑顔を返せず、ようやく電話を切ると再び診察室へと戻った。

 その後の診察はどうしても上の空だった。次々とやってくる発熱患者、咳やのどの痛みを訴える人、そして、腹痛や下痢を訴える若い女性も現れた。

お腹調子が悪くて、熱も少しあります

 彼女の顔色は悪い。症状からウイルス性胃腸炎可能性を考え、念のためインフルエンザと新型コロナの抗原検査を行ったが、いずれも陰性だった。水分はなんとか摂れているとのこと。

「うーん、水分が摂れているなら大丈夫ですよ。無理に食事をとらなくても、1~2日くらいなら問題ありませんから

 余裕のない頭で、型どおりの説明をして胃腸薬を処方し、富門は次の患者を呼んだ。結局その日、彼は150人以上を診察した。父親余命宣告を胸に抱え、ぎりぎりの精神状態だった。

 夜、ようやく業務を終えてクリニックのホームページ確認すると、Google口コミに星ひとつの低評価が書き込まれていた。

「とても不親切なクリニック。『水分が摂れていれば大丈夫』なんて。しかも一時間も待たされたのに……」

 胸が痛んだ。自身の悲しみや焦りとは関係なく、患者にとっては自分が唯一の医師である。富門は深く反省し、丁寧な謝罪文投稿した。けれど、その文章を書きながら父の顔が浮かび、どうしようもなく悲しくなった。

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B面――患者・大上 春香物語**

 大上 春香(おおがみ・はるか)、26歳。ごく普通企業で働く彼女職場では、ここ数週間、風邪発熱流行していた。朝から下腹部に鈍い痛みがあり、昼ごろには熱も上がってきた。どうにも我慢できず、近隣のクリニックをいくつも電話するが「本日発熱患者が多く対応が難しいです」と断られる。ようやく、富門クリニックという内科が診察してくれるとわかり、ほっとしたのも束の間だった。

 受付に行くと、「発熱の方は廊下でお待ちください」と指示される。空調の効きにくい廊下で待つこと約一時間身体の痛みと寒さ、心細さが入り混じって、頭はくらくらしてきた。ようやく順番が回ってきたと思ったら、まずインフルエンザコロナの抗原検査を鼻からされる。

「私、熱はあるけれど、腹痛と下痢が主なのに……これ、意味あるのかな」

 そう思いながらも、言える元気はなかった。再度待たされ、ようやく診察室に呼ばれる。

 そこでは簡単な触診のあと「ウイルス性胃腸炎でしょう、胃腸薬を出しておきますね。水分は摂れてますか? じゃあ大丈夫ですよ。1~2日食事がとれなくても、水分が摂れていれば問題ありませんから」とさらりと言われた。

 さら会計で三十分、薬局でも一時間。家にたどり着く頃には、疲れと寒気で泣きそうだった。

「やっと診察してくれたけど……なんだか雑に扱われた気がする」

 腹痛と苛立ちが収まらないまま、マンションのドアを閉める。誰も優しい言葉をかけてくれるわけでもなく、ただしんどさが増していく。怒りにも似た感情がこみ上げた。

 スマートフォンを開き、Google地図アプリから富門クリニックを検索すると、レビュー投稿の画面が表示された。

「私のつらい気持ち、これじゃ伝わってない……」

 気づけば、悲しみと悔しさをぶつけるように、星ひとつレビュー投稿していた。

「とても不親切。水分が摂れていれば大丈夫、なんて。待たされた時間は一時間以上。私の苦しみを、誰も分かってくれない……」

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あとがき――背景を想像する優しさ**

 医師である富門 武は、父の余命宣告を受けながらも大勢患者を診なければならないという極限状態にいた。一方で大上 春香は、職場風邪流行で追いつめられ、どこにも受け入れてもらえない焦りと寒さの中で待ち続けた。

 「水分さえ摂れていれば大丈夫」と言う言葉は、医療現場ではしばしば出てくる基本的説明だ。しかし、言われる側の患者には、その言葉で満たされない不安や痛み、生活への支障があった。

 知らず知らずのうちに、人は自分事情に追われてしまう。だが、ひとたび相手の背景を想像すれば、そこには親を看取ろうとする苦しみや、腹痛と高熱に苦しむ心細さが隠れている。「どうして、こんな言葉しかかけられなかったのか」「どうして、こんな気持ちになったのか」。そう思いを巡らせることで、私たちは少しだけ優しくなれるのかもしれない。

2024-12-05

40歳既婚男性限界

子供が一人、生まれつき免疫が不全であった。

それでも夫婦二人三脚サポートし、入退院を繰り返しつつも何とか日常を送っていた。そんな忙しなくもささやか幸福な日々が崩れた。妻が悪性リンパ腫と診断された。直ちに化学療法による治療が始まり、2人で1人を支える生活は1人で2人を支える生活へと変わった。

妻の心身へのサポートをしつつ、子が入院すれば付添のため病室暮らしに。仕事はほぼ定時あがりで、出張は行けない。「事情理解してるけど…」と上司言ってくれるものの、仕事をさばききれないためPLからヒラへ降格。自分の同期は、早い者だと部の長になっている。

から「痛い、苦しい、寂しい」と言われた時の悲しさ。

風邪症状があるのに学校へ子を送り出す親、咳込んでいるのにマスクもせず公共交通機関に乗ってくる衛生観念もない汚物への怒り。

仕事プライベートも充実している同期たちへの嫉妬

この破綻した生活の行き着く先は、全てを喪いボロボロの心身で1人、取り残されるのではという恐怖。

発狂絶望の間で、それでも2人のことを考えると踏ん張るしか無く、ただただ苦痛だけの生を続けている。救いもなく。

2024-11-28

あなたが癌になった時に最初に知ってほしい事

癌治療を専門にしている医師ですが、夜寝付けなかったので、

癌になった時にまず最初に知っておいて欲しい事をかいてみました。

結論

いかに早く治療を開始できるかで癌の治りやすさが変わります

そして、あなた患者)の頑張りで、治療開始日は大きく変化します。

 

今回は、知っておいて欲しい癌の知識について書いた後、癌の疑いがあると言われた時の治療開始RTAのコツについて書きます

RTA:リアルタイムアタックいかに早くゲームクリアできるかの挑戦の事) 

 

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知っておいて欲しい癌の知識

 

癌は、ひたすら増え続けるおかし細胞

人間の体は細胞で出来ていて、正常な細胞は決まった日数で細胞分裂して増えますし、決まった日数で死にます。例えば皮膚の細胞は1か月くらいで新しくなって、古い細胞は死んで垢になります。このバランスが保たれているのが通常です。

 

ただ、変な細胞一定割合で発生します。決まった日数で死なずに、ひたすら細胞分裂して増え続ける細胞が発生する事があり、これが癌です。

人間の体は変な細胞を殺す仕組みもありますが、殺せない場合は増え続けて、困った事になります

 

例えば、肺の細胞が1つ変になってどんどん増えると肺癌になります

  

時間が経つと癌が大きくなって症状が出ます

例えば、腸に癌が出来て大きくなると、食べ物の通過を邪魔します。

肺に癌ができて大きくなると、息が苦しくなってきます

痛みについては、人間の体は痛みを感じない場所が多いので、ある程度大きくなって初めて痛くなる事が多いです。

 

癌が遠くまで移動する方法リンパ節転移と遠隔転移

体には水の流れがあって、これに癌細胞が乗れると遠くまで移動できます

体にはリンパの流れと血の流れがあります

 

リンパの流れは、途中にリンパ節という関所がいくつもあってそこで癌細胞は堰止められます。これがリンパ節転移と呼ばれます最初は癌の近くで止められますが、徐々に遠くのリンパ節まで到達します。

 

血の流れに乗った場合は、遠くまで簡単に行きます。肺は血管が細いのでここで止まる事が多いです。そこで大きくなると肺転移と呼ばれます。その他、脳や骨や様々な場所へ行きます

 

治療開始の前に、検査(癌のパラメータの把握)が大事

まずは治療する癌がどのような特性を持っているか情報収集大事です。

癌の一部を取って癌の種類を調べるのが最も的確な方法です。そのため、多くの癌で細い針を刺して癌の一部を取る検査生検)が行われます

これが出来れば、どんな治療・薬が効くか、どれくらい強いか(大きくなる速さ、再発しやすいか)などの癌のパラメータ特性)が分かります

 

同時に、どれくらい癌のレベルが進んでいるか(広がっているか)を調べますCT検査MRI検査内視鏡PET検査血液検査などをします。癌の種類や進行度によって、どれが必要かは変わります。なので検査の種類が少ないからと言って不安になる必要はありません。

 

癌のステージ。1~4まであって、4が悪いです。

1期:小さくてその場所だけ。9割以上治ります

2期、3期:大きくなってきたり、近くのリンパ節に広がった状態

4期:遠くまで病気が飛んで行ってしまった状態。治るのは2割以下。

 

治療方法

小さい

手術・放射線治療で取り除く/殺します。薬を併用する事もあります

 

大きい

様々な方法でなんとか完治させることを考えます。まず薬で小さくしてから手術で取り除く戦略比較的多いです。薬と放射線治療を同時にして殺す方法もあります。また、手術や放射線治療の後にしばらく薬を使う事もあります(補助化学療法)。これは治療後でも目に見えない敵が周りに残っている可能性があるため、それを殺す目的です。

 

遠くまで飛んで行った

薬で治療をしながら戦略を考えていく事が多いですが、治らない事も多いです。ただし、この状態でも、多くの癌で5年後でも2割程度の方が生き残りますので、あきらめる必要はありません。

 

癌は時間が経つと大きくなって、完治しにくくなる。

時間が経つと癌は大きくなります。そして治療がやっかいになり、治りにくくなります。ですので癌の疑いがあると分かってから治療開始までの日数をいかに短くするのが大事になります

 

治療開始とは、手術、放射線治療、薬の治療のどれかを最初にした日の事です。

また薬の治療とは、抗癌剤、抗癌作用のあるホルモン剤分子標的薬、保険適応のある免疫療法など、癌を抑えたり、癌を殺したりする薬を指します。

痛み止めなどの症状を和らげる薬ではありません。

 

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癌疑いと言われてから治療開始までの最短日数を目指すRTAの話

 

 

早く治療した方が治りやすい。

癌かもしれないと言われたその日から、最短で治療を受けるRTAリアルタイムアタック)が始まります

 

ただし的確で良い治療を受ける事も大事ですので、単純な日数短縮だけではないのがこのRTAの難しい所です。

そして、このRTAには患者家族の行動がかなり影響します。患者家族ができる短縮方法について書きます

 

患者家族にできる事1:ある程度勉強する

癌の疑いがあると言われたら、その癌の種類を聞いてある程度勉強しましょう。これで様々な判断が的確にできるようになります

様々な情報をあさる必要はありません。サイト1つ、本を1冊。これだけで十分なのでしっかり読んでください。

 

サイトは、がん情報サービス https://ganjoho.jp

ここの情報は非常によくまとまっています。癌の事だけでなく、その後の生活仕事への影響や細工などについても知る事ができます

 

本は「患者さんのための〇〇癌のガイドライン」という本を買って読みましょう。

(癌の種類によってちょっとタイトルは異なりますが、日本〇〇癌学会が出しています。一部の癌は〇〇研究会出版しています。)

 

治療はどんどん進化しているので古い本は役に立たないです。患者さん向けのガイドラインも最新版を買いましょう。

 

患者家族にできる事2:病院の予定は最速で入れる

仕事家族など様々な事で忙しいと思いますが、治療までの日数で治りやすさが変わる癌が多いですので、様々な予約は最速を希望しましょう。

家族患者が「(仕事などは全て何とかするので)最短日程を希望します。」と言えば、医療スタッフもより早い日程に出来ないか頑張ってくれる事が多いです。

みなさんは各自大事な予定があると思いますが、この期間だけは病院の予定を最優先にしてください。

 

患者家族にできる事3:治療するのに良い病院を早々に決めて紹介してもらう。

基本的治療はがん拠点病院(がん診療連携拠点病院)やそれに準じた病院安心です。

そこには、癌治療専門の医師が何人もいます。それ以外にも、専門の看護師、専門の薬剤師仕事しながら癌治療する方法相談できたり、様々な手当(傷病手当障害認定)などを相談できるスタッフもいたりと、様々な点で優れています

がん情報サービスサイトを使って、通うのに都合のいいがん拠点病院検索したり、がん拠点病院自分の癌の種類の専門家いるかどうかの確認などをしましょう。

 

治療する病院候補が決まったら、現在検査している病院担当医師相談し、紹介してもらいましょう。

癌の種類や住んでいる地域によっては、がん拠点病院でない病院の方が良い事もあります医師相談すると、患者希望とは違う提案がされる事もあると思います。まっとうな理由がある事も多いので、じっくり聞いて納得のできる決断しましょう。

 

患者家族にできる事4:キーパーソンを決めて、診察には同席する。

家族内で意見対立が起こると治療が遅れます

例えば患者の息子が、もう一度説明を聞いて治療方法を再検討したいとなると、再度診察の予約が必要になり、その後の日程は全て予約取り直しになって、治療開始が遅くなります。最速RTA失敗です。

 

家族内でメインの決断者(キーパーソン)を決めて、その人の決断にみんなが基本従いましょう。もしも決断に対して意見を言いたい家族や、口出ししたい家族がいる場合は、診察に必ず同席してもらいましょう。

 

患者家族にできる事5:目標の共有

家族内で、最初目標は最適な治療を最速で始める事である事を家族に伝えて合意を得ましょう。

 

結論

癌疑いと言われたら、最速で最適な治療を開始しましょう。

それが最初患者ができる完治する可能性を上げられる最も大事な事です。

今回書いた事を準備すれば自然と最速で行動できると思います

 

  • ―-ー----

 

多くの方に読んでいただいたようでありがとうございます

ブックマークコメントなどへのお返事です。

キーパーソンの話への反響の多さ

ありがとうございますキーパーソン重要性は絶対に伝えたい事だったので、反響が多くてうれしいです。

 

金がない。

病院のMSW(メディカルソーシャルワーカー)にまず相談してみてください。生活保護の申請を含めて色々相談にできるかと思います無料低額診療をしてる病院もありますので、住んでいる地域検索してみてください。

 

ちなみに一番良い治療でも保険診療でほぼすべてまかなえますので高額療養費に収まります。または高額療養費は治療4ヶ月目から半額になります

評価の定まっていない最新の治療を受ける時は臨床試験になりますが、その多くは研究費用予算確保されていますので、追加の患者自己負担原則生じません。

 

癌になったら緩和的な治療だけしたいけど可能

コメントの返信に詳細に書きましたが、緩和的な治療のみ受けることも可能です。

病院に行ったからと言って無理やり治療を受けさせられる事はありません。

ただし、早くに相談した方が様々な提案可能ですので、緩和的な治療だけ希望場合も早めに受診してください。

  

抗癌剤で助かるかどうかは運?

昔はそうでした。最近は癌のタイプ検査がかなり詳細になって来たので、個人ごとにどの薬が効果がありそうか事前にかなりわかるようになってきていますよ。

 

生命保険

癌かもしれないと分かってから生命保険がん保険に入る姑息な人も稀にいますしかしながら契約から90日間は保険金出ないので治療は遅れます

また怪しい契約は後ほど保険会社が調査をして保険給付却下されますので、さっさと治療しましょう。

回答内容がずれてそうだけど、知っておいて損はない話かな。

 

検診について

ごめんなさい。検診は専門外なのでふわっとした回答になります

広く行われている健康保険の定期検診は受診しましょう。

追加課金したいなら、日本人に多い肺癌・胃・大腸乳癌前立腺癌子宮頸癌などの検診頻度を上げても良いかもしれません。

家系によって、なりやす病気の傾向はあると感じています。癌に限らず自分自身の親・兄弟親族で多い病気については気をつけておくと良いと思います

 

より厳密で正しい専門用語をなぜ使ってないの?

目的相手によって表現は変わります。今回は、みなさんに理解してもらう事が最優先なので、より読みやすく分かりやす表現を使っています

例えば、がん→癌やIV期→4期などは、一旦書いた後に変更しています

2024-10-05

anond:20241003112628

AYA世代乳がん患者です。化学療法・手術・放射線やっていまホルモン治療中。

標準治療選べば大丈夫抗がん剤によっては毛も抜けないし、傍目からはがん患者だなんて気がつかれない。

ホルモン陽性なら5〜10年のホルモン治療あるから長い付き合いになるけど、お互い頑張りましょ〜!

2024-01-16

最後投稿です

引退します!今までありがとう

16年と半年前、57歳になったばかりの2007年9月に初めての投稿しました。その2ヶ月くらい前から閲覧はしていた気がしますが閲覧履歴のようなものはないためわかりません。

ちょうどその頃、勤務していた会社役員に昇格したばかりでした。法学部卒業新卒入社して以来、ひたすら営業畑にいた私が役員になってから与えられたのは情報システム部を含むIT分野でした。

その10年前ごろから会社パソコンが導入され始め、総務部門にいた同期が悪戦苦闘しており「大変そうだな〜」なんて気楽に思っておりましたが、まさか自分がそれらを統括する立場に置かれるとは思いませんでした。

IBM主催する勉強会に参加したり、書籍を購入したり、パソコン教室にも通い、DELLデスクトップPCを購入して大学生だった息子に助けられながら設定をしていました。

インターネット徘徊する中で見つけたのがはてな匿名ダイアリーです。

結局半年足らずで外部の専門家を雇うことになり、お払い箱になった私は金融商品を取り扱う子会社代表取締役を務め、そこもお払い箱になると取引先の名ばかり役員となって月に数回だけ会議名目で仕出し弁当を食べに行き、65歳となる2014年に完全に隠居生活に入りました。

私が本格的にここを利用するようになったのはそれからです。

毎日スケジュールは犬の散歩、朝食、昼食、刑事ドラマ、夕食のみです。買い物、旅行ゴルフ、孫、会食などが不定期で入りますが、基本的に暇なのでここで皆様の投稿を拝見したり、社会問題映画音楽歴史などについての投稿を行い皆様からコメントを楽しんでおりました。

この時期に妻と隠岐旅行に行きましたが、それもここで隠岐の魅力を語る投稿を見たことがきっかけでした。探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。

後にTwitterブログなども始めましたが、Twitterは見るだけになり、ブログ更新はされなくなり、継続的に利用を続けてきたのは結局匿名ダイアリーのみでした。

私が定年後もボケっとした生活をせず、さまざまなものに興味を持ち精神的なアクティブさを維持できたのははてな匿名ダイアリーのおかげです。

さて、私は大腸がんで苦しんだ祖父介護で幼少期に苦労した経験がありました。そのため、かかりつけのクリニックにてビデオスコープ内視鏡が導入されたことを知った時から定期的に胃カメラ大腸カメラを含む検査夫婦で受けてきました。

しかし、2019年最後大腸カメラを受けて以来は検査を行っていませんでした。70歳になったし、息子夫婦の末孫の小学校入学式を見たし、娘夫婦仕事が終わるまで孫を預かるようになって忙しくなったこともあり毎年「来年でいいか」となっていたのです。

なんとなく覚えたみぞおち痛で昨年にクリニックを受診し、そこで行ったエコー膵臓がんが見つかりました。超音波内視鏡ではなく通常のエコーで見つけられたので定期的に検査を受けていればもしかしたら早期発見ができていた可能性はあります

とにかく総合病院で詳しい検査を行い、手術が可能だったため膵切除を行いました。

手術ができ、化学療法も行える状態であったため命拾いしたと思いましたが、医師からは「楽観的ではいられない」と告げられました。

医療進歩によって、幼少期に見た祖父の壮絶な闘病とは比べ物にならないほど穏やかな生活を送ることができました。食事も取れていましたし、妻と買い物や旅行にもいけましたし、去年の誕生日家族に囲まれて過ごすことができました。

しかし、年明け直後の強い背中の痛みで意識を失って以来、一気に体力が削られてしまいました。75歳の誕生日は迎えられそうにないです。妻は寂しがりやなので、私が妻を看取りたかったのですが、最後最後に寂しい思いをさせてしまうことになりました。

体力のなさと慣れないiPadでの入力なので、これを書くのにも長い時間必要しました。

今までありがとうございました。

2024-01-15

カナダ合法安楽死なかなか猛ってんな

2021年

不治の重い病気または障害が進行して、本人が許容できる条件下では軽減することができない耐え難い苦しみがある人

範囲が拡大してから30%以上急増して、以降、毎年1万人くらいが安楽死している。

 

本人が許容できる条件下では軽減することができない

には化学療法などで外出がほとんどできないとか心身に不自由が出るとかで、そこまでして生きながらえるくらいなら殺してくれっていうのを本来は指していたはずなんだけど、いつの間にか「軽減するようないかなる治療も本人が望まなければ」安楽死対象となる、という扱われ方をしている。

さらに実際に執り行われたケースとして「経済的問題治療を受けられないと本人が判断した場合」にも安楽死実施されたことがあり、さすがに社会問題になっている。

貧乏人はさっさと死ねっていう、なかなか過激社会になりつつあるが優しさだよなと思わんでもない。

 

カナダでは2024年には精神障害精神的苦痛による安楽死も認めていく方針らしい。

これって働けない奴死んでくれってメッセージなんじゃねーのか。

もしかして社会保障制度崩壊しつつあるんじゃないのか。

2024-01-13

ポリープ、陰性

大腸カメラで取ったポリープが陰性だった

生理的機能を大幅に損なう治療はしない」と決めているので、外科処置でどうにもならない病気治療しないと決めている

ポリープ直腸付近だったから今回は焦った

医師から「もう完全に取ったから仮に陽性でも大丈夫」と言われたがそれでも心配だった

結果は陰性

抗がん剤人工肛門、胃の全摘

「その後に生活を変えなければならない治療」は治療ではない

から絶対受けない

母は抗がん剤乳がんを克服し元気になったが、今でも冷たい水でヒェッとなったり、食べ物の好みが化学療法中に変わったきり昔好きだった食べ物は食べられていない

会社上司とその奥さん人工肛門になった父の介護に相当苦しんでいた

生理的機能を大幅に損なう治療なんてして生きてる意味はない

から抗がん剤人工肛門透析なんかを使わないと生きていけなかったり、胃を全て取らなければ生きていけないならそもそももう生きないと決めているのだ

俺はまだなんとか生きられる

2023-12-07

anond:20231207093934

いまだに癌治療が全く進歩していない所かね。

殆どの人がエコー内視鏡含む健康診断しっかり定期的に受けていても見つかった時には末期癌ですぐに亡くなる。

かと言って早期発見できれば良いかと言うとそんなことはなく、外科治療化学療法治療と呼べるどころか積極的QOL阻害行為レベルなので病気が治ったり余命が伸びることなく、ただガリガリ健康だけ削られる。

詳しくは近藤誠氏で検索

2023-11-26

anond:20231126112131

心療内科メンズクリニック、一般内科回って相談したけど、そんな化学療法なかったんだよな

2023-11-21

anond:20231121160823

「がん-4000年の歴史」の初期の化学療法で良くなったと思ったら耐性ついた癌によってしばらくたって急変して死ぬって描写何回も出てきたか化学療法のものをやめて痛みを消してればそうなるやろなぁという感想

久しぶりに続き読むかなぁ

2023-09-13

もうできる治療がねンだわ

手術は無理なンだわ

機能悪化してて化学療法も無理なンだわ

お花見行っておけばよかったンだわ

花火大会行っておけばよかったンだわ

命と体力残ってれば札幌クリスマスマーケットには行きたいンだわ

2023-09-01

本屋の「がん」の棚を燃やせ

身内が癌にかかり今後の治療生活についていろいろと情報を集める必要があり、まずは本屋だろうということで本屋の「健康」とか「癌」の棚に向った。

普段読まないジャンルから初めて見たけど、健康とか癌関係の棚があれほどまで完全に魔窟だったとは。

癌が消えた!とか癌の真実!みたいなあからさまに怪しい本がぎっしり詰め込まれていて、一応端から端までタイトルを読んでみたけどまともそうな本はゼロ

マジでゼロだった。

なんかこれって著者出版社はもちろんだけど、並べてる本屋もかなり害悪というか反社会的だよな。

こういうのも表現の自由なんだろうけどさ。

医薬品広告とか規制がかなり厳しいのに、書籍はこんなにガバガバでいいもんなのか?

俺は別にマイタケを食わせて癌を消すとかそういうアクロバットなことをしたいわけじゃなくてもっとこう、癌の基本的知識とか標準的治療の手順とか種類とかそういうのが知りたいわけ。

でもマジで一冊もそういう本がない。

だって「癌」の棚だよ!?癌について知りたかったらそりゃ癌の棚にいくでしょ!?

癌について知りたいのに訳わかんねぇおまじないみたいな本しかない。

文化が終わってる田舎本屋からなのか?

いや似非医学の本があることくらいわかってたけど、まさか100%とは思わないじゃん。

世の中ってもうちょっとちゃんとしてると思ってたのに…「ぐにゃぁ…」となりながら店内を呆然と歩きまわった。

そしたら資格とかの棚のあたりに看護師向けの教本がまとまってるコーナーがあった。

そのコーナーに「癌看護関係の教本があり、読んでみると滅茶苦茶分かりやすい。

知りたかたことが全部載ってる。

特に今回俺は身内が癌になってるから看護する側として知りたいことがしっかりまとまってるのは最適。

あんまり難しい「化学療法の薬の種類がどうこう」みたいな奴は多分今読んでもわからんだろうから基本的な内容が広く浅くまとまってる奴を買った。

あと意外とよかったのが癌患者から質問にどう答えたらいいか?みたいな本。

これまんまFAQとして使えて、こっちが聞きたいことに先回りして答えてくれてる。

偶然この棚を見付けられたからよかったけど、マジで危なかった。

とりあえずまとめ

・癌についてなるべく正確っぽい本が欲しかったら看護師の教本の棚に行くと良い。

・「健康・癌」の棚は燃やせ。

2023-03-13

母さんがガンで死んだ(追記

から連絡があり、母さんの体調が悪いこと、癌の可能性もあることを知らされる。母さんは自分意志でがん検診は受けていなかったから、不安を感じつつも、「姉は大袈裟からなー」と、大ごとになるとは思っていなかった。

ただ、残念ながら婦人科系の癌だった。コロナ禍ではあったものの、運良く地域の基幹病院入院することができ、溜まっていた腹水を抜いてもらったり、検査をしたりと、色々と処置をしてもらったらしい。

医者から一般論として「5年後にはいないだろう」という話をされたが、「医者は短めに言うんだろうな」と、前向きに捉えようとした。仕事の帰り、一つ手前の駅で降りて、歩きながら母さんに電話した。

「そうじゃないかと思ってたから、分かってスッキリしてるよ。子供たちは立派に独立して、みんな家族もいるし、私は思い残すことはないから。」

とサラッと話していた。なんとか気丈に話そうとしたが、涙が出た。帰宅し、妻に報告したら、また涙が出た。祖父を癌で看取った妻は「そんな簡単に亡くなりはしないよ」と、怒っていた。彼女なりに励ましてくれてたんだろう。

「何で癌で人が死ぬのか」ということすら知らないことに気づいて、いくつかの本を読んで、「多臓器不全で死ぬ」ということを今さらながら知った。

翌月、帰省すると、「で、何しに帰ってきたの?」と、とぼけたことを聞かれたので「様子見にだわ」と。特段変わった様子はなく、いつもの調子

溜まっていた腹水を抜いてもらって、楽になったらしい。「しばらくは大丈夫かな」と思う。翌朝、母さんは「そのうち、『あれが最後に作ってもらった朝ごはんだったな』ってなるわよ」と軽口を叩きながら、目玉焼きを焼いてくれた。

その後の検査で、癌はそれなりに進行していて、「ステージⅢの後ろの方」と評価された。外科手術や放射線治療を行う段階にはなく、化学療法プラチナ製剤)を試してみて、癌細胞が小さくなるようであれば、外科手術や放射線治療検討しようということに。

母さんは「『髪の毛が抜けることがある』じゃなくて『絶対抜ける』って言われたわ」と笑っていた。

程なく、抗がん剤治療が開始され、母さんの髪の毛が抜けた。この頃は、抗がん剤副作用が抜ければ、食べたいものだとかも色々あったから、買いだめしといてあげたりした。

実家家族帰省して、夜遅くまで母さんも交えて酒を飲んだりもした。まだ、言葉もしゃべれなかった娘も、母さんにはよく懐いていた。

副作用に耐えながら抗がん剤治療を続けたものの、思うような効果は得られなかった。

「癌の専門医先生の方がいいんじゃないか」という思いもあり、主治医先生にも相談の上で、セカンドオピニオンを取ることにした。

その道の専門医先生2名にお話を伺いに行ったが、どちらも「うちなら治るかもよ」だとか「この治療法よりも、こっちの方がいい」なんて話は、当然なく、今診てもらってる病院で、「そのままお世話になる方が良い」とやんわりと伝えられた。

それでも、「やっぱり経験値が高い専門医先生の方がいいんじゃないか」と、先の2名の先生のうちお一人にお世話になることにした。

細かく検査もしてもらったが、「やれることは限られている。選択肢がないわけではないが、リスキーな上、効果期待値は低いので、おススメはしない。本人の希望に沿うならば、通いやすい、もともと診てもらっていた病院で改めて診てもらっては。」

とのお話があり、結局、出戻ることにした。その病院からの帰路、高速道路の大きなSAに寄った。

あなたたちが小さい頃には、旅行の度に、いつもこのSAに寄ってたのよ」と懐かしそうに話していた。

ちなみに、今でもそのSAを通過すると、その時の母さんを思い出して、なんだか泣きそうになる。

改めてもともと診てもらっていた病院に伺ったところ、事前に調整はしていたこともあってか、主治医先生は嫌な顔一つ見せず引き受けてくださり、次の段階の抗がん剤(単剤)にトライすることになった。

これ以降、段々と体力の低下、食欲不振が顕著になりだし、当初は「抗がん剤副作用かな」と考えていた。思うような効果が得られず、抗がん剤の投与を中止してから状態改善しなかった。

母さんが癌であることは、母さんの希望もあって、積極的に知らせることもせず、また隠すこともしなかったが、状況を知った遠方の親類達が揃って見舞いにきてくれたりもした。

この頃は、まだ座ってコーヒー飲むらいのことはできていて、楽しそうにお喋りもしていた。

妹が介護休業を取り、母さんの面倒を見てくれることになった。その時点では、自分のことは自分でできていたし、正直言って「早いんじゃないかな」と思っていたが、結果的には、ドンピシャタイミングだった。

死ぬまでに行きたいと言っていたスカイツリー東京結婚式に出席したので、その足でスカイツリーに行き、ビデオ通話で見てもらった。「すごいねー」と笑ってくれた。

12月下旬は、早めの冬休みを取って実家に。妹からは、体力の低下が著しいということは聞いていたが、想像よりずっと悪かった。

ベッドの脇に座って吐いてばかりいた。思っていた以上の状態言葉が出なかった。夜も眠れず、食事も摂れず、水分を摂れば吐き。かわいそうで見ていられなかった。

足のむくみもひどく、母さん曰く、頭の中は「しんどい」一色だった様子。肩をさすったり、足を揉んであげたりしかできない。足をマッサージしてあげていると、少しの間だけ、寝てくれたのが、せめてもの救いだった。

そんな中、母さんは「とても渡せそうにないから」と、お年玉と一緒に娘の七五三の祝いを渡してくれた。涙が溢れた。母さんも「湿っぽくなってごめんね。」と言いながら泣いていた。年明けも早々に再入院。あまりに辛そうな母さんの姿に、打ちのめされてしまった。

母さんの希望は、「できる限り家にいたい」だったので、妹が訪問看護段取りを取ってくれ、病院には無理を言って予定より早く退院した。この訪問看護のチームが素晴らしく、親身になって、それも超速で対応してくれた。母さんは「病院から逃げ出して正解だった」と、喜んでいた。

急遽、仕事休み実家へ。妹と交代で診る体制に。眠れず、体の置き所がない母さんは、15分おきくらいで、姿勢を変えてあげなければいけなかった。辛そうだった。

少し話ができそうなタイミングで、「今までありがとう。母さんの子どもで良かったよ。」と口に出すと、涙が溢れた。喋るのも辛く、手をあげるのもしんどいはずの母さんは「何を言ってるの。こっちのほうが、ありがとうよ。いい子だね。」と言って、頭や頬を撫でてくれた。涙が止まらなかった。

妹と交代で眠りながら看ていたが、日に日に意思疎通がとれなくなり、意識レベルも低下。せめて、苦しまず、穏やかに逝かせてあげたいと、鎮静剤の量も増やしていった。眠る時間が増え、顔をしかめる頻度も少なくなり。

「母さん、先に横になるね。また後でね。」と声をかけて寝ようとしたところ、ほとんど意識のないはずの母さんが、少し手を上げて応えてくれた。「バイバイしてんの?」と、妹と2人で笑った。

その晩、妹に「やばいかも」と起こされ、会ったときにはほとんど呼吸もなく。子供3人が揃ったところで、母さんは静かに息をひきとった。目を瞑り、とても穏やかな顔だった。皆、口々に「お疲れ様。よく頑張ったね。」と母さんの闘病生活の終わりを労った。

泣き崩れてしまうかもと思っていたが、不思議と涙は出ず、ホッとしたような気持ちになった。

訪問看護に連絡したところ、深夜にも関わらず、看護師さんが来てくれた。死亡診断は医師しかできないとのことだったが、脈拍を見たり、瞳孔を見たりして「確かに亡くなられていますね」と手を合わせてくれた。

そこからは、子供三人で、看護師さんの指示に従って、母さんの体を拭いたり服を着せたり。服は死装束じゃなく、妹が見繕ってくれていた、いつも母さんが来ていた服を着せることにした。

最後看護師さんが、母さんに化粧をしてくれると、すっかり血色が良くなって、まるで寝てるみたいだった。

看護師さんが帰られてからは、葬儀屋を探したり、段取り役割分担を話したり。葬儀屋は、空いてるところに頼むしかなかったというのが実態で、なんなら「火葬場に直送しろ」くらいのことを言っていた母さんの考えとは違ったんだろうけど、普通に葬儀屋に頼むことになった。

一旦、各自寝て、翌日以降に備えた。

翌日は午前6時の医師の死亡診断に始まり、寺や葬儀屋との調整や、親類への連絡、行政関係手続きなどで忙殺され、あっという間に通夜になった。どんな感じで動いたのか、正直、思い出せない。

覚えているのは、いつも気にかけてくれていた母さんの友達が、偶然訪ねて来られ、母さんに会って「信じられない」と泣いてくれたことと、一報を受けた母さんの義姉にあたるおばさんが寄ってくれて、母さんに会って「寝てるみたい」と泣いてくれたこと。

おばさんは「お母さんは若い頃はお父さん(自分祖父自分が小さい頃に他界。)と、喧嘩ばかりしててね。今頃、お父さんから「うるさいのが来た」って言われて、また喧嘩してるかも。」と、知らない話をしてくれた。

納棺ときには、たくさんの花と一緒に父さんの写真や、自分を含む子ども写真を納めた。

短い髪の毛の頭には、ウィッグをつけたかったんだけど、生前に「あんな高いものを燃やすなんてもったいないから棺桶には入れるな。」と言われていたので、やむなく頭はそのままに。誰が使うんだよ。マジで

葬祭会館で通夜を終え、そのままそこに泊まることにし、姉と妹は一旦、家族帰宅。酒を飲みながら待ち、時々、隣室の母さんの顔を覗きに行っては、線香をあげ、その度に泣いた。

夜中の2時になっても、誰も帰って来ず、体力的にも限界だったので、寝た。深夜に姉が、朝型に妹が戻ってきた。

翌日も葬儀火葬バタバタ。孫たちが大騒ぎしてくれたおかげ(?)で、終始、湿っぽくならずに済んだような気がする。母さんも、「あんたらねぇ」と笑ってくれただろう。

母さんが望んでいたような「火葬場に直送」じゃなくて、普通見送り方にはなってしまったけれど、許してくれると思う。

それから職場に復帰するまでは、皆で家の片付けや、クレジットカードの解約やら銀行関係やらのたくさんの事務手続き、親類縁者への連絡などを分担して対応している間に、あっという間に過ぎていった。

その間、近所の方だとか、母さんの旧来の友達だとかがたくさん弔問に訪ねてきてくれた。皆が口々に「いい写真だね」と言ってくれた祭壇の遺影は、母さんが自分で選んで、わざわざトリミングまでしていたものだったから、本人も満足してるだろう。

母さんの旧来の友達からは、母さんの若い頃の話や、その後の友人関係の話しを伺った。学生時代のことや、社会人時代のことだとか、自分が知らない母さんの一面をたくさん知ることになった。

当たり前だけど、母さんは「母」としてだけでなく、一人の人間として、たくさんの人と関係を作り、それを続けていたんだなと気付き、なんだか新鮮な気持ちになった。

そういえば、ウィッグ友達の一人で、自分もよく知っているおばさんが貰い受けてくれることになった。何度も「管理が大変だけど大丈夫?」と聞いたけど、それを踏まえて快く受け取ってくれた。

ウィッグ販売店には、その旨は連絡しておいた。弔問に来てくれた時にお渡ししたところ、母の遺影に向かって「返さないからね」と笑っていた。

思い返してみると、母さんが癌になってからというもの、母さんとは色んな話ができた。父さんのことだとか、嫁いできた経緯だとか、これからのことだとか。

癌との闘いは、とても辛かったと思うけど、近い将来確実に訪れる「死」に向かって、本人も家族も、心の整理も含めて、時間をかけて準備することができたように思う。僕は癌で死にたくないけれど、そんなふうに、ちゃんと準備をして死にたいなと思う。

母さん、ありがとう。母さんの子どもで良かったよ。

追記

たくさんの方に、暖かな言葉いただき、恐縮しておりますありがとうございました。

私自身が、母さんが癌になるまで癌のことを何も知らず、また、どのような経過を辿るのかを知らなかったので、「自分用に書いたけど、同じ境遇を迎えてたり、これから迎えるかもしれない誰かのためになるかも」と、乱文を投稿させていただきました。

野暮かなとも思いましたが、いくつかコメントいただいた内容を踏まえ、その趣旨に合うかなとも思うので、いくつか追記いたします。

母さんが癌の宣告を受けたのは、2月上旬で、翌年の1月中旬に60台後半で他界しました。10月頃まではまずまず元気でしたが、以降は段々と体力の低下が顕著になりました。12月中旬までは、体調が良ければ妹の運転ドライブに行く程度の元気さもあったのですが、食事を受け付けなくなってからは、あっという間でした。思っていたよりもずっと早い経過だったので、「もっと会いに帰ったら良かった」と思うこともありますが、「そうさせないところが母さんらしいな」とも感じています

経過は個人差が非常に大きいものだと思います。母さんよりも早い経過を辿る方もいれば、もっと緩やかな経過を辿る方もおられるでしょう。早い経過を辿ることを前提に、たくさん話し合って、準備をしておいた方が良いと思います特に、残された時間はできたら住み慣れた自宅で過ごしたいという方が多いと思うので、それができるよう、家族介護+訪問看護体制を整えられるかをしっかり考えておくべきだとも思います。うちの場合は、姉が実家比較的近くに住んでいたこと、妹が介護休業に理解のある職場環境だったこと、また、訪問看護のチームが素晴らしかたこと等、様々な要因が重なって、自宅で看取ることができました。

なお、母さんがやっていてくれた事で本当に助かったのは、エンディングノートをしっかり書いていてくれたことと、重要書類(通帳、カード年金手帳マイナンバーカード等)を整理してくれていたことです。特に、亡くなったことを誰に知らせるのかは、親類縁者ならまだしも、友人関係ほとんど分からなかったので、これがなかったら不可能でした。「私も書くから一緒に書かない?」と、提案されてみても良いと思います

長くなってしまいましたが、皆様の一助になりましたら、幸いです。皆様のコメントから、元気をもらいました。改めて、ありがとうございました。

2022-12-02

anond:20221202025900

そりゃ医療現場では、ただ自分が愚かであることに耐えられず、頭が良くなった気がするからというだけで疑うなら疑うでちゃん化学医療を学び調べもせず、適当ネット記事を信じてワクチン過激に反対して集団感染

現代医療を信じない!自然免疫に頼れば良い!と科学的根拠否定し続け、ワクチンを受けない「だけ」ならまだ理解ができるんだが、熱が出てコロナ感染した瞬間に突然手のひらを返して、都合よく自然免疫よりも化学療法、科学的根拠に基づく現代医療信者となり病院に駆け込んで病床を埋めるからでしょ。

医療でもなんでもそうだが、リスクの全くないものなどない。100%安全食品100%安全な街もない。

99.9%の安全保障をしているとかその程度。交通事故死ぬよりは確率が低いとか、突然変異した菌の毒で死ぬよりは確率が低いとかね

確率なんだよ

ワクチンを受けない選択をした人たちの愚行のせいで、ワクチンを受けられない人や病床が足りなかった人、本来助かるべきだった人が助からず死んでいく。

そりゃキレる

2022-04-01

推しが死にそうな件

物騒なタイトルである自分でもそう思う。

25年くらい推している人がいる。

3次元の真っ当な人間だ。

自分学生の頃からアラフォーになる今までずっと推している人だ。

とは言っても、向こうも20代そこそこでデビューしたのでまだアラフィフの働き盛りだ。

そんな推しががんになった。

コロナが始まってすぐくらいだ。

自覚症状が出てすぐに検査して、まぁまぁ早急に手術はした。

でも、転移してた。

化学療法放射線もやったけど、がん細胞駆逐は出来なかったようだ。

転移してたのは結構しばらく黙ってたけど、いよいよ体力的に表に出てこられない時も多いみたいで、いろいろお知らせされた。

今月は元々、表に出る予定が色々組まれていた。

それも、内容が流動的になっているらしい。

私は似たような種類のがんで、似たような経過で、闘い抜いてこの世を去った人を間近で見た。

正直、奇跡が起こらない限り、この症状だと長くは持たないと思う。

関係者バタバタしているのか、今日ファン向けの有料ブログも静かだ。

いや、本人は体調が落ちた時に見れなかったファンから書き込み分をまだ追ってる形跡はあるんだけど。

自分がいた界隈は、突然死ぬ人(自死とか事故とか)が結構たから、死は隣り合わせでいつ来てもおかしくないって思っている。

成人もしないで死んだ人もいた。

から、死にゆくことそのものは仕方がないと思える。いつかは絶対死ぬから

でも、こんなにも、予測できるような経過で、まさか一番大好きな人死ぬ、心の準備をする羽目になるとは思わなかった。

いっそ、突然死の方が諦めがついた気がする。

その日が来ても、わんわん喚いて怒ることもできない。だって必死に生きてんだから

頑張ったよって労ってあげたいと思うくらいに、今も頑張っているのだ。

ああ、くちゃくちゃのおじいちゃんになった推しを見たかったなぁ。

たぶんそれは、叶わないんだろうなぁ。

2020-09-25

きっと泣く!!!!!

恥ずかしがるから好きとか愛してるーーーとか言わなかった。だからその分大丈夫だよ。とか、安心してとかいってた。

わたしにとっては大丈夫だよが、愛してるに近い言葉だった。その頃は。

でも今になってみたら愛してるよって言えばよかったなって思う。

化学療法が始まってみたら1回目は軽い手足の痺れ程度で旦那も私ももっと辛いものだと思ってたからこれな続けて行けそう、なんか治りそうじゃん!!って2人で喜んでた。

でも2回、3回とか続いていくとどんどん旦那身体とか顔つきとか変わってきて。入院するとそれまで食べれてた食べものが食べれなくなって。大きかった旦那が以前の半分ぐらいになってった。

旦那それでも頑張りたい。少しでも長く私のそばにいたいってかすれた声でいって。私はその時に大丈夫だよしかいえなくて。

家に帰ると泣いて泣いてずーっと泣いて。そのまま寝て翌朝起きて泣いたことがばれないように冷やしたり温めたりして病院に行って。

最後の日そばにいて手を握って寝るまで大丈夫大丈夫だよってばっかりいって。旦那が寝たら家に帰って。そしたら携帯鳴って。

そこから記憶曖昧。あっという間にいろんなことが進んで。全ての式がおわると改めてあーそうか。明日から病院行かなくていいんだって思った。そう思うとわーーって泣いてた。私につられるように私の親と旦那親族も泣いちゃって。みんな泣いてた事だけははっきり覚えてる。

今日の日が来ると大丈夫じゃなくて今でも愛してるよって言ってる。

2020-08-03

がんで化学療法してた人に聞きたいことがある。

がん治療化学療法を行ってた人に質問がある。

 以前精巣腫瘍と診断され、その後高位精巣摘除術を受け、病理診断の結果 非セミノーマ胎児性がん)脈管浸潤ありとなった者である

今回化学療法を行うにあたり、既に化学療法を行った経験者の皆様に聞きたいことがあります

化学療法後の生活

 一番聞きたいことは化学療法を行った後、行う前の生活と同じように生活がおくれるのかどうかということである

やはり仕事ができなくなったなど、生活に支障がでたのかどうか知りたいのでぜひコメントをください。

2020-07-23

父親透析必要になり放っておけば生死に関わると言われている

そのくせ父親は頑固に病院に行こうとしない、自宅療養で過ごすといって聞かない

理由はさっぱり分からないが

重症なのに民間療法に頼り化学療法やめて

早々に死んでしま著名人なんかはよく居る印象あるし

そういう状況になったら陥る視野の狭さや恐怖からの正常バイアスとか

いろいろあるのかもしれない

本人が病院に行かないというものを無理矢理どうこうできるものでもなく

家族ももう半ば諦め気味で

ただもう穏やかに過ごしてもらおう

いざという時に自分も後悔しないように、感謝だったりそういう言葉は惜しまないようにしよう

と2週間ほど過ごした

病院いかないのは相変わらずだが、体調はそこそこ良いようで、毎食ちゃんと起きて食べている

自分自身の体調に気をつけるようにもなってきている

病は気からという父親言葉を聞くたびにやきもきした思いがしたものだが

感情面が落ち着いたことで節制にも前向きになり、結果、体調が改善したというところはあるんだろうなと思う

とはいえ透析必要な状況で自制できることも限界がある

早く病院に行ってほしい

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