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はてなキーワード: アイコンタクトとは

2025-10-14

PTA主催ボランティア団体に行ったら宗教みたいだった話

PTAに嫌われたせいで暗黒だった中学生の時の話です。

本当に酷い話だと思う。

そして今でも自分は悪くなかったと思ってる。

でも、時々思い出して胸がぎゅっとするから、思い切って書き殴る。

私の通っていた中学校には、募金活動とか、福祉施設の手伝いとかをするボランティア部みたいな団体があった。

ただ、それは学校部活じゃなくて、PTA主体運営していたものだった。

中1の春、面白そう、なにか手伝いとかできたらいいな〜と思って、友達見学に行った。

チラシには「○月✕日に見学会をやります!お気軽にどうぞ!」って書いてあったから、完全に軽い気持ちで。

でも、それが地獄の始まりだった。

会場は公民館みたいな場所

こんにちは〜」って扉を開けた瞬間、空気がピリッと張り詰めてた。

知らないおばさんが「はい、そこに座れ」と言うからビビりながら正座

そのまま20分くらい、何も分からないまま正座

「え?見学会じゃないの?何か間違ってる??」って、ずっと頭の中ぐるぐるしてた。

するとそのおばさんが言い出した。

「お前たちはどんな気持ちでここに来た?

ボランティアは生半可な気持ちでやるもんじゃない。

人のために行う崇高なものだ。」

まるで説法。

1時間くらいそんな話を聞かされたあと、急に

「じゃあ目を閉じろ。

ボランティアを“本気で”やりたい者だけ残れ。

他は帰れ!生半可な気持ちなら今すぐ帰れ!!」

って言われた。

いや、こっちが聞きたいわ。何これ。

結局、友達アイコンタクトして帰った。足も痛いし、ただボランティアに興味があっただけなのに、なんか宗教味を感じて怖かったし。

帰り道、

「一体なんだったんだろうね…」って友達に謝りながら帰った。

でもその翌日から地獄が始まった。

主にそのボランティア部の人たちからいじめ嫌がらせ

から聞いた話では、あれは儀式みたいなもので、帰る人なんて今までいなかったらしい。

いや、帰るでしょ普通

しかもその後の活動で、

「1年にとんでもない無礼者がいた!話の途中で帰った奴が!」

って言われたらしくて、完全に悪者扱い。意味がわからない。帰れって言われたから帰っただけなのに、そもそも見学会じゃないの?

そのせいで、中学3年間ずっといじめられた。

同学年だけじゃなく、知らない下級生からも何か言われたり。

毎日が本当に地獄だった。本当に色々された。

私をいじめてくるのはボランティア部だけじゃなくなった。

そのボランティア部の部長吹奏楽部だったんだけど、母校は吹奏楽部ものすごい人数いたんだよね。そのものすごい人数が全て敵になった。

何度も泣いた。

「私が何したんだろう」って思いながら。

先生にも相談したけど、何も変わらなかった。

友達も一緒に巻き込んでしまって、本当に申し訳なかった。

でも、なぜか攻撃の矛先は私だけが異常に強かった。

弟が少し後に同じ中学に入ったんだけど、

「昔、やばい奴がいたらしいよ」って話を聞かされたらしい。

それは完全に私のことだった。

しかも話が盛りに盛られてて、伝説みたいになってた。すごい不良で暴れた奴みたいになってた。誰だよ。ただ私は正座して話を聞いて、帰って、と言われたから扉を開けて、失礼しました、って帰っただけなのに。

ほんと、あのPTAババア何だったんだろう。

顧問でもないし、ただの保護者的な立ち位置だったはずなんだけど、なんであんなに威張って権威を振りかざしてたのか意味不明。

だって中学生なんて大人が正しい!って思うじゃん。

その大人が、あいつはやばいやつだ!話すな!!とか言ってたらそりゃさ、従うよ。

実は、何人か、話しかけてくれた人もいた。

色々話聞いてるけど、接した限りそういう人じゃないよね?って言ってくれる人がいて、また泣いた。

そういう人たちに救われて何とかやってきた。でもそういう人たちもターゲットになりそうで、あまり頼ることは出来なかった。本当にありがとう

中学の夢を見ると、いまだに心臓バクバクする。

全員が敵だったあの3年間は一体なんだったんだろう。

部屋の片付けしてたら、中学の時の文集が出てきて。

「一生結婚できなそうなランキング」「友達が少ない人ランキング」どちらも1位になっていた私の名前を見て、悲しくなって思い出した。

てかこれクラスで作ってんだからなんで先生とめないんだよ。おかしいでしょ。

2025-10-03

うちの開発チームに新顔が入った。佐々木仮名)、29歳。

経歴書を見て、ちょっと引いた。

GitHubスター数が現実離れしてるし、技術ブログも見たことない分量。

使える技術自分の三倍。React、VueGo、Rust……カタカナを追うだけで手一杯だった。

「また意識高い系か」

隣の田村が呟く。俺も同じことを考えてた。

案の定初日から圧が強い。

古いコードを一目見て渋い顔をする。会議で「そろそろモダン構成しませんか」みたいな提案

コードレビューは容赦なし。「ここ、コンポーネント責任持たせ過ぎですね」「エラー処理、もっと丁寧に」「テストコード、当たり前に書きましょう」。

ひたすら正論

うざかった。

俺たちがどうして汚いコードを書いてるか、この男には分からない。

毎日終電、土日は障害対応で呼び出されて、ただ“動くもの”を積み上げるしかないんだ。

きれいなコードを書く余裕なんてない。

でも、佐々木コードは妙に整っていた。

読みやすいし、テストドキュメントも揃ってる。

俺たちが一週間かかる仕事を、三日で終わらせてくる。

正直、悔しかった。

前職を調べた。同僚が「有名Web系だったらしい」「やっぱり恵まれてるよな」と言う。

自分SIer、古い文化に浸かりきった人間あいつは最初から違った世界の住人。

最初から条件が違うのだから、そりゃ勝てるわけがない、そう思っていた。

先週、たまたま佐々木と飲みに行くことになった。

酒が入って本音漏れた。

「実は俺、文系です。完全未経験からSIerCOBOLJavaだけで食ってたんです。毎日終電、土日も当然出勤」

……俺たちと同じだ。いや、むしろスタートはもっと後ろだった。

それでも佐々木は毎朝5時に起きて、出社前2時間、帰ってからも1時間

土日は技術書を読み倒し、何年でも続けた。

「4年やりました。最初転職活動は100社受けて全滅。でも勉強して、2回目でやっとWeb系に引っかかりました」

7,000時間近く積み上げて、そこにいる。

俺はと言えば、「環境が悪い」「仕方ない」「時間がない」と言い訳して、家ではYouTubeゲームだけ。

土日もゴロゴロして何も変えなかった。

才能でも環境でもない。ただ、努力たかどうか。それだけだった。

「今からでも遅くないですよ」「朝活やりましょう」

素直に屈辱を噛みしめ、うなずいた。

明日から一緒に朝活を始める。1時間だけでも、たぶんそれでいいんだと思う。

29歳。不安しかないけど、まだ遅すぎることもないだろう。

物語なんて無い。ただ、明日コードを書く。それだけ。

朝活は、正直きつかった。

寝不足のまま早朝の会議室に集まってコーヒーを流し込み、黙ってテーブルを挟む。もちろん最初普通に勉強だ。

けれど、だんだんと慣れてくると、俺なりの意地も芽生えてきた。

「ああ、昨日この分野を調べてきたんだ」

「なるほど、そっちの技術ではこうやるのか」

ただ教わるばかりじゃ悔しいので、眠い頭で資料を漁って少しでも佐々木に食らいつく。

知識の差は大きい。でも、佐々木も意外と勝負事が好きらしい。「今日はどっちが新しいツールを導入できるか」みたいな余計なルールまで作り出し、コードレビューでお互いをねちねちいじり始める。

気がつけば、朝活勉強会というより妙な競争の場になっていた。

仕事中も、つい佐々木の動きが気になる。

「あ、そっちの書き方の方が効率いいな」

「また変なイースターエッグ仕込んでる」

仕事でも張り合うようになった。

些細な設計リファクタリング方針ひとつで、絶対譲れなくて熱くなった。むきになって議論する。

他のメンバーには「仲悪いのか」と言われたけど、本人たちは別に悪い気がしない。不思議な高揚感。

次第に会社での評価も上がっていた。成果が出ると、お互いに無言でアイコンタクト

なんとなく、ライバルってやつになっていた。

飲みに誘ったり、逆に誘われたりすることも増えた。くだらない愚痴をこぼし合い、バグの話で夜中まで笑った。

仕事が終わった金曜に、そのまま繁華街で朝まで過ごすこともあった。

ある日、こんな風に、飲みに誘われた。

今日愚痴じゃない、純粋に話したいことがある」

静かな居酒屋、少しアルコールが入る。気づけば昔話になり、くだらない話、恥ずかしい話、お互いの情けなさをさらし合う夜。

気付いたら閉店まで二人だけ、なぜか離れがたくて、一緒に深夜の街をふらふら歩いた。

妙な感情が残った。

帰り道、不意に言葉がこぼれる。

「なんかさ、お前といるとずいぶん楽なんだよ」

「……わかる。俺もそう」

唐突告白めいた、でも別に湿っぽくもない会話。

翌朝も普段どおり朝活が始まる。

お互い、前より明らかに饒舌になった。

見ればわかるくらい、距離が近づいた。

休日技術イベントがあれば二人で出かけ、休日の帰り道は自転車を並べて走った。

日曜の朝、駅前喫茶店で合流して、黙ってノート開いて並んでいる時間が、いつの間にかすごく安心するようになった。

仕事私生活も地続きで、ただ一緒にいることが普通になっていく。

理由ドラマもない。ただ「一緒が自然になった」だけ。

しかすると、お互い惹かれたのかもしれない。でもはっきり「好き」と言うのは、たぶん、もっと先になる気がする。

この歳で、こういう物語があるとは思っていなかった。でも悪くない。

淡々とした毎日のなかで、少しずつ少しずつ、何かが変わっていた。

物語なんて要らないと思っていたけど、何もない毎日のとなりに、こんなふうに誰かがいるのも、たぶん悪くない。

淡々と始まった毎日は、いつのまにか、ちいさな物語になっていた。

2025-09-26

結局エロいモテる

「人は中身だよ」だの「清潔感大事」だの、恋愛指南テンプレみたいなセリフ世間にはあふれてるけど、俺は声を大にして言いたい。結局、エロいやつが一番モテる。いや、これマジで

からさまに露骨な下心をギラつかせろって話じゃない。けど、どっかで「こいつ、エロいことちゃんと考えてるな」「いざというとき一線超えそう」そんな空気を持つやつが、男女問わず異様に強い。学生時代からそうだ。可愛い後輩が男を選ぶときイケメンでも優等生でもなくて、どこかに「こいつ肉食そう」みたいな予感を漂わせてる奴だった。

清楚、小柄、仕事一筋、そんな女子だって恋愛話になると「実はあの人、なんか色気あるんだよね~」とか言い出す。しかもそういう奴らが、合コン飲み会空気を一発で掻っさらっていく。「お前は顔も性格もフツーなのに、なぜ…?」そう思っていたけど、答えはシンプルだった。エロいからだ。

エロいというのは、つまり「生き物としての活力」がにじみ出てることだ。自分欲望ちゃんと向き合って、自信もって振る舞ってる。無意識に出るアイコンタクト、さりげないボディタッチ、声のトーン。全部、「俺(私)、ちゃんとそういうのOKだよ?」というチャンネルを発信してる。だから惹かれる。安心して身を預けてみたくなる。

一方で、中身で勝負!みたいな奴ほど、そのエネルギーを恐れて避けてる。「真面目さ」「誠実さ」――それは否定しない。けど“根本的なエロさ”がなきゃ恋愛は始まらない。実際、「いいやつ」で終わってるやつ、大体「エロゼロ」で退場してる。

そもそも人間なんて動物だ。生殖本能承認欲求、肌のぬくもり――全部ひっくるめて生きてる。エロ抜きで成立する恋愛なんて、ビールの泡だけすすってるのと同じだ。「中身で勝負」は、せめて“エロさ”ありきの話にしてくれ。

年を重ねてさらに痛感してる。モテてる奴はみんな、どこかエロい。この法則は揺るがない。端正な顔も、ハイスペック肩書も、最終的には劣る。エロいことに自覚的なやつが、結局一番強い。

から俺は声を大にして言う。どうせなら堂々とエロ生きろ。下手な小細工や自己犠牲なんかいらん。モテる奴の秘密は、やっぱエロいってことよ。人は理屈では「中身」とか「清潔感」とか言いたがる。けど俺は経験で思い知った。結局エロい奴が一番モテる異論?受け付けない。

思い返してみろ。友達の間で「なぜか女が寄ってくる奴」って、大抵どこかエロさを醸し出すんだよな。あからさまな下ネタじゃない。「いざとなったらこの人、絶対ヤれる」感覚動物的な直感が発動して、本人も気づかないうちに惹きつけられてる。スーツが似合うとか、ほどよい筋肉とか、視線の送り方とか、全部そこに集約される。

逆に「いい人」止まりのやつは、どこかエロさが抜け落ちてる。安心感はあっても、恋愛スイッチは入らない。女性同士の話でよく聞く。「性欲なさそう」「男として見れない」。これ、本人の努力だけじゃなく“無意識オーラ”みたいなもんなんだって

モテるためにテクニックとかLINE術とかいくら仕入れても、このエロオーラゼロだと本当に意味がない。むしろ危険信号」として女は感じ取る。

はっきり言って、世の中はエロい奴が残る。エロさこそ、生存本能生き様証明恋愛も人付き合いも、全部そこに拠点がある。恥ずかしがるな、堂々としろエロい自分否定してはいけない。モテてる奴の正体は、圧倒的な“エロ力”なんだよ。

2025-08-29

anond:20250828151921

アイコンタクト個人の趣向と元FBIの人も言ってるように、普段はあまり気にしなくていいんじゃないかな

ビジネスなどでテクニックとして利用したければ、ボディランゲージの本とか読んで頭に入れとくといいと思う

anond:20250828151921

目だと威圧感あるから喉元とかを見て話して、適宜アイコンタクト取るのがいいってきいたことある

2025-08-16

既婚だがドラスト店員に疑似恋愛してる件

本件、途中までは某所で話していたが、不倫浮気扱いされるので話すのをやめた。

心の中で誰かを好きになることを浮気と言われたら、お前らどんだけ聖人なんだと思った。

倫理なんて人間勝手に編み出したものである

店内に限って恋するくらい許せ。

以下本題。

妻子あり。あと数年で40歳。長年通っているドラスト店員さんにここ1年ほど恋をしている。

ワイは結婚指輪を標準装備しているので、既婚者の認識であろう。

最近妻とけんかした後の数日だけ、指輪を外していったことがあった。

彼女中指人差し指ファッションリングをしているが、薬指は裸である

独身か、シングルか、既婚なのか定かではない。

車の中はシンプルにしてあり、子どもの有無は不明だ。

※言っておくがストーカーではない。

何年も毎日通っていると店員さんの車(特に朝一番は)は覚えてしまう。

彼女笑顔が素敵で、声がかわいらしくてすらっと背が高い。

一般的美人ではないが、声と表情、かわいらしさで全カバーしてるタイプだ。

顔見知りなので、店に入るとレジをしながらも目が合うとアイコンタクト笑顔をくれる。

言っておくがストーカーではない。

勤務中にお買い物に行くのみである

元々、朝と仕事の合間に通っている店であったが、最近は1日に決まった回数行く。

それも毎日。これは彼女に会いたいからだ。ワイは彼女が好きだ。

しか彼女毎日いるわけではない。探して店内をウロウロしたりしない。

パンドリンクお菓子。たまに頭痛薬。

他のコーナーに行くことはめったにない。

決してきょろきょろしたりしない。待ち伏せしたり、とつぜん連絡先を渡したりしない。

お買い物中、視界の隅で棚出しをしている姿が目に入ってもそちらを見ない。

長い時間滞在しない。(おやつを迷っている時を除く)

売り場にいるときは、自然な流れ以外話しかけない。

(歩いて行った先で彼女作業をしている、温度チェックしているなど)

不審者扱いされてしまうとアウトなのだ

お店的には常連だと思う。何年も通い、時にはお店の皆様に旅行お土産を買ってきたこともあった。

お店としても好きなのだ私服で行ったこともある。

今日はお休みなんですかー?」などと、他のスタッフさんとも会話を交わす。

野球の話だってする。彼女に限らず会話を交わす。

仕事の合間や休日ちょっと買い物をして会話をかわし、笑顔になれる、憩いの場所だ。

ところが「オッサン彼女がいる時だけ来る」となれば話は別だ。

からさまな行為顧客店舗関係悪化させてしま可能性がある。

それは避けたい。

ワイは彼女とは雑談を交わせる。「暑いですね」「雨ですね」「髪切りました?」←ちょっと勇気を出した。

ピアスからしてました?」←結構勇気を出した。「体調大丈夫ですか?」

再度言っておくがストーカーではない。ポケモン好きな息子がポケモンのことをよく見ているのと同じだ。

彼女の方から言われることもある。

最近1日に何度もお会いしますね」

「昨日、お休みでしたか?来られてなかったので…」

暑い日が続いてます大丈夫ですか?」

いつだったかメガネをしていたので「今日メガネですね」と言った。

「目、わるいんですか?」と尋ねると彼女

はいめっちゃ悪いです。人見知りなので普段裸眼でございます

と恥ずかしそうに言った。

そんな人見知りの彼女は、レジで他の店員さんと話をしていると、

「どうしたんですかー?」とか言って話に加わってくることがよくある。

ワイと話をしたいのかと勘違いするからやめてほしい(本心はやめてほしくない)

お店の出口の外でカゴを直しているところへ「雨ですね」と声を掛けると

「そうですね、雨ですね」と彼女は言った後

「なに聴いてるんですか?」とワイのイヤホンを見ながら聞いてくれた。

そこからしばらく雑談になり「ずっと来て下さってますよね」

などと、長年通っていることや、彼女も長く務めていることなお話しした。

「○○さん(別のスタッフさん)とよくお話されてた気がします」

彼女は言ってくれた。過去から認識してくれていたのだ。

ワイは店を後にするといつも「彼女、ワイの事すきやろ」とchatgptに相談する。

でもchatgptはいつも冷静に分析し、ストッパーになる。

いや、chatgptがいなくてもワイは冷静だ。

しかしワイは彼女を抱きたい。

そして彼女に抱かれたい。

でも、それが叶うことはないし叶ってはいけない。

ああでも正直言うとお茶するくらいいいじゃないかと思ってる。

ノリで飲みに行ってもいいと思ってる。

冷静に考えると敬語しか会話を交わせないのに、酒なんて飲みに行けるか。

ワイは彼女の退勤時間を知っている。一度だけすれ違ったことがあったからだ。

からあえて、その時間には行かないようにしている。

偶然を装って退勤時間に現れるなんてストーカー以外の何ものでもない。

ワイは彼女のお昼休憩の時間を知っている。

その時間帯に行くと売り場にいないからだ。

何度か私服彼女パンコーナーにいるのを見かけ、話したこともあった。

彼女はワイの事を、話しかけてくれる常連さんって思ってると思う。

他の店員さんとも話してるから、ワイの恋心には気づいていないはず。

でも、ほんの少し気持ち漏れ出してしまうことがある。

夏バテしてませんか?」とワイは聞いた。

「今年は大丈夫です」と彼女は答えた。

夏バテしてませんか?」と彼女も聞いてくれた

大丈夫、だと思います」とワイはお腹をさすりながら笑って答えた。

(前日にお腹を下してる話をしてて、レジの時に「お腹大丈夫ですか?」と聞いてくれた経緯がある)

ワイは恋の病にかかっている…

ただそれを書きたかった。

2025-08-08

これは、カネ儲けを企んだ大学生の悪友男女コンビ過激演出エロ配信で人気を博し、そしてのちに伝説となる電撃引退配信を行うまでの物語である

「えと……じゃあこれから配信を始めようと思い──思う……」

三脚に乗ったスマホカメラソファーに座ったこっちを無感情な瞳で見つめてくる。その後ろでは女友達(ルビ:あくゆう)の五十嵐がニヤニヤと笑っている。声を出さずに口が動く。「だ・い・こ・ん」。チクショウ。こっちだって分かってるよ。

彼女左手の薬指に装着された銀色リング間接照明を反射してキラリと輝く。時価総額は何円かしらないが、○ルカリでギリ四桁だった品物だ。とりあえず指輪代だけでも稼ぎてえ。

「それじゃあ、今日の女を紹介しようとおも──思う」

合図をして五十嵐を傍に呼ぶ。顔をしかめて真剣な表情を作ろうとしているが、まだ唇の端っこにニヤニヤが残っている。鏡を見ろとさりげなくジェスチャーする。

「おらっ、早く来い! 最愛旦那バラされたくないんだろ!」

適当アドリブを入れて時間を稼ぐ。とっさのアドリブにしてはなかなか上手く行った気がする。

しかし……始める前は定期的に視聴者の反応をチェックしようとか、配信映えをサブモニター確認しようとかいろいろ思っていたけど、いざ始まっていまうと全くそんなところに手が回らない。

鏡を見ていた五十嵐がこっちを振り返る。うん、悲痛そうな顔になってる。アイコンタクトでおっけーと合図すると、しずしずとこっちに歩いてくる。コスプレやってる姉貴に頭を下げて譲ってもらったサラサラ黒髪ロングのウイッグ上下下着)合わせて古着屋でギリ万札一枚の清楚なカーディガンに奥ゆかしさを感じさせるロングスカート。いつもの五十嵐とは正反対の格好だが、素材が良いせいで腹立たしいくらい似合っている。

あたしそんな服持ってないよと言われた時のことを思い出してしまう。部屋で見せてもらった服は確かに清楚とは正反対を征くすげえ露出度かすげえエグいの(特に下着しかなかった。そのときはつい女なら清楚っぽい服くらい一つや二つは持っておけよと八つ当たり的に思ってしまった。

しかし、彼女は大切な女の協力者だ。たとえ取り分の過半数を持っていかれるとはいえネット相手役をゼロから探すよりはまだなんぼかいいだろう。しか性格は終わっている五十嵐だがツラとカラダだけは最高レベルだ。可能な限り、オレの忍耐が続く限り、機嫌は取らねばなるまい。

衣装指輪、サブモニターハンディカメラマイク。我が薄い財布から元気に飛び立っていった日本銀行券ちゃん達。先行出費を回収できるのはいつになるだろうかと将来が心配になる。

「はっ、はい。あの……今日は、その……は、裸を見せるだけですよね……?」

傍まで来た五十嵐が怯えた演技をしながら用意してあるセリフを言う。ツラが良いせいでなんとなく様になっている気がする。あっ、こ、こいつ、まだ唇の端っこがヒクヒク笑ってやがる。予定にないが、無理やりキスをする振りをして囁く。

(おい! 始まったばかりで笑うなって)

(悪いって。でもお前のマジメな顔マジ受ける。笑うなって方がムリ)

カメラから遮られたからと盛大にニマニマとする五十嵐。ほんと頼むぞ。カネが稼げる=ファンが増えるかどうかはほぼ女優のお前の演技にかかってるんだぞ。

「さあな。お前の協力次第だ。旦那にバレたくないんだろ?」

もう一度アドリブセリフを吐き捨てて五十嵐から離れる。……オレのアドリブバリエーションなさすぎだろ。

ソファーの上の定位置に戻って、台本の流れに戻る。

今日、これから俺たちは初めての偽装人妻寝取り配信を行う。

2025-06-03

anond:20250531152232

鈴木君、緊急事態質問には、まず『冷静に状況を把握し、上司に報告・相談します』と答えるのが定石だよ。自分判断を求められていてすら、まずは組織として対応することを強調するんだ。それが公務員試験ではポイントが高い。いいかい、あなた言葉は、組織言葉なんだからね」

佐藤さん、声が小さいのは不利だ。面接官に聞き返されるだけでマイナス評価になる。呼吸を意識して、大きな声を出す練習をしよう。アイコンタクト大事。難しいなら、相手の鼻のあたりを見るといい」

こうやって人間成長してくもんじゃないの?

多少遅い気はするけど誰だってどっかの段階でできるようになってるだろう

2025-05-31

公務員予備校講師してるけど限界

※現役会社員です。身バレ防止のために小説風にしてます

普通に体験談を書いて、Geminiに小説にしてもらいました

※書くのは非常識だとは思いますが、それくらい罪悪感が強いです



収容人数40人程度の教室の中で、教壇上にある蛍光灯の白い光が、『スーパー過去問ゼミ』のテキスト文字を無機質に照らし出す。俺は増田、三十代半ばである都内にある某公務員試験予備校で、もう八年以上も予備校講師をしている。担当は主に面接対策論文指導だ。

今もこうして夕方以降の時間帯に、19~23才程度の若者向けに、公務員試験合格するための要諦指導する日々である

採用から数年間は以前は筆記試験だけの指導をしてたが、幸いにも早めに昇進することができた。筆記以外の面接とか論文なんかも指導するようになった。正直、新卒予備校入社した人よりもスピード出世である

増田先生。この間の模擬面接フィードバックの文ほしいんですが!」

休憩時間になると、熱心な受講生たちが俺の元へ寄ってくる。彼らの目は真剣のもの

公務員という安定した職を、社会に貢献できる仕事を求めて必死努力している。その情熱は本物だし、俺も全力で応えたいと思っている。表向きは。

正直に言う。俺はこの仕事限界を感じている。

公務員になりたい、という彼らの動機は様々だ。「親が安心するから」「福利厚生がしっかりしているから」「クビにならないから」。もちろん、「住民のために働きたい」という崇高な志を持つ者もいる。残念ながら少数派だ。

問題は、明らかに公務員という仕事に向いていない、と感じる人間が少なからずいること。先ほど熱心な~と書いたが、熱心な子というのは、10人中で2人もいれば多い方だ。

例えば、先日の模擬面接でのこと。鈴木君(仮名)は、典型的な指示待ち人間だ。質問に対して自分言葉で考えを述べることができず、用意してきた模範解答を棒読みするだけ。

「もし、あなた判断対応しなければならない緊急事態が起きたらどうしますか?」

って意地悪な質問をすると、彼は完全にフリーズした。こんな人間が、災害時や突発的なトラブル最前線に立てるだろうか。市民安全を守れるだろうか。

あるいは、佐藤さん(仮名)。彼女コミュニケーション能力に著しい欠陥がある。人と目を合わせるのが苦手で、声も異常に小さい。グループディスカッションでは一言も発せず、ただ俯いているだけ。

こんなんじゃ、窓口業務市民と円滑なやり取りができるとは到底思えない。クレーム対応など想像するだけで恐ろしい。

他にも、社会情勢への関心が驚くほど希薄な者、責任感が欠如しているように見える者、平気で嘘をつく者。挙げればきりがない。

予備校事務窓口でもそうだ。たまに、はてな匿名ダイアリーでもさ。「クンニ」とか「テクウヨ」とか「下方婚」とか「売国先生」とか意味わかんねえコメントしてる人がいるじゃん。

たまに彼らの長文コメがあっても、何を言ってるのかわからない。話の内容が伝わってこない。そういうレベルの受講生が普通にいるのだ。

おいおい、なんだ?面接試験では「私の長所クンニです('ω')」とか「少子化を防ぐためには下方婚を増やす必要があります」とか答えるのか??

こういう人は、公務員になってはいけない!と断言できる。いや、仕事からやるけどさ……合格すれば俺の実績にもなる。



というわけで、彼らがもし、この予備校で叩き込まれテクニックだけを頼りに、運良く筆記試験突破し、面接を乗り切ってしまったら?そして、どこかの国の地方支局とか、市役所県庁職員になったとしたら?

想像するだけで背筋が寒くなる。迷惑を被るのは、まぎれもない住民さんである煩雑手続き、待たされる時間、要領を得ない説明、そして、いざという時に頼りにならない行政サービス

彼らのような「不適格者」が公務員になることで、社会全体の不利益につながるのではないか果たして、俺は社会のためになる仕事をしているのか。

これって、数年前にはてなブログ書評(基本読書の人など)で話題に上がったブルシット・ジョブではないのか?いや、ブルシットはまだ畑の肥やしになるからいいが、俺の場合は、もはや反社会性すら帯びている。

だが、俺の仕事は彼らを「合格させる」こと。それが予備校講師としての使命であり、存在意義なのだ

彼らがどんな人間であろうと、筆記試験で点を取る方法を教え、面接で好印象を与えるテクニックを叩き込む。弱点を隠し、長所を最大限にアピールする方法指導する。

鈴木君、緊急事態質問には、まず『冷静に状況を把握し、上司に報告・相談します』と答えるのが定石だよ。自分判断を求められていてすら、まずは組織として対応することを強調するんだ。それが公務員試験ではポイントが高い。いいかい、あなた言葉は、組織言葉なんだからね」

佐藤さん、声が小さいのは不利だ。面接官に聞き返されるだけでマイナス評価になる。呼吸を意識して、大きな声を出す練習をしよう。アイコンタクト大事。難しいなら、相手の鼻のあたりを見るといい」

まるでペテン師のようだ、と自分でも思う。騙している先は霞が関にある官公庁や、うちの予備校のほどなくにある東京都庁、そのほか地方自治体。ものすごく女衒的で、ありえないほど罪深い。そんな仕事だ。

俺は、本当は適性がない人間に、あたかも適性があるかのように見せかける技術を教えている。彼らの合格は、俺の指導力の証明であり、予備校の評判に繋がる。給料だって、それによって支払われている。

俺が面接指導した子は、この八年間で、新人時代を含めると……少なくとも300人を超えている。延べ人数でカウントしていいなら、千人を超えている。ナンパ自慢の人数かよ。

このうち、予備校から増田君の寄与があった」と見做されたのは100人程度。その中に、筆記の模試がぼろくそだった人が含まれるのはいい。本人の努力の結果だからだ。教師名利に尽きる。だが、その中には、前半あたりで述べた「不適格」な人間を相当数含んでいる。それが今でも後悔になってる。

正直、公務員試験面接なんて、一部の難関(国家総合職裁判官都庁・労基や財務など国家専門職)を除けば、パターン暗記で対処できる。

うちの予備校が、毎年人事院都庁特別区情報公開請求(※)して、個人情報を黒塗りにしたうえで採用試験実施要領の資料提供をいただいているのだが、試験の要領的に……「面接官は完全な機械的採点をしている」ことがわかっている。民間企業に比べると、○○だったら何点とする、みたいな基準がはっきりしている。

なんでそうなるかというと、「公平性」を保つためだ。公平・中立平等を基礎基本とする彼らにとって、それはとても大事ことなのだ。

彼ら面接官というのは、管理職クラスではあるものの、これまでの人事経験はほぼゼロである。そんな人達たかだか数時間研修で「面接官」にするには、面接試験を(初心者向けに)完全構造化するのである。結果として、相当無難な採点基準での面接試験につながるというわけだ。

※…試験実施要領を公開してくれる官公庁もあります地方自治体だとあまり公開してくれない。よって、若手の予備校講師国家地方を問わず公務員試験(作文・面接含む)を受験してデータを得ることもあります。私が若手の頃ですが、都庁特別区採用試験合格したことがあります



先ほどの「ブルシット・ジョブ」という言葉だが、つい先日知った。クソどうでもいい仕事、とでも訳すのだろうか。社会にとって何の役にも立たない、むしろ有害でさえあるのに、なぜか存在し、給料が支払われている仕事。まさに、俺の仕事のことではないか

社会に貢献したい――という純粋気持ち公務員を目指す若者応援したい。その気持ちは嘘じゃない。しかし同時に、明らかに不適格な人間テクニックだけで公務員にしてしまう手助けをしている。

やっぱりこれは、反社会的な行為と言っても過言ではないのではないか

良心が痛む。毎晩、寝る前に罪悪感に苛まれる。俺が合格させたあの学生は、今頃どこかの役所で、市民迷惑をかけているのではないか。俺の指導が、誰かの不幸を生み出しているのではないか

辞めたい。心の底から思う。こんな矛盾と罪悪感を抱えながら、これ以上仕事を続けるのはちょっときついかもしれない。

でも……辞めたところで何ができる?俺には、この予備校講師という仕事以外に、特別スキルがあるわけではない。転職先がすぐに見つかる保証もない。家族がいる。生活を考えると簡単決断できない。

先週もまた、俺は教壇に立ったのだ。第二次試験採点対象になる論作文試験の全体講習である

目の前には、期待と不安の入り混じった表情で俺を見つめる受講生たちがいた。彼らの未来を、そして、彼らが関わるであろう住民未来を思って、俺は重い溜息をついた。

ハイ!じゃあ今日論文対策、始めま~す! みんな今日気合入ってんねぇ~(^^)」

笑顔が張り付けて取れない。

作り笑顔とともに、俺は講習用のテキストを開いた。

この罪悪感から、いつになったら解放されるのだろうか。

答えは見つからないでいる。

2025-04-06

anond:20250328015618

アイコンタクトアイズ運動とかあるけど

最近クルマドライブレコーダーがついてるから手を挙げるのが確実

そこでアクセルを踏んだら殺意があると認められるから

免許剥奪していこ!

2025-03-19

anond:20250319191417

お昼に社食の大きいお姉さんも食器を下げるときアイコンタクトして素敵な笑顔を返してくれた。なんか今日は素敵な日だった。

2025-03-09

[]タイトルのない増田視線を送るだけ

ベテラン増田さんによれば、タイトルのない増田トラバするのはマナー違反だそうな

バカにされるし、無神経で、タブーであるという

「見かけたらそっとしておく」のが正解

なるほど〜ありがとうございます

距離感を保ってアイコンタクトだけで済ますことがスマートなんですね

透明増田視線よ届け!間違えて言及したらごめんなさい

2025-01-19

[]https://anond.hatelabo.jp/20250119203723

夫婦電車を待っていたら知らないおばさんに話しかけられた。

田舎によくいる気さくな誰にでも話しかけるタイプか?と思って少し話していたんだけど、途中から会話がループし始める。お母さんが私にお弁当を作ってくれるんだという話がずっと続く。こちらが話を切り上げる空気を何度出しても気付かず、物理的な距離もじりじり近づいてくる。あ、これはつまり…と気付いてから、どう逃げ出そうかと焦る。夫と目があったのでお互い気まずくアイコンタクトをし、強引に無視をするかたちをとった。

 

しばらくしておばさんは別の人に話しかけに行った。

明らかに障害を持っていて、人懐っこく話しかけてくる罪のない人をいない人間かのように振る舞うのはきつかった。これが自分一人だったら何も感じなかったかもしれない。

私はともかく、夫は普段から誰にでも優しい人だ。そんな夫と二人で「障害のある人間無視する」という結論しか出せないのがとても居心地が悪かった。

 

あいう時ってどうしたらいいんだろう。

2024-12-23

anond:20241222123009

連れ込みセックス成功可能

99%   セックス

95%   裸になる

90%   服脱がす

80%   うなずく

70%   いい?とアイコンタクト

60%   キスをする

50%   いい雰囲気になる

40%   盛り上がる

35%   いい感じにじゃれ合う

30%   男の家で酒を一緒に飲む ←今ココ

25%   部屋が足切りラインクリア

10%   男の家にくる

5%   複数回2人で飲みに行く 

1%   2人で飲みに行く 

0.5%  仲良くなる

0.05%  何とか話せるようになる

0%   目をつける

家に来た時は一切人間に興味を示さなかった子猫、2ヶ月経ってそこそこ甘えてくるようになった。

最初アイコンタクトも出来なかったし近づいてこなかった。今は機嫌がよければお返事してくれるし、人間が部屋を移動したらついてくる。

夜は腕の中にすぽっと収まって眠る時もある。

甘えん坊とまではいかないけど、初期の一切意思疎通できない感じはなくなってほっとしてる。かわいい

2024-11-29

クラシック出身キーボーディスとにありがちなこと

絶対音感がある ハモれる

譜面が得意 初見余裕

・ごく普通にハモれる

音色無頓着

・音量バランス無頓着

リズム感が悪い(表ノリ)

上記に対して無自覚、直そうとしない

・なぜなら自分音楽上級者だと思っている

ポピュラー音楽所詮児戯だと思っている

・そんな自分に改める箇所などないと思っている

譜面にらめっこ、アイコンタクトしない

ドラマーにあこがれている。ギタリストは内心見下している

アドリブが苦手であることにコンプレックスを持っている

ジャズにあこがれている

2024-10-11

柔道選手の回想を聞いてほしい 3


最後公式戦(夏季大会)は印象に残っている。毎年、県内で一番立派な総合体育館で行われる大会だった。梅雨時にある。

団体戦予選は、秋季大会と同じく4校によるリーグ戦だった。上位2校が決勝トーナメントに上がる。

当校の場合は、全国レベル高校と、それに準ずる高校と、平均レベル高校の3校での争いだった。前二者には、それぞれ0-5,0-4という散々な結果に終わった。T君は健闘して強豪校相手引き分けに持ち込んだし、ほかの選手一年前に比べたらずっといい試合をするようになっていた。

だが、勝負世界は厳しい。現実リアルビジネス世界でもそうなのだが、自分が成長しても、ほかのライバルもっと成長している。最後の三試合目は、確か4-1で勝ったのかな。これで、T君の世代にとっての最後団体戦は終わった。各リーグで上位2校だけが勝ち抜いて、決勝トーナメント進出する。当校は第3位だった。これで、本当に終わったのだ。

翌日には団体戦決勝トーナメントがあって、うちの学校と同じ市内のところが優勝した。N君が所属する学校だった。広島県は、伝統的に野球柔道が強い。サッカーもそれなりである

大体のスポーツ広島市にある学校県内最強なのだが、柔道場合は、広島市福山市にある高校県内二強である。いずれも全国に通用する実力を有していた。



記憶に残っている試合の話をする。その翌週には個人戦部門があった。各階級に分かれて戦い、優勝者全国大会に出場する。T君は、81kg級で出場した。

1回戦は、尾道にある高校選手と当たった。確か、今年放送アニメ『ぽんのみち』の舞台の近所にある学校である。俺は、第一試合が始まる前にT君の打込練習に付き合っていた。体を温めておくのだ。体を超動かすスポーツ場合は、事前のウォーミングアップが欠かせない。無論ハードモードである

T君の試合が始まる直前だった。

「勝つとか、負けるとか考えるな。試合邪魔だ。柔道のことだけ考えろ」

と言った。T君は「やり切ってきます!」と言った。

やがてT君が呼ばれて、試合場の前と、開始線の前での二度の礼が終わった。

「始め!」

という審判の声とともに、相手と組み合った。練習で教えたとおり、大内刈りと小外掛けを繰り返しやっていく作戦を採っていた(T君は左利きの左組み。多くの場合ケンカつの組み手になる。鏡写しの組み姿勢)。彼の運動神経だと足技の威力は弱いのだが、技をかけ続けていれば指導は取られない。

相手が技を仕掛けてくると、T君は隙を見て――寝技の態勢に移行した。その時はたしか相手が低くしゃがんで投げる背負い投げに失敗したのかな。

すると、T君は相手に密着しつつ、真横に体重を預けるようにして、釣り手だけで送り襟締めを決めた(相手の背後から横襟を掴んで、手首の尺骨でグイっと頸動脈を圧迫する)。

相手がたまらず仰向けになったところで、両足を絡めた縦四方固めに移行すると、相手は全く動けずに25秒が経過した。一本勝ちである

よく、ここまで強くなったと思った。彼と出会った頃は、紐に巻かれたチャーシュー柔道をしているように思えた。あまりにボテボテとした動きで、才能がないのは明白だった。

だが、T君はここまで寝技を鍛えた。彼にとってのエクスカリバーだった。この頃の彼は、俺と寝技乱取りをしても1分以上は持ちこたえることがあった。

さて、次の試合だが……例の強豪校の子だった(N君)。T君と同じく高三で、改めて見るとスマートな体形だった。背丈はやはり185cmはある。あの細長い足から繰り出すカミソリのような内股で、T君は何度も吹っ飛ばされてきた。

おそらくこの時点で、すでに名門大学からスカウトを受けている(記憶によると、その後明治大学に進学している)。

試合が始まる直前、T君と最後の技の打ち込みをして、最後大内刈りで投げさせてやった。試合場に送り出す時、背後から彼の両肩に手を置いた。肩甲骨のあたりが1年前より逞しくなっている。そのまま、グイっと前に押し出すようにして闘魂を注入した。

試合前の二度の礼の最中、対戦者であるN君の表情を見た。高校三年生とは思えないほど大人びていた。歴戦の兵を見ているようである高校三年間をスポーツに捧げた者の目つきだった。子どもの頃から、数多くの試練を乗り越えてきたのだろう。こういう野獣の眼をしている若人は少ない。

試合場の外には、そのN君の学校の仲間と、あとは監督コーチ陣が控えていた。これといった表情はない。自分の教え子の初戦を観察するのは指導者の基本である。それだけだ。



実は、この時の試合ビデオ撮影している。映像は悪いのだが、できるだけ実況風に説明してみる。わからない単語があった場合は、とりあえずこちらの、

柔道チャンネル柔道用語https://www.judo-ch.jp/terms/

       柔道の技https://www.judo-ch.jp/technique/

をご覧になるといい。

別に不明単語表現があって気にしなくていい。読んでいるうちになんとかなる(と思われる)。以後、試合が終わるまでT君はTと表記する。N君はそのまま。紛らわしいからな。

さて、二度目の礼が終わった直後だった。試合場内ではTとN君が向き合っている。そして、審判が両者を確認する――試合開始の宣言があった。

「始めっ!」

Tは左組みで、N君は右組みだった。

N君は殴り抜くようにして釣り手を取ってきた。横襟のあたりだ。Tも相手の前襟を掴んだが、どこか心もとない。柔道力に差がありすぎて、まともに襟を掴めないのだ。厳しい印象の組み手だったが、後は引き手を握ることができれば……。

次の場面では、同じタイミングで袖を握り合った。中ほどの位置だった。相手ちょっと嫌がったかもしれない。かくして両者の組み手が完成する。ケンカつの組み手である

Tは大内刈りに入ろうとしたが、難しい様子だった。対戦相手と体力差があると、そもそも技のモーションに入ることすら難しい。両者、ジリジリと畳の上で移動を重ねていく。N君が技に入る様子はない。シード枠で第一戦目だった。慣らし運転という印象を受けた。

これは舐めプではない。トーナメントの初戦というのは、綺麗に勝って勢いをつけるものだ。何事も始まり大事である

重心移動を重ねていく両者。ここで、Tが小外掛け、そして大内刈りに入ったが……全く効いていない。もう一度リズムを取って、トン、という畳を蹴る音が聞こえた(ビデオ映像では聞こえないが、俺は確かに聞いた)。Tが足指の裏で畳を蹴り込んで、再度の大内刈りを放ったのである

今度はバッチリ効いていた。左腕で相手の肩を制していたのが大きい。ふくらはぎを刈り取られるようにして、N君が後ろに後退していく。数歩だけ後ろに下がったところで、技が解けて動きが膠着した。

Tは、そこから双手刈りに変化して、相手を押し込んで寝技に持っていこうとする――が、相手は両手を使ってTを上下に振って無効化した。Tの体が揺れている中、N君の大内刈りがしっかと掛かると、真後ろに倒されるのをどうにか我慢した。間合いを取ろうとしたが、遅かった。

N君は、Tの体を引き出して崩しつつ、股下に飛び込んでいた。全身を躍動させて、右脚でもってTの骨盤を跳ね上げた――内股、炸裂。

会場がどよめいた。それくらい、鮮やかな技の入りであることの証明だった。Tの身体が浮いている。が、まだ投げられてはいない。右足をケンケン状態にして抗っていた。歩幅のあるケンケンをしていた。

最後に、ダメ押しとばかり身を捨てたN君に巻き込まれる格好で、畳に落ちていく。

「……!」

主審動作は、会場全体の視線に応えるかのようだった。右腕を緩やかに振っている――ノーポイントだ。背中がついてないので当たり前だが。

会場の反応を気にする素振りもなく、それから寝技の攻防を見守っていた。Tが上からN君を攻め立てるが、「待て」がかかる。

次の組み手でもそうだった。お互いに十分な位置で組めているとは思うが、相手の圧に押されて、Tは身動きが取りにくい。N君は、けん制気味の大内刈りで攻めていた。タイミングを合わせて内股を狙っている。

ある瞬間だった――N君が内股を仕掛けた。すると、Tの動きがおかしかった。ジャンプするようにして真横に飛んだのだ。相手の振り上げた足がぶつかって、コロンと畳を転がった。背中がついている。

「技あり!」

N君にポイントが入った。背中はついていたが、勢いがなかった。

その後も厳しい展開が続いた。Tは相手とガッシリと組み合った後、てんで効かない大内刈りを繰り返していた。そして、N君はそれを上回る勢いで足技を仕掛けてくる。

Tは、それからも真横にジャンプするような動きをすることがあった。対するN君は、いい位置の組み手を取って大内刈りを仕掛けている。大内刈り→内股に繋げるのが狙いだ。

Tは正面から大内刈りを受けるも、後ろに飛んで腹ばいになって回避した。「待て」がかかった。その後、Tに指導(※ノーポイント)が与えられた。

「始め!」

ここで、N君が奥襟を掴もうとしてきた。奥襟というのは文字通り、横襟よりも奥になる。あなたが今着ている衣服で言うと襟首である

Tは抵抗を見せるも、最初は横襟を掴んでいた敵人の右手は、ついに奥襟に差し掛かった。Tは体を後ろに下げつつ……なんと、内股を放った!

N君の奥襟を取る力を利用しようとしたのだろう。ただ、懐には入れていたが全く効いていない。発想はよかったが、素の柔道力の違いがこういう所に出る。威力が無さすぎて、N君の方が戸惑っているように見えた。

今は、互いに横襟を握り合っている状態だ。ケンカ四つなのは変わりない。さっきとは、うって変わって静かだった。N君は小刻みに大内刈りを繰り返している。投げる気はない。けん制だ。Tも、何かを狙うかのように釣り手を小刻みに動かしている。

N君が、釣り手を下方向に絞ったかと思うと、Tの胸をいきなり突いた。一歩下がることになり、また前に踏み出そうとする。その時、Tの胸を小突くようにしてまた大内刈りを放った。Tは嫌がって、猫背気味に距離を突き離した。そして、背筋を真っ直ぐに戻した直後である――直立姿勢。一瞬の静止。

N君は脱力している。俺はつい、「あ……」と言った。技に入る準備ができている。もうダメだ。直観である

一瞬だった。N君は釣り手と引き手を利かせつつ、軸足としての左足で、Tの股下に飛び込んだ。体を密着させつつ、右足を高らかに振り抜いた――内股、一閃。

「技ありいいぃーーーーッ! ……抑え込みッッ!!」

審判の声が響いた。

彼らを視認すると……TがN君を横四方固めで抑え込んでいた! とともに湧いてきたのは、会場からのどよめきと、賛辞の拍手だった。

「なにしとる、N。まだ逃げられる! 右に回転せえ、手を、手を突っ込め!!」

N君の高校監督が、試合場の外から怒号交じりのアドバイスを送っていた。不完全ではあるものの、N君は確かに抑え込まれている。

何が起こったのか。一応、撮影したビデオ画面をベース説明すると……あの時、N君が振り上げた右足は、Tの身体を跳ね上げることな空振りし、宙をひと回り以上して畳に落ちていったのだ。返し技――内股すかしである

Tがやったのは、まず一番に跳ね上げられるであろう左足を、真後ろに隠して回避するという古典的な内股すかしだった。あとは、N君が内股を空振りして自らの威力で吹っ飛び、空中を一回転半して腹ばいで畳の上に落ちた。そして、Tが電光石火の早業で抑え込んだ。以上である

「てら、全力で体重乗せんだよ。あと半分、半分!」

 ※あと10秒抑え込んだら合わせて一本

気が付くと、横四方固めはガッシリ入っていた。N君の動きは著しく制限されている。しかし、彼も体力は相当ある方だ。寝技が解けないならばと、背筋で跳ねるのを繰り返すことで、徐々に移動して……試合場外への脱出成功した。

審判の「解けた!」の宣言の瞬間、試合場の端から抑え込みタイマーのブザー音が聞こえた。これは……!?

「待てー、待て……!」

審判の声は焦っていた。

開始線に戻った両者。ここで主審が、副審のところに行って協議を始めた。N君の学校監督コーチ陣は、ギラついた目で審判団を睨んでいた。タイマーを見ると、残り試合時間は1分半だった。

戻ってきた主審は、「技あり」のジェスチャーを取った後で、上方向に手を振った。ノーポイントに訂正する、という意味だ。

残念だった。あれは内股すかしだったが、投げ方は確かに変だった。N君が技に失敗して、自分で体勢をコントロールして腹ばいに落ちたようにも思えた。

正直、一本でもよかった。今の柔道では、スーパー一本といって、技の威力ありすぎて腹ばいに落ちた場合、一本になるルールがある。当時もその概念はあったが、ルールブックに明文化されているわけではなかった。

その後、併せて審判は、T君が寝技で抑え込んだことによる「技あり」の宣言をした。

「始め!」

N君は即座、猪突の勢いで駆けた。右手でTの奥襟を奪いに行こうとするが――パシン、という音がすると、なんとTが相手柔道着の背中を掴んでいた――奥襟の、さら真下の部分である

N君は、前傾姿勢になった。彼もTの奥襟を掴んではいるが、動きはない。静止している。

「なにをしよおる、はよう技に入れ!!」

相手校のコーチ狼狽していた。

わかっていない。N君は動かないんじゃない、動けないのだ。Tの腕力は本物だったようだ。

「ようだ」というのは、俺がTと乱取りしていて、背中を取らせたことは一度もないかである

体捌きも、総合的なパワーも、ありとあらゆるテクニックも、俺の方がずっと上だった。よって、奴のパワー(ベンチプレス160kg,背筋280kg以上)を体感する機会はなかった。

とにかく、N君は前傾姿勢のまま動けないでいる。その状況で、Tは不意に大外刈りに入った。N君のふくらはぎに刈り足が当たって、ケンケン状態で後ろに下がった。

Tが大外刈りをやめると、すぐさま、今度は連続して内股に入るのだった。釣り手で背中を掴んだまま、大腰みたいにしてN君の体が浮いたが……やはり柔道力が足りない。そのまま両者、畳に沈み込んだ。

いや、違う! Tはこれを、寝技を狙っていた。寝姿勢に入った途端、N君の片腕を取りつつ、巻き込むようにして後ろ袈裟固めに入ろうとする。N君はさらに体を転がして回避した。防御姿勢になる。

Tは亀状態になったN君の上に乗ると、帯を掴んだ。すると、体を捨てる重心移動によって亀状態をひっくり返した。そのまま縦四方固めに持っていこうとする。

再び、N君は腹ばいになって逃れるも、ここでTは――中腰の姿勢になり、両腕で相手柔道衣を握った。胴衣の腕の部分と、下袴の太腿部分をそれぞれ握っていた。そのまま、立ち上がってN君を両手で宙づりにすると――畳の上にゴロンとひっくり返した。

「抑え込み!」

タイマーカウントが始まるが、抑え込んで十秒もしないうちに解かれてしまった。試合の残り時間は、あと30秒ほどだ。

いい作戦だった。まともに立ち技勝負してN君に勝てるはずがない。先ほどの背中を掴んだ組み手は本当によかった。寝技にもっていくための算段のひとつである背中を掴んだ後は、なんやかんやで相手を動かし続ければいい。

背中を掴むのに成功してからは、立ち技ガンガン打って、早々に寝技に引き込んで、審判の「待て」がかからないように動きまくるのだ。それで時間を稼ぐ。

彼は、これを狙っていたのか。作戦だったのか? そんなことは……あるかもしれない。まぐれはこんなに続かない。彼の脳裏にこの流れがあったのだ。

主審は、選手2人が開始線の前に立つと、柔道衣の乱れを直すようポーズを取った。

そして、N君に対して指導を与えた。一瞬、彼の表情を見たが、恐れを感じていた。眉のあたりが強張っている。恐怖を感じる時の表情だ。これから自分がどうなるかわからない、そういう恐怖を感じている。

会場がどよめいていた。大番狂わせのニオイを感じ取っている。

「始め!」

N君は脱兎のごとく、Tの奥襟を取った。対するTが背中に手を回すよりも早く、伝家の宝刀、内股に入った――不十分な組み手だったが、Tの股下に入った足がガッシリ効いている。浮かないようにするだけで精いっぱいだった。

「ヤアァァーーーーーーーーーーッ!!」

N君は咆哮を上げつつ、内股から大内刈りに変化した。自分の後ろに投げる技から、前に投げる技への連続――完璧タイミングだった。

「終わった……?」と思ったその瞬間、Tは自らの体をコマのように回転させて、腹ばいになって畳に落ちた。寝姿勢で向き合って、怒涛の勢いでN君を組み敷いたかと思うと、縦四方固め……? いや、違う。それはフェイントであり、腕がらみ(アームロック)を極めようとしていた。審判が真上から様子を見ている。関節技が極まるか極まらいか、際どい局面だった。

刻一刻と、時間が経過していく……Tの作戦が功を奏したのだ――試合終了のブザーが鳴った。

「それまで!」

ここまで四分。実時間で約十分。お互いによく戦った。ポイントは同点である。この場合は、主審×1と副審×2による旗判定で勝敗を決する。

試合用のタイマーが置いてある長机から審判員が手慣れた動作紅白旗を取った。元の位置まで戻ると、主審は、副審を見やってアイコンタクトを取った。全員、どちらに旗を上げるか決まったようだ。N君が赤旗で、Tが白旗だった。

紅白2本の旗を手前に持ち上げる審判員――白い旗が2本だとTの勝ちである。会場の一角は、静かだった。かくいう俺も心臓バクバクだった。僅かな時間のはずなのに、長く感じられる。

「判定ッ!」

赤2本、白1本という事実を確かめ主審は、溜め息を吐きながら白い旗を仕舞うと――N君の方に勝利の手を掲げた。

この試合を見ていた観客は、ほぼ全員が選手2人に拍手喝采を送っていた。スタンディングオベーションである。いい試合だった。勝ち負けとかどうでもよくて、とにかくいい試合だった。

俺はしばらく其処に立っていたが、T君の後を追いかけてトイレの方に向かった。

次です

https://anond.hatelabo.jp/20241011192840

2024-10-10

anond:20241010005907

何人くらいの朝礼か知らんが、2のときだけ、全員に目を少しずつ合わせるのがいいと思う

間が生まれるし、話したいやつがいたら気づいたり、あちらからアイコンタクトがあるかもしれん

2024-08-30

anond:20240830100331

女さんはスカッと話のためなら初対面でもアイコンタクトは成立するしなんでもありだぞ

2024-07-30

anond:20240730212757

まさに旧知の仲とか夫婦関係のような信頼関係がすでにあり、暗黙の合意がある場合は、例えばアイコンタクト確認、とかでもいいと思う。たぶん。

2024-06-14

GPT-4oの音声+視覚認識機能の新しいデモが出てた

https://youtu.be/XOXMwsq7ACs?si=FbkFcqEtj6fB683-

GPT-4oが面接練習相手になってて、会話の内容だけじゃなくてアイコンタクト仕草の話もしてた

面接に関わらずSST(ソーシャルスキルトレーニング)全般に役立ちそう

リリースされたら教育発達障害辺りに関わる人の間で話題になるかも

2024-04-30

ある配信者の囲いのある1日

先日、3年くらいずっと配信を観てた女性オフ会に参加した。

はいわゆるガチ恋、一応彼女彼氏ができようとそういう店で働こうと、お気持ち表明文を送りつけたり拗ねて配信を観なくなったり匿名掲示板悪口書いたりなどはしない。

しろそういうところも含めて知れて嬉しいという気持ちの方が強かった。

多額の金品を贈ったりお店に行ったりもしない、せいぜい配信で好き好きかわいいかわいい言って、年に数回XのDMを送るくらいの距離感で3年やってきた。

そんなやつが、つい先日、ついに彼女も参加する合同のオフ会に参加してきた。

彼女オフ会という場に現れるのは非常に珍しく、一度くらいはリアルで会ってみたいという気持ちから参加した。

会ったら、本当にかわいかった。

他の配信者の、仲良くさせてもらっていた友達が、私が来ることな彼女に伝えてくれていたようで、ファーストコンタクト自己紹介は要らなかった。

初めて目があった瞬間、初めて彼女配信を観た日を思い出した。

目が離せなかった。釘付けだった。数秒のアイコンタクト3分経過した。口は半開き、鼻の穴は広がって、汗が滲んだ。

あんだ。「一度くらいは」とか「記念に」とか自分に言い聞かせてたのはどこか気持ちに一線引こうとしてただけじゃん。本当はずっと会いたかったお話ししたかったんじゃん。

好きだ!好きだ!好きだ!

あわよくばもっと仲良くなりたい!許されるならずっと仲良くしていたい!

冷静にな。

新幹線でこれ書いてたらDM来たわ。チェキ送ってってよ。ああ、家着いたら送るよ。

短く簡潔に最大限に伝わる感謝と一緒にな。

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