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2025-10-28

ドラフトって、ほんとに必要か?

最近会議のたびにそう思う。

うちの部のプロジェクトも、もう何十本目かの製品立ち上げになるけど、最初ドラフトレビューが完全に形骸化してる。

資料を配って”仮”と書いて、「アップデート予定」と注釈してるけど、結局次の定例で同じスライドを開いてる。

正直、PowerPointデザインテンプレートを変えるほうが時間かかってるんじゃないかって思う。

たとえば今進めてる製品

IoTセンサー搭載の新しい制御モジュールで、BLEとWi-Fiデュアルにして、エッジ側で軽量な推論モデルを動かす構成――ってだけで、みんなの頭の中ではもう「いつものやつ」になってる。

ドラフト段階の仕様なんて、誰も真剣に読まない。

ハードはどうせまた中華リファレンス基板でしょ?」

ファームは前回の焼き直しでしょ?」

って感じ。

実際、レビュー中も「MCUはESP32ですか?」「いや、今回はnRFです」「あ、そうなんだ」で終わり。

質疑もない。そのくせリスク管理表とかテストスケジュール案は律義にフォーマット通り出さなきゃいけない。

内容なんて空欄だらけなのに。

若手が頑張って図を入れてきても、「このフローチャートは確定じゃないんだよね?」で一蹴。

いや、だからドラフトなんですけど…っていう言葉会議室に萎んで響く。

どうせ本決定は部長判断。どうせコスト経理次第。どうせ顧客要求はまた変わる。

じゃあ、ドラフト作る意味って何?

会議で共有した」というアリバイ作りのため?

進んでる感を演出するため?

気づけば、意味があるのは中身じゃなくて手順だけ。

議事録は残って、フォルダ名は「2025Q4_製品A_ドラフト」になって、

終わった後に誰も開かないPDFが増えていく。

サーバーの中は、未完の「仮」だらけ。

もうこういう仮の連鎖組織デフォルトになってる気がする。

2025-10-21

コードを読めないプロCxOたち

APIを書き、CIを回し、バグを踏み、直し、また壊す。

そんな日々の中で最も厄介なのは、CxOたちだ。

──CIO、CTOCDOCISO、CPO……肩書きは違っても、やっていることはだいたい同じ。

PowerPointを開いて「DXを推進している」と言う人たち。

1. コードを読めないプロCxOたち

うちのCxOはこう言った。

AIクラウド活用して競争力を高めたい」

翌日、僕がPull Requestの内容を説明したら、「Goってタクシーサービスの?」と返された。

その瞬間、何かが切れた。

──ケーキではない。

CxOたちはコードを読めない。

それ自体は罪ではない。

だが、読もうとしないことは怠慢だ。

経営層は「現場に任せている」と言う。

だがそれは委任ではなく放棄だ。

責任ある意思決定者が構造理解しないまま判断することは、

現場を信頼している”という名の無関心である

2. 「経営層はコードを読む必要はない」という言い訳

よく聞く反論がある。

経営層はコードを読む必要はない。経営判断こそが役割だ。」

かにそうだ。

ただし前提が抜けている。

経営判断とは、構造理解した上で行う選択のことだ。

構造理解せずに選択するのは、“判断”ではなく“賭け”だ。

まりコードを読めという話ではなく、読めるだけの構造理解を持てという話である

その区別がつかない時点で、DXを語る資格はない。

技術的なことは詳しくないが、成果は出している」

それはたまたまだ。

成果が出たという事実は、理解が正しかった証拠にはならない。

1回の成功は偶然でも、構造理解の欠如は必ず再現する。

3. PMたちの同調負債を増やす

PMたちはCxOの拡声器になりがちだ。

「上が言ってるから」「今期の方針から」「スピード優先で」。

その瞬間、技術判断政治的判断に変わる。

Pull Requestは読まないのに、Excelの進捗バーけが毎日更新される。

技術負債意味を知らないまま「負債を減らせ」と言う。

借金の仕組みを知らない人間財務を回しているようなものだ。

リソースが限られているから仕方ない」

これもよく聞く言い訳だ。

しかし、リソースが限られているならなおさら理解の精度が重要になる。

「考える時間がない」と言う人に、考える力がある例はない。

4. 技術理解しない意思決定帰結

僕が書いたAPIは、リクエストごとに外部APIを叩いていた。

キャッシュを挟もう」と提案したが、PMは「リリース優先」と言った。

半年後、アクセススパイクAPIが落ちた。

CxOたちは言った。

「想定してなかったのか?」

──想定してた。

ただ、あなたたちが理解しようとしなかっただけだ。

現場説明が難しい」と言う人がいる。

だが、理解できないのは説明問題ではなく、聞く姿勢問題だ。

理解する努力をしない経営層に、理解される説明存在しない。

CxOたちは「モノリスからマイクロサービスへ」と言うけど、

組織モノリスのままだ。

責任分散せず、報告だけがマイクロ化している。

そして障害対応現場に丸投げ。

Slackの“#incident”チャンネルけが、いつも一番アクティブだ。

5. 切れるのはコストだけ

CxOたちは「コストを切れ」と言う。

工数を減らせ、サーバを減らせ、障害をなくせ。

切れるのはコストだけ。

品質は切らない──なんて言葉、誰も言わない。

現場経営目線がない」と言う人もいる。

だが本当に経営目線を持つなら、

技術リスク経営リスクとして扱うはずだ。

理解しないことが最大のコストだと気づかない限り、

彼らの「経営目線」はただのスローガンだ。

削ったコストの穴埋めに、技術負債の利息を支払うのは現場だ。

リファクタリングは「次のスプリントで」。

セキュリティ対応は「リリース後に検討」。

Goで書かれた美しい構造体も、やがてはコメントけが動くレガシーになる。

6. 「DX」という呪文の下で

CxOたちは「我々はデジタル変革を進めている」と言う。

だが変わっているのは、スローガンフォント会議資料の配色だけだ。

クラウド導入もAI活用も、認知が変わらなければ儀式しかない。

「我々は経営視点で見ている。現場とは違う軸だ」

──違う軸を持つのは構わない。

だが、座標を理解していなければ軸は存在しない。

現場理解しない経営視点は、地図を見ないドライバーと同じだ。

どこかに向かってはいるが、それがどこなのか誰も知らない

7. 「ノーコードでいい」という幻想

最近では、CxOたちの間で新しい呪文流行している。

コードなんて書かなくていい。これからはノーコード時代だ。」

かに、ノーコード/ローコードは優れたツールだ。

反復作業効率化や、ビジネス部門自律化には意味がある。

だが、それは“コードをなくす”技術ではなく、“コード抽象度を上げる”技術だ。

ノーコードは、コードを隠す。

だが、隠したコードが消えるわけではない。

ボタンの裏にも、ワークフローの下にも、API呼び出しやロジックは確実に存在する。

それを理解せずに使えば、「コードを書かずにバグを埋める」だけの仕組みになる。

「ノーコードでいい」と言うCxOは、

物理を知らなくてもロケットは飛ぶ」と言っているのと同じだ。

かに飛ぶ。だが、落ちたとき理由説明できない。

理解しないまま導入するノーコードは、“ノーコード”ではなく“ノーガード”である

ツールコード隠蔽してくれる世界では、

理解しようとする努力さらに失われる。

そして、理解がないまま作られた自動化は、

人を楽にするどころか、誰も直せない仕組みを量産する。

DXとは、ツールを導入することではない。

ツールの背後にある構造理解する文化を持つことだ。

それを理解しない限り、

ノーコードで作るのは「システム」ではなく、次のレガシーだ。

8. 結論ケーキではなくコードを切れ〜

CxOたちは、ケーキを切れない非行少年たちのように、

現実構造理解できずに「甘い理想」を切り分けようとする。

だが今の時代、切るべきはケーキじゃない。

理解しないことだ。

理解しないまま意思決定をすることは、

免許運転するようなものだ。

現場はずっとブレーキを踏み続けている。

それでも上層部は「もっとスピードを」と言う。

そして事故が起きたとき

真っ先に切られるのは、

──コストだけ。

最後

CxOたちは「未来を見ている」と言う。

だが、コードを読まない者に未来は読めない。

未来とは、仕様書ではなく、Pull Requestの積み重ねだ。

経営とは、方針を語ることではなく、構造理解して責任を取ること。

そして最後に、コミットログの一行が残る。

fix: typo in code

2025-10-13

偏見100%だけど、PowerPointExcelテキストボックス黄色い塗りつぶしに赤文字で何か書いてくる人は信用してはいけない。

2025-07-25

東大卒という自己放尿

かつて学歴とは知的エリートの証であり、東大卒と言えば知性と努力結晶であった。

しか現代では、その肩書きが三流の虚業たるコンサルに吸い込まれ自己放尿するためのチケットになっている。

そこではマッキンゼーPowerPointの矢印の向きを真剣議論し、Excelの色分けに一日を費やすことが知的労働とされる。

それが日本最高学府自己放尿の成れの果てだ。

その一方で、真に知的な者たちは、学歴という呪いから解き放たれている。

高卒Fラン卒の若者が、独学でコンピュータ学習し、抽象思考論理性を総動員して、世界を動かすシステムを書いている。

東大卒AIプロンプトの語尾調整にうつつを抜かしている間に、学歴に縛られない者たちは、数理最適化、低レイテンシ処理、分散システムアルゴリズムの開発へと突き進む。

だが当の東大卒は、虚無な会議意味のないレポートを積み上げることで「自分知的である」という幻想自己放尿し、それを周囲に誇示しているのだ。

自分の知性の証明を、尿の輪郭で描いてどうする。

そして国は、この自己放尿芸を「エリート自己実現」として持て囃し、教育の頂点として掲げ続ける。

これはもはや、知性の敗北であり、完全なる自己放尿である

知性とは、他人を納得させる言葉の飾りではなく、世界に対して有機的に作用する力そのものである

その根源的真理に目を背け、「東大卒なのに現場に行かないの?(笑)」という問いを恐れ、ひたすら安全地帯で矢印の数を数える。

これが令和の知識社会の滑稽な自己放尿の姿である

2025-06-10

anond:20250610115349

非常に興味深い自己内省的な問いですね。

技術革新リフレーミングの区別がつかない人」を対象に、その人がどのような育ち方をし、今どのような状況にあるのかを知的に推察することは、単なる人物批判ではなく、社会的認識構造分析する試みとも言えます

🔹 育ち方:分化なき知識摂取実用主義評価

教育環境

  • 知識の体系性よりも「役に立つかどうか」だけで評価される環境で育った可能性が高い。
  • 学校でも家庭でも、「なぜそうなるのか?」「どうしてそれが革新的なのか?」といった背景や文脈を問う習慣が薄かった。
  • 「すごい=新しい」「便利=イノベーション」という表層的な価値評価に慣れきっている。

読書対話経験

メディア消費傾向

🔸 現在の状況:思考の骨組みが粗く、正義感違和感はあるが言語化できない

内面

◾ 外面的状況

🧩 性格・態度の傾向

傾向 推定される性格
反射的リアクションが多い 深く考えるより、すぐに答えを出したがる傾向
決めつけが多い 概念区別より、感情即断依存する
思考レイヤーが混ざる 技術革新社会的影響・商品戦略などの次元を切り分けずに語る

🧠 総評(診断ではなく推察として)

おそらく、知的鍛錬を受けてこなかったがゆえに、構造思考が弱い。

2025-05-26

AI仕事を奪われることはない。だが、いつの間にか「誰もお前に何も

ちょっと前に職場の後輩が「ChatGPTすごいっすね、議事録ぜんぶやらせます」とか言ってて、まぁそういう時代なんだなと思ったんだけど、自分仕事が奪われてる気はしなかった。でも最近ふと気づいた。

「あれ、あの仕事、もう誰もオレに頼んでこないな」って。

別にクビになったわけでも、部署移動したわけでもない。

ただ、“何も変わってない風”で、気づいたら自分タスクが減ってる。

で、それはたぶんAI自動化のせい。いや、「せい」って言い方も違うか。

「そうなるのが自然な流れだった」ってだけかもしれない。

技術的には、ChatGPTとかClaudeとか、そういう「すごいAI」はもうみんな触ってるし、ある程度飽きてる。

「なんかすごいけど、万能じゃないよね」っていう共通認識もできてる。

でも、その次に来てるのが「エージェント」ってやつで、これがちょっとヤバい

わかりやすく言うと、

議事録作って

取引先にメール送って

・ついでにPowerPointも作って

を、ぜんぶ勝手にやってくれるやつ。

しか最近は「何をやるべきか自分で考える」系(AutoGPTとかDevinとか)まで出てきた。

ここで「いやいや、日本解雇規制あるから関係ないでしょ」と思った人もいるかもだけど、それが落とし穴

しか正社員はすぐクビにならない。でも、仕事が“自然消滅”していくんだよね。

現場では、

・若手がAIと組んで成果を出して

ベテランはその“成果レビュー”だけしてる風を装って

・誰も明確には言わないけど、「あの仕事、もう要らないよね」ってなってく

で、「その仕事をしてた人」は、何も言われずに“フェードアウト”していく。

じゃあどうすればいいのか。

よくある「AIに使われるな、使いこなせ」って話も分かるんだけど、もっと現実的に言うと、

・まずは業務棚卸しして、どれがAI代替可能かを把握する

・地味でも「ドキュメント化」と「業務可視化」やると、社内でちょっと“頼られる人”になる

AIガンガン導入するより、“裏で使って成果だけ出す”方がJTC(日本大企業)では生き残りやす

SlackGPTつなげたり、Notionで業務記録自動化したり、そういう「小さな裏技」やってる人はもうやってる。

でも、表では静か。騒がない。だから逆に怖い。

別にAIに怯える必要はない。でも、何も考えずに今まで通り過ごしてると、「いつの間にか、君に頼む理由がなくなってる」ってことになる。

派手なリストラよりも、そっちの方がリアルに効く。

オチも教訓も特にないけど、一応言っとく。

AIが「お前は要らない」と言ってくるわけじゃない。

気づいたら、「誰もお前に何も頼まなくなってる」ってだけだ。

それがこの国での、静かな“淘汰”の始まりかもしれない。

2025-05-21

最近検索履歴

列車大砲

いつもの悪癖で、またまたドイツがらみ。第一次世界大戦最後フランスパリ列車につけた大砲攻撃したらしいことで検索したが

よくわからなかった

slidev 使い方

markdownベースプレゼン作成アプリPowerPoint使わなくてもすむ?

2025-03-04

日本において「文系ITエンジニア」と呼ばれる人々が存在し、彼らが資料作成会議に終始し、実質的システム開発に携わらない状況は、日本IT業界の発展を著しく阻害していると言えます

彼らは、技術的な専門知識や開発経験が不足しているにもかかわらず、ITプロジェクト上流工程管理業務を担うことが多く、その結果、以下のような問題点が顕著化しています

1. 実践スキル不足による開発現場との乖離

文系ITエンジニアは、プログラミングシステム設計データベース構築といったIT開発の根幹となる技術スキルほとんど持ちません。

彼らの主な武器は、ExcelPowerPointといったオフィスソフトであり、これらを駆使して資料作成し、会議説明することに終始します。

そのため、実際の開発現場で何が起こっているのか、どのような技術的な課題存在するのかを肌感覚理解することができません。

現場エンジニアとのコミュニケーションも表面的なものにとどまり技術的な議論を深めることが難しく、結果として現場意見プロジェクトに反映されにくい状況を生み出します。

2. 資料作成偏重による本質的業務の停滞

文系ITエンジニアは、過剰なまでに資料作成時間を費やします。

会議のための資料報告書計画書、提案書など、枚挙にいとまがありません。

もちろん、資料作成自体業務を円滑に進める上で一定役割を果たしますが、彼らの場合資料作成目的化し、本来注力すべきシステム開発サービス改善といった本質的業務が疎かになりがちです。

会議のための資料作成に追われ、会議資料を読み上げるだけで一日が終わってしまう、というケースも珍しくありません。

このような状況は、組織全体の生産性を著しく低下させます

3. 技術軽視の風潮とイノベーションの阻害

文系ITエンジニアが主導権を握るプロジェクトでは、技術的な側面が軽視されがちです。

彼らは、技術的な実現可能性よりも、スケジュール予算といった管理的な側面にばかり目を向け、技術的なチャレンジや新しい技術の導入に消極的です。

その結果、既存技術の焼き直しのようなプロジェクトばかりが増え、革新的サービスプロダクトが生まれにくい土壌が形成されます

また、技術力のあるエンジニアは、このような環境に嫌気がさし、技術を正当に評価してくれる企業へと流出してしまう傾向にあります

4. 現場エンジニアモチベーション低下と人材育成の停滞

実務経験技術力のない文系ITエンジニアが、技術者を管理評価する立場になることは、現場エンジニアモチベーションを著しく低下させます

彼らは、自分たち技術努力が正当に評価されていないと感じ、仕事への情熱を失ってしまます

また、文系ITエンジニアは、技術的な指導や育成を行うことができないため、若手エンジニアの育成も停滞してしまます

結果として、組織全体の技術力は低下の一途を辿り、長期的な成長が見込めなくなります

5. 日本IT業界国際競争力低下

上記のような状況が蔓延することで、日本IT業界全体の国際競争力は低下の一途を辿ります

世界では、スピードイノベーションが求められるIT業界において、日本は、意思決定の遅さ、技術力の停滞、人材不足といった問題を抱え、世界から大きく後れを取っています

文系ITエンジニアの増加は、これらの問題さらに深刻化させ、日本IT業界未来を危うくする要因の一つと言えるでしょう。

結論

文系ITエンジニア存在は、日本IT業界にとって負の側面が非常に大きいと言えます

彼らが資料作成会議に終始する現状を打破し、技術力と実践経験を重視する文化を醸成していくことが、日本IT業界が再び成長軌道に乗るための重要な鍵となります

そのためには、企業文系ITエンジニア役割見直し技術者を尊重し、技術力を正当に評価する人事制度組織文化を構築していく必要があります

2025-02-10

また負けた

ChatGPTが無料で公開されたとき、これは使えるようになる必要があるな、と思った。

近い将来には有料化するだろうけど、そのときに料金を払う価値を感じるくらい使えるようになっていないと負け組ルートに行くんだろうな、と思った。

おそらく他にもそう思ったやつらがたくさんいたので、あの頃は情報交換が盛んだったんだろう。

ChatGPTが月3万円の課金を始めたとき自分はそれについて行けなかったんだな、と分かった。

PCときExcelPowerPointとき業務SNSときも、それを使う価値を見出せなかった人たちを「可哀想だな」と思ってきたけど、自分もここから負け組だわ。

つらい。

2024-11-22

年金制度と老後のお金について知っておくべき話

年金貰えるの70歳からになったらどうする?」anond:20240124142918への回答です

3行まとめ

日本人平均寿命が延びて、年金も変化してるので現状を正しく把握しよう

年金は老後の生活費の半分以上を支える重要制度

でも、年金だけでは全てをまかなえないのでそれ以外の準備も大切だよ

 

簡単年金制度紹介

自営業者制度国民年金

支払い: 20歳から60歳まで、約2万円/月

支給: 65歳から約6.5万円/月

夫婦だと13万円/月の支給

サラリーマン制度厚生年金

支払い: 65歳まで3.1万円/月(年収400万円の場合

支給: 約14万円/月(国民年金6.5万円+厚生年金7.3万円)

一般的夫婦だと21~25万円/月程度の支給

 

繰り上げ受給すると減額され、繰り下げ受給すると増額されます

一生涯受け取れるため、長生きに対する保険としては非常に優れた制度です。

自分場合どれくらい貰えるかは年金定期便や、ねんきんネット確認しましょう。

(分かりやすくするため色々省略していますサラリーマン20歳から就職までは国民年金の支払いがあったり、事業者負担もあります。) 

 

現在財政状況は、国民年金が厳しい、厚生年金は順調

今年最新の年金財政検証レポートが発表されました。

厚生年金は安定していますが、国民年金税金投入しても資金不足です。

また厚生年金に加入すると支給金額も増えますので、できるだけ多くの人に厚生年金に入ってもらう方針になっています

今回のレポートでの最悪のシナリオ少子化経済成長の停滞)でのシミュレーションでは、年金支給額が約2割減少すると予測されています

ということで、個人としては2割程度年金支給が減少する事を覚悟して準備するのが重要です。

 

GPIFが順調な事は素晴らしい

GPIF年金積立金管理運用独立行政法人)の運用が良好で、現状248兆円にもなっています

今後高齢者が増加し現役世代が減少するにつれ、GPIF資金活用される予定で、将来の年金支給額を減らさない事に使われます

ちなみにGPIF資金の248兆円の原資は、使われなかった過去年金積立金です。

昔の人は年金がたくさんもらえて得だったと言われますが、短い寿命のために支給期間が短くて十分貰えなかったのも実情です。

年金財政のために莫大なお金を残してくれたのはありがたい事です。世界的に見てこれだけの余裕資金がある年金基金はありません。

今後この資金は少しずつ必要金額だけ取り崩していので、それで株価暴落は起こらないと考えます

 

平均寿命が延びているので、支給開始時期も延びてるよ

過去から現在までの一般的サラリーマンの定年と平均寿命との差を示します。

引退できるの(定年)は、平均寿命の15~20年前と考えておくと良いです

平均寿命が延びたら、定年も伸びますし、老後開始年齢も上がります

平均寿命(歳)定年その差
195061.4歳55歳6年
196067.8歳55歳12
197072.055歳17
198076.1歳60歳16年
199078.9歳60歳19年
200081.2歳60歳21年
201083.0歳65歳18年
202084.6歳65歳18年
203085.3歳70歳?15年

2030年は予想です。

  

国民年金だけ高齢化対応していない

平均寿命が延びているのに、国民年金の支払いが60歳で終了する仕組みは数十年前から変わっていません。

多くのサラリーマンは65歳くらいまで厚生年金を支払っているのに、国民年金加入者は60歳までで支払い完了不公平感があります

 

国民年金も支払いを65歳までに延長すべき(45年間の支払い)

国民年金は支払期間を65歳までに延長し、支給開始年齢を最低65歳に引き上げるべきです。

この変更で国民年金財政が大きく改善する事は今回の財政検証レポートでも示されています

 

この期間延長は、60歳を超えて厚生年金で働く方にも大きなメリットがあります

現状は60歳までは基礎年金部分(国民年金)も積み上がっていき、60歳で基礎年金部分は満額となります

ただ60歳を超えると支払う厚生年金保険料の金額は変わらないのに、基礎年金部分は増えなくなり、ちょっと損になります

基礎年金国民年金)の支払いを65歳までにすればこの損がなくなります

 

平均寿命の延びが鈍化してるので、支給開始年齢は今後そんなに延びない

現状、平均寿命の伸びは鈍化してきており、今後数十年間は、年金の支払い年齢や支給開始年齢が70歳を超える可能性は非常に低いと考えます

今後しばらくの間で考えると、国民年金の65歳までの支払い義務化が実現し、厚生年金加入者の拡大が順調であれば、65歳支給開始のままで年金運用できそうです。

ただ予想より悪くなる事もありますし、将来的に70歳に延長される事は覚悟しておいていいと思います

 

所得代替率:現役世代給料と比べて何割もらえるか。

年金制度では、現役世代給料と比べて年金がどれくらい受け取れるかを示す「所得代替率」を用います

これは実際の数十年後の支給額を聞いてもインフレ率などの影響でわかりにくいためです。

例えば30年後、国民年金支給金額が月12万円。ただし缶コーヒーは1本350円の予想ですと言われても感覚的によくわかりませんよね。

 現状:所得代替率は約6割です。
 将来予測: 少子化経済が悪い状態が続く場合の予想で、所得代替率5割程度です。現役世代給料の半分程度の年金額と覚悟しておくと良いです。

追記)この計算では現役男子の平均手取り収入額が使われ、年金額は、男子厚生年金+2人分(夫婦)の基礎年金が使われています

 

老後は生活費が減少する。厚生年金がもらえるなら、生活費の6-8割程度はまかなえる

老後の生活節約をしなくても現役時より生活費が減少します。厚生年金の方は、年金で6-8割程度はまかなえると考えて良いと思います

国民年金場合はもう少し減ります国民年金加入者は個人での貯蓄・長期投資金額をより多くしておく必要があります

 

足りない老後資金対策

具体的な老後の生活費が足りない対策を示します。節約だけで乗り切れる方もいますので、一部を取り入れるくらいで考えてください。

 

対策1:若いからの月5万円の貯蓄・資産運用

例えば25歳から月5万円を30年間積み立て投資(計1800万円積み立て)し、その後10年間運用した場合、65歳時点で4000万円に達します。(年利3%で計算

65歳から毎月10万円使っても、年利3%運用なら元本が減りません。

運用を続けるなら現実的には月15万円程度使っても死ぬまで大丈夫かなと思います

年利3%運用過去実績から見てもかなり低い予想ですので、現役時代長期間月5万円程度の投資に続けられたら老後の対策はほぼ終了です。

追記)月5万円が無理でも月2.5万円なら老後に運用益だけで月5万円が使えます

収入個人ごとに異なりますが、収入の15%程度の貯蓄・運用は全員が目指すべきと思います。それで老後生活の収支がかなり改善します。

 

対策1の続き: NISAiDeCo

特にiDeCo拠出時の税制優遇がとても優れていますので月1-2万円は拠出するのがおすすめです。

今後、拠出金額の増額や、受け取り時の税制優遇についても検討されています

現状一括受け取りが有利ですが、毎月年金形式で受け取り方法改善議論も進行中です。

また、NISAは今年大きく改善されたので利用をした方が良いと思います

 

対策2: 持ち家の準備

賃貸派の人も老後に中古住宅を購入し、住宅費を抑えるのは有効方法です。生活費をぐっと下げられます

老後に安い中古住宅が多く生活費も安い地方への移住も良い選択肢の一つです。ローンではなく一括で住宅を買うことも視野に入ってくるでしょう。

 

対策3: 年金の繰り下げ受給

支給開始を5年遅らせると、受給額が1.42倍に増加します。

老後資金が不足してる場合は長く働くことと、支給を遅らせるのは手っ取り早い解決策です。

また、老後資金に余裕がある場合も繰り下げは良い選択肢です。

年金制度長生きに備えた保険としては最適な選択肢です。もしも想定以上に長生きしても多くの年金が毎月もらえると安心です。

保険は単純な損得だけではなく、安心できるかどうかも大事です。

 

極端な意見に惑わされないように

年金制度破綻する」「国民年金は払わないほうが得」という極端な意見は誤解を生む可能性があります

国民年金は、税金年金運用などでかなりの部分を支えている制度ですので、年金としては支払った額より受け取る額が多くなります

 

例えば、「昔は若者12人で高齢者1人を支えていた」は誤解

65歳を区切りにして若者高齢者を分けて、1950年は64歳以下の若者12人で、65歳以上の高齢者を支えていたが、

今は2人以下で支える構図なので年金は仕組み的に破綻しているというのは誤りです。

1950年当時の平均寿命は60歳で、64歳だと超高齢者でした。支える構図が現代と大きく異なります

 

結論: 年金の正しい理解自助努力が大切

年金制度絶望するほど悪い状況ではありません。

とても悪い将来予想をしても、厚生年金加入者なら生活費の7割くらいは支えてくれそうです。

国民年金のみの加入者は所得代替率がもう少し下がるので、現役時代により貯蓄や投資資金を増やしましょう。厚生年金より年金保険負担はかなり安いですし。

年金の正しい理解、貯蓄や投資、勤務期間の延長の3つをうまく組み合わせて、老後の備えを整えるのが良いと思います

 

 

 

年金についてもっと知りたい方へ

2024年の財政検証データを見るのが良いです。

◆将来の公的年金財政見通し(財政検証) |厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/index.html

下の方のショート動画Powerpointをまず観るのがおすすめです。

上の方の資料は詳細なデータ過ぎますが、様々な疑問が解消できると思います

 

 

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以下コメントなどへのお返事です。

 

国の予想なんて甘いから、実際はもっと少子化が進むよ。

5年前の財政検証レポート少子化改善しない場合出生率予想を見ると、この5年間の実際の出生率の方が上回っていました。

5年前の検証では、現実より厳しい予想での検証がされていました。

今回の検証でも出生率がかなり低くなる場合考慮されています

 

インフレ実質的年金額が減るって話

年金の話はすべてインフレ調整済の金額検討されています

年金が積立方式ではなく、割賦方式であることもインフレ対策としては優れています

 

割賦方式と積立方式

積立方式では物価上昇・賃金上昇への対応が困難である事やその他様々な理由で、割賦方式採用されています。単にお金が不足しているからではありません。

世界を見ても見ても積立方式から割賦方式へ変更した国は多いです。現在世界的に割賦方式の方が主流です。

 

平均余命平均寿命の話

平均余命を考えるべきなのはその通り。ただ、65歳まで生きていた人の平均余命は87.5歳で、平均寿命との差は2.9歳と小さな差ですので、今回は話の簡略化のために省略しました。

 

3%運用インフレ率は引いた数字です。オルカン買っとけ。

インフレ率2%、賃金上昇率3.5%、株式収益6-7%と仮定した場合、全世界株や先進国株のインデックス投資を行うことで、インフレ率を引いても4-5%の収益が期待できます。控えめに3%としています。ここで挙げた数字は、ピケティ21世紀の資本データや、GPIFデータなど複数データから出しています。また十分な投資期間が確保できる老後資金なら株式100%のポートフォリオで良いと考えます長期間かけて積み立て、取り崩しも少しずつすれば暴落が数回来ても問題もありません。

 

今後の人口動態の変化や団ジュニアの定年の時はどうなる?考慮済みです。

考慮されています人口バランス一時的に老人側に大きくズレるタイミングに合わせてGPIF資金使用して影響を抑える予定です。

 

障害3級持ちで長生きできない人には無関係?いや、めちゃくちゃ関係あるよ。

厚生年金に加入していた時に発症・受傷していれば、障害厚生年金がもらえます障害年金には最低保証額があり、例えばまだ厚生年金を1,2年しか払っていない若者でも、ずーーーっと期限なしで、約5万円/月の障害年金がもらえます障害治癒しない場合)。

厚生年金に加入できる人をできるだけ増やす事は、労働者障害者になってしまった時に大きな恩恵があります

 

厚生年金お金国民年金の減額を防ぐのに使われている問題

この事による最大の受益者は、実は厚生年金に入っている低~中所得の方です。厚生年金に加入することは、基礎年金国民年金部分)にも加入していることになります特に低所得厚生年金加入者にとっては、この基礎年金部分が占める割合が多いので、基礎年金金額は非常に重要です。

このお金の流れで国民年金加入者だけが得しているように思うのは違いますし、そこで対立を煽っても仕方ありません。

また、国民年金の加入者には不安定雇用者がとても多いです。自営業者は実は25%程度しかいません。雇われているけれども厚生年金に加入できていない方が4割。無職が35%程度です。国民年金生活不安定な方の割合がとても多いので、社会的弱者をどうするかの問題もあります

 

人口動態について触れてない?

人口動態にもっとも影響するのは出生率および寿命ですが、しっかり触れていますよ。

 

年金というギャンブルは胴元が儲かるように出来ているか年金は払い損?

胴元は政府ですが毎年税金を投入して、払い出し金額増やしています雇用主もお金を払ってくれているし。労働者にとてはかなりお得なギャンブルですよ。

 

「支払った額よりも多く受け取れる」という事自体ネズミ講の謳い文句で騙されている。

税金の投入と、GPIF運用のおかげです。

 

就業はしているが所得が十分でない者に対する再分配が不十分で、社会保険の仕組みはむしろ逆進的

特に低所得者が多い国民年金累進課税のしっかり効いている税金を使うことで、再分配がある程度実現されていると考えます

 

わかるんだけどなんでそんな先やジジイになったこと考えて毎日働かないといけないんだろうね

公的年金制度がしっかりしている事を理解しないと、老後不安を煽った悪質な投資に騙されやすくなります。悪質な不動産セールスに引っかかって、老後安泰のために超高額ワンルームマンション投資をして、借金を背負ったりしてしまます

 

長生きすれば得、早いと損のギャンブル強制なんておかし

年金は、長生きしてしまっても困らないようにする保険制度です。

 

2030年代に年金半額3万円になる!?

2030年は、現在14歳の人が20歳になって年金払い始めるくらいの近い未来なので。人口構成はほぼわかっていますし、現在給付水準は大きな変化がない事もほぼ確定しています

その話をどこで聞かれたのかよろしければ教えて下さい。

 

1950年代は12人で支えての誤りがよくわからない。

その当時は年金支給開始年齢が低かったです。63歳で年金もらっている人が支える側の12人の中に入っていて、支える側が実態より多くなっています。支えられる側の数が少なくなっています。その当時も、もっと少ない現役世代の人数で、年金生活者を支えていました。

持ち家購入って、何かあるとすぐに無理になる。

無理になるのはローンを組む事なので、定年前後に安い中古物件を一括で買うのを目標にしてみては。

2024-08-01

anond:20240801131643

びっくりするくらいパソコン使えない人多いよ。授業でちびちびパソコン触れたところで、WordExcelPowerPointは使えるようになっても、ソフトインストールで頭悩ませる。タイピングなんてカスや。

で、俺みたいなゲームばっかやってた陰キャがそれなりに重宝されるのは気分いいんやが、過剰に期待されすぎて、「プログラミングもできる」「エラーを何でも直せる」みたいな変な勘違いされて困ることもある。BIOSとかセーフモードで起動するとか、そういうのはさっぱり分からん

2024-07-18

anond:20240120012918

Excel使用時にF1キーヘルプが開く機能(何十年だって言い続ける。滅んで。まじて)

PowerPoint使用時にF1キーヘルプが開く機能(本当に要らないのはイルカじゃなくてお前だからな)

・Teamsの高確率ファイル破損が起きるExcel共有ファイル編集機能

・Teamsチャット絶対にヒットしない検索機能(期待を持たずに済む分、存在しない方が人類幸福にに貢献できる)

2024-06-11

ExcelPowerPoint一生いじってるだけで設計コーディングプロジェクト推進もやってないのに小生はエンジニア技師であるってH立のおじさんが00年代から居たんで今更

2024-05-03

[]サラリーマンこわい話

数年前転職してきた(具体的な年数は記載しない。「a few years」の数年前)上司が飛んだ。もちろん形式上は通常の手続きでの自主退職だけど、引き継ぎなども特になくクロージングもなく「いなくなった」。

私もサラリーマン人生いから、今まで「鳴り物入り」の同僚や上司が来て、淡々と去っていくのを見てきた。中でも今回の「飛び」は印象深かったから、個人場所特定されない話として残しておこうと思った。

上司は本とその中に書いてある理論が好きだった。

推薦図書を全員にメールで送ってきた。結局ほとんど誰も読まなかったらしいけど、私は「上司の推薦図書=実質義務」だと思っているから、アマゾン中古本と図書館で借りることで一冊(アマゾンでも高かった)除いて全部読んだら「本が好きらしいので」と5冊持ってきて結局「義務」が私だけ5冊増えた。想像つくとは思うけど結局「読まなかった人へのペナルティ」も「読んだ人へのアドバンテージ」も特に無かった。もちろんそのあたりも最初から想定していたので特段の感慨はない。

感想?「何冊かは『読む』本じゃないよね」ということ。

仕組みやシステムを構築する時、困ったり抜けを確認するために該当箇所に当たってチェックする本だなというのが感想

就任後一ヶ月くらいで、私を呼んで分析用のデータ作成を指示してきた。

もちろんこちらも誠実に対処すべく質問をする。

網羅すべき内容は?」「全部」

「どのくらいの期間で?」「できるだけ早く。3日位で」

これを聞いた瞬間に感じた。

(ああ この方自分で読んでそして我々に推奨してきた本の中身を理解してない)と。

推奨図書のうち一冊には「なんでもそうだけど 内容を明確にして対処するのが一番大事だよね」的な書物があったんだけどな、ついでに自分仕事人生の中で「全部」と言われたデータが役に立った例は古今東西あった例はないな…と思いながらデータを取りまとめる。

想像通り3日で作ったデータは死蔵品と化して、最後まで日の目を見ることはなかった。

推薦図書の中に「全てのデータを取得してアウトプットして活用する」的な本もあった。

だけど上司アウトプット資料殆どたことがない。強いて言うなら文字位置がガタガタなPowerPoint位と画像貼り付けノートとして使われてたEXCELくらいかな。

データ使いこなすと言うならまずはMicrosoft Officeを使いこなしてほしいかな、と思っていたけど流石に直接そう話すわけにもいかなかった。

そんな中で上司招集課題案件対応するための会議が始まる。

予感はしていたのだけど「ここ(現業)は◯◯が低迷し…」から始まった瞬間、皆の顔が微妙に歪むのを観察していた。私も現職で数社経験しているから身にしみて知っているのだけど、私が努めてきたどこの職場でも「課題問題もある。それは皆わかってる。でも別に好きでそうなってるわけじゃないし誰かがサボってそうなってるわけでもない」。そこまでの経緯や体制など色々な原因が横たわっているからそこを改善しないとどうにもならない。それをさも「怠惰」が原因であるかのように話をしてもどのプレイヤーも得をしない。

予想はつくと思うけど、その後も会議はたくさん招集された。だけど上司から出てくるのは「課題」「問題」「事象」。いや、上司に求められているのはその3つに横たわる「原因」を分析する能力なんだ。それら3つはもう全員が理解してる。だからすぐに「会議を開くこと。そして上司の話を聞くこと」が会議目的と化した。そして上司目的語が大きかった。業務遂行するうえで、顧客のどの層を想定するかは割と大事ポイントなのだけど、常に上司の口からは「お客さん」というワードけが出てきた。それとなく傷つけないように目的語を会議中に修正した事は何回かあったけど結局最後まで変わらなかったな。

私の嫌な予感は的中し、上司の話を聞き流す人が着実に増えていった。

その結果どうなったか上司コミュニケーションの機会そのもの自分で減らしていった。立場上忠実(にならざるを得ない)直属の部下のみを招集しての会議のみがやたらと増えた。直属の部下は上司との会議のすぐ後に他部署との会議自分業務を抱えて辛そうだった。そのなかで上司はいつも5時になるとすぐログアウト。そして退社するのがルーティンになっていた。

いかいか、は別として、現職の経営層は管理職に「プレイングマネージャーであることを望む傾向が強い。仮にプレイングマネージャーでなかったとしても、課題問題もあるわけだから暇な訳が無い、だからポジション募集して貴方が来たんでしょう?と思うのはごく当たり前のこと。だからイマイチ何をしているのかわからないが毎日定時で退社する上司」が現職の職場で目立ち始めるのに時間はかからなかった。

私の現職の部署はやや職場位置特殊で、本社の中枢部分に数人のデスクがあり、分館みたいな所で私を含む大部分のスタッフが働いている。

そんな中で、上司は分館の会議室に脇目もふらず直行して会議だけ行い(内容は少し聞こえてくるのだけど、何かが決まっている雰囲気はあまり感じられなかった)会議が終わるととてつもない速さで分館からいなくなり、分館スタッフと話す事は殆どなくなった。

コミュニケーションを嫌がる(怖がる、かもしれない。少なくとも私にはそう見えた)ものからメールの返信もいつも一行から三行位。「ふわっとした」疑問形で返されることも多かったから、メール案件上司が介入した結果結論に到達せずに途中で止まってしまう事が多かった。

承認書類も途中で止まるようになった。上司承認が止まるものから業務案件も滞る。その中で招集された会議上司承認待ち案件について「あの案件が停滞しているのは何故?」という発言が当の上司から出てくるというギャグみたいな状況に数度直面した。

外部業者コンサルも好きだった。

でも両方とも魔法使いじゃない。外部業者コンサルと打ち合わせを行うと、初回で外部業者必要しているデータそもそも持ち合わせていないことがわかり数回の打ち合わせで大半が立ち消えとなり、事前検証や打ち合わせの時間分の工数が消える結果となった。

それでもいくつかの案件稟議通過した。

おそらくは経営陣側が「上司の力量に一旦は任せてみよう」という判断になったのだと想像している。その一方でこうも思った「後日経営陣は確実に費用対効果確認してくるだろう。まあ私が問われるわけじゃないからいいけど…」。

良くなかった。

私の対応分野は「問題課題解決」や「業務の仕組み再構築」。

基本的には与えられた条件の中で新たな費用を発生させないことを前提としているが、どうしても少額の費用最近はサブスク的な月1000〜2000円とかの定期支払いが多い)が必要になる時があるが、そういう少額費用の決済が恐ろしく渋くなった。どれだけ費用対効果説明する資料を作っても駄目。

その中で「稟議通過したこの件だけど、まだまだ足りないかもっともっと金を使うぞぉ」的な資料を見つけてしまいため息しか出なかったのをよく覚えている。

結局はこの稟議案件数件が致命傷になったようだ。

会社数字でのリターンを求めてくる。でも部下とのコミュニケーション同様「ふわっとした」説明しかできなかったらしい。資料を作って見せるスキルもないからすっかり経営からマーク」されたらしい。

その結果、上司が分館に来て誰とも目を合わさなテーブルデスクではなく)で黙々とノートPCと向かい合って「何か」をして、5時になると姿を消す姿を連日目にするようになった。

から退職の話を聞いても何も驚かなかった。

だけど一つだけやっておきたいことがあった。

着任後半年くらいしてから現業未来像をどうするか」でブレーン・ストーミング会議を行いたいと言われてメンバー招集されたことがある。

結局はブレーン・ストーミングでもなんでもなかった。

役員が”将来像”は『A』になると言っているから、皆『A』にするための方策を考えて」だった。

私は基本的官僚スタッフなので、方向性として示された事をいかに実現させるかに頭を絞るのが職務だと捉えている。だがこの件は看過しているとまずいと考えて話をさせてもらった。「『A』はできない訳ではないのですが、会社体制対応のものを変える必要があり現職の状況には沿っていないと考えます。恐らくなのですが『B』という考え方があり…」とホワイトボードを使って説明した。参加者全員が納得してくれ、上司も「まあいいでしょう」と話をして次の会議予定を設定した。

次の会議になった途端、上司が『A』の話をし始めた。私から「先日お話した『B』の話は役員にしていただけましたか?」と話したところ「役員は『A』と言っているから」の一点張り。結局この将来像は、微妙にどうなっているかからない状態になっていた。

上司退職が決まって10日後位のこと。この”将来像”とは別案件で当の役員が来ることになった。別案件とは書いたが、この別案件の作り込み方は”将来像”によって180度に近いくらい作り込みが変わってくる。私もそれで悩んで色々な絵図面を散々描いては直し、を繰り返してきた。

私が事前に”将来像”について役員に直接確認する必要があるよねという話をしていたので、自ずと役員を前にその話題に流れていくことになった。

役員笑顔で話してくれた”将来像”は…

『B』だった。

私が話した内容とほとんど一致していた。

誤解しないでほしいのは、別に自分の自慢をしたいわけじゃないということ。

何故このような意思疎通の不全が起きたかということだ。

少しだけ捕捉すると『A』は「0か1か」の案で、『B』は「濃淡をつける」案。

外部の方からするとどっちも似たようなものに見えるのだが、実際は業務の作り込みから顧客への応対からシステムから何もかもが違ってくる。

恐らくなのだが、役員が『B』で話したのを、上司忖度して「役員の期待?に応えるためにはもっと厳しくしないと!『A』じゃないといけないだろう」と脳内変換したのではないかと推測している。

念の為だけど上司を責める気はまったくない。誤認や勝手忖度は初めての案件場合よくあること。問題はそこからどう修正するかであり、それを可能にするのがコミュニケーションだと思っている。

その会議には退職間近の上司も参加していてほとんど何も喋らなかったが、役員が『B』を笑顔で話している時に上司をちらりと見たところ、ずっと下を向いていた。

会議後、役員は次の会議に向かった。そして上司はそっと席を立った。その時、他部署の方が「◯年前にさっきの話を聞いていればこんなに時間からなかったのに…」と言っていたのが全てを表していたと思う。

その日から10日間、上司ほとんど別館のテーブルノートPCをおいて「何か」を見ていた。手は殆ど動いていない。誰かと会話する時間は一日10分程度。それでも定例の直属部下とのミーティングは開催されるし、案件会議には一応「出た」。そしてほとんど何も喋らなかった。

外部業者ほとんど実現可能性のない案件相談から次の打ち合わせの打診がメールで入ってくると「◯◯が設定します」の一行メールで返信が入ってくる。当該◯◯さんに「どう進めます?」と聞くと「話聞いてそれで終わりだねー」と「せやな」で返すしか無い見解いただき安心した。つまり上司が片っ端から声をかけてきた外部業者コンサルトのルートはほぼすべてがクローズされるという結果となった。

そして、上司最後に二回だけ話す機会があった。

一つは大きめのプロジェクト案件で私が話した内容。

実は十数年前現業転職したときから気になっていた。

やっと手が出るようになったのだが、他部署に関わることのため話の持って行き方をずっと考えていた。何とかうまく「敵に回さないよう」話ができた後、上司からしかけてきて「やっぱりダメだよね◯◯部署。ところでXXのデータには当たってみた?」

‥いや違うんだと。◯◯が怠惰でやっていないのではなく、現職の業務体制で手が出ていないだけでそこに「悪」存在しないんだと。そして私がやるべきなのは問題提起と提案まで。実務は◯◯に依頼しなくてはならないから、私がXXに当たる意義はほぼないんだと。何より私はただ一件の話をしているのではなく、背後に眠る数百件の類似ケースとその検証に手を回せない体制改善しようとしているんだと。

純粋な親切心でそこまで言おうかなと迷ったが、意味も意義も無いのでやめた。

もう一回は最後最後

退職1時間前に退職事由説明した長いメールが届いた。

退職メールではなく、普段から自分の口と文章資料経営陣とも部下ともコミュニケーションを怠らず「わかってもらう」努力を欠かさなければ結果が変わったかも…)と思いながら返信。

返信した30分後位に挨拶に来た。

聞いてみたところ、メールを出してすぐログアウトしたので返信は見ていないとのこと。

なので私の画面で返信をお見せした。

私の返信を要約すると「理論大事。だけど現実リンクさせないと殆ど無駄打ちに終わる」「コミュニケーション不在はやばい」となる。できるだけ親切に描いたつもりだった。

上司から感想はなかった。「頑張ってください」の一言だけだった。

私も想定内だったので「ありがとうございます」と挨拶した。話を聞く限り返信を返したのは私だけのようだ。

恐ろしいのはここから

上司が退室して10分後には「なんの支障もなく回る活発な職場」「上司がかつて通した稟議案件は(経営陣が追加コストを嫌気して)廃止になるかもしれないから準備をしておこう、と話すスタッフたち」の姿が。

…そう、最初からそんな人は「いなかった」んだよ。という扱い。

程度の問題ではあると思うんだけど、人間には承認欲求というごく当たり前の感情があるはず。これが怖くない人はいないと思う。

そのために何をすればいいか、という自戒も込めてここに残しておく。

https://anond.hatelabo.jp/20240502110846

2024-02-17

このレベルパソコンに詳しいオタクだと思われてる

PowerPointスライド作成し、USBメモリに保存して持ち運ぶことができる

Word作成した文章コンビニ印刷することができる

HDMIケーブルパソコンプロジェクターにつなぐことができる

LINEグループ上にあるパワーポイントファイルを眼の前のパソコンに移したいとなったとき、一旦スマホダウンロードし、メールで送るか、スマホの充電ケーブルを持ってきてパソコンファイル転送する

これだけで女子からパソコンに詳しいパソコンオタク陰キャ扱いですよ

陰キャの部分しか合ってない

2024-01-29

anond:20240126165406

先ほど出社して確認したところ、ExcelPowerPointともアップデート配信されており

無事、Word同様「後でサインイン」が表示されなくなっていることを確認いたしました。

Androidにおいては、Microsoft365アプリを含め、最低限無料Microsoftアカウント必要、となった模様です。

流石にフリ垢作って使ってください、とはアナウンスできないんで

M365プラン無い人にはPDFで送ってください、と周知するしかないですね。

アプリ設定する必要がなくなるし、結果良かった、と受け取ることにします。

ありがとうMS

2024-01-26

Android版のWord

閲覧だけならサインインなしで使えるようにしてほしいなぁ。

AndroidMSExcelWordPowerPointは、

初回起動時にサインインを促す画面で、「後でサインイン」をタップすれば閲覧専用で使えてたんだが

Wordだけ「後でサインイン」が表示されなくなったことに気が付いた。

中央NYCみたいな画像が、Wordだけ若干下にズレている気がする。いやずれてる。

まりデザイン上の不具合で見切れているだけっぽい。

デカい、というか縦に長いスマホだったりであれば出てくるんだろうか?

そしてこれは戻るんだろうか?ExcelPowerPointに波及するのは嫌だなぁ。

2023-11-24

キャリアカウンセリング相談したらハローワーク職業訓練を勧められたけど、

やっぱり無駄だし効果ないよなー

チラシを見てもWordExcelPowerPointといった、そんなの既に出来てるような内容ばかりが並んでいるし

何より空白期間とみなされるってのがキツい。

ほんと、日本はなんでこんなにも空白期間に厳しいんだ…そのくせ働かない人間を責める事ばかり熱心だし。

とにかく何処にも採用されないんだから働けねーんだよ!!!

https://pt-ot-black.com/useless/

職業訓練はもろに空白期間だと見なされます

職業訓練に通っている期間は、履歴書記載することができるため、空白期間だと見なされないと言われたりします。

私も訓練に通っていた頃は、訓練校やハローワークからこうした話を聞きましたが、これははっきりいってウソです。

上記解説したように、授業の質は低すぎるので、もろに空白期間だと見なされます。」

2023-07-18

Microsoft WordPowerPointも、なぜページ概念なんだよ。いいかげんにページを捨てれ

2023-06-28

AIマイクロソフトオフィス自動化されるらしい

Teams 会議議事メモ作成したり、チャットで指示を与えることでCopilotに組織データを探して来させて、要約して表示したりできるようになります

Word 文章作成編集、要約、作成支援します。短いプロンプトを与えるだけで、Copilotは必要に応じて組織全体から情報を引き出してドラフトを生成します。

Excel データ分析やその後のグラフ化等の作業支援してくれます自然言語でCopilotに質問をすることで、相関関係を明らかにしたり、何があった場合シナリオ提案したり、あなた質問に基づいた新しい数式を提案したりします。

PowerPoint ユーザーアイデアを鮮やかなプレゼンテーションに変えるお手伝いをしてくれます既存書類スピーカーノートソース付きのスライドに変換したり、シンプルプロンプトや、ユーザー自作アウトラインから新しいプレゼンテーションドラフトを生成することができます画像生成にも対応しているので、

Outlook 返信の下書き等を書いてくれることで、メールの整理にかかる時間を減らし、より効率的コミュニケーションを取ることができます

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/blog.cloudnative.co.jp/17975/

なんかしゅごそうだけどだれか説明たのむ

2023-06-09

anond:20230609092523

前の職場

ExcelPowerPointも使えずその代わり後輩の気が弱いのを脅すことに長けていた同期のあだ名日体大だった。

実は拓大だったのにな!

2023-06-07

GoogleチャットAI Bard 無能

Bard>接続成功したら、左側のナビゲーションバーで、[レポート]をクリックします。

私>ここがわかりません。そのようなボタンは私の画面には表示されていないように思います

Bard>申し訳ありませんが、Looker Studioの画面がわかりません。画面のスクリーンショットを添付していただけますか?

プロフィール写真

私>すいません、どうやって添付すればいいのでしょうか?

Bard>添付ファイル送信するには、次の手順に従います

メールソフトを開きます

送信アドレス入力します。

件名を入力します。

本文を入力します。

ファイルの添付」をクリックします。

添付するファイル選択します。

送信」をクリックします。

添付ファイルサイズが大きい場合は、メールソフトの設定でサイズ制限を変更する必要があります。また、添付ファイルの種類によっては、メールソフトで開けない場合があります

添付ファイル送信に関するマナーは、次のとおりです。

添付ファイルサイズは、2MB以内に抑える。

添付ファイルの種類は、PDFWordExcelPowerPointなどの一般的ファイル形式にする。

添付ファイルの件名をわかりやすくする。

添付ファイル送信先は、必ず確認する。

これらのマナーを守って、添付ファイル送信しましょう。

プロフィール写真

私>いま、あなたに、画像を送るためにはどうすればいいでしょうか

Bard>申し訳ありませんが、私は画像を受け取ることができません。私はテキストのみを処理できます

プロフィール写真

私>おまえがスクリーンショット欲しいっていうたんやろが

他の回答案を表示

Bard>申し訳ありませんが、私はスクリーンショットを撮ることができません。私は言語モデルであり、スクリーンショット機能を備えた物理デバイスではありません。

FFFFFF○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○K!!

2023-05-31

日本人が生成AIに苦手なことをやらせるのはアトムのせい

おれたちは生成AIに苦手なことをやらせがち

〇〇について教えて系の質問は全部ダメ。堂々と嘘をつくのは勿論、回答が抽象的すぎて役に立たないことが露呈した。

この批判がまさにそうなのだが、どうもわれわれ日本人は「ChatGPTが一番苦手なこと(≒自分が知らないことを教えてもらう)にChatGPTを使おうとする」という傾向があるらしい。日本の経営者に聞いたChatGPTの使い道のアンケートでは、「仕事で調べものをする時に活用する」が39.3%でトップだ。これが米国の職場でのChatGPT利用法の調査だと、上から順に、


となっていて、情報検索や調べものタスクは上位5位に入っていない。総じて米国の働き手は、ChatGPT自分情報インプットするためのツールではなく、自分他人情報アウトプットするためのツールととらえている。

生成AIは「続きを書くAI」でしかない

深津氏も折に触れて言っていることだが、生成AIは元々「文章の続きを書くAI」であり、それがスケーリング則によって多くの拡張能力を獲得したものだ。だから一番得意なのは、「プロンプトで与えたテキストを指示通りに加工すること」(校正・要約・分類・翻訳など)と「プロンプトで与えた指示によって、新たにテキストを作り出すこと」(作文・提案問題作成・コード作成・ロールプレイなど)だ。元々そのようなことを実行するための仕組みなのだから、ここがスイートスポットになるのは当たり前だ。少し触ってみて、何ならうまくいくのか、何だとうまくいかいか自分なりに検証して結果を見れば、今のChatGPTテキスト加工器・テキスト生成器として使うのが一番いいということがすぐわかるはずだ。増田自身

ギリギリ使えるのが長文の要約系と、コーディングの補助くらい。

と書いている。その通り。そこが一番使える用途なのだ。つまり元増田も、体感的にはそれがChatGPTの一番得意なことで、情報検索は不得手だとわかっているのに、不得意なことをバリバリやらせて、その結果に失望している。GPT-3やGPT-4は「2021年9月以後の情報は持たない」と折に触れて回答してくるのにも関わらず、生成AIハルシネーション問題がこれだけ広く注意喚起されているのにも関わらず、それを調べものに使って勝手にガッカリしているのである

日本人は生成AIに知性を幻視しがち

これは元増田だけではない。自分の周囲にも、同じことをやって同じようにガッカリしている連中がたくさんいる。おれは、これが日本人文化的歴史的に〈ファンタジーとしての汎用人工知能(AGI)〉に馴染みがありすぎるせいなのではないかと思っている。自律思考型のロボットアンドロイドが登場する数々の創作に触れ続けたことで、我々には「思考能力を持つ、優れたAI」というもの存在が、脳内に〈リアリティある未来〉としてインストールされている。だから、おれたち日本人は、「AI対話的なテキストコミュニケーションができる」となった瞬間、その対象一定の知性を仮定してしまう(これはもちろん、ANI(特化型人工知能)にすぎない今の基盤モデルに対しては、高すぎる期待だ)。そして自分の知りたいことを問いかけては、的外れな答えが返ってくることに失望嫌悪する。これは「知性のようなものが、実際はそうでなかった」ことに対する、一種の「不気味の谷」反応だ。

アメリカ人にとってChatGPTテキスト加工器

上のサーベイで取り上げたアメリカ人のChatGPTの使い方を見ると、彼らが全くそんな幻想を持っていないのがわかる。これはキリスト教圏における、おそらくは宗教的タブーに紐づいた、人間非人間のあいだに設定された懸隔の大きさと無縁ではないだろう。彼らは、人間以外の存在には軽々しく知性を見出さず、あくまで〈道具として〉ChatGPT使役する。だから回答の正否を自分判断できないようなことは聞かない。テキストの加工器として、あるいはアイディアの生成器として使うだけだ。生成された結果の善し悪しは自分評価し、使うか使わないか判断すればよい。そういう道具を使って、作業時間を大幅に短縮しつつアウトプットを仕上げる。そのような使い方が、今のところはChatGPTや生成AI用法ベストプラクティスということになるだろう。

マイクロソフトにとって生成AI作業アシスタント

そのことは、マイクロソフトの365 Copilot実装のデモ動画を見てもわかる。スピーカーは、人間操縦士であり、Copilot(GPT-4ベースのChatGPT兄弟)はその名の通り副操縦士だとして、両者の主従関係を繰り返しアピールする。Copilotは忠実な僕として、人間プロンプトで指示したことをやる。娘の卒業パーティのために会場の予約メールから情報抽出し、友人達に送る招待メールの文面を書き、OneDriveから写真を引っ張り出して、指定したトーン&マナーパワポ作成し、画像を生成し、アニメをつける。Wordスピーチの文案を作らせ、みんなから戻ってきたエピソードを適度に切り貼りさせる。あるいは職場で、商談相手に向けたWordドキュメントを補完させ、それをPowerPointコンバートさせる。Excelで昨期の売上低下要因について考えられる候補をいくつか出させ、そのひとつを掘り下げて分析させ、ボトルネック要素を改善した場合予測をさせる。

これだけてんこ盛りのタスクショーケースの中に、「ローカル側にデータ存在しないことに関する情報検索・調べもの」が入っていないのがわかるだろうか。つまり、生成AIというのはそういう使い方をするものではない、という話なのだ

調べものに使うなら、調べもの用の低能力なAIを使え

かにBingは出典リンク付きで答を返してくるが、これはGPTのような基盤モデルにとってはあくまで余技の類だ。本来一番得意な「生成」の能力を制約しつつ、リアルタイムブラウジング機能を持たせた結果、何とかそのように動作するのであって、逆にBingやperplexity.aiテキスト生成・加工がめちゃくちゃ苦手だ。つまり「正確な情報を返すこと」と「新たなコンテンツを生成すること」は、現状の生成AIにおいては相反する要請だ。どちらかを重視するなら、それが得意なAIやらせればよい。

裁ちばさみで鼻毛を切るな

ChatGPTを調べものに使って文句を言うやつは、裁ちばさみで鼻毛を切ろうとしていることに気がついてほしい。とにかくおれたちはアトム幻想を一旦捨てなければならない。生成AIは、知性ではなく道具だ。道具だから、お前が使った通りに動作する。動作結果に不満があるなら、用途が間違っているか、指示が間違っているか、その両方だ。


anond:20230531122439

2023-04-18

油断すると出てくるいらすとやを早くAIで撲滅してほしい

ちょっと油断するといらすとや画像が出てきて気分悪い

PowerPointをつかったポップ体の地区バザーの案内ぐらい気持ち悪い

はやくAI駆逐してほしい

2023-02-14

仕事お絵かきツール

名前がよくわかんなくてあんまり調べられてないんだけど、

仕事上で概念図とかフローとかなんとなーく絵を描くことがあるじゃん

そのときwindows標準あたりで入っているツールの方がありがたいって理由だけで、powerpoint使ってるんだけど、

他にいいツールがあれば教えてほしいなぁ、と思ってます

よろしくお願いいたします。

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