「焦土作戦」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 焦土作戦とは

2025-11-16

なぜ威勢のいいリーダースローガン正反対の結果を招いてしまうか

トランプ

関税を上げれば、奴らは頭を下げてくる」

 → 「撤回する。レアアース売ってください」

「1週間でウクライナガザ戦争を終わらせる」

 → プーチンネタニヤフ「俺の条件を呑め」トランプ「聞いてないよ・・・

「エプスタインファイルを公開すれば民主党は終わりだ」

 → 「エプスタインファイル公開法に賛成した奴は、裏切り者でMAGA失格」

ヒトラー

「優秀なアーリア人種が、栄光第三帝国を築く」

 → 「優秀な人間は死んだ、戦後に残るのはどうせ劣った人間だけだ、帝国内の資産をすべて破壊せよ」

毛沢東

「ぼくのかんがえた さいきょうの農法なら、3年間で大躍進、アメリカに追いつける。スズメを殺せ、密植しろ

 → イナゴ大発生、3000万人餓死スターリンスズメ送ってくれ。

 → 工業でも銑鉄を大量に作らせ、むしろ逆効果

 → 「誰かが妨害たから失敗した。紅衛兵犯人を探して吊るせ!」

 → 粛清の嵐。共産党粛清文化天安門現代にまで繋がる。

チェ・ゲバラ

流通土地制度? 知らん。人間精神力経済が変わる。新しい社会主義人間を創る」

 → キューバ砂糖生産計画が大失敗。

 → コンゴボリビアでのゲリラ戦地元支持を獲得できず、捕縛処刑

ボルソナロ

「腐敗を一掃し、アマゾン経済成長に利用、ブラジルを強い軍事国家にする」

 → コロナ対策否認南米最大の死者数。

 → 開発促進により国際批判貿易投資で不利に。

 → 選挙で負けたら軍部と支持者が暴徒化、退任後ブラジリア連邦議会襲撃。

 → クーデターを試みたとして禁錮27年3カ月。

エルドアン

「強いトルコを蘇らせ、世界の中心に返り咲く」「金利は悪。利息を禁止する」

 → 中銀総裁連続解任、トルコリラ暴落。国際孤立

高市早苗

世界の中心で咲き誇る日本外交」「台湾有事存立危機米軍と一緒に台湾を守る」

 → 薛剣発狂トランプ同盟国も友人じゃないが?」

どうしてこうなる?


右や左の問題じゃない。知性や道徳問題でもない。

これら威勢のいいリーダーポピュリスト、もう少しはっきり言うなら「デマゴーグ」たちが、スローガン真逆の結果を招いてしまう原因は、大きく分けて4つある。

1. 複雑な世界社会を、単純化して語る。複雑系に単純な力技は逆効果
2. 強い言葉は、強い政策遂行能力意味しない。期待だけ上げてむしろ実行困難になる。
3. 脅威と反作用過小評価し、悪いニュースから目を逸らす。
4. スローガンが実現しないと、最後は味方を攻撃し始める。


この4つのメカニズムが、スローガン正反対の結果を引き寄せる。

1. 複雑な世界社会を、単純化して語る。複雑系に単純な力技は逆効果


デマゴーグは、複雑な世界社会理解できない支持者を狙って、単純なスローガン世界を動かせる、社会を変えられる、と主張する。

だが現実非情である

国内社会制度であっても、複数変数相互作用で動いている。

単純で強い指示ほど、副作用を爆発的に増やしてしまう。

外交においてはさらに顕著となる。

デマゴーグ相手国の都合を無視しがちだが、威勢のいい言葉は、相手から反動を必ず引き出す。

どれだけ威勢よく言おうが、相手自分利益で動く。

複雑系に単純な力技を当てると、構造的に必ず、反作用が跳ね返ってくる。

外交戦争経済などは、制度や前史・資源の制約によって決まり、威勢のよさと結果は全く別物である

2. 強い言葉は、強い政策遂行能力意味しない。期待だけ上げてむしろ実行困難になる。


政治学ではよく知られているが、強い言葉で得られるのは支持ではなく「期待値の上昇」である

デマゴーグは人気を得て政権を取りやすいが、取った後のハードルは上がり、実現はかえって難しくなる。

例えばトランプは、実現不可能政策をぶち上げてはそれを引っ込めることを繰り返し

TACO(Trump Always Chickens Out.) と言われるようになった。

支持率は上昇も下降も早い。

支持率が高ければ高いほど、期待値けが肥大化し、必ず失望へ転化する。

結果としてスローガンと反対の結果になる。

3. 脅威と反作用過小評価し、悪いニュースから目を逸らす。


デマゴーグとその側近は、必ず敵をあなどり、過小評価する。

ロシアウクライナを3日で下せると高を括って無理攻めしたことで、ウクライナはゼレンスキーの下で結束してしまった。

プーチンはゼレンスキー政権ネオナチと呼んだが、皮肉にも、プーチンナチスドイツと同じ失敗を繰り返した。

ヒトラー東部戦線ソ連過小評価したことで、逆に総力戦動員を引き出してしまった。全く同じだ。

ウクライナは弱い、とプーチンは信じていた。

イエスマンで固めた側近、自分古巣である諜報機関からの報告を信じた。

だが、側近や諜報機関は、敵よりも上司を恐れており、プーチン弱気の報告を上げる方がよほど怖いと考えたのだ。

威勢のいいリーダーは周囲に、本当の悪いニュースが上がらない、現実乖離した仕組みを作ってしまう。

4. スローガンが実現しないと、最後は味方を攻撃し始める。


威勢のいいスローガンは、熱狂とともに共通の敵を作り、仲間を結束させる。

だが、敵を倒しきれないと熱狂が冷める。

イラクには戦争大義であった大量破壊兵器は、最初から存在しなかった。

ブッシュ・ジュニアは、史上最低の支持率とともに退任した。

ディープステートのように、存在しない敵であればなおさら、倒すことも証明することもできない。

陰謀論で台頭した政権には、失敗が約束されている。

最終的に、デマゴーグは側近への信頼を失い、支持者を恐れるようになり、味方の中から裏切り者を探して攻撃し始める。

毛沢東スターリンポルポト、みな粛清に明け暮れた。

ヒトラーは「国民こそ裏切った」「生き残っているのは劣等民族」として最後焦土作戦命令した(ネロ指令)。

トランプはちょうど、自分に票を投じたMAGAの人々を敵と呼び始めたところだ。

5. そもそも、威勢のいいリーダーを信用するな。


・・・でもな、実は5つ目の原因がある。

地球上にこれだけ「威勢のいいリーダーほど逆の結果を招く」例があるのに、

それでも強いリーダーを求め、わかりやすい嘘をつくデマゴーグを求めてしま主体は、国民だ。

「こんなことになるとは思わなかった」と言い、デマゴーグのせいにしたり、反対者のせいにしたりしながら、

また次のリーダーを探してしま・・・そんなお前ら=俺らが何とかしないといけない問題だよ、これは。

SNSが発達して、このビョーキは以前よりひどくなってしまった。

興奮と熱狂政治家を選ぶな。威勢のいいリーダーほど、疑いの目で見ろ。

11/16 20:57 追記


乱文をそれなりに読んでもらえてありがたい。

高市批判サヨク認定されているのは笑ってしまった。俺は筋金入りの自民党員なんだがな。

AI認定は外しすぎ。全篇手打ちだ。

俺が、冒頭の失敗例にスターリンポルポト習近平を挙げていないのは、

この3名が「威勢のいいリーダー」に数える価値もない、保身だけの凡愚だからだ。

プーチンに関しては、正直、最後まで迷った。

他方で、威勢のいいリーダーの中には、ごく少数、成功した者もいる。

その点について以下に追記する。

正反対の結果を招かなかった威勢のいいリーダー希少種)。

俺が個人的に認めうるのは、チャーチルと、リー・クアンユーの2名だけだ。

日本では吉田茂アメリカではFDRが、最も惜しかった。

アタテュルクドゴールベングリオン鄧小平朴正煕などがそれに次ぐ水準にあると考えている。

だが、この7名は大きな失敗を挽回できずに終わり、その失敗はその後数十年たった今でも、国の行く末に影を落としている。

7名の失敗が何であったかは、ここでは触れない。それぞれの国の歴史を学べばわかるはずだ。

これら計9名のリーダーは、非常に複雑で困難な政策に取り組み、粘り強く達成した。
政治信条の異なる国内外の敵対勢力とも手を結んだ。
そのせいで国民理解を超え、現役時代支持率はしばしば低迷した。評価は死後に高まった。
そして例外なく、人口ボーナス恩恵を受けていた。

この4点が、スローガン正反対の結果を招かずに済んだ原因だ。

これらのリーダーにあって、威勢のいい言葉は常に「国民一時的負担負債我慢させるための嘘」として使われた。

彼らのほとんどが、生前そのことを正直に認めている。

国民の多くがその嘘を、嘘と知りながら渋々従った、あるいは軍事力で抑え込まれた、という面もあったろう。)

威勢のいいリーダーを強いリーダーと見なすのは誤りだ。

それは百害あって一利ない。

威勢のよさは、リーダーの弱さをこそ、表している。


俺は個人的に、高市軌道修正に期待している。

威勢のいい台詞、うすら寒いスローガンは要らん。

参政党やへずまりゅうなんて真似するな。

人口オーナス期で苦しいのは皆わかってる。

日本メローニになってくれ。

2025-08-27

三菱商事洋上風力撤退について当時からの流れを整理したい

追記

あらぬ誤解が発生しつつあるので明記しておきますが、私は京大レノバを含めた洋上力業界とは一切関係のない一般人増田です……

----

 

2021年に端を発するためか、そもそも何が起こったのかを知らぬままSNSで騒がれている様子が散見されたので、読みづらくならない範囲でまとめたいと思う。

三菱商事社長会ライブを見ていて、彼らの責任の重さが伝わってこなかったので、書くことを決めた)

 

1. 再エネ海域用法に基づく洋上風力発電事業者公募

洋上風力発電事業は、基本的に「海域占有して発電を行う権利」を国が事業者に与える仕組みで進められている。

海は公共財であり、漁業者航路利用者との調整が不可欠なため、公募占用制度と呼ばれる仕組みが導入され、国が事業者を選定する。

 

流れを単純化すると次のようになる。

  1. 国が「この海域洋上風力に使ってよい」と指定
  2. 事業者が「発電規模」、「価格いくら電気を売るか)、」「地域との共生策」などを提案
  3. 価格実現性地域調整力などを総合評価し、最も優れた事業者に30〜40年という長期の占有権を付与

まりこの公募は、一度勝てば1兆円規模の事業権を数十年にわたって独占できる巨大なビジネスチャンスであり、それ以上に今後の洋上風力発電業界を「誰に任せるか」にも影響するという、日本エネルギー戦略を左右する重大な制度設計である

 

その最初の本格的な実施が、2021年12月に行われた「ラウンド1」であった。

このラウンド1は特に注目を集めた。なぜなら、由利本荘(819MW)、能代・三種・男鹿(478MW)、銚子(390MW)という3つの大規模案件を一度に公募という、極めて異例のやり方を取ったからだ。

 

国の狙いは明快だった。

まりラウンド1は、単なる民間企業の入札競争ではなく、国家的な産業政策の号砲といえた。

 

2. レノバという存在

このラウンド1における主人公に"株式会社レノバ"がいるのだが、そもそもその存在を知らない人も多いだろう。

 

レノバ従業員300人程度の再エネ専業ベンチャーにすぎない。

だが今回の舞台となった地域の1つ、秋田県由利本荘市沖への洋上風力発電事業参入を早期から表明し、2015年から風況観測地盤調査を始め、2017年以降は環境アセス漁業者説明会を重ね、さら2020年にはCOOを常駐させた地元事務所を設置した。

特に2020年コロナ禍で説明会対話すら難しい時期も、彼らは現地に足を運び続け、「地元で汗をかいた」という実績がレノバ存在を支える最大の資産となっていた。

漁場などに大きな影響を与えうる洋上風力発電では、通常の公共事業以上に地元との協力体制実現性を左右するからである

 

これら積み重ねに加え、当時の再エネブームやESG投資(Environment, Social, Governance)の追い風を受けて金融からも支持を受け、コスモエコパワーや東北電力JR東日本エネルギー開発との連携につながり、ベンチャーながら由利本荘における“本命候補”と目される素地になった。

 

3. ラウンド1の衝撃

しかし、2021年12月に公開された結果は社会に衝撃を与えた。

なんと、三菱商事率いる連合由利本荘を始めとする3地域すべてを総取りしたのだ。

 

 

当時すでに鋼材や資材価格の高騰は誰の目にも明らかで、業界では「12円を切る水準は採算が合わない」という声が多かった。

公募直後の2022年2月からウクライナ進攻が始まったのは運が悪いともいえるが、とはいえ、元々が数十年スパンを見据えた公募である。そのような長期リスクも踏まえて算出された価格であるというのは大前提である

また、レノバのように事前調査地元への根回しを十分に行う事もなく、まさに青天霹靂といったダークホース具合だった。

 

結果として、三菱商事が総取りした事実は、たとえあのまま事業が実現したとしたとしても、制度本来目的――国内複数事業者が“並走して”サプライチェーン人材基盤を育てる――は事実上無に帰した。

特に“実績の少ない市場”の立ち上げ期は、複数施工保守プレイヤー経験曲線を描ける余地が不可欠である競争果実を1者に集中させる設計は、調達単価の見かけの最小化と、産業基盤脆弱リスクとのトレードオフ過小評価やすい。

 

とはいえ、ラウンド1総取りはそのようなリスクも分かったうえで、"あの"三菱商事が総取りを仕掛けたわけで、さすがに何らかの根拠戦略により、三菱グループという責任を背負って完遂してくれるだろうという淡い期待もあった。

 

また当然の帰結として、最大6000円超まで伸長していたレノバ株価は、1500円以下まで急落し、3日間で時価総額が1800億円溶けたという報道も流れた。

 

4. 三菱商事撤退と“裏切り

そしてその3年半後となる2025年8月現在

知っての通り、三菱商事由利本荘を含む総計1,742MWの3案件能代・三種・男鹿478MW、銚子390MW)から撤退正式表明となった。

こうして大規模洋上浮力発電の2030年運転開始どころか、大幅な遅延が必至となり、三菱商事による根拠不明焦土作戦の末、国家エネルギー戦略時間は失われた。

 

  • 金利上昇・資材高騰で採算は完全に崩壊
  • 長期的な損失見込みは数千億〜1兆円規模

 

経営判断としてたった数百億で済む現時点での撤退合理的ではあるが、松下幸之助が説いた「企業社会の公器である」という理念に照らせば、三菱商事責任は極めて重大である

国家戦略の根幹をなす案件を総取りし、他社の芽を摘んだうえで、採算悪化理由に放り出す。その結果、失われたのは単なる帳簿上の赤字ではない。系統接続枠や港湾整備計画といった公共資源、そして地域住民漁業者との信頼関係といった“社会資本”が無為に浪費されたのである

 

三菱なら最後までやり遂げる」という社会的信頼があったからこそ国も地域も委ねた。だがその信頼を踏みにじり、制度全体の信憑性を瓦解させた責任は、一企業経営判断矮小化できない。

いま問われるべきは、"三菱"という組織社会責任を真に果たす覚悟を持ち得るのか否かという点である

 

5. ラウンド2以降のルール変更

時を戻して、2023年12月に結果が発表されたラウンド2以前に目を向けよう。

 

ラウンド1の結果を受け、国は制度見直しに動いた。

 

 

要は、ラウンド1で生じた「安値総取り」と「地域調整軽視」の反省を踏まえた調整だった。

だが同時に、それは元々の制度設計いか脆弱で、現実を見通せていなかったか証左でもある。

 

併せて、ラウンド2の見直しめぐり、「負けたレノバロビイング活動ルールねじ曲げられた」との論調も当時出た。(まあ、こちらはこちらでかなりの無茶したようだが……)

しかし実際の改定は採点枠組み(120/120)を維持しつつ、総取り防止の落札制限実現性評価補正情報公開スケジュール見直し等、市場の立ち上げリスクを減じる方向が中心だ。特定企業の“救済”というより、極端な安値一極集中副作用に対する制度側のバックストップ強化と整理して良いと思われる。

 

再エネ議連が毎週、圧力をかけた成果で、5月に入札ルールが変更され、6月に行われる予定だった第2回の入札は来年3月に延期され、審査方法も変更された。野球でいえば、1回の表で負けたチームが審判文句をつけ、1回の裏から自分が勝てるようにゲームルールを変えたようなものだ。

http://agora-web.jp/archives/220630094751.html

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/agora-web.jp/archives/220630094751.html

エネルギー素人池田信夫氏による批判記事と、それに同意するブクマの数々を一例として示すが、三菱商事が自陣の提示した価格の安さで撤退した今となっては笑うしかない。

ここについては2025年視点から結果論でもあるので、これ以上のコメント差し控えよう。

 

6. 焼け野原ドミノ倒し懸念

ラウンド1の失敗が避けられなくなった結果、この先の洋上風力発電市場、ひいては国家の再エネ政策全体に深刻な影響を残した。

反原発層はここにこそ大声上げるべきだと思うんだけどな。

 

ドミノ撤退リスク

三菱商事撤退検討に至ったことで、「三菱ですら無理なら誰がやるのか」という冷笑が広がり、外資国内他社も日本市場消極的になった。ラウンド2以降も撤退連鎖が起きる懸念現実味を帯びている。

市場育成の失敗

本来は「長期的に産業人材を育てる場」として設計された公募が、逆に「信頼を失わせる負の前例」となってしまった。

安値入札が勝者となったラウンド1に引きずられ、ラウンド2以降も価格面で無理をする形での参入がベースに。市場育成の健全な芽を摘んだ。

 

7. 終わりに

ここまで三菱商事への糾弾を重ねてきたわけだが、真に責任を負うべきは、まともな制度設計をできなかったMETI(経済産業省)である

 

洋上風力は国家戦略の柱であるはずが、その最初の大規模公募制度不信を広げ、時間という取り戻せないコストが支払われる結果となった。

後付けの修正で糊塗しても、信頼は回復しない。

必要なのは第三者機関を交えたラウンド1の反省と、現実直視した制度設計を国が改めて示すことであると考える。

 

8. おまけ

https://www.econ.kyoto-u.ac.jp/renewable_energy/stage2/contents/column0284.html

ラウンド1当時の批判については、京都大学大学院経済学研究科の講座コラムとして詳細に論じてあるため、興味がある方は是非目を通していただきたい。

2025-04-11

anond:20250411002002

倫理バトルしてんのに大義名分を投げ捨てるのは、焦土作戦本土で実行するようなもんだ

 

やめろ

anond:20250410223647

ごめん、戦線を後退させるくらいなら、焦土作戦に移行したほうがいいのは理解してますか。

2024-09-02

例の酒造会社お家騒動の件

地元でも似たようなネタがあったので、それを元にゲスパーしてみる。

そんで

具体的なストーリー捏造すると

おじいさんは戦争で駄目になった家を再興して、高度経済成長期を乗り越えてきた凄い経営者です。

息子が二人、孫が5人いました。高度経済成長期で多角化を進めてきたので、今後もそれぞれに成長するだろうと考えて、息子に株式の主要な部分を相続させ、孫にはそれぞれの会社を別々に相続されるよう手配して亡くなりました。

結果、孫世代のはみな、若干の持ち合いのありつつも決定的な上下関係がない「家業」をついで、それぞれに活動していました。

時は流れて、息子も良い年になり、相続する事になりました。この時事件が起こります戦後第二創業からみてひ孫世代に一人飛び抜けて早く頭角を現した娘がおり、息子世代から一気に間を抜いて娘に実権を渡したのです。

これで全体のバランスが崩れます。娘側は自分が優秀で結果を出してきたと言う自負があったこから、これを当然のこととして進めます

しかし、孫世代は均等に企業利権を分け合いやってきたわけですから、たまりません。いずれは乗っ取られる、そう考えた孫世代は結束し、ひ孫世代の娘とその父親を、自分たちの領域企業経営から排除したのでした。

それに対して娘は、結局「家」に入れなかったとして反発し、𝕏で拡散焦土作戦を展開し、泥仕合になっていくのでした。

こうならないようにするにはどうするか?

昭和第二創業者のじいさんが相続する段階で資産管理会社を作り、それを穏当に持株会社にして親子関係をはっきりさせるべきだった。

そんで、その持株会社株式を誰かができるだけ大きな単位相続してバラバラにしない。残りは現金土地などの資産を別け与える。

株式は持たないが創業家ということで各企業役員社長などのポジションに座らせるようにするべきだった。

超優秀な経営者がいても会社バラバラになったら商売できない。会社バラバラにしない凡才経営者の方が結果を出すだろう。


それから、例の北海道業務スーパー関係も、似たような経緯たどってると思う。遺産相続するとき会社グループを瓦解させるような真似をするべきではない。

それをするぐらいなら、相続する者が株式担保に金を借りるなり、第三者株式を売り払ってその金を相続させた方がだいぶマシである


後は、同意の上で中核になりたい会社が他の会社株式交換して地道に会社をまとめるとかなんだけど、これ自体は金にならないからやりたがらない。それぞれの会社が何かあって弱ってるときに救済するみたいなタイミングを逃さずに出来るといいんだけど。

そしてこれをやるなら、何かあって決裂してしまったとしても、相手罵倒したりケンカを仕掛けたりせず、自分の足場を固めつつ、相手が弱るまで待つ胆力なんだが、それはあるのかなあ。罵倒しちゃったらもうお終いなんだけど。

2024-06-15

[] グラモスの余燼 感想考察

ショートアニメ「グラモスの余燼」

うおお……また凄まじいものを見せられている……

どう解釈すべきなのか一番問題になる部分について

ゲーム本編でもつぶやいていた「焦土の夢を見た」がまた出ているが

どこからどこまでが夢なのか

おそらく冒頭から全部夢ってことはないだろう

焦土作戦が実行されたあと、目を覚ましたところからが夢なのか?

それとも死体だらけの焦土で目を覚ましたのは現実だが、その直前まで現実と相違ない夢を見ていたということなのか

夢で見た大樹に囁かれるシーンが現実オーバーラップして心象風景として描かれているのか?

この作戦が夢ではないとして、現実としてホタル生還しており、そして宇宙で星の破片にまぎれて漂流していたところをカフカが見つけたシーンも事実だとして

そうなると大樹はさておき、少なくともホタル心象風景と同じように何らかの力の覚醒を経て、星を砕くほどの行為を実際にしていたということになる

もちろん目覚めシーンからは全部夢で爆撃の衝撃で単純に瓦礫ごと宇宙まで吹き飛ばされてただけという線もなくはないかもしれないが

やはり大樹由来っぽい緑の発光を伴って全裸漂流していることから、装甲サムの能力を超えた何かが覚醒していると見た方が正しいだろう

もし大樹が夢ではないのだとしたら、あのような力は「豊穣」しか考えられない

大樹って呼び方自分が言っているだけだが、一応ピノコニー編のクロックボーイ文脈で「大樹」といえばファミリーから来たゴフェル、「調和」や「調和」の中の「秩序」の象徴だったが

にょきにょき伸びて緑に光る意匠からして、星神と関連づけるなら「豊穣」が妥当だろう

ただ樹状の先端の黄色とか、蟲との戦いで星を燃やすとかは「壊滅」の関連も見いだせそうだが決定的なことは何もわからん

カフカ発見されたということは、あの蝗害に遭っていた岩石惑星は星核と関係があったのかもしれない

覚醒とともに「豊穣」から使令クラスの力を得て、さらに星核からも何らかの力を得るくらいでないと星を砕くのは無理だろう(ヨウおじは置いといて)

ホタルにとってサムが医療ポッドとして機能していたということはクローン兵士であるラモス鉄騎全員がロストエントロピー症候群を患っているということなのだろうか

ホタルの顔に入るヒビのような模様が関係ありそうだが、この緑色版の崩壊エネルギー侵食の発光のようなものは、ホタル以外の兵士にも現れているようだ

このアニメだと芽が大樹へと育つのと同時に涙の跡も樹状の侵食模様へ育っていく描写がある

というかこのシーンのBGM構成がよすぎて思考力が奪われる

一つ前の紀行PVでは、4人のパイロットがそれぞれ変身解除したあとの数秒光っているのに加え、旗をちぎる前後のシーンでもホタルメガネの同僚になぜか発生している

このメカニズムも謎だけど何かと関係していそうで、生命力との関連を感じさせるのでもしかしたら鉄騎テクノロジー自体そもそも豊穣由来なのかもしれない

ロストエントロピーとは「物理構造が不可逆的な慢性解離に陥る」ことらしいので、生身の人間がまるで体格の異なるロボへと変異するメカニズムが、魔陰の身のように「物理構造乖離」させることで成立している、それが豊穣だという具合に解釈可能

まあ意味不明な変形は虚数エネルギーに通じるあらゆる星神とその運命行人が使えそうと言えなくもないが

一応遺物テキストにも「彼ら(鉄騎)の降臨は神の恩恵の如く」という一文があり、「人類本質に手を加える」というのも生命を弄ぶ豊穣との関わりが疑われる部分だ

あと覚醒ホタルに砕かれた星の背後にもう一つ星があったのが気になるが何か意味があるかは分からない

もう一つ気になるのが、グラモスはもう存在しないのになぜクローン兵士はずっとグラモス軍規に従って活動を続けているのかということ

かつてグラモス共和国架空の「グラモス帝国」の女皇「ティニア」に盲従する洗脳クローンを量産し鉄騎兵団とすることで星系で発生していた蝗害を鎮めたが

その強大な武力の扱いをめぐり内紛?が起きて滅びたと取れるような内容が遺物ストーリーにて明かされていた

この人間間の問題によって滅びたくだりが胡散臭い個人的には思っている

クローン兵士は成長速度が一般人と異なり、寿命が極めて短いことはキャラクタープレビューで判明しているので、アニメの直後に星核ハンターに拾われたであろうことを考えると

あの作戦に集っていたサムたちはホタルと同世代で、ホタルが謎の力でよほど長い年月漂流していたのでない限り、それなりに最近出来事だと思われる、つまり

ラモスの改造戦士技術(と付随する洗脳技術)は何者かによって収奪され、つい最近まで宇宙の蝗害対策として使い捨ての道具のように運用されていたのが真相のように思える

そうでもないと大勢自軍兵士の巻き添えを厭わない爆撃作戦など実行されないだろう

協定採択の協定がなんなのかはわからないが、協定は一つの国だけで結べるものではない、怪しい

ホタルがどのようにして「グラモスはもう存在しない」ことを知ったのかは謎だが、「帝国存在しない」ではなく「グラモス存在しない」(=滅亡)ということで、最近出来事説が濃厚になる

描写から洗脳あるいは記憶操作状態にある様子が見て取れ、その洗脳が解けたのと同時に謎の力に覚醒してただ一人生還したというのがこのアニメの内容だろう

遺物テキストで「彼女(「ティニア」)が織りなす夢」と言われているのがこの洗脳技術だと思われ、その嘘を初めて打ち破ったクローンホタル、そう考えるとピノコニーでホタルが成した事とも重なる

しかするとグラモスも、カンパニー市場開拓部オスワルド・シュナイダーによって、意図的に内紛が起こされて滅び、技術を奪われたのかもしれない

ピノコニー編の主要人物、アベンチュリンブートヒルもオスワルドによって故郷を滅ぼされているので、二度あることは三度ある予想をしたくなってしま

ラモスの滅亡がどれくらい昔のことなのかよくわからんのでオスワルドじゃないかもしれんが

2024-03-03

水原章次郎の官報ネトゲ戦記

533 :名無しさんお腹いっぱい。 (JP 0H87-GQNw [86.48.12.166 [上級国民]]):2023/12/20(水) 19:17:37.50 ID:edI70keXH.net

暇さん実家と言えば、官報データベースで「水原章次郎」と検索すると、昭和36年10月31日(号外第118号)と昭和36年12月16日の官報(号外第138号)に、郵政職員京都地区(第1次試験京都市)の合格者として名前が載っているんだよね。受験番号?は10283。

もちろん郵政職員合格リストから断定はできないけれど、もしかして暇さんパパは郵便局職員だったのかな?


私はこれでも慎重派でね国会図書館で徹底的に研究分析させてもらったよ

その結果…ガチだった

しか官報データベースは有料サービスだし図書館内でも一部端末からしか利用できないんだよね

この情報捜し当てた上級国民はたらもんじゃねーな…たらもんじゃねーよ

京都地区受験してるけど、在住地じゃなくて勤務希望地で分けられてるらしく

京都地区なので京都市、亀岡市近辺が勤務地域であり、当時はこの辺りに在住していたと考えられる

また、受験資格17~30歳のため現在80~93歳、高齢ながら表札は出てるので健在らしい

60年代電話帳で京都水原さん調べれば実家特定できるかも?と思いきや

1-3. 1960年代半ば以前の電話

国立国会図書館では、1960年代半ば以前の電話帳は、わずしか所蔵しておりません

とのことで見つからず。


あと、ネトゲ戦記も国会図書館で見るつもりだったけどまだ納本されてないらしく未確認

デカ書店巡っても置いてなく

調べたところ全国のジュンク堂でも壊滅状態

https://honto.jp/netstore/pd-store_0633109213.html

アニメイトへの通商破壊効果抜群だったけどセルフ焦土作戦なっちゃってるじゃん

炎上弁護士普通に平積みだったのに

2024-01-28

anond:20240128064039

焦土作戦補給妨害くらいしかできんぞ

そもそも土地ごと無力化できる手段あるなら敵地に使えやなるだけやし

2023-11-18

アメリカ戦争他国に対して残虐なことばかりしていると言うけど

ハワイ併合フィリピン併合太平洋戦争における東京大空襲広島長崎への原爆投下

朝鮮戦争では朝鮮全土を焼け野原にして、ベトナムではジャングル枯葉剤を撒いた。

アメリカ他国に対してやりたい放題やっているじゃないか、という批判の声がよく上がる。

しか最近知ったが、このような歴史的事実があるらしい。

 海への進軍 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%80%B2%E8%BB%8D

南北戦争末期の1864年11月、連邦軍による南部ジョージア州からサウスカロライナ州にかけての破壊進撃である

町や村を全て焼き払い、鉄道農場などの産業基盤を全て破壊して、南部住民の継戦意思を無力化させるための作戦

この作戦によって戦後ジョージア州はしばらく荒廃したままになり、未だに南北間の禍根の要因になっている。

何と言うことはない、アメリカという国は自国同胞に対しても同じことをやっているのだ。

同胞に対して焦土作戦をやるような国が、外国に対しても同等かそれ以上のことをやるのは当然の話なのだ

2023-08-21

弱者男性から見た「男らしさから降りる」とは何か?

なんか、この増田 そもそも女性の言う「男らしさから降りる」って何? とか「男らしさから降りる」ってことについて話題になってるので、弱者男性当事者から見た「男らしさから降りる」の定義を考えたい。

なお、増田当事者性を示すと、独身、低収入氷河期障害者交際経験しなので、十分と言えると考える。

慈悲的差別を行わない

いわゆるレディファースト、重い荷物を持つ、デート費用負担するなど、父権主義的、騎士道精神的な行動を行わない。

これは、SNSで「フェミ騎士」とか「チン騎士」と言われるような、フェミニストの主張を擁護し、他の男性を(時に過剰に)批判するような姿勢を含む。

利害が対立したとき一方的に譲歩しない

「宇崎ちゃん」や「月曜日のたわわ」といった、フェミニストとオタクの利害が鋭く対立する問題がある。このようなときに、妥当な交換条件や、譲歩を得られないままに、一方的に譲歩しない。

相手が、一方的な譲歩を求め、政治的な力で圧力をかけてきた場合は、弱者なりに反撃する。それは、例えば暇空茜にカンパするといった手段などが考えられる。

弱者男性から奪うことを許さな

ただでさえ、弱者男性の分け前は少ない。だから私たちから奪うことは許さない。

これは、「男女共同参画」に大きな予算がつき、貧困女性支援からエリート女性クォータ制まで政策課題として推進されるのに対して、男性自殺問題など「ガラスの地下室」が一向に顧みられない状況も含む。

しかし、そもそも弱者男性女性と異なり顧みられない存在、どうでもいい存在社会ゴミお荷物なので、助けてくれと言っても無駄だ。だから社会に対する非協力、拡大自殺と呼ばれるような暴力で無理やりにでも「社会問題」にするしかない。

責任拒否

責任を負うことは、典型的な男らしさだろう。

から、まず、例えば家族を養うなどの男らしさを放棄することが考えられる。一家大黒柱が、いきなり仕事をやめるのは、男らしさの否定である。あるいは、別居に伴う婚費の支払い、婚費の負担に耐えかね調停で不利な条件を飲む、その後の養育費の支払い負わされるといった例が珍しくないが、資産処分退職自殺といった焦土作戦は非常に男らしくないだろう。

結婚していない弱者男性場合は、社会の中でただでさえ少ない分け前しかもらえない中で、責任を負うことなどできない。むしろそもそも責任を負わせてくれることもない。だから、非社会的に振舞い、責任回避し「お荷物」になり続けるしかない。

2023-07-03

anond:20230703145810

1945年。突如発生した「セカンドインパクト」と、正体不明生物使徒」によって、第2次世界大戦は意外な形で終結を迎えることとなった。

ただ人を狩る人類の天敵、使徒。人はそれが何であるかを理解する前に、まず自身生存のために、天敵と戦うことを余儀なくされたのである

それから、50年。

人類は圧倒的な戦力差の前に敗北を続け、遂にユーラシア大陸から消滅人類生存圏は南北アメリカ大陸の一部、アフリカ南部、そして日本のみとなっていた。

1998年使徒は遂に日本上陸を開始。九州南部八代における、陸軍のほぼ全力にあたる48万の人類と1000万の使徒軍との戦いは、焦土作戦により一応は人類側の戦術勝利に終わるが、同時に30万以上の将兵の損耗という壊滅的な損害を被る事になった。

1999年日本国会において二つの法案が可決される。

一つは、九州中央位置する熊本県要塞化しての絶対防衛線の設置。もう一つは、14歳から17歳までの徴兵規定年齢に達していない子供たちの強制召還

学籍のままかき集められた「学兵」の数は十万人。これを即席の兵士として熊本要塞に投入し、本土防衛のための「大人兵士」が練成されるまでの時間を稼ぐ……。

これら少年兵ほとんどが99年中に死亡すると、政府はそう考えていた。

物言わぬ使徒との戦争に飲み込まれ子供達。その内の一人、「5121戦車小隊」に配属された人型戦車パイロット候補生少年碇シンジ主人公として、物語は幕を開ける

anond:20230703072004

1945年。突如として出現した「黒い月」と、正体不明生物幻獣」によって、第2次世界大戦は意外な形で終結を迎えることとなった。

ただ人を狩る人類の天敵、幻獣。人はそれが何であるかを理解する前に、まず自身生存のために、天敵と戦うことを余儀なくされたのである

それから、50年。

人類は圧倒的な戦力差の前に敗北を続け、遂にユーラシア大陸から消滅人類生存圏は南北アメリカ大陸の一部、アフリカ南部、そして日本のみとなっていた。

1998年幻獣は遂に日本上陸を開始。九州南部八代における、陸軍のほぼ全力にあたる48万の人類と1000万の幻獣軍との戦いは、焦土作戦により一応は人類側の戦術勝利に終わるが、同時に30万以上の将兵の損耗という壊滅的な損害を被る事になった。

1999年日本国会において二つの法案が可決される。

一つは、九州中央位置する熊本県要塞化しての絶対防衛線の設置。もう一つは、14歳から17歳までの徴兵規定年齢に達していない子供たちの強制召還

学籍のままかき集められた「学兵」の数は十万人。これを即席の兵士として熊本要塞に投入し、本土防衛のための「大人兵士」が練成されるまでの時間を稼ぐ……。

これら少年兵ほとんどが99年中に死亡すると、政府はそう考えていた。

物言わぬ幻獣との戦争に飲み込まれ子供達。その内の一人、「5121戦車小隊」に配属された人型戦車パイロット候補生少年主人公として、物語は幕を開ける

2023-04-23

anond:20230423084401

あの共産党追放の件も続報全然なくなったからな

敵につつかれると困るから先にこっちが叩くフリだけしとこうっていう、所詮焦土作戦ごっこしかなかったか

2022-06-26

世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(2)

anond:20220626003343


 十年の時が経った。

 満を持したペルシア軍の大遠征が始まる。十年前のマラトンの戦いの規模を遥かに上回る戦力(十五万人程度と言われている)を前に、ギリシア世界は当然のごとくパニックに陥った。

 しかし、ギリシア軍は自国陸軍主体を成す重装歩兵に絶大な信頼を置いており、特にギリシア連合軍の雄たる都市国家スパルタは、強大な軍事力を背景にペルシア軍に対する陸上決戦を提案し、その決戦をスパルタ自身に主導させようと画策する。しかし、テミストクレスがそこで動いた。

 テミストクレス海上決戦以外に活路が無いことを、十年前から看破し、その準備を着々と進めていた。そのため、軍事力を背景に陸上決戦を主張するスパルタ陣営を確実に抑え込む必要があった。また、スパルタの主張する決戦案は、バルカン半島南方コリントス地峡において、複数都市国家犠牲にすることによって最終的な決戦に持ち込む、一種焦土作戦の体を成しており、当然ながらテミストクレスはそのようなスパルタ立案を容れることができなかった。そのため彼は当時ギリシア市民に信頼されていたデルフォイ神託を利用することに決める。

 ギリシア諸侯要請に対してデルフォイから下った神託は以下のようなものであった。『陸上決戦を避け、木の砦を頼れ』。

 テミストクレスは、この『木の砦』こそが、アテナイが着々と準備を進めていた軍艦なのだと主張し、海軍によってペルシア軍を打倒する海上決戦案にギリシア諸侯意識誘導することに成功する。また、自軍立案妨害され立腹するスパルタに対しては、海上決戦の際の軍事的イニシアチブを譲ると確約することによって、何とか説き伏せることにも成功した。

(なお、艦船保有数の関係アテナイ海上決戦においてスパルタに対して大きな影響力を持っていたため、スパルタあくま形式的海上決戦の総司令官に任命されたに過ぎなかった)

 また、このデルフォイ神託は、恐らく事前にテミストクレス賄賂を贈ることによって歪曲された結果であると、後世の歴史家たちによって推測されている。


 以下は歴史の辿った事実の列挙であるギリシア連合軍は、陸路においてスパルタ陸軍、また海路においてアテナイ海軍が主力をなす軍隊を、それぞれ沿岸の主要な陸路海路に布陣させ、海峡と山際の隘路という大軍の利を発揮させにくい地形を戦場に選ぶことで、ペルシアの侵攻を食い止める作戦に出た。

 しかし、要衝であるテルモピュレーにてスパルタ軍は味方の裏切りに遭い、精強を誇ったスパルタ陸軍は時のスパルタであるレオニダ一世の指揮の下で壮絶に奮戦したものの、全滅を遂げる。その情報を聞きつけたギリシア海軍は、実質的指揮官であるテミストクレスの指示の元、南下、後退し、最終的にはアテナイに程近いサラミス海峡へと撤退することによって、当初の予定通り最終的な海上決戦にてペルシア海軍撃滅することを画策していた。

 しかし、ここでテミストクレスの元に悪いニュースが届く。

 テルモピュレーを突破したペルシア陸軍が急速に南下を続け、アテナイへと到達し、故郷が陥落したというニュースであった。

 ギリシア諸侯において絶大な信頼を誇っていたアテナイの陥落に、周囲からテミストクレスに対して注がれる視線は冷ややかであった。しかし、テミストクレスは冷静であった。事前に彼はアテナイ市民サラミス島やその他の土地疎開させていたため、人的な被害殆ど出なかったことが幸いした。テミストクレス諸侯に対して、アテナイ保有するギリシア海軍の半数以上に及ぶ軍船存在を主張し、未だアテナイはその国土を失っていないと説得すると、依然軍議における主導権を確保したままに、海軍を南下させ続けた。やがて、テミストクレス率いるギリシア海軍は、サラミス海峡の隘路に布陣し、静かにペルシア海軍の来襲を待った。


 ペルシア海軍の来襲と共に、膠着状態スタートする。

 この際、テミストクレスペルシャの首脳陣と使者を交わすことで内通していた。ギリシャ陣営の内部情報ペルシャへと流し続けていたのである

 テミストクレスは誰も信用していなかった。敵に対しても、味方に対しても、一切の信用を持たなかった。この内通が、ペルシア侵攻の初期の段階から行われていたという説さえ存在している。

 テミストクレスは膠着状態が続く中で、ギリシャ陣営内において撤退論、転進論が巻き起こっていることをペルシャであるクセルクセスへと伝えると、さらサラミス海峡の出口を塞ぐことができれば、艦隊撤退不可能となり、必ずやギリシア海軍撃滅され、ペルシア軍は勝利栄光に浴することができるだろう、とクセルクセスを焚き付けていた。また、テミストクレスクセルクセスに対して、海上決戦の際にはアテナイギリシア陣営裏切りペルシア勝利に手を貸すことを約束していた。テミストクレスの思惑通り、クセルクセスサラミス海峡へと向かわせていた七百隻の主力艦隊を二つに分けると、二百隻に海峡の出口を包囲させ、また残りの五百隻を以てサラミス海峡に立て籠るギリシア海軍撃滅しようとした。テミストクレスは謀略によって、まんまと敵艦隊を二つに分断したのである

 敵艦隊が二手に別れたことを知ったテミストクレスは、ギリシア諸将に対して海峡が包囲されていると伝えると、撤退や転進は不可能であり決戦のみが活路であると諸将を誘導した。そのようにして諸将の士気を奮起させたテミストクレスは、海峡へと侵入してくる五百のペルシア艦船を静かに待ち受けた。


 当初、ペルシア海軍海峡の奥深くで待ち受けるギリシア海軍発見した際に、攻撃を急がず機を見計らっていた。内通者であるテミストクレス情報通り、アテナイが離反しギリシア海軍が劣勢に立たされるのを待ったのである

 しかし、ペルシア軍の目に映ったのは異様な光景であった。ギリシア陣営の旗の上に、戦意鼓舞するための戦場ラッパの音色が鳴り響き、そしてギリシア艦船が淀みなく戦陣を整え始めたのである

 それでもペルシア軍は攻撃を保留し続けた。ペルシア軍は最後までテミストクレス情報に踊らされ続けた。


     ◇


 テミストクレスの号令一下、突撃を開始したギリシア艦隊の前に、ペルシア軍には動揺が走った。テミストクレスが離反するという事前の情報との乖離も影響した。密集体形で海峡の奥深くへと侵入していたペルシア艦隊は、有効な機動を取ることができず見る見る間に壊走を始める。更には、後方から押し寄せたペルシア艦隊の援軍までもが、ペルシア前衛艦隊撤退を妨げることとなった。

 ペルシア海軍は大混乱へと陥り、急速に戦闘能力を喪っていった。ギリシア海軍勝利が決定づけられたのである


     ◇


 主力艦隊の大部分を喪失したペルシア軍は、このサラミス海峡の戦いの敗戦を重く受け止め、海上部隊の撤退決断する。テミストクレスが当初画策していた、海上兵站を寸断する計略は成功し、ペロポネソス半島への侵略を行っていたペルシア陸軍も急速にその影響力を喪っていった。最終的に、ギリシア連合軍の反撃によってペルシア陸軍ギリシア世界から追い出され、十年を費やしたペルシア帝国の大遠征は失敗に終わり、ギリシア世界の完全勝利となったのである


 当然、この勝利立役者となったのは英雄テミストクレスであった。テミストクレスはまさしく英雄であり、一度は終わってしまった世界、喪われた故郷を彼は取り戻した。ペルシア戦争の勝利はひとえに彼の超人的な洞察力、長期的な戦略立案能力、謀略や陰謀を駆使し敵と味方をコントロールする政治力、それらの能力によって成し遂げられた勝利であった。

 とは言え、テミストクレスはあまりにも優秀すぎ、また、あまりにも自分能力を過信し過ぎていた。

 最終的に、テミストクレスギリシア世界にとっての危険人物である判断され、政治的指導者地位から失脚させられ、かつての仇敵であるペルシアへと亡命している(相変わらずペルシアと内通を行っていた)。その後、ペルシア軍によってギリシア攻撃責任者へと任命されるのだが、母国に弓引くことをよしとせず、毒を呷って自決したと言われている。

 テミストクレスは間違いなく英雄であり、凡庸人間とは違う視野を持って生きた人物であった。とは言え、狡兎死して走狗烹らるという言葉の例に漏れず、自国から危険視された英雄最期は、あまりにも物悲しい。

2019-11-03

anond:20191103163514

お気持ち表現規制派を殴るついでに社会構築主義殴られても困るんだよねぇ,正直.

私は人文系別にジェンダー問題には関心ないけど,構築主義的な考え方は別にフェミニズムに限られた概念でもないし,社会学だけじゃなく人類学歴史学でも受け入れられてる.

民族」が構築されたもので云々みたいな話はさんざんされてきていているわけで.きちんと実証的にやろうとすればするほど構築主義の考え方を取らねばならない局面って多いんだよね.

社会構築主義への批判もあるにはあるけど部分的修正を促すものだし(たとえば「老人」というカテゴリの特殊性から社会構築主義の大前提を疑った論文もあり,これはかなり面白い),本質主義に戻れるかといえば戻れないので,まあ構築主義を受け入れた上でどうやって実証に活かすかという話になるわけだけど,そもそも社会構築主義おかしいって言われると「ええ……」ってなるよな.

社会構築主義批判が悪いわけではなく,きちんとした論を立てて批判してくれるなら全然大歓迎なわけだけど,一部のアンチフェミな方々の議論は耳を傾けるべき水準に達していないので.

正直もう本当にうんざりなんだけど,お気持ちフェミニストを殴りたかったらお気持ちフェミニストをピンポイントで殴ってほしい.社会学批判とか始めるならネット上の断片的な社会学についての解説だけじゃなくてちゃん社会学の本やら論文やらをちゃんと読み込んでほしい.当たり前のこと言ってるはずなんだけどなぜか通じない.いやキズナアイを叩くなら彼女配信ちゃんと見ろとか宇崎ちゃんポスター批判するなら漫画を読めよとかと同じことを言っているはずなんだが? という.

表現規制を求めるお気持ちフェミニスト批判ならオタクとして賛成するけど,雑きわまりない構築主義批判を始めるならそれは文系学問喧嘩を売っているに等しいわけで,こちらも文系アカデミシャンとして「は? お前何言ってんの?」というモードに入らざるを得なくなるんだよな.

からまあ私の感想は,去年キズナアイが叩かれてたときに書いたの(anond:20181011062902)と同じになるわけだけれど.

そうやって文系オタク対立構造にされて困るのは私みたいな文系オタクなんだよ.ほんと勘弁して.

とにかく私は両側にもうウンザリ.ろくに事実関係を調べもせずVTuberについて基本的なことを知りもせずキズナアイを叩く連中にも,ろくに文系について知りもせずどんな研究をしているか理解もしないできないのにクソバイスを垂れ流す連中にもウンザリです.オタク叩きも文系叩きもクソくらえ.どっちも私の敵.

仕事仲間から趣味を貶められ趣味仲間から仕事侮蔑されるのそろそろ勘弁してほしいわけですが,まあこの流れは収まらないんですかねと諦めモード.どっちの陣営にも話通じない人がいて辟易

まあせめて自分が誰に喧嘩を売っているのかはちゃんと把握してくださいね表現規制派を批判するためにフェミニスト全体を殴ると性の解放を唱えるフェミニストに流れ弾が当たるし,社会構築主義にまで戦線を広げるならフェミニズム社会学だけじゃなく人類学とか歴史学にまで喧嘩を売っていることになるわけだけどそこはちゃんと自覚してます? 自覚がないなら攻撃対象はもうちょっと限定しようね.もしそれらの分野に喧嘩を売るなら各分野の基本書はちゃんと読んで勉強してねという話になるけど,その覚悟はありますか?

(もちろんこれは男性向けジャンルの潮流とか文化かについて碌に知らずお気持ち批判してくる一部のフェミニストや社会学者にも当てはまることだけどね.よりにもよってそのジャンルデータベース消費論に基づいた雑分析をやりますか? ほんと勘弁してくれ.男性向けだからどうせ女体目当てのポルノだろうみたいなその偏見をどうにかしろオタク,というよりも男のセクシュアリティ単純化するな.参与観察なり文献調査なり統計なりの実証手法を使いこなせ.表象分析やるならちゃん作品に向き合え)

ところで献血行って冴えカノのクリアファイルもらってきたんだけど,今期アニメ白衣着て献血ポスター採用されてほしいキャラって誰? 僕は,クリーブランドちゃん! アズレンプレイなんだけどアニメは見てます.出来いいよね.さすが艦これより先にアニメ化されるだけはある.ユニオンロイヤルと鉄血と重桜でそれぞれ1種類ずつナース服のクリアファイルとか作って献血ルームで配布してほしい.あ,『放課後さいころ倶楽部』も捨てがたい.翠ちゃんいいよね……仮にコラボやるならやっぱり京都府限定かになるのかな……(やると決まったわけじゃないだろ起きろ)(もう一回『ヤマノススメ』とコラボしてほしいよぉ……)(いま気づいたんだけどアズレンの鉄血って「血」って字が入ってるから献血にちょうどいいんじゃないか? プリンツ・オイゲン上から目線献血要求してくるポスターとか,どうすか)

ブコメに応答

似たような話題を似たような面子で似たようなコメントで殴り合うの見てるのは正直言って苦行なので、色々な所に飛び火するのは割とありがたい

勘弁してください.俺は楽しくオタ活や研究して気分よく献血したいだけなんです.献血ポスターを燃やされ趣味を踏み躙られた挙げ句仕事ケチつけられるとかただただ迷惑しかないんです……一部のフェミ放火してまわって一部のオタク焦土作戦しかけてきてるのは巻き込まれた村人Aとしては消耗するだけなんだ……

これはっきり言っておくけど,去年のキズナアイバッシングに付随しての文系バッシングときにも,私が書いた増田を読んで「こういうのが読めたのはよかった」と言ってる人大勢いたけど,私まだ根に持ってるからね.なんもよくねーよ.水が言葉記憶しないことについてやたら解説が充実していたり数多の歴史的事件のなかで南京大虐殺にだけやたら詳細なFAQがあったりするのはちっとも良いことじゃねーよ.文系バッシングはこれっぽっちもありがたくないです.一部のフェミに好きな作品を燃やされてもちっとも嬉しくないのと一緒.宇崎ちゃんの売上は上がったらしいけどそれを素直に喜べるかといったら喜べないでしょ.宇崎ちゃんバッシングなんてない方が遥かに良かったわけで(もちろん表現の自由というものがあり,作品への批判をするなとは言わないのだが,しかしその批判をどう思うかというのはまた別の話で……).

社会学部に運動家が集中しすぎている。法学部経済学部文学部とは比較にならないほどに集中して存在する。社会学社会学部全体がうさんくさいものとして見られるようになった。

社会学部なんて設置してる大学は少数派なんですが本当に印象論でしか語ってないんですねというのがよくわかる.偏見正当化したいだけのノイズ

この世界は全て物理法則に従って動いている、というのが本質主義なら実際それは多分正しいんだよなぁ…そこに戻れないのは単に人間の知性が追い付かないから「仕方がない」だけなので/クリーブランドロリから

ここで言ってる本質主義ってそういうことじゃないから……

本質主義採用しないことで非アカデミシャンとの対話がほぼ不可能になるリスクもっと多めに見積もった方が良いと思う

学問良心からたかだか門外漢との対話なんぞのために本質主義採用するなんてできませんわ.

私は社会学有益だと思うのだけど、ジェンダー学が社会学部全体の評価を落としてる気が。

社会学部を設置してる大学は少数派でたいていの大学社会学部なんてものはないわけですが本当に印象に基づいたお気持ち社会学を叩いているんですね(それとも,ひょっとして社会学部がある大学卒業生なのかな?).

主語サイズ問題だな。アカデミックの人は文系コンマピリオドなのか、と感じる。

人によります普通句読点使う人とかカンママル好きとかコンマピリオド派とか.出版社だと東京大学出版会横書きの本は基本コンマピリオドですね.岩波もそうだっけ?

「お気持フェミ自分のお気持の裏付けとして使用していますそもそも関係ありませんし用法も間違っています」というならわかる。フェミニズムと深い関連があるなら批判に耐えるだけの論拠が欲しい

耐える以前の問題批判側が雑すぎてマトモに相手してやる価値もないというだけの話なんですが.社会構築主義批判するなとはもちろん言わないけど,批判の質が悪ければ歯牙にもかけないよ.当たり前でしょ.

というかそもそも社会構築主義の是非と一部のお気持ちフェミ表現規制要求の是非って無関係だし.勝手にその2つを結びつけたのはアンチフェミの側.一部のお気持ちフェミには自由主義とか哲学とかのツールを使って対抗すればいい話で,社会構築主義を疑う必然性はどこにもないし,疑うっていうなら俺の立場表現規制反対派のオタクから文系研究者に変わりますよというだけの話.文系研究者としては雑なアンチフェミ議論なんて支持できるわけないでしょ.一介の市民としてなら喜んで性的解放とか表現の自由とかを叫ぶけどさ.

本来ならそこは互いに削り合ってこそ信頼性担保されるはずなのにおフェミさん達は互いにお手々つないで仲良しするからこうなの。社会構築主義信頼性担保たかったらおフェミがそれを乱用するのをたしなめろよ

マジで社会構築主義フェミニズムあいだでしか通用しない概念だと思ってんの? 馬鹿じゃないの? もう何度でも言うけど本当に馬鹿じゃないの?

文系学問について無知なのは別に悪いことじゃないけど無知なのにこんな勘違いしたままでドヤ顔で物申すのは馬鹿恥知らずだと思う.勉強しろよ.

社会構築主義ポスター批判からかにあんまり出てなかったけどいなかったかといえば居たような…。「表象」とかゆってた人はソレとは違うの?教えてください!

表象の話は『世界5月号に載ってた小宮さんのやつかな? あれは社会構築主義とはあんまり関係なくない? いやもちろん関係ないということはないんだけど,小宮さんが言ってるのは表象女性差別問題だよね.

実のところ社会構築主義ってマジで社会について分析する上でのベースとなる考え方だから社会構築主義が滲み出てくるのはある程度仕方ないところはあるんだけど,anond:20191104014500でも書いたように社会構築主義の是非以前の問題だなと思うことはあるんだよね.ジェンダーは(というかセックスも)社会的構築物だけど,それは議論の前提であって,じゃあその上でどの程度の女性表象を許容すべきかみたいなそういう話は倫理とか哲学とか思想とかの領分じゃないですか.そこに社会構築主義はどうなんだみたいな話を持ってくるの不毛すぎない? ロールズとかの話しません?

ちなみに私は小宮さんの主張には反対するんだけど『世界掲載論文の注10(236ページ)には同意する.みんなもっと本質的な話しよ.「そもそも男性だって公共空間性的消費されてるんだから架空女性が多少公共空間性的消費されてたって別にいいじゃないですか」「性的自由の拡大が目指されるべきであって表象を制約しようとするのはおかしいでしょ」「医療のための広告には高い倫理性が求められるのだとしても,人気マンガの多少えっちイラストを使った広告すら問題とされるのはおかしい.それは医療のための広告に求められる倫理範疇に収まるはずだ」みたいな話しよ.

……この規制反対増田を多数の「お気持ち棍棒」で殴り倒して口封じし「パワフル表現規制」した方が、学問論破するより遙かにコストって事は確実そう。だから規制派は扇動するのか。なるほど、俺でもそうするな。

それは過大評価ですよ.私はフェミニズム学問反論を加えているのではなく,フェミニストの一般社会に対する主張の一部に対して一人の市民として反対しているだけだもの.私は知の体系としてのフェミニズムにはちっとも触れていないので学者としてフェミニストに勝つことはできません.それはジェンダー研究の偉い先生が私の専門分野で私に勝てないのと同じ.

気持ちはわかる。が、賛成批判両側ともに多数の人間がいる以上、雑でなんも考えてない意見は出るだろうし、そういう意見は大体過激ツッコミ所が多いから目立つんだよねえ。正直、どうしようもない気がする。

フェミニストのお気持ち趣味を殴られるのもオタクお気持ち仕事を殴られるのも正直疲れ果てたというお気持ちがあるけど,でも流石に今回は献血ポスターが叩かれたということで全血献血15回以上行ってるワイもちょっとプチッと来たよね.これまでは割とフェミの言い分もわからなくもないという感じだったけどキズナアイバッシング献血ポスターバッシングで「こいつらの主張は基本聞く必要ないな」くらいにまで変わった.メチャクチャすぎるものこの2件.でもこの2件でオタク界隈に吹き荒れた文系バッシングの嵐も忘れてないからね.キズナアイバッシング献血ポスターバッシングを主導したフェミ社会学叩きや文系バッシングを煽ったオタクはどちらも僕の中では絶許という扱いです.あとpixiv論文事件での学問きのことも忘れてないぞ……(しつこい)

まあフェミことなんて無視して表現の自由満喫してオタクことなんて気にせず学問自由謳歌すべきなんだろーけども,オタクであることも学者であることも私の重要な一部なので,そう簡単に忘れることはできないんだよなー.

あー、キズナアイの時と同じ人か。私の感想としては当時のこちら(https://anond.hatelabo.jp/20181010204115)の増田とほぼ同じです。ていうか、学問重要さを訴えたいなら匿名じゃない場所でやったほうが効果的でしょうに。

ネット上の有象無象学問disってるときになんで納税者様への説明責任みたいな話になるのか理解できんわ.科研費報告書とかはちゃんと出してます論文も書いてます納税者様への責任はそれで果たしてるはず.はてブ民とか棘の米欄住人とかに丁寧に説明して差し上げる義理はどこにもないよね.

というかそういうこと言うなら同じ口で二度と民主党政権事業仕分け批判しないでほしいんだが……

匿名じゃない場所でやれ? 嫌です.自分の専門分野を誠実にさらけ出して物申した先生方がいたけど,どうなったかといえば物知らずの連中が学問分野ごと燃やしに来ただけでしょ.私は私の専門分野に無知思い込みケチをつけてくる連中を招き入れるつもりはありません.

内容はともかく、学部じゃなくて専攻なら社会学専攻は都内の大抵の大学には置いてあるぞ?

あのさ,それは何一つ否定してないじゃん? 法学部文学部と並んで社会学部って書くのはおかしいよねって話じゃん? 誰も社会学専攻は置いてないなんて言ってないじゃん? 学部名前学問分野の名称は往々にして乖離するもので,そんな肌感覚もなしに批判してるのかよって話じゃん?

ただ関西の方だと有名な私大には社会学部を設置しているところが多いので,関西の有名私大を出た人だと社会学部があるのは当たり前って思っちゃうかもしれない.関東大学でも,例のキズナアイバッシング急先鋒だったセンセの勤務先は社会学部だしね.けど繰り返すように全国的には社会学部を設置してる大学は少数派です.

社会学部」と「社会学専攻」を混ぜて論じてよいと思っている人につける薬はありません.文学文学部法学法学部区別できないってことでしょ?

ツイッターで異常に社会学者が目立つのは何故なのか

歴史学者や政治学者文学研究者もヒウィッヒヒーには生息して色々発言しているわけだけど,社会学者への偏見があるから社会学者が目立っているように見えるだけでは???

2017-07-22

金玉堂に満つるは、之を能く守ること莫し。

守るものが多い人ほど焦土作戦には弱いのね。

人気商売はつらいね

2017-05-21

http://anond.hatelabo.jp/20170521142433

そもそも豊臣秀吉細菌兵器をばらまいた上で焦土作戦を実行し、知識階級を皆殺しにしたせいで

本来なら1830年時点でジェット戦闘機を作って居たと言われる韓国技術が200年遅れてる。

から日本がやった事はただの償い

2017-01-23

南京大虐殺存在しなかった と 南京日本軍による虐殺強姦存在した は両立する

現実日中戦争がどういう戦争だったかといえば、蒋介石率いる中国軍は装備、練度ともに日本軍に勝っており、しか蒋介石戦略的後退を続けることで日本軍補給線切れを狙ったというものだった。そして蒋介石重慶にまで逃げたとき日本軍はついに地上戦力による攻撃を断念し、貧相極まる爆撃機での戦略爆撃に切り替えた。この攻撃蒋介石心理的には追い詰めたものの、中国軍の装備する高角砲は性能抜群であり、また中国歩兵の練度は高かったのでここで日本軍爆撃機とその搭乗員に大損害を出し、この爆撃は 5 年間続いたものの得るところはほとんどなく最終的に日本軍撃退された。

そのような情勢下で中国各所で歩兵戦が続いたが、ここでも装備、練度ともに優れる中国軍に対して日本軍勝利を得ることはほとんどなかった。領土的な意味勝利を得た局面でも逃走する中国軍を捕捉できたことはほとんどなかった。

ようするに日本軍は当初から優勢な中国軍に鼻面を捕まれて広大な中国をいいように引き回された末に徹底的に敗北に追い込まれたという話であったから、整然と指揮された日本兵による大虐殺などというもの重慶爆撃を除いて存在しなかった。むしろ中国軍こそが黄河人口洪水を起すなど組織だった民間人虐殺を含め焦土作戦を行なったといえる。

では南京戦をはじめとした各種戦闘において日本人による民間人に対する虐殺強姦などが存在しなかったかといえばそうではない。それはソ連軍がそういうことをやっていたぐらいにはやっていた。古来軍隊とはそういうものだし、同性愛に対する規制が厳しかった日本軍では残虐行為は水準よりも多かったと評されている。

そうした、兵士個々人の残虐行為がなぜ南京大虐殺のような「デマ」にふくれあがったかといえば、軍部におもねるメディアがそういう嘘を垂れ流したからだったし、戦後中国がそうしたデマ報道日本兵処断の証拠としたり、対日宣伝の道具としたからであった。

南京大虐殺など存在しなかった、それはそうだ。だからといってそれを日本人中国人に対してマウンティングの道具にしてもどうにもならない。実際に日本軍中国侵略したのは事実だし、また南京大虐殺というデマを産んだのは日本の未熟な社会体制報道体制メディアリテラシーが原因だからだ。身から出た錆としか言いようがない。

というような話は 40 年ぐらい前に延々議論していたはずだが当時の議論現代参照されてるようにはみえないし大丈夫ですかね。

2016-08-12

おれにとって「シン・ゴジラ」は死霊の盆踊り

シン・ゴジラ」を見終わった直後の感想は「おもろいけど、説教くさくてめんどくせー」だったが、

疑問点を検討した結果、「シン・ゴジラ」はおれの中で「死者たちが地獄ゴジラと戦い続ける映画」と結論づけられ、さらにめんどくさいこととなった。

以下、映画内容についての妄想があり

  

まず、最初になんじゃこりゃと仰け反ったのが、官邸に海底トンネル崩落の死者が0人と報告されるところ

車両が何台も走行しているトンネル天井抜けて、海水が流れこんでんのに死者がいないってありえんやろ。奇跡か!

海水瓦礫やらで満たされたトンネル、どうやって被害状況確認したん?

崩落の原因もわからず、2次被害も当然想定されるなか現場確認したんか?

道路カメラ映像避難者照らし合わせたら、誰も死んでないってことだろうか。それにしても報告早すぎだろ。AI使えば楽勝なんだろか?

しかも、「死者0」報告に誰も疑問を呈さない。官僚機構はクソだけど現場は優秀だから信用してるということか

おれが観た限りこれ以降も、死者の存在映画に現れることはない。

  

つぎ、ゴジラが再上陸して防衛相首相自衛隊の発砲許可を求めるとこ

ここ観ながら「なる、ここは時間軸が前後してるんだな」と勝手にきめつけてたら、そんなことなくて愕然とした

おれは「ゴジラへの発砲許可下りず、ゴジラ上陸を許す」って描写だと決めつけてたんだけど

実際は「ゴジラが再上陸してから市街地での自衛隊の発砲許可をだす」ってところでした。

ゴジラ上陸が予見されるなか、至上命題ゴジラ上陸阻止だろって考えたおれがバカでした

ゴジラ発見直ちに空自スクランブル。くらい事前に立案されてると予想したおれが浅はかでした

多摩川防衛線での攻撃を観ながら、これって焦土作戦だろか。人的・物的損害、上陸させたメリットってなんだろ?って考えてたのもむなしい

市街地ドンパチのほうが、海上のゴジラ攻撃より見栄えがよいからだろか?空自スクランブルって平成ガメラに似た場面あったし

おれの予見は外れたが「ゴジラの再上陸政府絶対敗北」というのはおれの妄想ではないはずだ

作中の危機管理はその起点となるべき認識において、致命的な欠落を抱えていることになるとおれは考えるが、これは作為的ものだろう。

現実ヌークリア原子力・核)政策における危機管理がそうであった、もしくはそうでありつづけるように

  

最後クライマックスの対ゴジラ作戦

無人機攻撃は狙い通りの効果を上げるし、電車爆弾は狙い通りの効果を上げるし、

ビル爆破も、凝固剤の経口注入も狙い通りだ

指揮所本部ゴジラを直接視認可能立川自衛隊で、視認可能ということはゴジラのレーザの射線にあることと同義であるが、指揮所からみる対ゴジラ作戦あくまでも遠景に過ぎず、およそ現実感がない

蛇足だが、第1ポンプ隊と第2ポンプ隊との間にはきっと通信回線はないんだろうな。あるのは指揮所と各隊との縦の通信回線のみだろう。横の通信回線はない。決死隊だからね。第2が第1が壊滅したことを知れば士気に関わるし。と想像すると指揮所の主人公の泰然とした姿に戦慄をおぼえる)

ゴジラ事案」収束可能にするモノ・知識が積み上がっていく様で、かつて読んだ直木賞作家高橋克彦氏の「総門谷」をおれは想起した。

現実福島原発事故は本作戦使用されているコンクリートポンプ車による放水により収束したのだったか。注水作業従事された方々への尊敬の念は禁じ得ない。が、しかし、注水作業メルトダウン後であったと理解している。現実では手遅れだったポンプ車が本作で活躍しているのをみておれはこう思う。

人間ゴジラ活動停止させるにはファンタジー必要だと。逆に言えばゴジラ人間が止めることな現実では不可能であると。

  

以上をテキトーにまとめたおれの結論を改めて記す

  

シン・ゴジラ」は、ヌークリアで死んで亡者になった者たちがヌークリア消滅させるという不可能な願望を延々と繰り返す地獄絵図の一幕である。実にお盆映画にふさわしい。んでもってこの地獄絵図はおれに問いかけるのだ。それでもヌークリアを存続されるのなら、あとは好きにしろよと。

2016-05-31

ガリア戦記

1~6巻は適当に読んで良い。

部族かいっぱい出てくるが覚えなくて良い。

ガリア人部族調子に乗って挙兵ローマ軍が来る→戦って負けるかビビって人質をさし出す→だれかに扇動され調子に乗って挙兵ローマ軍が来る→戦って負けるかビビって人質をさし出しておさまる。

ガリア人部族調子に乗って挙兵ローマ軍が来る→戦って負けるかビビって人質をさし出す→だれかに扇動され調子に乗って挙兵ローマ軍が来る→戦って負けるかビビって人質をさし出しておさまる。

ガリア人部族調子に乗って挙兵ローマ軍が来る→戦って負けるかビビって人質をさし出す→だれかに扇動され調子に乗って挙兵ローマ軍が来る→戦って負けるかビビって人質をさし出しておさまる。

展開同じ過ぎてつまらん。

だが腐女子歓喜の百人隊長カップルとかくっそ勇猛な旗手とか出てくるからそういうとこに注目すると退屈しのぎにはなる。あとラビエヌスの有能副官感がたまらん。

 

7巻。本番。ガリア英雄ウェルキンゲトリクス登場。かっこよすぎる。ぽっと出とか言うな! 全ガリアが蜂起。カエサルすらビビってる感バリバリで読者も興奮してくる。

 

ウェルキンが決断焦土作戦で自らの街を全部焼く! カエサルもたまらず退却を決意! だが肝心の騎兵戦、歩兵戦でガリア負けちゃう! アレシアへ撤退! そのアレシアをローマ軍が囲む!!

 

みんな! アレシア救ってくれ!たすけt!

 

アレシアでガリア戦役がクライマックス!超盛り上がる。カエサル演説もとても良い。興奮する。

良い。熱い。

ローマ軍によるアレシア包囲陣の弱点を狙い、全ガリアから集ったアレシア解囲軍とウェルキンのアレシア防衛軍が精鋭を集中!

 

カエサルも全軍から予備隊を抽出してここに投入! 自分もいく! 俺はここだ俺自身を狙え!で弱点から狙いをそらし守りきる! 帰趨は決した!ウェルキンがつかまる!捕まる時もかっこいい!

  

8巻。カエサルじゃない良くわからんやつによる補足。どうでもよい。ガリアの話は終わり!

 

次はきったない元老院東方英雄ポンペイウス相手だ!

2015-10-16

世界の名争50戦

1285カデシュの戦いエジプトの大ファラオラムセス2世と、製鉄技術で名高いヒッタイトの王ムワタリの戦い。戦況が膠着状態に陥った後、ムワタリ停戦を申し入れ、ラムセス2世が受諾した。これは記録に残る最古の戦争であり、記録に残る最古の平和条約でもある。
前479プラタイアの戦い古代ギリシアペルシアの一連の戦争における決戦。数十万を誇るペルシア軍の攻勢を、一万のスパルタ軍だけで防ぎ止め、押し返し、打ち破った。これによりギリシアからペルシア軍は駆逐され、スパルタは前年のテルモピュライの戦い映画『300』で有名)の雪辱を果たした。
前371レウクトラの戦い古代ギリシア都市国家テーバイスパルタの戦い。テーバイのエパメイノンダスが編み出した、兵力左翼に集中する戦術「斜線陣」により、精強を誇ったスパルタファランクスは打ち破られた。皮肉にも、後に斜線陣はテーバイではなくマケドニアに伝わり、ギリシア都市はその戦術によって敗れ去ることになる。
前331ガウガメラの戦い大王アレクサンドロス3世率いるマケドニア軍とアケメネス朝ペルシア軍の戦い。マケドニア軍の重装歩兵ペルシア軍を受け止めているあいだに、アレクサンドロス自らが率いる騎兵ペルシア軍にできた間隙を衝く、いわゆる「鎚と鉄床」戦術によってマケドニア勝利し、大国ペルシアは滅びた。
前260長平の戦い中国戦国時代、趙の老将・廉頗の持久戦術に手を焼いた秦は、情報工作によって廉頗の悪評を流し、若い趙括と交替させた。趙括は勢い込んで秦との決戦に挑んだが、秦の名将・白起によってあっけなく包囲殲滅された。四十万人の捕虜虐殺されたという。秦の中華統一過程において最も大きな勝利の一つである
前216カンネーの戦いアルプスを越えてイタリア半島侵入したカルタゴの名将・ハンニバルが二倍の兵数のローマ軍に大勝した戦い。中央歩兵が敵を受け止め、両翼の騎兵が敵側背に回り込む、「包囲殲滅戦術の鮮やかな見本として史上に名高い。しかし、そのハンニバルも後にザマの戦いで敗れ、地中海覇権ローマのものとなっていく。
前202垓下の戦い秦が倒れた後、中華を二分して戦っていた楚の項羽と漢の劉邦は、互いに疲弊したことで和睦を結んだ。しかし、劉邦は直後に盟約を破り、引き上げる楚軍に襲いかかった。「四面楚歌」となった項羽は、最後の力を振り絞って包囲を破るも、衆寡敵せず自害した。天下は漢のものとなった。
前48ファルサルスの戦い古代ローマ代表する二人の軍事的天才カエサルポンペイウスの戦い。カエサルは、包囲を狙うポンペイウス騎兵重装歩兵で囲い込み、投槍を投げずにそのまま騎兵の顔や目を刺すよう指示して打ち破った。勝利したカエサルローマの実権を握ったが、やがて暗殺されることになる。
31アクティウムの海戦カエサルの跡を継いだオクタウィアヌスとその政敵アントニウスの戦い。しかし、アントニウスとその愛人クレオパトラは、本拠地エジプトへ逃れることを優先してすぐに戦場離脱、取り残されたアントニウス軍は壊滅した。アントニウスクレオパトラ自殺し、数年ののちにオクタウィアヌスは初代ローマ皇帝となる。
23昆陽の戦いから帝位を簒奪した王莽に対する反乱の一つ。昆陽に籠もる反乱軍は、40万の王莽軍に包囲されたが、反乱のリーダーの一人である劉秀は数千の兵とともに敵の中枢へ突撃を敢行、王莽軍は大混乱に陥り全滅した。主力を失った王莽はまもなく滅亡、劉秀はのちに光武帝として後漢王朝を開く。
208赤壁の戦い三国志に名高い一大決戦。中原を制し、中華統一を目指して大軍を南下させた曹操だったが、見知らぬ土地での疫病、慣れない水上戦に悩まされ、呉の都督・周瑜の火計によって打ち破られた。呉に協力していた劉備は、勝ちに乗じて荊州南部占拠し、後の飛躍へと繋げた。
383淝水の戦い五胡十六国時代前秦皇帝・苻堅は天下統一を狙って百万を号する大軍を南下させ、東晋将軍・謝石と謝玄が数万の軍でそれを迎え撃った。苻堅は異民族の融和を目指した理想主義的な君主だったが、異民族の混成軍は実際には統率がとれておらず、偽装後退を命じたことが本当の撤退勘違いされ、前秦軍は自壊して潰走した。
451タラウヌムの戦いフン族の王アッティラ侵略に対して、西ローマ帝国の名将アエティウスと西ゴート王テオドリックなどが連合して挑んだ決戦。痛み分けに近いものの、西ローマ帝国軍の勝利に終わった。のちにアエティウスの武功を恐れた西ローマ皇帝は彼を暗殺した。この戦いから二十五年後に西ローマ帝国は滅びた。
506鍾離の戦い数十万の大軍同士が激突した南北朝時代最大の決戦。北魏軍は、河に橋を掛けて梁の鍾離城を攻め立てていたが、長雨もあり戦いは長期化した。救援に来た梁の智将・韋叡は、増水に乗じて戦艦を走らせ、北魏が掛けた橋を焼き払った。大混乱に陥った北魏軍は十数万の死者を出して敗走した。
530ダラの戦いサーサーン朝ペルシア大軍東ローマ帝国ベリサリウスが破った戦い。ベリサリウスはあえて要塞から出て敵の攻撃を誘うと共に、壕を掘って相手中央突破を防ぎ、伏兵を巧みに使って撃破した。その後、ベリサリウスは中世欧州最高の名将として、東ローマ帝国の最大版図を現出させる。
627ハンダクの戦い初期イスラムの三つの戦いの一つ。敵対するメッカ軍に対し、ムハンマド率いるメディナ軍は数で劣ったため、ペルシャ人技術者の進言で「ハンダク=塹壕」を巡らせた。メッカ軍は初めて目にする塹壕突破できず、メディナ攻略を諦めた。以降、アラブ世界におけるイスラムの優位が確立された。世界初の塹壕戦とも言われる。
636ヤルムークの戦い「神の剣」ハーリド率いるイスラム軍と、皇弟テオドロス率いる東ローマ帝国軍の戦い。砂漠戦闘に慣れたイスラム騎兵東ローマ帝国軍を渓谷に追い込み撃滅した。イスラム軍は、直後のニハーヴァンドの戦いを経てサーサーン朝ペルシアをも滅ぼし、ここにイスラム帝国興隆することとなった。
732トゥール・ポワティエ間の戦いイベリア半島から侵攻したウマイヤ朝イスラム帝国と、フランク王国の宮宰カール・マルテルの戦い。イスラム騎兵の猛攻をフランク重装歩兵が跳ね返し、撃退した。イスラム騎兵の強さを痛感したマルテルは、直属の臣下土地を与えて「騎士制度を創設し、これが欧州封建制へと繋がっていった。
751タラス河畔の戦い西へ拡大する大唐帝国と東へ拡大するアッバース朝イスラム帝国中央アジアにおいて衝突した戦い。唐の同盟ウイグル族に従っていたカルルク族が裏切ったことでアッバース朝が大勝した。これによって、唐の伸張は止まり中央アジアはイスラムに帰し、そして製紙法が西方に伝播した。
1098アンティオキア攻囲戦第一十字軍は、半年以上の攻城戦の末にアンティオキアを陥落させたが、遅れて到着したイスラム諸国連合軍七万によって逆に包囲されてしまう。しかし「聖槍」の発見士気を高めた十字軍は、城外に打って出てイスラム軍を打ち破った。次の年にはエルサレムを陥とし、まさしく奇跡的に十字軍成功に終わった。
1141カトワーンの戦いイスラムセルジューク朝復興させたサンジャルと、遼の再興を掲げて中央アジアに覇を唱えた西遼の耶律大石との戦いで、西遼軍がセルジューク朝軍を包囲殲滅した。セルジューク朝は再び衰退、まもなく耶律大石も亡くなったことで西遼も勢いを失った。この戦いがプレスター・ジョン伝説の原型となったという。
1187ヒッティーンの戦い暑さと渇きに苦しむエルサレム国軍に対し、イスラムアイユーブ朝サラディンは、夜通し弓矢で攻め立てて士気を挫き、野に火を放って追い詰め、壊滅させた。聖地エルサレムは再びイスラム勢力のものとなった。その奪回のために第三回十字軍、すなわちサラディンと「獅子心王」リチャードの戦いが開始される。
1212ナバス・デ・トロサの戦いイベリア半島で争っていたキリスト教勢力が、教皇インノケンティウス3世要請により連合してイスラム勢力を迎え撃った、「レコンキスタ」最大の決戦。イスラムムワッヒド朝の十二万の大軍が悠然と構えるのに対し、連合軍は猛烈な突撃を敢行。ムワッヒド軍は十万とも言われる被害を出して敗走した。
1214ブーヴィーヌの戦いフランスの「尊厳王」フィリップ2世と、神聖ローマ帝国イングランド王国などの連合軍の戦い。フィリップ2世は北へと逃げてブーヴィーヌに陣取ると、ばらばらに追いかけてきた連合軍を到着した順に各個撃破した。脆弱だったフランスが強国として台頭し、またイングランドで大憲章が成立するきっかけともなった。
1241モヒの戦いバトゥ率いるモンゴル帝国遠征軍に対し、ハンガリー軍は堅固な陣地を築いて健闘したが、モンゴル軍はイスラムの投石機と中国火薬兵器攻撃を加え、さらに周りこんだスブタイの軍によって包囲殲滅した。同時にリーグニッツでもモンゴルの別働隊が勝利していたが、オゴタイ・ハンの死を聞いてバトゥは引き返した。
1260アインジャールートの戦いモンゴル帝国西アジア遠征軍と、イスラム勢力のクトゥズやバイバルスの戦い。先鋒のバイバルス軍が退却を装い、それを追撃したモンゴル軍は、伏兵のクトゥズ軍に包囲されて壊滅した。モンゴルの西進はここで止まった。バイバルスはその後もモンゴル軍に勝ち続け、マムルーク朝実質的建国者となった。
1267襄陽・樊城の戦いモンゴル帝国のクビライ・カンは、入念な準備の上で襄陽と樊城を大軍で包囲、長大な土塁を築いて封鎖した。南宋の主力軍十万が救援に向かったがモンゴル水軍の前に完敗した。中東由来の新型投石機「回回砲」による攻撃が開始されると襄陽・樊城は為す術なく降伏した。この敗北は南宋の滅亡を決定付けた。
1346クレシーの戦いイングランドフランス百年戦争における初期の決戦。イングランド軍は斜面にV字に長弓部隊を並べ、中央下馬騎士を置いた。フランス軍のクロスボウは射程の違いで長弓に対抗できず、重装騎兵も敵軍を突破できずに惨敗した。その後、百年戦争の終盤まで、イングランドは同様の戦術勝利を収めていった。
1363鄱陽湖の戦い中国・元末の群雄である朱元璋と陳友諒の戦いで、それぞれ数十万人規模の大船団同士が激突した。大型の艦を鎖で繋いでいた陳友諒軍は、朱元璋特攻させた火船によって大炎上して敗北した。この勝利により優位を確立した朱元璋は後に明の建国者となる。三国志演義における赤壁の戦い描写はこの戦いがモデルだという。
1402アンカラの戦いニコポリスの戦いで欧州連合軍に圧勝したイスラムオスマン帝国の「雷帝」バヤズィトと、モンゴルの後継を自称して大帝国を築いたティムールが激突した戦い。結果、オスマンが敗れてバヤズィトは捕虜となり、日の出の勢いだったオスマン一時的に衰退した。ティムールもこの戦いを最後に生涯不敗のまま亡くなった。
1410グルンヴァルトの戦いポーランドリトアニア連合軍とドイツ騎士団が戦った、中世最大とも言われる会戦リトアニア軍の偽装撤退に誘い込まれドイツ騎士団は、連合軍の反攻によって壊滅した。この勝利のあと、ポーランドリトアニア欧州最強国として最盛期を迎える。現代では古戦場跡で行われる祭りが有名。
1420ヴィトコフの戦いヤン・ジシュカ率いるフス派と、それを鎮圧するために結成された10万の十字軍の戦い。フス派は包囲されプラハに立てこもったが、欧州で初めて銃を装備し、武装した荷車をつなげて砦とするなど、革新的戦術を用いたジシュカの活躍で、十字軍撤退に追い込まれた。以降もフス派は勝ち続けていくことになる。
1450フォルミニーの戦い他国に先駆けて常備軍を創設し、長弓より射程の長い大砲活用するなどの軍政改革を行ったフランス元帥リッシュモンは、百年戦争で負け続けだったフランス軍を立て直してイングランド軍を撃破した。このフォルミニーでの勝利は、百年戦争におけるフランス勝利と、そして以降のフランス軍事的優位を決定付けた。
1453コンスタンティノープルの陥落東ローマ帝国首都にして史上最強城塞都市と、それを包囲したオスマン帝国軍の戦い。「ウルバンの巨砲」「艦隊山越え」といった大仕掛けにも耐えたコンスタンティノープルだったが、施錠を忘れていた通用口からオスマン軍に侵入され、あえなく陥落した。古代から続いたローマ帝国中世と共に終わりを迎えた。
1503チェリニョーラの戦い二次イタリア戦争におけるスペインフランスの戦い。レコンキスタにおいて攻城戦経験豊富だったスペイン軍の指揮官ゴンサロは、野戦攻城戦技術を持ち込んだ。長槍兵と銃兵の陣形「テルシオ」と塹壕の組み合わせによって、フランスの重装騎兵を打ち破り、欧州野戦築城の有効性を知らしめた。
1514チャルディラーンの戦いイスラムサファヴィー朝建国者スマーイール1世神がかり的な戦争天才だったが、対するオスマン帝国セリ1世鉄砲大砲を大量に運用して、不敗の騎兵クズルバシュ」をさんざんに打ち破った。初めての敗北を味わったイスマーイール1世無気力となり、サファヴィー朝の拡大は停滞した。
1588アルマダ海戦黄金時代スペインイングランドが迎え撃った戦い。接舷攻撃企図するスペインの大艦隊に対し、ドレイク率いるイングランド海軍はヒットアンドアウェイ砲撃戦で勝利した。以降、海戦の主役は白兵から大砲へと移っていく。スペイン没落の画期とも言われるが、実際にはスペインの優位はしばらく続いた。
1619サルフの戦い女真族統一したヌルハチ率いる後金軍と、その討伐に差し向けられた明軍の戦い。圧倒的に数で優る明軍は、四手に分かれて後金を包囲しようとしたが、全く連携が取れておらず、ヌルハチの見事な内線作戦によって各個撃破された。後金はやがて清となり、明を滅ぼすことになる。
1631ブライテンフェルトの戦い三十年戦争に参戦したスウェーデン王グスタフ・アドルフと、ティリー伯率いる神聖ローマ帝国軍の戦い。グスタフ・アドルフ歩兵騎兵砲兵が緊密に連携する「三兵戦術」によって、神聖ローマ帝国軍のテルシオを完全に打ち破った。この三兵戦術近代的な軍制の基礎となる。
1683二次ウィーン包囲オスマン帝国は15万の大軍をもってオーストリアPermalink | 記事への反応(1) | 18:34

2015-05-09

僕がコンサルになって良かったなと思う理由

http://anond.hatelabo.jp/20150507030334

誰も望んでいないけど、ホット話題への返答。

たぶん書いている人は戦略系じゃないと思う(年収の話から推定)。

かくいう私も非戦略系に新卒で入って5年以上10年未満在籍している。

増田なんで会社名とかは書かないし、適当に想定してください。

年収戦略系に比べると高くないが満足はしている。

戦略系に比べたらたぶん半分くらいしかもらっていないが、世間一般に比べると十分に高い。

後、経費の自由度があったり印税とか日当とか給与外の収入結構ある。

高級な外食飲み会休日ゴルフなどは人によってバラツキが大きいという印象。

私は出張先で少し高めのお店で食事するくらいでゴルフもやらないし、都内に居るときは家で食べる。

従って、それなりに貯金できたり家族とのレジャーに使えたりする。

年代でも明らかに高い方なんで文句言うのはおかしいと思うし、もっと給料がほしいなら外資系や他のファームに移ると思う。

出世競争顧客への貢献はとらえ方で十分に幸せ

出世競争は確かにあるし、ネガティブな噂が立つといろいろやっかいなのは弊社でもある。

書き手の人ほどひどくない会社に入れたのは幸せ

自分が得意とするテーマ業界なんかで出世スピードが変わるが、

そういうのに左右されず「自分はこのテーマでNo1になるんだ」って思いがあるから大して気にならない。

焦土作戦みたいなプロジェクトもあるが、入らないように自分で社内にプロモーションするなりして活動すればなんとかなった。

クライアント問題解決って、確かにレベルが低かったり出世競争上の不毛な話も多い。

一方で、提案時点でキチンと問題定義とか進め方とかアウトプットを明らかにしておけば防げる物も多い。

要は曖昧な提案して、何でも屋として扱われないようにすることが重要

クライアント神様ではないので、スコープ外の事は断ったりすることも必要

しょうも無いレベル案件が無いとは言わないがキチンとした提案からプロジェクト問題解決につながっていると思っている。

③成果が出れば仕事楽しい

ファームの違いか、領域の違いか、プロパーの人とのプロジェクトが大半。

従って、プロジェクトの形は人事異動以外でネガティブな変更は少ないから助かっている。

人員整理や再成に関する案件は、確かにリストラの名簿作りとか良い思いをしない仕事もあるが、

経営者の悩みは会社を存続させることであって100人リストラして、1000人の雇用が守られるならそれも有りと考えている。

※このあたりは人に依って考え方が異なるのは理解しているつもり。

一方で、プロジェクトを機にクライアントプロジェクトメンバー表彰されたり、昇進したりするのはほんとに嬉しい。

それがあるからこの仕事を続けていられる。

ミニマムルールが嬉しい

出社義務もないし、不要会議は出なくても良い。

PCが貸与されているか会社以外でも仕事ができる。

好きな時間仕事ができる。

これは、会社勤めや公務員では味わえない働き方だと思う。

この自由さを味わうと転職を考えにくい。

私はそういう意味で満足しているし、まだがんばろうと思っている。

ただ、コンサル目指す学生には、

「本に書いてあるほど良い仕事でもないし、会社によっては大企業の方が高給だよ」と言ってる。

そういう相対的価値しか自分を測れない人はたぶん辛いだけだろうから

書き手の方は、○クセンチュアとか、○ロイトとかは悪い噂が多いからそっち系の人なのかな。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん