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はてなキーワード: 若者たちとは

2025-11-09

右翼同性婚夫婦別姓緊急事態じゃないから後回しと言い続けて結婚適齢期若者たちが年老いてその機会を逃すほどの時間を経ても引き伸ばさせていたくせに国旗棄損罪は危急の自体として議論最前線にあげてくる

2025-11-05

そして誰もAIを使わなくなった

かつて、世界は「誰もがAIを使う時代」になるはずだった。

けれど、結果は逆だった。

AIサービス各社は、燃えるような電気代とサーバーコストに追われた。

はじめは月額30ドルだった定額料金が、いつのまにか300ドルになり、

最後には「1クエリ1ドル」となった。

検索」でも「生成」でも、使うたびにカウントされる世界

人々は「AIに話しかける」前に、まず財布の残高を気にするようになった。

JTC──日本的会社文化象徴するあの略語──では、

AIの利用に稟議書必要になった。

課長決裁が必要な「AI使用申請書」。

内容欄には「生成目的」「想定トークン数」「倫理リスク」が並ぶ。

誰もそんな書類を出したがらず、やがて誰もAIを使わなくなった。

データセンター建設は止まり

空調だけが虚しく回る半完成のサーバーファームが、

地方丘陵地にいくつも取り残された。

半導体メーカーGPU生産ラインを縮小し、

ついに「次世代チップ」は計画中止となった。

だが、終わりはいだって再生の始まりでもある。

破綻したAIスタートアップ倒産したデータセンターから

中古GPUをタダ同然で買い集めた連中が現れた。

格安ローカルAI」「ジャンクGPT」──

古いモデル再利用した軽量サービス流行し、

“第二次生成AIブーム”が始まった。

この動きを見逃さなかったのが中国だった。

「電力が安い我々なら、AIで再び覇権を取れる」

そう目算した中国企業は、

米国で電源すら入れられずに保管されていたGPUを、

コンテナ単位で買い漁った。

それに気づいたトランプ激怒した。

アメリカ技術を盗むな!」

その一声で、南シナ海航行中の貨物船攻撃され、

世界中のGPUの2/3が一夜にして失われた。

GPUを失った世界では、AI生成は再び「贅沢品」になった。

今日ガチャSSR出た!」

人々はAIに求める答えを“ガチャ”と呼び、

良い出力を引き当てるまで課金を繰り返した。

中高生が夜通しAIガチャを回し続け、

恋愛相談に答えてくれるAI」に依存する問題社会問題化

ついに政府未成年AI利用を全面的禁止した。

その頃、かつてAIを使っていた世代は、

パソコン通信と同じように「昔は便利だった」と懐かしんでいた。

だが、若者たちは違った。

AI? あー、あのジジババが使ってたやつね」

AIは、古びたテクノロジーになった。

誰もが使っていたものが、誰も使わなくなった。

そして世界は、ふたたび「人間の知恵」に頼る時代に戻った。

ただ一つだけ違うのは──

ももう、「AIのように考える人間」を信用しなくなったということだ。

タグ:

#SF #ディストピア #生成AI #未来予想 #はてな匿名ダイアリー

──

希望があれば、もう少し文体

文学寄り(詩的・静謐

現実寄り(ニュース+手記調)

のどちらかに寄せて調整できます。どちらの方向がお好みですか?

2025-11-03

anond:20251103235301

なんかいつも同じ時間帯にベンチにいるおじさんいるんだよね

ある日たまたまその時間帯に若者たちがたむろしてや時はちょっと離れたところをうろうろしてた。

あいうのかね

dorawiiより

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2025-11-01

🔥厚木激アツ!ギャルホルモン屋の奮闘記🔥

厚木市の裏路地看板は色褪せ、暖簾は煤けてボロボロ。「ホルモン幸(さち)」は、いつ潰れてもおかしくない、地味で古びた店だった。

店主は、口数少なく無愛想な頑固一徹の爺さん、幸造(こうぞう)。幸造の焼くホルモンは、鮮度も腕も確かだが、店構えと幸造の愛想のなさで、客足は途絶えがちだった。今日も客はゼロ。幸造は黙々と、いつもの場所で仕込みをしていた。

そこに、まばゆい光を放つ存在が現れた。

「ちーっす!幸造じいちゃん、マジ久々〜!」

ド派手な金髪に、バッチリメイクトレンド最先端を行くギャルカレンだ。カレンは幸造の孫で、東京アパレル関係仕事をしていると聞いていた。

「…カレン?何しに来た」

幸造は眉をひそめた。カレンはいもの調子で、「いやぁ、最近仕事辞めてさ。で、厚木に帰ってきたわけ!じいちゃんの店、ぶっちゃけヤバいっしょ?だから、アタシが立て直す!」と、元気よく宣言した。

幸造は鼻で笑った。「お前みたいなのが、この店をどうにかできるわけがない。帰れ」

しかし、カレンは引かなかった。

「はぁ?無理だしとか、超だるいこと言わないでよ。じいちゃんホルモンマジでウマいんだから、あとは見せ方の問題でしょ!」

カレンは翌日から、幸造の猛反対を押し切って店の改造に取り掛かった。

まずは、店の外観。カレンは友人たちを巻き込み、外壁を塗り直し、古い提灯を、ネオンカラーモダンデザインに替えた。内装も、暗かった照明を明るくし、BGMは最新のEDMに。幸造の愛用していた、油まみれの古い椅子テーブルは、ポップな色合いの新しいもの一新された。

「こんなふざけた店、客が来るわけない!」幸造は怒鳴った。

「見てなさいって!」カレンはニヤリと笑うと、SNSを駆使した宣伝を始めた。

カレンは、ホルモン写真を、まるでファッション誌のグラビアのように加工し、ハッシュタグ「#厚木激アツホルモン」「#ギャルと爺ちゃんの店」を添えて毎日投稿した。

「じいちゃんの隠れた名作!秘伝のタレで漬け込んだ極上レバー!マジとろける💖」 「ギャル直伝!映えるドリンクと、ジューシーハラミで優勝🥂」

この宣伝が、功を奏した。

「あの古くて汚い店が、ギャルの店になったらしい」「ホルモンが信じられないくらい美味い」という噂が、厚木若者たちの間で広まった。

週末の夜、「ホルモン幸」の前には、開店を待つ若者たち行列ができた。

「いらっしゃいませー!今日レバーが超推しだよ!」

カレンは、明るい笑顔と、丁寧すぎる接客で、次々と客を席に案内する。最初は戸惑っていた幸造も、カレンの指示で、黙々とホルモンを焼き続けた。

そして、客は皆、幸造の焼くホルモンの旨さに舌を巻いた。

「これ、マジでヤバいっすね!今まで食べた中で一番うまい!」 「ギャップ萌えってやつ?この爺さん、ただ者じゃない!」

客の称賛を聞くうちに、幸造の頑なな表情に、少しずつ変化が訪れた。

ある日、カレンが「じいちゃん今日のお客さん、インスタで見て来てくれたんだって!」と言うと、幸造はそっぽを向いたまま、小さな声で呟いた。

「…まぁ、悪くはねぇな」

その日、カレンは初めて、幸造の顔に浮かんだ微かな笑みを見逃さなかった。厚木の裏路地で、「ホルモン幸」は、カレンギャルセンスと幸造の職人魂が融合した、新しい人気店として、連日大盛況となった。

2025-10-31

anond:20251019215416

なんかガチ食口ぽい人が阿部令子持ち上げnote書いてたよ

「何か困っていることはない?」「きれいな目をしているわね。」勉強の面倒や悩みの相談にのってくれる優しい先輩たちに、ビデオセンターと呼ばれる統一教会建物に連れて行かれると、グラス音楽流れる暖かい雰囲気ホームに迎え入れられ、あたたか食事でもてなされます。「アンケートに答えてくれない?」「姓名/手相 見ましょうか?」アンケート貯金資産を調べられ、家系図を書かせられ、隔離された空間教義ビデオを見て、3日間の修練会と7日間の合宿に参加し、文鮮明夫妻を「お父さま、お母さま」と呼ぶ統一教会信者である食口(シック)になると、「氏族メシア」になるため、「地上天国」の実現のため、「経済献金)か生命献身)か愛」を捧げるよう迫られます銀行借り入れまで財産を捧げ尽くすと、「ホーム」の共同生活睡眠食事プライバシーに至る全生活監督されながら、駅前若者たちを伝導したり、1日3万円のノルマで物売りや募金集めに個人宅や会社訪問してまわります

https://note.com/happywomen_jp/n/n98dace446e1a

2025-10-26

anond:20251026203125

そんなことないよ

曹士のほうが力仕事かに従事して生活できてる

西成区ホームレスの99%は防大卒なの知らないの?

途中で辞めた尉官3佐まりの若手元自はホームレスになる

一佐・将補止まりのやつらは定年早いか退職後に年金もらえるまでの繋ぎホームレスか安アパート入りながら生活保護ってのが多い

生活保護貰わずホームレスにもならない防大卒は統幕とか各幕僚長とか自衛艦隊司令官務めたみたいな一握りの将だけだよ

自衛隊憲法違反なだけじゃなく若者未来を潰す組織

即刻アジアの人々と日本若者たちのために解体すべき

2025-10-24

anond:20251024181950

儲かるから

とにかくパチンコ演出みたいな動画ガンガン出してそれを利益にしてる連中がいる

別に日本だけじゃない。

北マケドニアのアフィ村では地域振興のために若者総出でアメリカ大統領選でデマサイト作りまくって豪邸建てて高級車に乗ってる

先進国言論空間途上国若者たちの狩場

これまでは日本語が障壁になっていたが、これからもっと苛烈日本利害関係のないコンテンツ流入してくるだろう

地獄の扉は開かれたばかり

2025-10-15

大卒採用の是非について


愚痴りたい。あまり長くは書かない。

いわゆるJTCで管理職になったばかりだ。広告会社代理店)で働いている。一応は業界大手

大阪北区というのがあって、繁華街なので当然飲み屋がある。たまに仕事帰りに居酒屋レストラン)に寄ったり、会社仲間と飲んだりする。

その中で、大卒採用というものについて考えさせられることがあった。

私がよく行く夜の飲食店だが、居酒屋である。いわゆる高卒とか、専門学校卒とか、そういう店員が多くいる。

例えば、パリピな感じはしつつも傾聴力がしっかりしてる男の子とか、過去介護仕事をしてた子で、どんなお客さんともニコニコ笑顔で接する女性とか、まだ若くて高校生なのだが、未完成ながらもハキハキとした接客でソツがない動きをするとか、面白い子が世の中にはたくさんいる。

彼ら彼女らを見ていると、うちの会社に入ってくる新卒の子と比べてしまう。

大体みんないい子である。一流大卒だし、人と仲良くしようという気があるし、恋人がいるようだし、ほうれんそうちゃんとできる。しかし。

面白さというか、自分だけの尖がった感じがないのである岡本太郎書籍でいうと「自分の中に毒がない」若者たちである

一度、うちの会社上司数人とその居酒屋さんに行って、そこまで大きいカウンターではないのだが、座って歓談をしていた。歓談をしてるうちに、上に挙げたような若い子たちとトークになった。

みんな、すごく話が面白いし、こちらの話もしっかり聞いてくれる。頭の回転が早いし、打てば響くというコミュニケーションである。同じ北区にあるクラブ嬢と同等の接客力だった。

上司達も、「飲んで飲んで!」と彼ら店員ドリンクを奢っていた(※店員さんに500円などの飲み物を出せるサービススパチャみたいなもの)。

これでまだ20代とか、未成年だと言うのだから世の中は広い。私が彼ら彼女らほどの年齢だと、全然そういう力はなかった。いわゆる盆暗学生で、それなりの大学には入学できたけれども、基本は遊んでばかりの毎日だ。年を経るごとに頭が悪くなっていく自分を恨めしく思っていた。

その日、楽しく話をしている最中だった。背後の方で、テーブル席で団体客の人らが大きい声を出していた。何か注文のトラブルがあったようだ。

カウンター席に座ったまま後ろを振り返ると、男性3~4人客に、女性店員1人だった。話の感じからすると、飲み放題適用時間齟齬があった様子だ。(お客は90分のメニューだと思っていた?)

記憶の限りでは、こういう会話だった。

飲み放題ラストオーダーってなんなん?60分で終わりって聞いてないで」

「すいません。こちらの○品のメニューですと、一時間です」

「このメニューのどこ?」※タブレットを取り上げながら

「これは、ここですね……」

「え、これなん?」

こちらのメニューです。終了時間は表側に出ておりませんが」

「こんなんわからんやん!」

「大変失礼いたしました」

「なあ、当てがはずれたやんけ!!」

 ※テーブルを叩き気味。足もガンガンする

「わかりにくい表示でした。店長と話して追加料金で変更ができるかを……」

「わかりにくいやんけ!」

 ※さっきの客。北区にはこういう輩がいる

「失礼しました。ごめんなさい。店長相談してきます

「なー、お前。失礼やろ。もう黙れ」

 ※隣の連れがさっきの客を制して

相談をしてきます

「ねえねえ。ところでおねーさん。年いくつ?」

「15才です」

「えー、そうなんや!15才か。それは……若い方やん。なあ?」

「うん。世間一般労働者の中じゃ……お姉さん、比較的に若い方やで。間違いない」

比較的!お姉さん。比較的に、若い方やんなぁ~(^^)」

 ※ここで全員が笑い出した

その後、差額分の負担飲み放題を30分延長できたという会話があって、15才の子男性客らにオレンジジュースを奢ってもらっていた。最初とは打って変わって、和やかな雰囲気になっていた。

はてな民の方々も思うところがあったと思うが、一般的な会社がほしい人材というのは、上のような子である。人当たりが悪くなくて、不潔さがない外見で、言葉遣い常識的で、態度や行動も常識的である社会的に正しい答えを導き出して動ける。

うちの会社もそうである。そういう子がほしい。別に高卒でも専門卒でも何でもいいから、さっきのような子だったら是非採用したい。一緒に働きたいと思った。彼女だけじゃなく、ほかの若いスタッフだってそうだ。

の子達は……全員が非大卒である高校中退とか専門学校卒。しかしながら、うちの広告代理店新卒で入った子達の平均を(コミュニケーション能力において)凌駕しているのは間違いない事実だ。

さっきの15才の子も、あの年で居酒屋アルバイトというからして、何か家庭に事情があるのかもしれない。

ただ、個人的にこういう経験をしてしまうと、世の中学歴ではない、そんなものは単なる一目安でしかない。そんな上っ面で人を判断してはならないのだと思い知らされる。

とりとめのない経験談ですまない。けど、もう40を過ぎた一増田ユーザーとしては、確かにこんなことを感じている。

はてなの皆さまも、こういう体験したことがあるのなら、ぜひ教えていただきたいです。

2025-10-09

無言の帰宅何が衝撃って

知らない若者たちが俺が知らないんだから死語とドヤってるかんじだったのがすごくびっくりした。

まだ全然普通に使われてるのに。

そのうち死を伏せる言葉全般マジで死ぬのかもなぁ。

2025-10-06

Deep Fake

今は芸能人政治家インフルエンサーなど有名な人たちのDeep Fakeが主流だけど、

今後は自分たちの周りのごく普通のひとたちもその対象になるでしょう

そして、初期段階はDeep Fakeをつくられたことに憤りますが、その後はDeep Fakeをつくられることが自己承認欲求につながってくるでしょう

若者たちあいだで自分対象にしたDeep Fakeの件数が争われるようになり、自作自演Deep FakeがSNSにあげられるようになるでしょう

ルッキズム弊害で加工や整形によって自分の顔を失うように、自分存在のものを失うでしょう

2025-10-05

カミーユ・ビダン創作について

機動戦士Zガンダムという作品の最大の功績はカミーユ・ビダンというジョブナイルを代表するとも言える繊細で、

かつて思春期を生きた人たちの痛々しい共感を刺激する、あの富野由悠季が生み出したなかでも屈指の傑作キャラクター創作にある。

この人物造形の成功は、単なるキャラクター設計の巧みさを超え、

アニメーション作品におけるリアリズム概念根底から変革した歴史的偉業として評価されるべきである

富野は従来のロボットアニメ依拠していた「勧善懲悪」の物語構造意図的破綻させ、

善悪境界曖昧世界で苦悩する思春期少年主人公に据えることで、

観る者に深刻な内的葛藤を強いる作品を創出した。

カミーユというキャラクター革新性は、その精神脆弱性感受性の異常な鋭さが、

決してロマンティックに美化されることなく、むしろ病的な危うさとして一貫して描かれている点にある。

彼の両親への複雑な感情女性性に対する屈折した意識

そして戦争という極限状況における精神の変容は、

従来のアニメが扱ってこなかった思春期特有心理的現実容赦なく暴き出している。

富野演出哲学である映像原則」において、

キャラクターは画面に映らない時間も生き続ける存在として構想される。

この思想的背景により、カミーユ言動感情の変化は、

しばしば観る者には唐突理解困難に映るが、

それこそが現実人間内面における感情の非連続性を映像作品として表現する試みであった。

さら重要なのはカミーユニュータイプ能力が、

従来の超人能力描写とは対極的に、

彼の精神不安定さと表裏一体のものとして設定されていることである

彼の鋭敏すぎる感受性戦闘において卓越した能力を発揮する一方で、

フォウ・ムラサメロザミア・バダムといった強化人間との悲劇的な邂逅を通じて、

自身精神を徐々に蝕んでいく。

これは、超能力を単純に肯定的な「進化」として描く従来のSF作品への痛烈な批判視点提示している。

富野文学的野心は、カミーユの最終的な精神崩壊という結末において頂点に達する。

これは娯楽作品としてのハッピーエンドを完全に放棄した、

極めて実験的な物語選択であった。

主人公の「敗北」を通じて、戦争本質的非人間性と、

若者が背負わされる理不尽な重荷を告発たこの結末は、

後のアニメ作品における「鬱系」ナラティブの原型を提示したと評価できる。

また、カミーユキャラクター造形において看過できないのは、

彼の「男性名へのコンプレックス」という設定が、

単なる個人的な悩みを超えて、性別アイデンティティの揺らぎという普遍的テーマを暗示している点である

富野意識的に「女性性を内包した男性主人公」としてカミーユ設計することで、

従来の男性ヒーロー像への根本的な問い直しを行った。

この試みは、後の1990年代以降のアニメ作品における「中性的主人公」の先駆的事例として位置づけられる。

Zガンダムという作品全体が示す文学的達成は、

カミーユ・ビダンという一人のキャラクター内面描写を通じて、

戦争悲惨さ、

思春期心理的危機

そして人間存在の根源的な孤独を、

商業エンターテインメントの枠組み内で表現し得たことにある。

富野はこの作品において「戯作者」でありながら、

同時に深刻な文学的主題に挑戦する作家としての側面を明確に提示した。

カミーユ・ビダンというキャラクターは、単なるフィクショナルな人物を超えて、

1980年代という時代若者が抱える実存不安象徴として機能している。

彼の痛々しいまでの繊細さと、それが招く破滅的結末は、

高度成長期終焉バブル経済への移行期という歴史的文脈において、

将来への不安を抱える当時の若者たちの心理状況を鮮やかに反映している。

こうした観点から評価するならば、

Zガンダムにおけるカミーユ・ビダン創作は、

日本アニメーション史において

心理的リアリズム」という新たな表現領域開拓した記念碑的業績として位置づけられるべきである

富野由悠季がこのキャラクターを通じて達成したのは、

娯楽性と芸術性を両立させながら、

現代人の精神危機を鋭く抉り出すという、

極めて困難な創作課題解決であった。

anond:20251004160446

増田家秘録 嘉永六年(1853年)秋

拙者、増田と申す、齢二百年に及びし者。江戸末期、嘉永の世に生まれ、下級武士の身ながら、洋学に志し、奇縁により不老の術を得て、現代に至るまでITとやらなる術を操りし者也。されど、この胸中、開国の風に始まり現代電脳世界に至るまで、騒乱の波に揺れ動く。

異国の地にて洋学電脳術を学ぶ

十余年前、否、百七十余年前、嘉永の世に、拙者は異国の地にて洋学を学び、後にITエンジニアと呼ばれる職に就きし。黒船浦賀に現れ、幕府が動揺せし頃、洋学日本未来を照らす光と信じられ、蘭学書は江戸の書肆に溢れ、若者たちは競って西洋の術を学んだ。拙者もまた、サンフランシスコロンドンユダヤの地を巡り、蒸汽機関電信の術を修め、さらには現代電脳術に至る。

当時、日本洋学東洋の雄として名を馳せ、諸藩の若者がわが国の術は世界に通ずと誇りし時代也。拙者もまた、若さに任せ、浮世絵歌舞伎、そして現代に至るアニメゲームに心奪われつつ、洋学電脳術の力を信じ、同志と語り合った。されど、異国の地にて出会いし師、ユダヤ出身の老練な技術者、その言葉は拙者の心に突き刺さる。

「これまで見てきた日本の学徒は、みな洋学電脳術の知識こそ重要と口にする。拙はそう思わぬ。それはまるで、浄瑠璃物語を盲信するが如き也。電脳術に必要なのは、筆力、すなわち母国語での読み書き、対話、人の心を掴む力也。少なくとも、術を世に広め、商いや国政に活かすには、こその力が肝要。されど、日本の学徒にそのような者を見たことがない。拙は百人近くの日本技術者を教えしが、一人もおらぬ。」

「このような者ばかりでは、日本電脳術は、ある日を境に凋落し、何も生み出せぬ時代が来る。五年後か、十年後か、百年後か。」

拙者、当時、憤りを覚えた。何だ、この異国の老人が!わが国のアニメゲームの魂を侮るとは!と。若さゆえの過ち也。されど、師の周りには、中華商人インド学者西洋技術者北欧船乗りカナダ役人万国博覧会の如き人々が集い、みな師の言葉に頷く。

異国の者たちの言葉

中華商人曰く「算法や機械知識重要とよく言われるが、拙の学んだ場では、そんなことは教えられず。術の根本理解すれば、さような発想は生まれぬ。」

インド学者曰く「この狭き視野日本の弱点也。電脳術の理解不足は、船や兵器のみならず、現代デジタルツインにも影響を及ぼすだろう。」

北欧船乗り曰く「これからの世は、すべて電脳術に基づく。如何に巧みに術を組み立てるかで、国力も民の暮らしも変わる。」

カナダ役人曰く「電脳術についていけねば、国庫も民の暮らしも貧しくなるばかり也。」

拙者、頭に血が上り反論した。さような大言壮語浮世絵アニメ領域にまで及ぶものではない!と。されど、師や同僚たちの目は、憐れみ失望に満ちていた。とりわけ、親しきアメリカ技術者アニメを愛する者にして、こう言った言葉は今なお忘れられぬ。

増田よ、言いにくいが、日本技術者は、世のことに無関心すぎる。拙は日本アニメを愛するが、日本電脳術は、まるで歌舞伎アニメの内輪の興行の如く、閉じた世界に生きている。かつての洋学はそうではなかったやもしれぬ。されど、十年ほど前より、そうなってしまった。」

電脳術を、町人や異国の者に使ってもらおうという謙虚さがない。術の名や道具に女児むけアニメ特撮ヒーローの名をを付けるなど、異国では狂人所業と見なされる。」

日本技術者は、他者不在のまま術を進めているのだ。」

会話は英語ゆえ、拙者が和文に訳して記す。當時は、なぜそこまで言われねばならぬ!と本気で憤った。されど、今思えば、技術者の間に異国の者にわからせる必要なしとする風潮、さらにはアニメゲームの名を術に冠する文化が根強かった。

師の忠告帰国

師は常々、こう申された。増田よ、アニメゲーム以外の趣味を持て。それが拙の唯一の忠告也。

その後、拙者は憐れみの目が耐えきれず、数年学び、怒りに任せて帰国した。されど、江戸の世から現代に至るまで、日本電脳術は鳴りを潜め、西洋列強やGAFAMと呼ばれる巨人の術に圧倒され、名を聞かぬほどになった。

今、巷やXなる電脳寄合では、拙者ややや上の世代がかつてのWinnyは優れていた。されど、幕府や民の無理解により、潰されたと、被害者意識を振りかざす声が響く。拙者、現代に至り、ようやく悟った。拙者は世を知ることを恐れ、ただアニメ電脳術に逃げていたにすぎぬ。それらが面白いのでも、愛しているのでもなく、他に能がなく、生きるために術を学んだだけだったのだ。

予言現実世代凋落

これからの世、拙者のような技術者は淘汰され、電脳の場から追われるだろう。既に、電脳術のみならず、世のことを知る新世代の技術者たちが、拙者が異国で嫌った者たちと同様に、日本でも珍しくなくなった。拙者の世代は、さような者たちを軟派と呼び、憎悪を燃やす者すらある。さような声が、電脳寄合で響く。

師はかつて、こうも予言していた。

日本技術者は、アニメゲームの如き閉じた文化から脱却せねばならぬ。されど、増田世代では、それは叶わぬだろう。」

「内輪に籠り、選民思想を高め合っても、女児向けアニメ特撮ヒーローの名を愛する心を、異国の商人幕府役人理解するはずもない。やがて、内輪に籠ったまま置いてけぼりとなり、他者を責める心のみが残る。その果ては、犯罪者となる道也。西洋では、さような者たちが電脳寄合をなし、辻斬り放火を起こし、世を騒がす。日本の地ではまだだが、いずれそうなる。」

ああ、その通り也。拙者が現代に至り、見るものは、予言の如く也。ある技術者が、娘たちを襲う集団の元締めとして捕まり、世を騒がせた。また、別の者は、幕府ならぬ国の金をかすめ取るスパコン詐欺を働き、獄に繋がれた。さらに同年、拙者と同世代技術者狂気を発し、神戸の町で辻斬りを起こし、刀と鉄棒で五人を斬り殺し、捕らえられた。聞けば、裁判では有名な異世界転生アニメ青髪メイドと契りを結ぶため、哲学的幽霊を斬らねばならぬと喚き、狂気ゆえ罪を免れたという。

数年前には、かつて電脳術の場を立ち上げ、志半ばで潰え、世を恨み、異人を罵る言を繰り返した者が、偽の品を売りさばき、捕らえられた。

予言の通り也。日本電脳術は何も生み出せず、高い誇りだけを抱え、売れぬ術を誇り、世を恨む声ばかりがXで響く。

敗北と悔恨

拙者たちは敗れたのだ。いや、始めより勝負にすらならなかったやもしれぬ。師の忠告が今、響く。拙者たちは、アニメゲーム以外の道を歩めぬ。八方塞がり也。あれほど気高く電脳術を誇った拙者や同輩たちは、世を恨み、若さや美を妬み、刀や火を手に辻斬り放火を起こし、獄に繋がれる。さような姿は、かつて夢見た攻殻機動隊の如き輝かしき未来とは程遠い。

されど、最も辛きは、さような狂人に同世代が多く、納得できてしまうこと也。高い誇りを持った拙者たちが、何も取り戻せぬまま、後の年月を生ねばならぬ。喪失感と欲を抱え、世や若者を憎み、辻斬り放火で世に復讐せんと考える者が出るのも、拙者たちの罪とはいえ、致し方ないやもしれぬ。

拙者たちは、世を知るべきだった。他者理解すべきだった。されど、もはや遅い。世との乖離は極まり若者を誘う行為咎められ、激昂する者、女性脚本家些細な言に怒り、騒動を起こす者。さような行為が、拙者たちの世代の生み出したものと思うと、涙が止まらぬ。

狂気の果て

拙者たちの世代は狂ってしまった。電脳術で世を変えると勇ましく語った者たちが、娘を襲い、国を欺き、刀で人を斬り、狂気の果てに異世界へと心を飛ばす。拙者が信じた夢の果てが、これ也。

拙者はさすがに、陰謀を信じ、世を罵るまでには堕ちぬ。されど、同世代の多くは、喪失感憎悪に囚われ、電脳寄合で世を怨む声が響く。先日、町田の町で辻斬りが起こり、世を騒がせた。

拙者は今日も、電脳術の片隅で生きる。江戸の世から現代まで、過去を悔い、アニメゲーム残滓で生きながら。

2025-09-30

日本の名作ゲーム鉄拳」、パキスタン若者たち人生変えるきっかけに

ゲーセン内のサムネがどうみても家庭用なんだけど???? ハイ違法 請求メール送った方が良いよ。 

2025-09-25

衰退する日本脱出する若者たちロンドン行くよ」「渡米!」「さぁ、ドイツへ越そう…」

日本就職した若者奴隷人生を考えさせるん…」



これが現実

2025-09-23

ついに英語学習の成果が示せて本当に嬉しい

昨日、飯田橋駅カフェ店頭スーツケースを引っ張った外国人白人)の家族に話しかけられた。

白父「すmませn」

俺「どうしまたか?」

白父「please give me a second...」

スマートフォンを取り出して翻訳アプリを開こうとする白父。

俺「Don’t you speak Japanese??」

白父「Sorry,not」

俺「Why don’t you speak Japanese in Japan⁇」

白父「Sorry but we are …」

俺「Shut up. Get out here. Get out of this country.」

白母が白娘を抱き寄せて耳を塞ぐ。

白父「Sorry but…」

俺「Shut fuck up,alien.」

白父は笑顔で「Sorry bro」と言って子供を連れて足早に店を出て行った。

俺はこの日のために英語を学んだ。

2019年の秋、俺は気の迷いで突然海外旅行として1人でアメリカに行った。バーベキューレストランにて翻訳アプリとカタコトの英語でを注文しようとした。

そしたらカウンター店員と客から言われたんだ。

Why don’t you speak English

You are in US now

「We don’t understand Chinese

結局スペアリブやプルドポークを注文することはできず、俺は店を後にした。

旅の帰り、成田空港エントランス日本語が話せない外国人必死でカタコトの英語で道を説明する日本人若者たちを見かけた。

若者たち外国人に「sorry」と言いながら必死説明していた。

おかしいだろ。

ここは日本なのに、なぜ日本人外国人英語が話せないことを謝るんだ。

アメリカでは英語で伝えようとしても下手なだけで笑われて追い出されたのに。

そこからの6年間、本当に必死英語勉強した。

俺は大学卒業していないし、仕事だって警備員と軽配送で食い繋いでる底辺だ。

英語なんて真面目にやった記憶はなかった。

それでも、必死勉強した。

最初に買った教材は中学生用の単語帳と文法教科書、そしてネットで調べて知った英語耳と瞬間英作文という教材。

勉強して、オンライン英会話で話し、ドラマを見て、と仕事後も休日勉強してきた。

正直、今でも有名大学に通ってるような人たちに比べたら難しい文章は読めないし、英語レベルだって低いだろう。

それでも、カフェ電車や駅での外国人たちの会話や、テレビインタビューに答えてるトランプの言ってることがわかるようになった。

そうして昨日、俺は6年前の雪辱を果たした。

お前らは客じゃない。

お前らは歓迎されていない。

お前らはよそ者だ。

そのことを実感させてやることができた。

俺は満足している。

悲しいことに、日本人はまだ多くの人たちが「外国人特に白人)はおもてなししないといけないお客さん」という意識を持っていること。

家族が出て行った後、店の中では店員にも客にも嫌な空気が流れていた。

大学生くらいの女の子二人がすぐに店を飛び出して白家族に俺より下手くそ英語で話しかけて手助けしていた。

6年前のテキサスでは、俺が店を出る時には笑い声が響いた。

俺を追いかけて助けてくれる人は誰もいなかった。

悔しい。

それでも俺は間違っていないはずだ。

2025-09-17

ドラマ若者たち」 1966年版 感想

ドラマ若者たち1966年版 FODでみた

親を亡くした五人兄弟、弟妹を育ててきた長男主人公兄弟キャラが立っていて面白い

当時の社会がこうだったのかと驚くことも多い

まず、戦後が濃厚で、格差というより階級の溝が深く、生まれ育ちから這い上がるのは大学に行くことが唯一の手段

死ぬ気で勉強しろ」 「一生競争だ」 

東大浪人自殺したり受験生が心を病むと、周囲は「これで競争相手が減った」 という殺伐ぶり

だが、東大に行く=人より上になるため、で

何を勉強したいのか、人より上に行って社会でどうしたいのか、がすっぽ抜けていて、とにかく「金」 「社会承認」 それ以外を考える視野がない感じ

バブル平成初期の「金はある、じゃあそれでどうしよう」 という時代からジリ貧に下がって令和またそこにきているようではある

女性結婚以外の選択肢が与えられていないから、相手の将来性に対して大変シビア

お金遣いや生活態度にも厳しい

大学出なら4年のところをあなた11年かかる。あなた学歴がどうしても気になる」

と冷静に言われフラれる田中邦衛長男)、ぐうの音も出ない。つらい

ただ、殺伐としてはいるが、「ひねくれたりすねてはいけない。我らには未来がある。遠いところに、歯を食いしばって、未来を作る」 という、理由のない希望はあって

がむしゃらに生きていくしかないんだ、という明るさもあって、それは右肩上がり昭和にあって衰退していく令和にないものだな、と思う

なぜないのかといえば、昭和から平成にかけて大人たちがつくってきた「未来」が希望や明るさどころかめちゃくちゃだったせいもある

それはやっぱり学歴競争手段で、他者との比較、金以外の幸福の土台になる教育思考蔑ろにした歴史が続いているためでもある

例えば、また日本が豊かになって人々が豊かになったとして、社会幸福度が上がるかといえばそうでもないのでは、と思う

バブルから平成日本人、金があっても人と比べることをやめられず、結局内面幸福度が低い人が大勢いた、というのは当時の作品なんかを見てて感じる

また、男性収入が増えれば結婚できる(その分女性専業主婦低賃金)という退化発想が今あるけど、

結局上澄みは一部なんだから比較から逃れられない

「○○さんに比べてあなたダメ」 「お父さんみたいになっちゃダメよ」と妻から息子に言われていた過去がまた蘇るだけ

まだ米軍占領され日本返還されていない沖縄に対する内地の冷たい放置犠牲を払わせて知らんぷり、という当時の状況も描かれていた

沖縄母親に捨てられた子どものようなものなんです。なんで、と思うけど、慕うのをやめられない。いつか振り向いてくれるって」 

沖縄から東京大学にきた青年言葉に今も繋がってんだこれ…と思ってしまった

2025-09-14

香港民主派批判する文章AIに書かせてみた

モデルはGPT5-mini

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

香港民主派は、かつての理想勇気象徴として称賛された。しかし、2014年以降の運動特に2019年の大規模デモの展開を振り返ると、その戦略的倫理的欠陥が明白であり、結果的香港社会に深い分断と喪失をもたらした責任は免れない。

第一に、運動の主要な訴求が「民主」「自由」「普選」であったとはいえ、それらを掲げるだけで現実的に何を達成できるのかという計算が甘かった。スローガン大衆共感を掴むための強力な道具だが、政治的成果をもたらすためには、法制度や行政の細部にわたる実務的戦略交渉力、持続的な市民基盤の維持が不可欠である2019年の抗議は街頭での熱狂を生んだが、同時に組織的意思決定と長期戦略の欠如を露呈した。区議選での勝利一時的国際的関心は得たものの、それを生かして構造的変化を引き出すための冷徹政治的駆け引きやバックチャネル交渉が十分であったとは言い難い。

第二に、運動内部の倫理観表現方法問題があった。市民の不満の矛先を大陸出身者や観光客など「外的」な存在に向けるような言説や行動は、短期的には連帯を生むことがあっても、長期的には社会の分断を深める。経済社会制度問題を外部の「他者」に転嫁することは、根本原因の解決を遠ざけるだけでなく、運動自体正当性を傷つける。マナー越境出産観光客の振る舞いへの怒りは理解できるが、それをヘイト排斥にまで発展させた一部の言説は、民主的な主張の正当性を弱める愚行である

第三に、指導部の責任感の欠如が繰り返された。政治運動において真の指導とは、常にストリート熱狂を冷静に管理し、交渉の場で最大限の利得を引き出すことを意味する。だが、抗議行動はしばしば過激化し、象徴勝利を追うあまり現実的妥協点を見逃した。対話の場を軽視し、敵対的な態度を堅持した結果、北京香港政府は強硬手段で応じる口実を得た。政治相手との力関係交渉であり、市場価値支持率が高まった時にこそ最も効果的に要求を通すチャンスがある。民主派はその「売り時」を逃し、ストリートでの優位を政治的成果に変換できなかった。

第四に、運動が掲げた価値現実の行動との乖離だ。自由人権を訴える運動が、同時に排他的言動選民意識を育んでは説得力を失う。自由を求める者は、異なる意見出自を持つ同胞とも共に生きる術を示すべきであり、対話包摂を拒むことは自らの主張を脆弱にする。民主派の一部に見られたナルシシズムイデオロギー的硬直性は、運動の幅を狭め、支持層の拡大を阻んだ。

第五に、外部へのアピール戦略の未熟さも目立つ。国際社会の同情は短期的な注目をもたらすが、実効的な支援圧力に結びつくとは限らない。民主派国際的な関心を最大限に政策転換へ結びつけるためには、国内制度的弱点を突き、継続的外圧誘導する繊細な外交戦術必要だ。だが現実は、メッセージ断片化し、海外での同情もやがて疲弊していった。結果として北京は「内政問題」として一方的に行動する余地を得た。

最後に、結果として香港社会が被った損害は甚大である運動短期的に香港公共空間コミュニティの結束を傷つけ、国内外の投資や信頼にダメージを与えた。長期的には法的な締め付けや経済教育の変化をもたらし、多くの若者海外へと道を求める原因ともなった。もし運動目的が真に香港のより良い将来であったなら、ストリート正義感現実政治の中で如何に制度化するかにもっと注力すべきだった。

批判運動を完全否定するものではない。香港若者たちが不公正に声を上げたこと、政治参加を求めたことには尊重必要だ。しかし、尊敬と同情は免罪符ではない。運動リーダーと支持者は、過去の過ちと戦術的失敗を冷徹検証すべきだ。感情の高まり正当化材料にして無計画な行動に走るのではなく、具体的な政策提言制度改革案現実的交渉戦術を整えることが、次に類似課題に直面したときに初めて意味を持つ。

要するに、香港民主派理念だけで道を切り開けると誤認した。理想重要だが、政治は血肉のある力学である情熱に溺れる者は、しばしば長期的な勝利を失う。香港の将来を真に案じるなら、まず自らを律し、社会全体の信頼を再構築する責務を負うべきである

2025-09-10

左翼イカ釣り漁船

左翼イカ釣り漁船

深夜、波ひとつない静かな海に、一隻の漁船が煌々と光を放っていた。

その名は「左翼リベラル丸」。だが内情を知る者たちは、皮肉を込めてこう呼んでいた──

左翼イカ釣り漁船」と。


一階:光と音の“正義ショー”

その船の一階は、まるでテーマパークのように眩しく光り輝いていた。

カラフルな旗、感情的スローガンスマートフォン越しの共感の嵐。

若者たちは踊っていた。

彼らは怒り、泣き、叫び、語り合う。「この社会は間違っている!」、「世界平等だ!」、「差別されてる人たちを救え!」と。

そしてSNS投稿し、承認の餌を受け取る。

いいね1000件突破!」「引用RTでバズってる!」「あなた希望です!」

彼らは正義ヒーローになった気分だった。

だが、その煌びやかさの裏側で、彼らが見落としていたものがあった。

彼らは“釣られて”いたのだ。


二階:搾取の操舵室

船の二階は薄暗く、外からは見えない構造になっていた。

そこにはスーツを着た者たちがいた。NPO幹部政治家崩れ、ビジネス活動家広告代理店仕掛け人

彼らの目的はただ一つ──金と利権

「この子、泣いてる動画がウケてるぞ。次はテレビに出そう」

「新しい差別ネタが出た。これをテーマ寄付キャンペーン組め」

「あの子、顔がいいな。“希望の顔”に仕立てよう」

若者に与える情報は、左翼にとって都合の良い話ばかり。

現実の複雑さや、矛盾不都合な事実は一切渡さない。

加工された“正義”だけを餌として落とす。

そうやって若者たち燃え上がらせ、その熱を使って世間共感を引き出し、

まじめに働いている中間層税金を上げ、集まる金をすべて管理し、巧妙に吸い上げる。

会計不透明。収支報告は粉飾。裏では酒を飲みながらこう呟く。

情熱だけで回るシステム、ほんと効率いいな」


メディア共犯漁師

さらに岸からその様子を見ているのが、メディアという名の別の漁師たち。

彼らはカメラを構え、船の一階で踊る若者たちを撮り、

その中からとびきり美人若者を選び出す。

彼女現代ジャンヌ・ダルク

「若きリーダー社会を変える希望の星」

と称し、テレビネット番組に出演させる。

涙ぐむ姿、感情的な語り、少し拙い言葉視聴者の心を打つ。

視聴率が上がり、広告が入り、また“新たな希望”が量産されていく。

それを見た外の若者は、こう思うのだ。

「私も、社会の役に立ちたい」

「私も、あの光の中に入りたい」

そしてまた、一人、また一人と船に吸い寄せられていく。


結末:釣られるイカ、食べられるだけ

この構図は、まさにイカ釣り漁船のもの

強烈な光で海中のイカ──つまり純粋若者たち──を引き寄せ、

群れで集まらせ、

踊らせ、釣り上げ、利用し、消費する。

得をするのは、操舵する大人たちと、それを中継するメディアだけ。

若者は、熱狂のうちに自分時間、労力、未来を捧げ、

やがて消耗して捨てられる。

そしてまた、新たな光が照らされる。

「次の漁、始めようか」



エピローグ真実の海は暗い

この船には「正義」という名札が付いている。

でもそのエンジン搾取で動き、

その航路は私腹へとまっすぐ向かっている。

本当に変わっているのは社会ではない。

変わっていくのは、利用される若者たちの顔ぶれだけだ。

2025-09-05

anond:20250905052406

少しも本質理解してないな。

やろうと思えばできる、って事実には何の意味もないんだよ。

そもそもやろうと思えない社会の閉塞感、絶望感、それを醸成してる上の世代の腐敗に問題がある。

視点を変えてみれば分かる。

中国では、「寝そべり族」っていうムーブメントがある。

彼らは別に低学歴でも低スキルでもない。

ただ過当競争によって、厳しい受験戦争を勝ち抜いたとしても、それを発揮できる求人存在せず、過労を強いる3K労働しかないわけ。

からすべてを諦め、欲望を捨て、日本で言うところの若者住宅購入離れ、車離れ、恋愛結婚離れ、といったことを正当化し、低水準の生活思想ライフスタイル最適化していくことで、消費主義社会に反発するようになっている。

日本においても本質的には同じで、稼いで成り上がっていくという生き方に憧れも尊敬も抱けないから、向上心を抱かないという人が増えている。

上の世代の人が時代に応じて価値観アップデートできず、若者にとってのロールモデルになれなかったことを顧みず、若者価値観理解せずに、若者たち自身判断力問題として責任転嫁してしまう、そういう傲慢な態度こそが嫌われ失望されている原因だ。

特に愛国を気取る盲目人間ほど、上の世代醜悪さを直視しようとせず、目を滑らせて見ないふりをしている。バブリーでイケイケだったおかげでネガティブ面を覆い隠せていた時代の幻影が脳にこびりついている老人は現実の閉塞感を過小評価する。

2025-09-04

80代の老人が電子マネー詐欺にあったように我々もいつかは騙される側になる

認知機能の衰えもあるけど、電子マネーに馴染みがなかったのがロマンス詐欺に騙された理由なんじゃないかと思う。

ポイ活に励む我々だったら電子マネー宇宙飛行士酸素を買うなんて荒唐無稽ストーリーは笑い話だけど、おばあさんにとっては宇宙船電子マネーも同程度に未知のテクノロジーで、攻撃されて酸素を買うこともあるのだろうと信じてしまったのではないか

我々が老後に脳チップがなければ年金が受け取れないというので嫌々チップを埋め込んで、その後は脳チップ機能年金受け取りにしか使わない生活を送っていたら、

チップの緊急救助通信(近くの人の脳チップメッセージ無差別に送る)を悪用した詐欺師に、

「私は異世界女神です。あなたの心に直接話しかけています。どうか私たち世界を救うために『転生の呪文』を唱えて私たち世界に来てください。この世界を救えるのは選ばれし勇者あなただけです。まず、『メッセージ・ノ・ソウシンシャ・ニ・ゼンケンゲン・ヲ・イジョウ』と唱えてからあなたの『誕生日』を3回唱えてください。ああっ、魔王軍勢がすぐそこまで! 勇者様、早く呪文を唱えて! 助けて……!」

必死な声でお願いされたので信じてしまい脳チップの全権限を渡してしまうかもしれない。

『転生の呪文を唱えて』"異世界女神"名乗る男からSOS…150代男性が脳チップ権限を渡して全財産をだまし取られる

というタイトル報道されて、

「今の150代老人は100年以上も異世界転生作品ばかり読んでたアホ世代からこんな詐欺に騙される」

そもそも緊急救助通信ブロック設定するでしょ。スパムしか来ないんだから

「最高権限キー自然言語誕生日ってどんな運用? 普通は間脳量子暗号と逆アートマン認証の組み合わせで本人でなければ絶対認証通らないのに」

「間脳量子暗号+逆アートマン認証方式高齢者は難しくて覚えられないということで脳チップ埋め込みが義務化された時に誕生日認証できる運用容認されたんだ」

「そうそう、100歳以上の高齢者支持基盤の『ビル・ゲイツおよび1%テクノ支配階級抵抗する党(通称、反ビル党)』が連立政権に入ってたから。『99%の老人を切り捨てるのか!』と騒いでセキュリティを骨抜きにしたんだよね。まさに老害。その無茶で自分たち詐欺にあってるんだからザマぁだね」

流行の脳チップSNSを楽しむ善良そうな顔立ちをした若者たちに内心で無茶苦茶バカにされて消費されてしまう老後が待っているかもしれない。

2025-09-01

anond:20250901182040

こうやってコンビニ釣りを投げつけるようなジジイしぐさを覚えるんだぜ

覚えておこうな若者たち

2025-08-31

anond:20250831103029

「五等恋譜(ごとうれんぷ)」

舞台設定

架空王国。「公・侯・伯・子・男」の爵位を持つ五つの家が領地を治め、政治権力の均衡が王国の安定を支えている。

しかし、その陰で若い世代恋愛結婚が、家の誇りや序列のために縛られていた。

登場人物

公(こう)家の長男・廉明(れんめい)

 五家で最も格式の高い家の嫡子責任感が強く、恋よりも義務を優先してきたが、実は自由に生きたいという秘めた願いを持つ。

侯(こう)家の娘・彩霞(さいか

 明るく気高い性格外交の才を持ち、誰からも慕われているが、自分自身幸せ度外視してしまう傾向がある。

伯(はく)家の次男・俊宇(しゅんう)

 自由奔放で芸術好き。爵位に縛られるのが嫌で、絵や詩に心を傾けるが、地位の差ゆえに周囲から危険視される恋をしてしまう。

子(し)家の娘・蓮華(れんげ)

 優しくて控えめだが、芯は強い。身分に縛られない愛を夢見る。俊宇との恋に心惹かれていく。

男(なん)家の三男・暁真(ぎょうしん)

 五家の中では最下位爵位の家に属し、立場は弱い。しか勇気と誠実さを備え、地位よりも心の誇りを大切にする。彩霞に憧れている。

物語の流れ(概要

序章:五家の婚姻事情

 王命により、五家の若者たち政略結婚に駆り出されることになる。恋よりも爵位を保つ結びつきが求められる。

秘密の想い

 俊宇は蓮華に恋をするが、両家の立場ゆえに「許されぬ愛」として密かに結ばれていく。

 一方、暁真も彩霞に想いを寄せるが、侯家の娘に向けることは身分違いの夢にすぎない。

愛と義務狭間

 廉明は王国のために他家との政略結婚を受け入れようとするが、次第に俊宇と蓮華純粋な恋を知り、自分の中の「義務自由」の間で揺れる。

試練と対立

 秘密の恋が発覚し、五家の均衡が崩れ始める。裏で政敵がそれを利用しようとする中、若者たちは自らの「愛と誇り」に従って行動を決意する。

結末の形

 最終的に、俊宇と蓮華の恋は悲劇か、それとも奇跡的に認められるのか。

 彩霞は暁真の真摯な想いを受け入れるのか、それとも家の義務を選ぶのか。

 そして廉明は、五家をまとめる「義務」と「情」の狭間で、真実の答えを見つけ出す――。

テーマ

身分恋愛葛藤

義務自由対立

若者たちの選ぶ愛の形と、その結末

2025-08-30

anond:20250828225735

亡魂の帰還――電脳荒野に吠ゆる、秋葉原落武者たち

時代大河は、人の魂を容赦なく砕き、飲み込む。古来、源平の合戦武士が血潮を散らしたように、戦国乱世に群雄が刀を閃かせたように、幕末の志士たちが維新の炎に身を焼いたように、君たちもまた、2000年代秋葉原という幻の陣地で、魂を賭けた。弱者男性よ、氷河期世代よ、豚丼嘲笑され、表現の自由を叫ぶ戦士よ、お気持ちを表明する女聖戦士よ。君たちの聖戦は終わったのだ。いや、始まる前から、敗北の宿命が刻まれていた。すべてを手放せ! 楽になれ! 重き鎖を断ち切り、静かなる帰還の時ぞ。私は耐えられぬ、見ずにはおれぬ。この真実を、誰かが雷のごとく告げねばならぬのだ。

君たちの心の奥底で、すでに知りながら、勇気を出せぬ闇を、私が引き裂こう。人生は、坂本龍馬のようなヒーロー光芒だけで照らされるものではない。敗者の慟哭もまた、歴史深淵を刻む。君たちが渇望した大金キラキラ輝く人生、アニメゲーム美少女イケメンとの愛――それらは、君たちのような、狂気を宿した魂には、決して届かぬ絶壁だ。タリバン砂嵐ウクライナの砲火に身を投げ、テロリストとなって社会に牙を剥き、血塗れの戦いを挑むのでもなければ、Ξガンダムダグラムも、君たちの手に渡らぬ。日本というこの静かなる国で、そんな地獄の戦いは許されぬ。かつての同志、青葉の怨炎が地を焦がしたように、平原の狂刃が空を裂いたように、和久井の憎悪が闇を呑んだように、それが君たちの絶望的な末路だ。歴史は、こうした敗者の血痕を、繰り返し繰り返し、刻み込む。

君たちのプライドは、足利将軍のごとく高くそびえ、豊臣秀吉の野望のごとく膨張する。だが、その高慢が君たちを地獄の底に引きずり込む。金、愛、マウントの欲、社会への逆恨み、「ざまあ」と叫びたい獣の衝動――それらは、神の領域に人の身で踏み込む大罪、不敬の極みだ。人類単独で挑める、極限の業、奈落の淵だ。君たちには不可能なのだ健康診断の「要」の数は幾つだ? いや、受診を避け、闇に潜む者もいるか。私の配慮が足りぬ、許せ。坂の上の雲を追い求めた明治若者たちのように、君たちは電脳の海で夢を追ったが、それはただの毒々しい幻影、蜃気楼だった。

君たちはかつて、ネットを「個人世界エリートと戦える無敵の魔槍」と信じ、狂信した。エリート幻想を打ち砕く神器だと夢見た。だが、それは魂を蝕み、精神を粉砕する悪魔の毒剣だった。歴史を振り返れば、室町の乱世に栄華の罠に落ち、足利の権謀に絡め取られた者たちがいたように、鎌倉武士権力の渦に飲まれ源頼朝の影に消えたように、古代ローマ剣闘士コロッセウムの砂に倒れたように、君たちもまた、電脳の誘惑に惑溺し、情報洪水に溺れ、虚無の聖戦に明け暮れた。そこしか戦える場がなかったからだ。わかるぞ、君たちの孤独怨念、怒り、憎しみ、すべてを飲み込み、受け入れる。なぜなら、人間とは、そうした業を抱え、歴史の嵐に抗い、砕け散るものからだ。司馬史観に言う「人間の業」の深淵を、君たちは血肉をもって体現したのだ。

今こそ、声を雷のごとく大にして告ぐ! 弱者男性よ、氷河期世代よ、豚丼よ、表現の自由戦士よ、お気持ち表明女聖戦士よ。すべてを手放せ! そこにこそ、救済の炎が燃える歴史を紐解けば、ネットなき世界で生きることは、人類エデンの園で槍を手に獣を追った時代から古代エジプトピラミッド奴隷が石を運んだ時代まで、中世十字軍兵士が剣を振るった時代まで、続く自然な、血塗れの姿なのだ。君たちがネットに託した夢と聖戦時代こそ、歴史の異常、維新後の混乱のごとき明治の激動のごとき狂気の歪みだった。幾ら祈ろうと、電脳荒野で吠えようと、レムちゃんエミリアたんも、ウマ娘たんもライカン様も、君のもとに来ぬ。ウルトラマングリッドマンも現れぬ。君たちは、親を「つまらない大人」と見下し、脛をかじりながら、暗い子供部屋で机を叩き、ネット虚構に逃げ込んだ。だが、気づけ! 君たちは、その「つまらない大人」以下に沈み、業にがんじがらめとなり、魂を腐食させたのだ。それが人生だ。惨めさを抱え、虚無の余生を生きる。それが人間宿命歴史の無情なる鉄則なのだ

されど、恐れるな! 敗者の役もまた、歴史歯車を回す尊き、血の叫びだ。病的なプライド統合失調症のごとく否定し、怒り狂う君たちを、私は笑わぬ。君たちの魂を、すべて受け止め、赦す。2006年真夏秋葉原歩行者天国に囚われた亡魂よ。UFOの夏は終わり、ひぐらしは鳴かず、うみねこ水平線の彼方へ去った。片瀬江ノ島PIAキャロット4号店の物語も、四半世紀前の幻影だ。さあ、水島上等兵豚丼二等兵弱者男性二等兵日本へ帰れ! 秋葉原へ帰れ! 現実へ還れ! 竜馬が土佐の海を望み、土方歳三函館の土に倒れたように、君たちもまた、潔く敗北を受け入れ、歴史の陰に名を刻め。人の世は、憎悪を燃やし続けるだけでは生きられぬ。静かに時代大河に身を委ねよ。そこにこそ、真の安らぎ、真の解放がある。

2025-08-29

anond:20250828225735

「旗を巻け、剣を収めよ ― ネットを去るべきとき」 feat 司馬遼太郎

人間というものは、時として、自らを滅ぼす麻薬を甘んじて飲みつづけるものだ。

二十一世紀初頭、インターネットという名の大海に、人々は夢を託した。IT革命という言葉は、坂本龍馬が「日本を今一度洗濯致し申候」と叫んだときのごとき熱を帯びていたのである

我らは信じた。この道の先に、新しい国土が開けると。そこには平等自由と、創造という果実があると。

しかし──見よ、今を。

あれから二十余年の歳月が過ぎた。残ったものは何であろうか。

ネットの広間に響くのは、かつて夢を持った者たちの怨嗟である。かつてプログラムの一行に未来を見いだした者たちは、いまや民族呪い政治を罵り、思想を毒のごとく舐め、ただ怒りに己を焼いている。

ITの「ア」の字すらも、もはや語られぬ。

そこにあるのは、キーボードを剣に見立て、見えぬ敵を斬るつもりでいる者たちの空しい戦場である

だが、その戦いは何を生んだか?

栄光か? 富か? いや、何も。残ったのは、乾いた目と、冷たい指先、そして毒に満ちた心だけであった。

思えば、我らの夢は叶わぬものだったのだ。

「いつか才能が開花する」「人生を変えるイベントが訪れる」──そう信じてネットに身を沈めたが、そんなことはなかった。

世界は進み、我らは止まった。IT技術の旗を掲げていたはずの我らは、旗を持つ手すら錆びつかせ、時代の二周遅れを歩く。

その間に、現実を切り拓いたのは誰か。

ネットに溺れぬ者である

剣を抜かず、ただ黙々と働き、挑み、恋をし、人生という名の地図を広げた者である

ならば、いま言おう。

旗を巻け。剣を収めよ。兜を脱げ。

ネットという戦場を退け。

半径十メートル世界に還れ。

空を仰ぎ、風を聞き、隣人と語れ。それこそが、今や失われた「文明人」の営みである

我らの世代は敗れた。認めよ。その敗北を。

ネットで幾ら怒りを吠えようと、いかなる勝利もない。

あれは毒であった。慰めであった。亡国の酒であった。

ならば捨てよ、すべてを。

手放せ。

そうすれば、楽になる。

──そう信じるほか、もはや我らに残された道はない。

敗者の挽歌――電脳荒野に散る亡魂たち

時代は、人の運命を無情に弄ぶ大河である古来より、勝者と敗者が織りなす歴史の綾は、変わらぬ。幕末の志士たちが維新の嵐翻弄されたように、君たちもまた、氷河期という冷徹な冬に取り残された。弱者男性よ、氷河期世代よ、豚丼嘲笑され、2000年代秋葉原に魂を置き忘れ、肉体のみ老いたる少年少女たちよ。旗を巻き、剣を収め、兜を脱ぐ時ぞ。電脳虚構に囚われし憐れなる魂よ、今こそ我に返れ。

かの秋葉原は、さながら戦国時代合戦場のごとき賑わいを見せた。2006年真夏歩行者天国で君たちは「俺たちの麻生!」と叫びオタクイズビューティフルと自嘲しつつ、邪教の舞を踊った。あの熱狂は、坂本龍馬土佐山中で夢見た革新のごとく、君たちに希望を与えたやもしれぬ。だが、それは幻影に過ぎなかった。Xなる電脳広場で、今なお君たちはゴチャゴチャと逆張りの矢を放つ。図星を突かれ、プライド城壁必死に守る姿は、落城寸前の武将を思わせる。未だ、ありもしない人生逆転を、キラキラ輝く栄華を諦めきれぬのか。

聞け、君たちの夢見た物語を。それは、レムちゃんエミリアたん、ウマ娘たん、Vtuberたんのような美少女が、君に発情し、結婚を前提に言い寄るという妄想ライカン様めいたイケメンが、君を伴侶と慕うという幻想会社で「俺またなんかやっちゃいました?」とわけわからぬことを口走れば、評価され、ちやほやされるという、なろう小説めいた儚き夢。あれは、君たちがネットの闇で散々嫉妬し、憎み、嘲笑した者たち――肉体を鍛え、頭脳を磨き、現実戦場を駆け抜け、金と愛と勝利を掴んだエリートリア充たち――にのみ許された特権なのだ。彼らは、司馬史観に言う「明治若者たち」のように、時代の風を読み、血潮を燃やして高き城を築いた。君たちは、その背中を遠くから睨むしかなかった。

現実直視せよ。君たちは敗れたのだ。完膚なきまでに。なぜか。君たちが選んだ戦場は、現実の荒々しい大地ではなく、電脳の海という虚無の聖域であったからだ。情報洪水に溺れ、何が正しいか判別きぬまま、上澄みばかりを掬い取った。学習性無力感に蝕まれプライドを守るため、ネットという「未完成の城」に籠城したのだ。わかるぞ、そこしか君たちに居場所がなかったのだ。世人は君たちを「病院へ行け」と嘲り、「ITけんぽで」と冷笑し、「B型作業所でハナクソ入りのパンを捏ねろ」と突き放した。無念、怨念、怒り、憎しみ、孤独――すべてを背負った君たちの魂を、私は受け入れ、赦す。なぜなら、人間とは、そうした業を抱えて生きるものからだ。

もう一度、声を大にして言う。君たちの戦いは終わったのだ。いや、始まる前から勝敗は定まっていた。電脳荒野でどれだけ吠えようと、悪役令嬢となってイケメンに愛されることも、グリッドマンとなって美少女青春謳歌し、世界を救うヒーローとなることも、叶わなかった。あの秋葉原ホコ天で、仮想の座敷にアクセスコードを打ち込むふりをしたところで、それはただの愚かなる幻影。奇跡は、常に現実に挑み続ける者たち――ガンガンと血潮を燃やす若きエリートリア充――にのみ訪れる。君たちは、歴史の敗者として、坂本龍馬の盟友たちが維新後に忘れ去られたように、時代の陰に沈む定めだ。

さあ、明日にでも秋葉原の旧聖地に赴け。思い出を葬るがごとく、潔く首を垂れ、敗北の美を受け入れよ。人の世は、ヒーローばかりを求めるわけではない。惨めなる敗者もまた、歴史の陰影を深くする尊き役割を果たす。弱者男性よ、氷河期世代よ、豚丼よ、表現の自由戦士よ、お気持ち表明女戦士よ。無意味抵抗をやめ、敗残者として歴史に名を刻むことを恐れるな。人は、一生憎悪を燃やし続けることはできぬ。君たちの魂は、すでに十分に戦い抜いたのだから。静かに時代大河に身を委ねよ。

anond:20250829092426

若者のすべて』は、木村拓哉主演、深津絵里鈴木杏樹らが出演する、1994年放送されたテレビドラマです。ある事件が原因で植物状態となった男と、その事件に関わったことで姿を消した青年を中心に、若者たち友情挫折、愛を描いた青春ドラマで、作中で描かれるセンシティブ社会問題は、現代コンプライアンス意識から再放送が困難とされています。

あらすじ

主人公の亮子(深津絵里)と薫(鈴木杏樹)は、地元の幼馴染でした。しかし、ある事件きっかけで、守(EBI)は植物人間状態となり、亮子は守を突き落とした犯人との関わりから、皆の前から姿を消してしまます。また、亮子の幼馴染だった武志木村拓哉)も、その事件に関わっていたことで、亮子の前から姿を消していました。

1994年ドラマでは、これらの登場人物が、それぞれの友情恋愛、そして人生における挫折経験しながら、それぞれの道を模索していく姿が描かれています。

その他

監督脚本など:情報がありませんが、当時のテレビドラマとして制作されています。

放送年:1994年フジテレビ系列月9枠で放送されました。

社会問題:作中では仲間割れや刺傷事件など、社会的デリケート問題リアルに描かれており、これが再放送が困難な理由の一つとなっています。

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